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更新日:2017年9月22日

ユキヒョウの繁殖の取組結果について

ユキヒョウ①

 円山動物園では、今年度ユキヒョウの繁殖に取り組みましたが、残念ながら出産には至りませんでした。以下、取組結果等について報告します。

〇繁殖期の行動から

 2頭を同居した4月20、21、22日の3日間、多数回の交尾が確認された後、5月には♀シジムの発情行動が見られなくなりました。ユキヒョウの発情は季節(12月~5月)の間に定期的に現れるため、今季の繁殖期が終了という可能性も考えられましたが、交尾が確認されたため、6月以降は出産を視野に入れて注意深く観察・記録・考察をして飼育をしていました。また、ユキヒョウの妊娠期間は90~105日なので、出産予定日は、2017年7月19日(初回交尾から90日目)~8月6日(最終交尾から105日目)と予測しました。

 

〇最終交尾から現在までの行動・・・飼育日誌より

・5月中旬から、日中の行動が減り地面や上部での休息が多い、食欲は旺盛、給餌の馬肉を2㎏から2.5㎏に増量。

・6月4日 出産準備①:寝室内に産箱設置。

・6月中旬 下腹部がやや膨らんでくる、毛変わりがなく冬毛の状態。     

・7月初旬 食欲がさらに旺盛、馬肉3㎏に増量。

       出産準備②:産箱内に稲ワラを敷く・監視カメラ設置、

       寝室内に産床設置・冷房作動(室温22度)。

 ・7月20日 下腹部がさらに膨らむ、後肢を開脚で歩行している、食欲旺盛が続く。

    24日 日中の放飼後から地面に座り動かなくなる

・8月4日 夜間に数回、産箱に入るようになる、滞在時間2分20秒。

・8月6日 最終交尾4/22から105日目、下腹部の膨らみ・食欲旺盛が続いているため、要観察を13日まで継続することとする。

   7日 夜間に4回、産箱に入る、滞在時間合計16分、陰部周りの毛づくろいをしているが、出産の痕跡は無い

   11日 食欲が減退してくる。

   13日 下腹部の膨らみは続いているが、食欲減退、産箱での滞在がほぼ無くなったため、今季の出産は無いものと判断する

 

〇繁殖の取り組みを振り返って

 ♀シジムと♂アクバルの繁殖に向けて、まずはシジムの発情周期を調査することが課題でした。このため、観察により発情時の行動を見極めることとし、①獣舎の捜索・マーキング行動が盛んであること、②発情声をだすこと、③オリ越しのアクバルを見て体をすり寄せる・床に腹を見せて仰向けに転がる、等の行動が発情のサインであると判断しました。

 また、発情の期間は4回、発情周期は最短で22日、最長33日でした。

 1回目:1月11日~13日…3日間 ※微弱

      22日間隔

 2回目:2月5日~2月12日…8日間※微弱を含むと11日間(2月5日~2月15日)

      26日間隔

 3回目:3月11日~3月17日…7日間

      33日間隔                  

 4回目:4月20日~4月22日…3日間 ※微弱を含むと9日間(4月16日~24日) 

 

 また、♂アクバルはもう一頭の♀リーベに大変好意的なため、シジムが発情していても、シジムへ意識が集中していない状況でした。シジムへ意識を移行させる試みとして、1月から適宜、お互いの展示場を日に数回交代し、発情中の尿の臭い(マーキングポイント)を確認させて、常に同一空間で過ごしているという環境づくりをしました。その結果、シジムが発情していた合計8日間、アクバルの意識がシジムへ集中するようになり、ペアリングが実施できました。

・同居実施日

 ①3月15~17日(3日間)

 ②4月18、20~23日(5日間)

・交尾確認日

 4月20日:交尾28回、射精8回

   21日:交尾32回、射精3回

   22日:交尾19回、射精4回

 

〇来季の繁殖期に向けて

今回の繁殖はこれまで長らくユキヒョウを飼育していた熱帯動物館ではなく、新しい施設である寒帯館で初めての取組でした。寒帯館は、複数の寝室が隣り合っているため、ペアリングの際には、動物の動きを見ながら仕切り扉を操作して、ペアの意識が強くなれば同居、弱くなれば別居という状態を作り出しました。このことにより、円滑な交尾行動への誘導、またペアリング中の闘争リスクを軽減することができると判りました。 

来季は、シジムの発情期間がある程度予想できるため、早期の段階から互いの展示場所を交代させ、お互いへの意識を高めることが可能と考えています。また、♂アクバルのシジムへの意識が集中している日には、ペアリング回数を増やすことで、繁殖に向けてさらなる前進ができるのではないかと考えています。

ユキヒョウ②

食欲旺盛が続く

ユキヒョウ④

産箱の外に、産床も設置した

ユキヒョウ③

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