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更新日:2011年3月1日

2004年度タウントーク

2004年度タウントーク <雪と市民生活>

 「雪と市民生活」をテーマに、除雪〈克雪〉だけではなく、雪の利用〈利雪〉や雪に親しむための取り組み〈親雪〉などについて、パネリストを中心に市民の皆さんと意見・情報交換をしました。

開催日時

平成16年(2004年)11月6日(土) 13時00分~15時00分

開催場所

手稲区民センター2階区民ホール

開催趣旨

「雪と市民生活」をテーマに、除雪〈克雪〉だけではなく、雪の利用〈利雪〉や雪に親しむための取り組み〈親雪〉などについて、パネリストを中心に市民の皆さんと意見・情報交換をしました。

参加者

パネリスト

笠原篤氏

笠原 篤氏(かさはら あつし)
北海道工業大学 教授
札幌市雪対策推進研究委員などを歴任

原文宏氏

原 文宏氏(はら ふみひろ)
社団法人北海道開発技術センター 理事
積雪地域の都市などの調査研究が専門

新保元康氏

新保 元康氏(しんぼ もとやす)
山の手南小学校 教諭
教育の場で、雪について積極的に取り上げている

上田文雄市長

上田 文雄(うえだ ふみお)
札幌市長

コーディネーター

大久保真弓氏

大久保 真弓氏(おおくぼ まゆみ)
フリーアナウンサー

開催内容

1 市長挨拶

2 パネリストの発表
  原 文宏 氏
  笠原 篤 氏
  新保 元康 氏

3 会場の市民の方の発言   國井 和夫 氏 [新発寒地区連合町内会連絡協議会会長]
  樋口 哲雄 氏 [手稲山雪の祭典実行委員会会長]
  東 剛正 氏 [前田森林公園管理事務所所長]
  子どもや高齢者の安全を守るため地域で活動している方
  通学路で砂まきボランティアとして活動されているPTAの方
  除雪事業者のご家族の方
  北海道工業大学の学生さん
  地域の住民の方

4 パネリストのまとめ

5 寄せられたアンケート

 ■市長挨拶

大久保氏

 皆さん、こんにちは。私は、今日のコーディネーターを務めさせていただきます大久保真弓と申します。今回のタウントークのテーマは、「雪と市民生活」です。
 来週にも雪が降るかもしれないこの時期に「雪と市民生活」というテーマを取り上げたのは大英断ではないかと思います。といいますのも、札幌市民の行政に対する要望として、除雪というのは過去20数年第一位です。ですから、今日は、厳しいご意見も当然出るだろうと思っておりますが、タウントークは皆さんと一緒に考えていく場ですから、率直なお話もぜひ伺いたいと思います。
 今日の進行については、この後、上田札幌市長から手稲区の皆さんにごあいさつをしていただきます。それから、各パネリストの先生方の発表、そして、会場にお越しの皆さんとの意見交換、最後は、パネリストのお三方と上田市長から感想、総括をいただくという流れで進めていきたいと思います。

 それでは、お忙しい中をお越しいただきました皆さん方をご紹介いたします。
 まず、手稲区内に16あります連合町内会の皆さん方です。それから、手稲区の代表的な冬のイベントである手稲山雪の祭典実施委員会の皆さん方です。そして、前田森林公園で雪上パークゴルフを企画、運営している公園管理事務所の方と、実際にプレーしていらっしゃる同好会の皆さん方です。そして、冬の間、手稲区の除雪を担当している事業者の方たちとそのご家族の方、小学校に通う生徒の皆さんが安心して通学できるように冬の通学路に砂まきを行っているPTAの皆さんと学校関係の方、北海道工業大学から、パネリストのお一人である笠原先生の授業を受けている生徒さんたちと学校関係の皆さん方にもお越しいただいております。

 それでは、上田札幌市長から、手稲区の皆さんにごあいさつをお願いいたします

上田市長

 皆さん、こんにちは。今日は、手稲区のタウントークの2回目でございますが、「雪と市民生活」というテーマを設けさせていただきました。パネリストに来ていただきましたのは、雪を克服する、あるいは雪と親しむ運動を展開していただいております先生方ばかりです。貴重な意見を伺いながら、私たちの街で雪とどう関わっていくのかということを中心に、皆さん方と意見交換をさせていただきたいと思っています。

