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更新日:2013年3月1日

12.馬鉄が走ったまち

■「馬鉄」がなぜここにあったのか

脱線した馬鉄を押す人々(昭和9年) 現在は手稲から石狩市花畔まで、真っすぐに伸びる石狩・手稲通が四車線舗装道路として札幌市と石狩市とを結ぶ交通の要となっています。明治14年(1881)軽川駅(現JR手稲駅)ができたときの道路の様子は、当時の資料から見ても想像以上にひどい路面状態だったようです。
 夏は何とか通行可能でしたが、秋になると道路が田んぼのような泥沼状態、大きな水たまりもあちらこちらにできて、歩いて通る所もなくなるくらいでした。馬車もぬかるみにはまり通れなくなってしまったこともよくあったといいます。
 こんな状態でおおよそ道路といえるものではなかったことから、鉄道敷設を求める声が手稲の住民の中から上がり、馬が引く「馬鉄」の運行の実現となりました。

■軽石軌道株式会社の営業

 軽石軌道(※1)株式会社創立趣意書によれば、手稲村の有志が企画し、第一期は軽川と花畔間、第二期は花畔から石狩間の貨客の輸送を目的として計画されています。大正11年(1922)輸送開始の特許を得て、その年の10月28日に開業に至っています。
 線路は軽川より花畔まで一直線に花畔方面に向って道路の右端(札幌側)に敷設されていました。軽川から花畔間8.21km、単線で線路の幅は約76cm。客車は1日3往復、片道40分から60分で運行していました。
軽石軌道株式会社創立趣意書(手稲記念館所蔵) 車両は札幌の街中を走っていた馬鉄が大正7年(1918)に電車に替わったので、この中古の客車を払い下げてもらい1両に12人乗りの客車3両と屋根のない無蓋車(むがいしゃ)の貨車12両でスタートしています。
 駅は、軽川・新川・南4線・南7線・南9線・花畔の六つあり、軽川駅は木造平屋で、待合室、事務所、駅長住宅を兼ねたものでした。その他の駅には駅舎はなく、待合室は近くの商店が提供してくれていました。
 乗客は1日平均20から30人程度、1区間6銭の乗車賃で営業されていましたが、それも昭和6年(1931)以降は減少の一途でした。また、貨物は石狩花畔方面よりエン麦、小豆などの雑穀類や石狩・五の沢の原油、沿線農場の牛乳が軽川駅へ、軽川からは生活物資や資材などが石狩・花畔方面へ運ばれていました。冬季は運行休止で4月から11月までの間が操業期間でした。
 営業状況は毎年赤字続きで、北海道拓殖補助金で赤字を補填しており、この補助金がなければ鉄道事業の継続は困難でした。
 第二期工事線は花畔から石狩までを運行区間として、昭和3年(1928)に特許を得ましたが、既に札幌から茨戸まで札幌軌道が運行されており競合することから開業されることはありませんでした。
 軽石軌道の営業は昭和10年(1935)まで。道路が良くなり自動車も増えたため利用客は減り、採算も取れなくなったことからこの年に廃業して、翌年には線路も撤去されています。正式に廃業の許可を受けたのは、昭和15年(1940)のことです。
 ※1 軽石軌道については、「北海道大百科事典」などではガルイシと呼んでいますが、地元の人々はケイセキと呼んでいたようです。それよりも、通りの良かったのはただ「バテツ」という呼び方だそうです。

■馬鉄の思い出

「子供のころ、石狩の南4線に住んでおり、馬鉄のことはよく覚えています。高等科(現在の中学校)は今の手稲中央小学校まで徒歩で1時間近くもかかって通っていました。通学の途中通りかかった貨車の後ろに隠れて飛び乗り、 御者(ぎょしゃ)に見つかって怒られると飛び降りる。半分は遊び心で馬鉄に乗っていました」と見上悦郎(みかみえつろう)さんは振り返ります。見上さんは子供のころの話をすると、笑顔が少年のころに戻り、楽しかった思い出を語ります。
 見上さんの話では、今の石狩・手稲通の下手稲通付近は土地が低いために、3月から4月初めにかけては毎年雪解け水に漬かり、水が引くまで1週間ほどの間は通行人もひざまで水に漬かりながら歩いていたそうです。このような道路ですから、小さな子供が通学で行き来するのはなおさら大変だったのでしょう。
 このような道路事情から馬鉄が運行され、大正から昭和初期の短い間の操業だったものの、馬鉄は手稲と石狩とを結ぶ人・物の交流を支え、この地域の風景の1つとなっていました。

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