■この街に必要なもの
札幌は130年の開拓の歴史がございます。その前には、アイヌ民族の方々が自然とともにこの北海道に住んでおられ、そして、明治維新で開拓がなされ、今のようなまちづくりをやってきたわけですね。そうした先人のさまざまなご苦労の中で、この数十年の間に、特に都市としての機能が非常に充実してきたという歴史が私たちにはあります。そして、基盤整備、よく言えば社会的なインフラといったものもしっかりと整った、そういう努力が重ねられてまいりました。
私は、そういう都市としての機能、住みやすさ、快適な暮らしやすさ、それなりの水準を保っている思います。
また、四季折々に本当に美しいまちです。自然環境からも、もちろん冬の雪とか氷といった厳しいものはありますけれども、色とりどりの美しい鮮やかさを見せて、非常に暮らしやすい場所です。そういったこととも相まって、みんなの努力によって、こうした暮らしやすく住みやすいまちをつくってきたと思っております。
そういう中にあって、今、このまちにはどんなことが必要なのかと考えたときに、私は、186万人という本当に大都市になったこの札幌において、大都市になればなるほど、人と人との関係が粗になっていくといいますか、疎遠になっていくと思います。昔、本当に寒い土地で、このまちをどうしたらいいかというときに、まちで肩を組んで一緒にやっていこうという意志をみんなで持てたものが、だんだん便利になればなるほど、その関係が、疎遠になっていくと私は思います。
このことを、これからのまちづくりの中でどうしていったらいいかと考えるとき、私は、やはり、このまちに本当に誇りが持てる、そして、このまちにいて良かったなと思えるまちづくりをしていく必要があると思うのです。何か与えられたものではなく、例えば環境、水道、下水道でもそうですけれども、まちづくりの中でいろいろなものが建って便利に使えるという場合に、これを本当に自分たちで造ったという気持ちが持てるかどうかがこれからは大事なのでないかと思うのです。確かに、便利にはなりました。しかし、だれかから与えられた、そういうまちではないかと思うのです。そうではなくて、やっぱり、自分たちが本当に必要なものはこうなのだ、自分たちで、みんなで汗をかいて、このまちをつくっていこうではないかという意欲を持ち続けることができるような、そんなまちづくりをしていきたいと思います。
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■札幌市の財政状況
やはり、今、お金が無いといいますか、財政が極めて厳しい状況です。そういう中において、私たちは、本当に自分たちの税金を正しく使う、私たちの本当のニーズに合った使い方をしていく、無駄遣いは一切しないということが大切です。そういうことからいっても、自分たちのまちを愛し、本当に自分たちのまちにとって何が必要なのかということをみんなで考えていく、そういう知恵を出し合わなければいけません。そのためには、このまちに対する愛着とか、愛情とか、隣人との関係をもっと密にしていくことによって、無駄遣いをせず、本当に自分たちの必要なものにお金を使っていくことにつながり、このまちづくりが発展していくのではないかと私は思うわけです。そのようにして、自分たちで選び取ったもの、自分たちでつくったものという気持ちをみんなが持てるようになって、自分がこのまちを愛することができる、そして、住んでいて良かったと思えるまちづくりになるのだと思います。
そのために、私は、芸術だとか文化というものが必要なのだ、これを育てていくことでみんながこのまちを愛し誇りに思うことができる、そのためには共通の文化を持ってこのまちを誇ることができるような、そんなまちづくりをしていこうではないかということで、芸術だとか文化といったものも大事にしていきましょうと提言させていただいています。
今、財政について、本当に厳しいと申し上げましたけれども、2兆3、000億円というとてつもない借金が残されております。だれが、どのようにこれをつくったのかという分析も、また、これからどのようにやっていくのかという検討ももちろん必要です。しかし、そういう現実がある中で、私たちはこれから何をしなければならないかというと、やはり税金を無駄無く使うということです。自分たちの自治をしっかりやっていくこと、このまちの借金をこれ以上増やさず、そして、自分たちの財産を有効に使っていくことにつながるのではないかと思います。
まず、まちの運営をいうときには、お金の使い方が一番大事な問題になります。それを、無駄無く、本当に必要なものを選び取る、そういう議論をみんなでしていくまちづくりをしていきたい、私はこのように思います。
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■連絡所の改編
いろいろ課題はございます。今、借金をどうしたらいいかと。地下鉄の問題もそうですね。だれかが何かをやってくれるのだろうと思っていたのでは、やっぱりいけないのですね。自分たちのまちの大事な足をどうやって守るのかということは、みんなで議論をしていなければなりません。
そのためにも、私は、そんな議論をする場所をどこにつくるかということがこれからの大切な課題だと思っております。その時、連絡所あるいは地区センターとか、住民に対して札幌市の行政の最先端になる場所が今あるわけです。この連絡所、及び出張所が87カ所あります。私は、この87カ所の連絡所などを、もっともっと市民の皆様が利用できるような、まちづくりの中心になるような、そんな組織に改編していきたいと思っております。
各地域の中で連合町内会がございます。連合町内会の皆さん方が、連絡所とともにたくさんの仕事をされていることは承知をしておりますけれども、連絡所の役割について、町内会の仕事だけではなく、住民組織とか学校とか、いろいろな組織との関係を調整するような、あるいは、新しく町内に入ってこられた方々と連携をとる、そういう活動を支援をしていく役割を持つことができたらいいなと思っております。
今までの町内会の活動というのは、本当に多くの方々がご苦労をされ、頑張ってこられたと思います。その活動は、当然これからも必要なことでありますけれども、それに加えて、今まで町内会活動に参加されていなかった方で、地域の中でいろいろな問題に関心を持ちながらまちづくりに興味を持っておられる方がおられますので、そんな方々をくっつけていくといいますか、ネットワークしていくようなことがこれから必要ではないかなと思っております。