 私は、ここに来るときに、今日はどういうお話をしようかと考えておりましたが、やはり、今、札幌市で一番問題になっていることをご報告しなければならないと思いました。それは、やはり財政の問題です。
 今、国の三位一体の改革をよく耳にされると思いますが、これは、地方分権ということで、地方にさまざまな権限を移し、財源も税金の取り方も配分の仕方も地方を中心にしていこうという政策です。このことは、自分たちの街を自分たち自身で決めていくことができるという意味で、とてもすばらしい政策だと思います。ただ、これは、それを進める中で、地方財政が極めて厳しくなる時代がこれからやってくるということも意味しておりますので、私たちは、そこをしっかり認識しなければなりません。札幌は、来年も再来年も今年と同じようなレベルで地方交付税が交付されることになると、260億円くらいのお金が足りなくなるという時代になっております。私たちは、その中で、本当に行政内部の努力が必要だと思います。今までやってきたことをどうすると効率よくできるか考えて、そして実践していくという行政改革を一生懸命やっておりますがそれだけでは260億円を埋めていくことはできないという状況になっております。さまざまな問題点について、市民自身が担うことができるものは市民の皆さん方にも参加していただきながら解決していかなければならないと思いますし、そういう問題がたくさん出てくると思っています。
 私は、市政運営の中で、市民が自分たちのことをしっかり考えていくことができるようになるために、今まで連絡所と言われていたところをまちづくりセンターとして、そこで、市民の皆さんが情報を取り出して意見を述べる、あるいは地域内のグループ活動をしていくことについて、今までも頑張っていただいておりました町内会の皆さん方も参加していただいて、もっと広く、いろいろな方が集まっていただける、そんな活動の拠点としてご利用いただきたいと考えております。

 今日も、冬、雪という問題について十分ご議論しながら、そして皆さん方からもご意見をいただきながら札幌市の施策の中に生かしていきたい、このように考えております。

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 ■パネリストの発表

 原 文宏 氏

>>>資料はこちら

原氏

 私は、最初に三つの問題提起をしますが、多分、笠原先生や新保先生から、その回答の糸口をお話しいただけると思います。三つの問題提起というのは、市民要望、市民ニーズというものをもう少し考え直してみようということ、生理的な適応と社会的な適応ということも考えてみようということ、個人と公共の関係も考え直そうということです。結論を言いますと、雪の問題は、除雪や融雪などのいわゆる技術ということだけでは解決できないということです。

<市民要望・市民ニーズの再考>
 それでは、1番目の市民要望、市民ニーズについて再考してみたいと思います。現在の札幌では地下鉄ができましたし、アーケードも広がり、地下街もできて、冬の生活はとても快適になりました。にもかかわらず、市政世論調査によると、いまだに市政要望の第1位は除雪なのです。これは、20数年間ずっと1位です。
 そこで、私は、何年か前にこういう調査をしました。これは、札幌市内のちょっとした街区を想定し、冬の状態の模型を3種類作りました。それは、今、大体100億かけて維持している幹線道路の状態、もっとよくした状態、ちょうど20年くらい前の状態の3種類です。そこで、皆さんに、現在はこれで100億です、過去だとこれで50億です、未来に行くとこれで300億くらいかかります、どれを選びますかと聞きました。そうすると、さすがに過去に戻りたいという人はいませんでしたが、現在くらいでいいという人が8割くらいいたのです。ということは、確かに市政要望では除雪がずっと1位ですが、市民の皆さんは、実際にかけているお金と受けているサービスの中では、現状で結構満足しているという結果を得たわけです。
 つまり、いろいろな制約や環境などを考えていく中で、なおかつ、今行われているサービスレベルを考えると、私は、市民の方々はそれなりに満足しているのではないかという気がするのです。

<生理的適応と社会的適応の再考>
 2番目は、生理的な適応と社会的な適応の再考です。生理的な適応というのは、まず、寒さに耐える体に変わっていくということです。ですから、北に行くほど、動物でも人間でも少し体が丸くなってきて熱を外に出さないようになるなど、生理的な適応をするわけです。でも、北緯40度を超えて裸で生活できるわけはありませんので、社会的な適応として、防寒着、暖房、住宅、都市というものをつくって、今や、我々は北極や南極にまで住めるようになりました。札幌も、地下街ができて、地下鉄ができました。道路の状況もよくなっております。しかし、実際に私が行った調査の中ではっきり結果が出ておりますが、オフィスの中で人が寒いと感じる温度も上がり続けています。要するに、寒がりが増えているのです。
 このことは、結局、寒冷地に住む我々が肉体的に寒さに適応してきたのに、我々が人工的につくった温かい環境に生理的な適応をしてしまって、徐々に寒さに弱くなっているのではないかということです。そして、体力の低下や寒がりの増加によって何を生み出すかというと、室温の上昇、それから、防寒機能などがさらに強化され、結局は街の中に夏をつくるのかと。それは結果として、エネルギーと費用の増大を招き、お金をかけ、ロードヒーティング化され、地下街などが次々とできていきます。しかし、一方で、個人の服装が軽装化(下図[1]参照)していきます。もしかすると、このイタチごっこの上で、除雪要望第1位というのが20数年間続いているのかもしれません。

