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ホーム > 動物紹介 > アジアゾーン > アムールトラ > アムールトラ「アイ」の検査と治療について

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更新日:2020年7月24日

アムールトラ「アイ」の検査と治療について

アムールトラ「アイ」

アムールトラの「アイ」

【2020年7月19日追記】

7月17日(金曜日)に、触診、X線検査、血液検査等を行いました。
検査後、麻酔から無事に覚醒し、18日から給餌も出来ております。
検査結果については次のとおりです。

<診察結果>

触診、X線検査等の結果、体表の腫瘤は直径約1cmに腫れた乳頭であり、その下の左側乳腺に40cm程度に広がった腫瘤が認められました。この皮下の腫瘤は、腹壁と皮膚に浸潤しており、悪性の乳腺腫瘍であると判断されました。なお、現時点では、肺やリンパ節への腫瘍の転移は認められておりません。
腫れている乳頭部分は、出血痕が認められましたが、自壊はしていませんでした。
血液検査の結果では、腎臓が以前と同程度の不全状態である他、肝臓の数値が良くありませんでしたが、今回、短時間の麻酔には耐えることができました。
<今後の治療方針>
この乳腺腫瘍を摘出しようとすると手術範囲が広くなるため、術後は術創を管理(消毒・その他の手当)することが必要となります。これには複数回の麻酔が必要となるため体への負担が大きくなりかえって苦しめることになります。
また、悪性度が高いと考えられる乳腺腫瘍であるため、該当の部分をすべて摘出しても腫瘍細胞を完全に取り除くことはできず、根治は難しいと判断しました。
積極的な摘出による治療は困難ですが、皮膚面が自壊した場合には、出血と痛みを抑えるためにその部分を切除する短時間の手術を状態に応じて検討してまいりたいと考えております。
今後においては、アイがアムールトラとしての生活をより快適に続けられるようにという意味であるQOL(Quality of Life:生活の質)を保つため、日々さまざまな努力を行うとともに、現状で最善の治療と考えられる、腫瘍の状態に応じた、痛みの緩和や状態の悪化を抑える投薬を行ってまいります。

【2020年7月17日追記】

本日(7月17日)に、腹部腫瘤の検査を麻酔下で行いました。検査は終了し、無事に麻酔から覚醒しております。検査結果については、後日、お知らせいたします。
なお、明日以降の展示の再開時期については「アイ」の体調を確認したうえで判断したいと思います。

【2020年7月13日掲載】

7月17日(金曜日)にアムールトラ「アイ」の血液検査や腹部腫瘤の検査を麻酔下で行うこととしましたのでお知らせいたします。
6月14日にアムールトラの「アイ」の腹部に1cm程度の腫瘤があることがわかりました。
その後、大きさの変化がないかなど観察しつつ、どのような疾病の可能性がありどの様な治療が可能か検討しておりましたが、炎症や腫瘍等の判別をするため検査が必要と判断しました。
この検査により、全身状態と腫瘍の判定、転移の状態を確認し、腫瘍の場合は、後日、麻酔下で病巣の摘出手術を行います。
なお、乳腺腫瘍の場合、犬類では良性・悪性の判別や悪性の程度により摘出範囲を判断しますが、猫類の乳腺腫瘍は少なくとも70~90%が悪性であり、専門書による治療は乳腺を全摘出すると示されています。また、多くの場合、外科的摘出術を行った場合も転移・再発により、完治は困難であると考えられています。
腫瘍をすべて摘出できればよいのですが、トラの場合は小型のネコ科動物に比べて、体が大きく、摘出範囲が広くなるため、手術が長時間となり体力的に耐えられないという問題があります。
さらに、大きな手術をした場合は術後の手当てが重要となり、トラの場合、小型のネコ科動物のように管理することが出来ないことから手当てのために何度も麻酔をかけなければならないため、逆に身体に負担をかけることになり、死亡を早める可能性が高くなります。
一方、手術をしない場合、ある段階で自壊して痛みと出血が起こりQOL(Quality of life:生活の質)を保つことが難しくなるため、検査の結果、腫瘍であることが分かった場合は、小さな範囲で現在の腫瘤を摘出することで、少しでも楽にしてあげることが最善の治療になると考えています。
現在は、食欲、元気もあり、短時間の麻酔であれば耐えられる状態と判断して検査・治療を行います。「アイ」の健康状態を考慮し、負担を軽減するために麻酔の種類や量などに十分配慮し、細心の注意を払って安全管理に努めてまいりますので、皆さんも「アイ」を応援してあげてください。

【個体情報】

生年月日:平成14年7月16日(17歳、7月16日で18歳)

ベルリンティアパーク動物園生まれ

性別:メス

愛称:アイ

経歴:平成16年6月11日 円山動物園来園

【参考】
アムールトラ(別名 シベリアトラ)(ワシントン条約附属書1.表、レッドデータブック絶滅危惧種)
学名:Panthera tigris altaica
英名:Amur tiger
分類:ネコ目 ネコ科
分布:アムール、ウスリ、中国東北部
生息地:森林性で針葉樹林に生息
習性:ネコ科最大の動物。住む地域によって、5亜種に分類される。アムールトラはその1亜種。トラは世界中で3,400~5,000頭ほど生息していると推定されているが、そのうち2,000頭はインドに生息しているベンガルトラ。
 アムールトラは森林で単独で生活し、同性個体間でなわばりを守る。毛皮や漢方薬の材料としての乱獲、森林伐採等による生息地の減少により生息数は非常に少ない(推定350~400頭)。
 交尾期は11月~4月ごろで、妊娠期間は103日ほど。通常2~3頭を出産する。子は1歳半頃に親離れし、3~5歳で性成熟に達する。成獣で体長170~230cm、尾長100~120cm、体重130~300kg。
 メスはオスより小型。

このページについてのお問い合わせ

札幌市円山動物園

〒064-0959 札幌市中央区宮ヶ丘3番地1

電話番号:011-621-1426

ファクス番号:011-621-1428