例えば、子供たちの教育の問題について、学校でよく問題になります。PTA活動も行われるわけです。ただ、PTAだけでは解決できない問題もあります。そのPTAで関心を持ったお父さん、お母さん、保護者の方々も、教育問題について少し全体で考えようではないかというような問題提起をしていく。さらに、町内会とも連携をとっていく、あるいは、商店街の方々とも教育の問題を一緒に考えていくようなことができるはずなのですね。そして、地域の中で、子供たちをみんなで育てていこうではないかと問題提起をして、人と人をくっつけていくといいますか、コーディネートしていく、そんなことも連絡所の中ではできるのではないか、そういう中でまちづくりというものの知恵ができてくるのではないか、私はこのように思っているわけであります。
札幌市役所はこれから何をするかという中で、庁内分権と言っていますけれども、本庁の権限をどんどん分散して、もっと区役所に権限を持たせよう、そして、その区役所から連絡所あるいは出張所というところが住民の皆さん方と密接な関係をもっともっとたくさん持つように努めていきましょうということを今提言させていただいて、これからやろうと考えているところであります。
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■情報の公開と提供
財政の問題、行政のやり方の問題といろいろございます。今、広報の問題も、非常に重要な問題としてとらえております。今まで、札幌における広報の方法、手段としてはいろいろありますけれども、その一つとして広報さっぽろを出しています。この中に、今までお知らせという形でいろいろ出ておりましたけれども、これからは、市民の皆さんに決まったことをお知らせするのではなく、これからどうしたらいいかということについて問題提起をしていく、そんな広報をやったらどうかということで、この3回ほど、スタイルを変えました。
最初は9月号で、漫画仕立てで、私の考える市民自治はこういうことだということを広報させていただきました。
10月号では、駅前地下歩行空間の問題と創成川アンダーパス連続化の問題をどうするかということについて、今、話はこういうふうになっていますということ、賛成する方、反対する方といろいろ意見がありますということ、そろそろみんなで決めていかなければならないけれども、市民の方も関心を持っていろいろ意見を述べていただきたいということを広報させていただきました。
11月号では、今、問題になっております敬老パスの問題です。どんなことが議論されているのかという現状を積極的に分析して、市民みんなで議論をしようというときの素材を提供していく予定にしているところであります。
このように、私たちは、これから、自分たちの問題を自分たち自身で解決していく、私たちの意見を反映しやすいような仕組みをつくっていくために、情報公開、情報提供ということを一生懸命やっていきたいと考えているところです。
そういう意見をどこでまとめていくのかということは非常に重要な問題です。町内会の中で議論をしていただく、それも結構です。あるいは、連絡所を中心に議論を寄せていただく、区役所に、こんな意見がある、私はこうしたいという気持ちがあるということを寄せていただいても結構です。私の方に言っていただいても結構です。いろいろなところで、いろいろな議論をし、それが私どもに上がってくる、そして、私ども執行機関が意見を聞いて、こういう議論が市民の意見だということで議会に提案していく、そういう形で行政を進めていきたい、このように思っているところです。
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■みんなでしっかり議論する
私は、皆さん方の地域における日ごろのご努力といったものが、本当に大変な歴史を持ち、ご苦労されているということを十分に理解をしながら、今札幌市が抱えているさまざまな問題について、積極的に意見を述べていただけるような、そんな町内会であり、地域活動がこれから展開されていくことが、札幌市の地方自治をしっかりやっていく力になるのだというふうに固く信じています。
日ごろの皆さん方のご活動をお聞かせいただきながら、これから、さまざま地域で、この地域にはこういう施設が必要だ、この地域にはこんな施策が必要だという個別のご要望もあろうかと思います。そういうご要望を持たれる原因というのはどこにあるのか、それがその地域の方々にとってどんなに大切なことかと語っていただくことと同時に、他の地区との関係で、自分たちの要望がどれくらい優先順位があるのかというようなこともみんなでしっかり議論する、そういうことも必要なことだと思います。
そんな場がなかなか持てないというのが今までではなかったかと思います。自分のところに必要なものは一生懸命考えるけれども、人様のところではこんな必要があるということとの比較、必要性の度合い、どれを先にしたらいいかという優先順位などの議論もやはりこういう場でしていくことが大切ではないか、それが、私たちの社会というものをつくっていく、札幌市をつくっていく、そういうことになるのだと私は思います。
かたい話ばかりをして恐縮でございますけれども、私は、ざっくばらんに多くの市民の方々からお話をちょうだいしながら、豊平区の現状をお伺いして、これからの市政の中でそれを自分の考え方の基礎に置いていきたいと思っています。
今日一日でお話が終わるわけではありません。私は、月に1回、いろいろな区で必ずお話をしようという約束をしてまいりました。1年目のことしは、6月に選挙があったということもございまして、ことしじゅうに10区全部のお話を聞きたいということで、今日で6区目であります。今まで9月、10月は月3回、6区でタウントークをやっております。こういう感じで、来年度からは、月に1回、必ずどこかのまちでやるように考えておりますので、今日、述べられなかったことについては、またの機会に発表していただければありがたいと思います。
そして、今日に限らず、いろいろな手段でお手紙を頂戴したり、議論を提供していただくようなことができればうれしいなと思いますので、どうかよろしくお願い申し上げます。
最初のごあいさつということでお話し申し上げました。今日は、どうかよろしくお願い申し上げます。
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