<個と公の関係の再考>
 3番目は、個と公の関係です。ある大学の先生は、人々が自分の利益や都合だけを考えて行動すると、社会全体にとって好ましくない状況が発生すると言っています。
 ある事例を言います。冬に路上駐車(下図[2]参照)をする人がいます。そうすると、そこに除雪車が入っていけません。自分の家の横に車を置けば便利ですが、そのために、地域全体としては除雪をされないということが起きるかもしれません。
 要するに、我々一人ひとりが冬の生活の仕方をもう少し考えてみませんかということです。

 私は、基本は教育とコミュニケーションだと思っています。そして、雪問題は教育や広報なども含め、札幌市全体でかかわるべき問題だということを皆さんに認識していただければ、札幌市の市政要望の第1位から除雪はなくなるのではないかと思っています。

【参考資料】

軽装化する冬の装い

図[1]

冬期路上駐車による除雪作業の支障、遅延

図[2]

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 笠原 篤 氏

>>>資料はこちら

笠原氏

 私のお話ししたいことは、札幌は将来にわたって雪が降り続ける街であるということです。今、目の前の問題だけではなくて、あと100年も200年も雪が降り積もるわけですから、抜本的に物を考えていかなければいけないと思います。そこで、行政の役割と市民の役割は明確に分けなくてはいけないのではないか、というのが最大の提案です。
 特に、間口除雪というものが最大の問題になっているのではないか思っています。これは、市民の役割なのか、行政の役割なのかということは、まだ決着がついておりません。
例えば、アメリカの歩道除雪は条例で決まっており、雪が降りやんでから昼間の8時間以内に雪をよけなくてはいけません。

<ミニ雪堆積場などの整備>
 また、雪を移動させるためのエネルギーというのは、機械除雪ではなくて、ママさんダンプなどで運ぶ方法が一番エネルギーが少ないのですが、皆さん方も、宅地に空き地があれば、冬はそこに雪を持っていかれるのではないでしょうか。そして、そこに家が建ってしまったら、雪を持っていく場所がなくてお困りになるのではないかと思います。そういうことから、宅地内にミニ雪堆積場を計画的に設置しておけば、わざわざダンプカーで郊外の雪堆積場までエネルギーをかけて持っていかなくても済み得るのではないかということが一つです。
 また、路面管理については、札幌では、最近は凍結防止剤を大分まいていただいていますので、昔に比べればかなり走りやすくなったと思います。しかし、ある条件のときはアイスバーンでつるつるで歩けないという状態の時もあります。
 また、この雪たい積場を確保するのも行政のお仕事ではないでしょうか。だんだん雪たい積場がなくなってきたといっても、これから100年も200年もまだ雪が降るわけですから、その後どうするのかという問題を考えていかなければいけないと思います。

<雪エネルギーの利用>
 また、春になりますと、雪たい積場の雪は解けてきます。雪解け水の温度は4度くらいですので、この冷たい水をエネルギーとして利用できるのではないかと思います。

<適切な道路情報>
 次に、適切な道路情報を行政から出していただきたいと思います。
これは、3月ころの非常にお天気の良い時の道路(下図[3]参照)ですが、路面凍結、走行注意という掲示が出ています。このような掲示では、皆さんは道路情報を信用しなくなってしまいます。
これはアメリカの例ですが、道路より橋の上は早く凍結しますという看板(下図[4]参照)や、橋の上は凍っていますから注意してくださいという看板があります。日本では、今のところ、こういう看板は全くありません。

<豪雪対策>
 次に、豪雪対策です。
これはアメリカのフィラデルフィアという街ですが、豪雪時のために、雪害緊急道路というものが既に明示されております(下図[5]参照)。ですから、ここは雪害が起きた場合には緊急的に空けますし、ここには車は絶対的に停めるなということです。このように、北米では非常事態の場合、公共サービスの停止、医療福祉の問題、車両と外出行動規制、除雪の問題というものが事前に整備されております。

 そのようなことから、行政の役割としては、まず危機管理マニュアルを整備する必要があり、除雪、路面に関する管理目標の設定、雪たい積場の確保、雪エネルギーの利用促進ということがあり、市民としては、除雪の協力、特に路上駐車の問題、ごみ出し、雪割り、雪出しという問題があるのではいかと思います。先ほど例に出しましたように、1丁間に1カ所くらい、雪たい積場であり、ごみ収集の場であり、憩いの場であり、街路樹が集中するような小さい公園をつくっていただければと私は思っております。

【参考資料】

適切な情報の提供

図[3]

道路より橋梁は早く凍結する

図[4]

フィラデルフィア市の雪害緊急道路図

 図[5]

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 新保 元康 氏

>>>資料はこちら

新保氏

 私の話したいことは、たった一つです。雪についての学習を札幌の子どもたちにもっと広げていきたい。そうすることによって、様々な問題の解決の糸口があるのではないかということを申し上げたいのです。

<雪の学習>
 どうして雪の学習を広めたいと思っているのかということですが、まず、我々は、札幌市民として生まれても雪や寒さを学ぶ機会がありません。特に、札幌は世界一の雪の街です。人口185万人で、一冬に5mの雪が降ります(下図[6]参照)。これだけ人口が多くてこれだけの雪が降る世界でも稀な街に住んでいて、我々は、そのことを本当によく知っていて、それを生かしているのかなということです。
 また、先ほどから何度も出ておりますが、除雪は行政にお任せで、うちの間口に雪を置いていくな、ただ、私は夏靴、ミニスカートで歩きたいという問題です。これで本当に噛み合っているのかな、何かすれ違っていないかなということです。それで滑って転んで、それは除雪が悪いからだというのは、市民としての公的資質が十分と言えるのかな、これで本当に市民と言えるのかな、もうちょっと考えられないかなということです。
 また、学校のカリキュラムに総合的な学習の時間というものができました。
これは、地域の特色に応じた課題を学べるということで先生方は頑張っております。ところが、教科書がないものですから、先生方は地域の中から適切な教材も見つけ出すのが難しいということで、皆さん非常に困難を感じております。そこで、私たちと仲間でホームページをつくろう、ということで、「雪たんけん館(>>>雪たんけん館 http://yukipro.sap.hokkyodai.ac.jp/)」というホームページをつくりました。これは、家庭でももちろん見られますし、学校でも見られます。そして、世界の子どもたちにも発信しようという大げさなことも考えております(下図[7]参照)。

<砂まきボランティア>
 さて、今まで話してきたことは授業の改善ということですが、授業以外にもみんなでできることがないかということで、山の手南小学校では、PTAや校長先生のご指導のもとで、砂まきボランティアを始めました。この写真を見てください(下図[8]参照)。山の手南小の付近は、道が大変狭いのです。一生懸命除雪はしていただいていますが、どうしても一部が残りまして、そこが斜めになって滑るのです。そこで、保護者の皆さんの家に砂を置いて、まいていただくということをしました。その砂は、西区の土木センターさんにもご協力いただきまして、学校の玄関にも山のように置きました。これを学校に来た皆さんに持ち帰っていただいて、家にストックしていただきます。そして、家の近くのところに少しまきます。それをみんなでやれば大分状況はよくなります。みんなで少しずつ協力し合ってやろうというアイデアです。去年は1,250袋まきまして、延べ161人の参加です。もちろん、我々教師もまきました。今日は、これを率先してやっていただいたリーダーの遠藤さんというPTAの方がいますので、後で、その辺の成果やきっかけなどを教えていただければと思います。さらに、春になりますと、汚れもありましたので、清掃もしました。

 学校というのは、いろいろな可能性のあるということを皆さんにも、市長にも知っていただきたいと思います。子どもと大人が一緒にいろいろなことができるのです。そこで、札幌オリジナルの学習指導要領をつくったらいいのではないかと思うのです。そして、世界にこういう冬学習があるぞということを提言する。冬の生活というのは、ただ生きているということではなく文化です。札幌の教育は、そういう冬の文化や生き方を子どもたちに伝えていくような教育でありたいと思っています。

【参考資料】

 世界の降雪量

図[6]

問題解決のために-教育の役目

図[7]

山の手南小の実践

 図[8]

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 ■会場の市民の方の発言

 國井 和夫 氏 [新発寒地区連合町内会連絡協議会会長]

國井氏

 私どもは、今はまだ子どもが対象ですが、冬、雪に親しむつどいというイベントを行っています。イベントを行っての感想ですが、子どもは本当に冬でも遊ぶ機会をつくってほしいのだなと思っています。子どもは、遊びたいと思っています。ところが、ウインタースポーツはいろいろあるのでしょうが、1人で外に出て友達を誘って遊ぶ機会がもう少しあればと思います。
 先ほどの新保先生の話によりますと、探検をするという考えがあります。拡大ルーペをは一つ1,000円で10個買えば1万円だから、ちょっと予算が大変だけれども、考えてみたいと思っているところです。今後の活動としては、ただ単に遊ぶばかりではなく、雪について学ぶテーマもとり入れていきたいと思います。

市長

 最近、子どもは夏でも外に出ません。ここが問題だと思います。雪が降っても降らなくても出ない、家でゲームをやっているのが好きだという状況を何とか変えなければいけないということを、今、大問題として考えています。今、家の中で遊ぶ文化が子どもたちの中に出てきてしまった状況では、やはり大人が外で遊ぶことの快適さをつくっていかなければならないと思いました。

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 樋口 哲雄 氏 [手稲山雪の祭典実行委員会会長]

樋口氏

 手稲山雪の祭典は、区民の雪に親しむ冬の一大イベントとして、手稲区のシンボルであるオリンピックを開催した雄大な手稲山を会場として実施しています。
 今後のあり方についてですが、私ども北海道に住む者が避けて通れぬ寒い冬と雪があります。これらと共存し、楽しく快適に過ごすとともに、私どもは、さらなる区民の幅広い参加を目指して、健康で楽しい雪の祭典を継続したいと考えています。

市長

 こういう形で大人が子どもと関わっていくというか、外に引っ張り出すといいますか、大人がおもしろがることによって、子どももそういう楽しみ方があるということを理解し学ぶ、そういうことを本当にやっていかなければだめなのかなと思いました。
 札幌で生まれ育ち、札幌で遊んだその思い出を、たまたま札幌に住んでおられない方にも共有してもらい、ずっと長くそういう気持ちでいていただけることが、札幌を支えていき、盛んにしていくことにつながるのではないかと思います。日ごろのご活動、本当にありがとうございます。

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 東 剛正 氏 [前田森林公園管理事務所所長]

東氏

 前田森林公園の東と申します。
 今、公園は、市民生活に中でもかなり重要なところになっておりまして、夏場はたくさんの方々に使っていただいています。ただ、私ども公園管理する者にとって、冬の公園は、閉ざされたイメージで、皆さんも余り利用されないのではないかということで、私どもは、平成8年から雪を利用して歩くスキーを始めています。こちらも、毎年ご利用いただきまして、活動の方も順調に行っていると思います。そういう中で、冬の公園をもっと利用していただきたいということで、今、夏場のパークゴルフは、札幌市内でも競技人口は50万とも70万とも言われていますので、これを冬に、雪を使ってできないかと考えました。これは、実際にやっているところもありますが、屋外で、しかも簡単なコースで皆さんに楽しんでもらえれば、冬の閉ざされた公園というイメージから、冬でも公園が利用できるのだというイメージに変わらないかということで、今年の1月から始めました。人数としては、約4,000人以上の方に使っていただきました。
 今後とも、パークゴルフとか歩くスキーばかりではなく、他の公園の冬の事業も検討し、雪に負けない公園というものを市民生活に役立てたらいいなと思っています。

市長

 子どもを公園で遊ばせるということでは、公園の近くの方は自宅の前の雪をそこに運んで捨てる習慣があります。これは、いけないことになっていますが、そういう習慣がございますので、それをどういうふうに調節するかということと、公園の冬場の利用方法を考えるということも、私たちにテーマとして提起されております。今、市役所の中でも、冬の公園の利用を促進するという考え方をテーマとして掲げて検討しているところです。
 ですから、大規模な使い方とは別に、雪の利用の仕方、親しみ方という切り口でいろいろ検討していただいて、いいアイデアをいただきたいと思います。

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 子どもや高齢者の安全を守るため地域で活動している方

 冬期間における子どもの通学の安全と高齢者の皆さんの安全について、私は長く町内会に関わっていますので、その体験から申し上げます。
 既に何人かの方から出ているように、路上駐車が非常に多く、冬期間の除雪に問題が起きています。私どもは、学校と一緒になって、スクールゾーンなどの会議に出て子どもの安全を守っていますが、学校では、子どもたちに対して、通学路として指定されているところを歩きなさいという指導をしています。ところが、その通学路にたくさん駐車されている、子どもはその車を避けて車道に出て通学している、こういう実態が夏冬ともにあるのです。行政は思い切って指導したらどうでしょうか。
 例えば、自分の車庫には入れないで歩道に置いている住民もいます。行政はそういう指導を徹底的にして、それぞれの市民がモラルを守り、子どもの安全や高齢者の安全、交通安全を守るようにお願いをしたいのです。
 それから、冬には1回の運搬排雪しかないので、すぐに道路が埋まってしまい、子どもは指定された通学路を歩けません。これが行政の実態、大人の実態だと思います。もう少し工夫して、何回か運搬排雪をすることができないか、努力をお願いします。

市長

 法律上の手続の問題もありますが、今のご指摘のような、違法な駐車によって危険な車道しか歩けない、子どもが身を危険に晒さなければならない状況は回避せねばなりません。これは、今までは行政指導という形で何もしていないのであれば、当然、警察とタイアップしなければならないと思いますし、私も、学校から報告を求めることを含めて検討したいと思います。

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 通学路で砂まきボランティアとして活動されているPTAの方

 私は、昨年度の1年間、山の手南小学校で安全委員長として活動しました。
 山の手南の校区の通学路は本当に狭いのです。先ほど西宮の沢町内会長さんがおっしゃっていたとおり、雪があると子どもが歩道を歩けません。それをどうにかしようと行政の方とお話をしまして、なぜ1回しか除排雪ができないか理由を聞きましたが、それは予算がないということで、仕方ないということになってしまったのです。そこで、私たち保護者で何かできないかと考え、砂まきサポーターということで、子どもたちが滑らないように自分の家の前から砂まきをしようと呼びかけ、ボランティアを募りました。

大久保氏

 先ほど原さんからも冬のいでたちの話が出ましたが、今、会場内に帽子がディスプレーされています。あれはアボネットという札幌デザインのものですが、冬の格好ではファッション性と機能性の両立はなかなか難しい側面があります。市長、こういう活動をするときと普段の格好が違う人もいますが、いかがでしょうか。

市長

 これは、札幌が推進する札幌スタイル(>>>『札幌スタイル』のホームページへ)です。ヘルメットを被るのも一つの方法ですが、もう少しファッション性に富んだものにしてはということでデザインを考えていただきました。要するに、頭を保護するのです。ファッション性があって、しかも中にクッションが入っています。こういうものを利用し、安全に注意しながらご活動いただければと思います。

 路面凍結については、特に横断歩道がつるつるに滑るのです。スタッドレスタイヤになっていて、なおさら磨き上げるようになったという指摘もあります。これに対して、大体のところに砂袋に置いて、気がついた方はまいてくださいというご協力をお願いして、大分改善していますが、係員が来るのを待っているのではなくて、気がついたらやろうという気持ちを持って自分たちで砂まきをする、このような形でまちづくりをしていただければいいなと思います。
 私は、道路がつるつるになっているところはタクシーの運転手さんにお願いできないかなと思っています。タクシーの運転手さんが、必ずタクシーの中に砂袋を二つか三つ置いておいて、気がついて停車したときにまいてもらうとか、窓をあけてさっとまいてもらえないかなと思っています。こういう文化をつくっていくことで街を楽しいものにしていけるのではないかと思っています。
 また、砂も資源ですので、廃物利用ができないかなということも考えています。例えば、ホタテの貝殻は山積みになっていますので、あれを少し砕いて使ったら街が汚くなってしまうかどうか。これはまだ思いつきの段階ですが、北海道にある資源を、今まで捨てられていたものを何とか使うことができないか考えています。

 タクシーの運転手さんや宅配便の方々、街を走り回っておられる方に、気づいた場所や危ないところにまいていただけるようなことができないかと市役所の中では言っているのですが、まだ取り上げられていません。皆さんの応援があれば何とかなるかもしれません。

 財政の問題を冒頭に申し上げましたが、経常費として、除雪、排雪に100億円は間違いなくかかっています。そして、これ以上かけていくことはできないと思います。そうすると、今度はだれが担うのかという問題に必ずなりますので、市民でできることは市民がやるのだという相当重大な決意を持ってそこのところに踏み切っていかなければならないと思っています。
 市民アンケートをとりますと、20数年連続で除雪の苦情が一番多いという状況ですが、それどころではなくなるという状況になってしまうことを市民にわかっていただく、ともに悩んでいただかなければならない時期に来ていると思います。
 お金がないというのは、結構いいこともあるのです。財政が厳しいと、困ることは困りますが、人間は知恵を出すことができますので、金がないから知恵を出す。これは、札幌にこだわって、北海道にこだわって生活をしている私たち自身が解決していかなければならない問題ですから、行政だけに頼んでおいていい問題ではないのだという意識を持ってもらい、それに対する議論ができる場をつくっていかなければならないと思いますし、ぜひ地域の中でそのことを議論していただきたいと思っております。

大久保氏

 市民の皆さんと行政がアイデアを出し合って、行政がバックアップをして、実際に動く部分で市民の皆さんの協力をいただくというのは新しいスタイルですし、これから絶対に必要になってくる形ではないかと思います。
 原先生、市民の意識の話が出ていますが、何か補足はありますか。

原氏

 意識の問題というのは、その人間たちが置かれてきた環境によって変化してきます。ですから、我々が今住んでいる環境が変化すると、当然、我々の体も心も変わっていきます。でも、我々はそのことを意識していかなければならないのです。それを知らないでいると、寒がりの人たちが増えて、必然的に室温が上がってくるわけです。
 今、我々は意識にも体にも変化が起こってきています。技術という力を使ってそういう空間をつくってきたというのは、我々が今までやってきた一つの成果なのですが、それに伴って我々もそういう変化をし始めてきているということを意識しなければいけません。子どもが小さいうちから外に出して遊ばせて寒がりな子どもをつくらないようにすれば、もう少し温度が低いところでもみんな住めるのではないかと思います。

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 除雪事業者のご家族の方

 冬期間に入りますと、除雪という二文字で緊張感を覚えます。降雪量によっては、夜間、深夜を問わず、会社より除雪作業の連絡があれば出動です。降雪の状況が大荒れともなると、2、3日泊まり込みです。激務が続くと、寝不足、十分でない食事などで極度の過労状態となります。
 家族の者としましては、健康状態が非常に心配になりますし、私たち家族自身も、寝不足、心労など負担が大きいです。今年も、どうか安全第一で事故のないようにと願っております。

大久保氏

 これから雪が降ると、本当にご苦労の日々だと思いますが、作業をされるご主人様の健康管理をよろしくお願いいたします。

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 北海道工業大学の学生さん

 北海道工業大学では、夏頃に部活動の人たちが集まってごみ拾いなどをしていますが、冬にも通学路の歩道などの除雪や砂まきをしたらいいのではないかと思いました。
 そこで、市長に質問ですが、今後、手稲区に多く住む大学生の除雪の役割として、どんなものが必要になると思いますか。

市長

 学生の自由な発想、行動力、これをまちづくりの火種にできればとてもうれしいなと思います。学生があんなに頑張っているのだから、おれもちょっとやろうかな、私も参加してみようかなと思ってもらえるような運動体をつくっていただければと思っております。

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 地域の住民の方

 私たちが一番困るのは、やはり冬の除雪です。現在、除雪は冬に1回だけです。札幌市の発展とともに除雪が多くなるのは当然で、我々市民から出るお金がその1回の中に含まれています。その中で、札幌市は、パートナーシップと、もう一つはダンプカーで区ごとに一回の排雪を行っております。
 やはり、決まったことについては、必ずやってしまわねばならないという傾向があるために、全く雪がないところでも排雪を行う傾向が見られます。少なくとも、このような余分な除雪をしなければ、一回多く除雪できるのではないかと思います。
 先ほどもありましたが、豪雪のときに、家が埋まってしまうような状況では、救急車、あるいは火事のときにも消防者が入れないのではないかと心配をしております。
 このような点から見れば、きれいに排雪するのではなく、そういう金を残して次回へ回す必要があるのではないかと思います。何が何でも決めたものは必ずやってしまわねばならないというのは大変なお金の無駄ではないかと感じます。

市長

 余分な除雪についても指摘されております。3月近くになりますと、雪がもう僅かしかないところを除雪して、道を削っているのではないか、これは予算消化のためにやっていのではないかという話を私もよく耳にいたします。私も、そういう現実があるとすれば、それは是正し、お金をストックし、チェックをしなければならないと思います。
 それから、大雪になった時に、先日の北見のように、何日間も街の機能が停止してしまうような状況が札幌市で起こってはいけません。札幌でも何年か前にそういうことがありましたが、これは物理的に時間をかけなければならないという能力の問題もあります。そういうときは、街全体で車を使わないようにみんなが協力する、そういう倫理観をみんなで共有していけるような街にしていきたいと思っております。

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 ■パネリストのまとめ

原氏

 基本的に、雪の問題は道路の除雪だけでは絶対に解決しないということです。この問題は、全市的に対応する問題なのだということを市長さんのイニシアチブでやってほしいと思っています。
 それから、住民の皆さんには、自分たちの生活を冬に振り返っていただきたいと思っています。部屋の温度がどれくらいなのか、あるいは、例えば今建てている自分の家が冬というものを考えてつくられているのか。自分たちの住み方をもう一回振り返ってほしいと思うのです。
 最終的な方法としては、教育とコミュニケーションというものをベースにして、あとは、笠原先生が言われた少しの罰則という感じで良い冬の社会になっていけばいいなというのが私の考えです。

新保氏

 私は、最後に二つのお話をしたいと思います。
 まず一つは、皆さんには、私たちがつくった「北海道雪たんけん館」というホームページをぜひ一度見ていただきたいと思っています。そして、それをご家庭で親子の話題などにしていただければ非常にありがたいと思っています。
 二つ目は、みんなでやれることをやっていきたいと思っています。先ほどNPOという話もありまして、そこまで立派なものにはまだなっていませんが、そういうことを考えております。

笠原氏

 札幌においても、雪条例もしくは冬の条例、要するに、ルールづくりをこれから明確にしていかなければいけないと思います。それは、除雪だけではなくて、生活習慣を含めてです。北海道は本州に比べてエネルギーの消費量がかなり多いですし、室内の最高温度を決めるとか、外に出るときの帽子や服装もそうですが、全体的な生活を含めた雪国のルールづくりを提案させていただきたいと思っております。

市長

 今日は、パネリストの先生方から本当に重要なご指摘がありました。また、それぞれ実践されておられる皆さん方のご報告も大変参考になりました。雪と親しみ、雪とたわむれる、それが北海道の文化であり、札幌の、札幌市人としての資質を磨いていくことに通じるのだと思いました。
 この間、中央区でタウントークをやりましたが、健康づくりについて、「やれることをやってみて、やれたことを続けよう」という標語が出されました。私たちは、冬の生活において、人に任せていたことの中で、自分でやれること、自分たちの街で取り組むことができることをまずみんなで発見しよう、そして、できたことを少し続けてみよう、広げてみよう、仲間を広げてみよう、そんな運動を展開できればうれしいなと思います。その延長線上で、笠原先生からお話がありました冬のルールづくりをやれればいいなと思いました。
 また、学校教育の中でもすばらしい実践があり、そのことを多くの方々に知っていただいて、大人もそこで勉強しよう、子どもたちもこれを見て学習できる、そんなことができればうれしいなと思いました。
 ありがとうございました。

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 ■アンケートを通じて寄せられた声

当日ご参加いただいた皆さんの中には、さまざまなご意見をお持ちの方がいらっしゃったと思いますが、時間の関係で全ての方にご発言いただくことができませんでした。
ここでは、アンケートを通じていただいた皆さんのご意見をいくつかご紹介いたします。

行政が予算を出して、市民が意見を出し、業者が除雪するという図式が変わらないのではだめだと思います。

行政に頼るばかりではなく、市民も「市民としてのプライド」を持って生活することが大事だと思います。

加齢と共に除雪・排雪が困難になるので何とかしてほしいです。

除雪について、家の前に圧雪になった雪を置いていかれるのは困ります。なんとかしてもらいたいです。

それぞれの家に雪捨て場ができるように、建築基準などで札幌方式をつくってはどうでしょうか。

雪はだいきらい。灯油が高いからなおきらい。

子どもの遊び場などとしても使える雪の堆積場所がほしいです。

雪を活用する話題がもっと多ければよかったと思う。

路上駐車は除雪の支障になるほか、車上狙い・放火の原因にもなることを教訓に、一人ひとりの自覚を高める必要があると思います。

広く各立場の人の意見を聞くことができた。

雪が本格的に積もる時期に、もっと掘り下げた議論を時間を気にせずにやったほうがいい。

タウントークの雰囲気から、区民の皆さんが主体的にまちづくりを考えていると感じました。

市長の話を直接聞けたのは良かったのですが、時間が短いと感じました。

ほかの課題を含め積極的に実施してください。

このような機会をもっと増やしてほしいです。

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