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更新日:2017年9月1日

オリエンテーションを開催しました

趣旨説明・開催概要計画説明

説明の際に使用した資料を公開しています。

プレゼンテーション用資料(PDF:4,488KB) 

インスピレーショントーク

審査員の方たちによるトークショーの内容を公開しますので、アイデアを練る上での参考にご覧ください。

参加した審査員

  • 福津京子さん
  • 川端絵美さん
  • 白鳥健志さん
  • 五十嵐淳さん
  • 五十嵐雄祐さん(UN40を代表して)

 

 インスピレーショントークの様子

 

福津さん

福津さんそれでは、ここからは私たち審査員から、参加者の皆さんがアイデアを練る上で、少しでもヒントを得ていただけるようなお話をしていきたいと思います。

はじめに、札幌市では、オリンピック・パラリンピックの招致から開催までの取組を「まちづくり運動」そのものと捉えており、計画書の中でもそのことが謳われているところです。

そこで今回のアイデアコンテストでは、少しでも多くの方々に、オリンピック・パラリンピックに何らかの形で参画いただける、具体的なアイデアを募集しようということでございます。

先ほど、職員の方から東京2020大会や過去の大会での国民参加の事例について話がありましたが、実際のオリンピック・パラリンピックが持つチカラ、影響力については実際にオリンピックに参加された川端さんに伺うのがいちばんかと思います。川端さんがオリンピックに参加して感じられた、オリンピックが持つ力、人々に対する影響力というようなものにどのようなものがあったか、お聞かせいただけますか? 

 

川端さん川端さん

そうですね、選手としては、オリンピックは最高峰の大会なので、金メダルを取りたい、と思っていて、3回行くチャンスに恵まれました。

いろんな国に行きましたが、アジアの国でウインタースポーツをやっている人は世界的には少ないんですよ。

雪の上でアジア系の顔の人が立っていると、皆どこから来たのか聞いてくるんですね。

そんなとき、「札幌からきたよ」と言ったらみんな分かってくれる。それは1972年の大会があったから。

少しでも自分に関することを知っていてもらえるというのは、非常に大きな後ろ盾を感じましたね。

オリンピックをやると、世界のみんなに街を知ってもらえる、というところには非常に大きな影響力を感じましたね。

 

あとはオリンピックに行くとマンパワー、人の力の大きさを感じますね。どこの国のオリンピックに行っても、いろんな新しいものができたり、触れたりすることになりますが、結局いちばん感じるのはマンパワーなんですね。

カルガリーオリンピックのときは、空港に年配のシルバー派遣のような方が何人もいて、街案内もしてくれた。今も世代交代はしましたがやっているそうです。

また、選手の輸送がスクールバスだったり。そうやってまちの人がいろんな関わり方をしていて、その力に後押しされていることを感じる、それがオリンピック。そういうエネルギーを持っていると思います。

試合前は勝つことしか考えて無いんですけど、試合後や、リフトに乗ったときなど、ふとした瞬間にそういったことを考えるんですよね。

 

あと逆に、選手としてオリンピックマークを試合会場で見たときに、それに気圧される選手が多い中、札幌出身でよかったことは、「そんなのうちのまちにあるよ」という感じでプレッシャーに感じず平常心でいられたことは良かったですね。

 

福津さん

皆さんから出たアイデアも、将来海外に行ったときに、「あのアイデアの札幌ね」と言われる、また新しい後ろ盾になるかもしれない。 

 

川端さん

そうですね、いま雪まつりが札幌のアイコンのようになっている中で、「あ!私あのアイデアでオリンピックに参画したの」と言えるようなことが起きていて。さらに、もしかしたら自分の子どもがそれを感じるということもあるかもしれないですね。

 

五十嵐淳さん五十嵐淳さん

川端さんのようにオリンピックに3大会出ると言うことはなかなか無いことで、複数大会に出て比較対象ができるということはすごい経験値だと思います。

われわれはテレビで観戦するしかなく、アイデアを考えようとしてもなかなか浮かびにくい。なにかこれまで見てきた大会のマイナス面などがあれば語っていただけないか。

 

 

 

川端さん

国ごとにお国柄が反映されていて面白いですよ。

カナダは新しい国なので、異国の人に対して違和感なく接してくれる。

フランスは雪のあるところはアルプスに接している4県くらい。なので、いくらスキーが強くても、自転車選手のほうが有名。そういう国なので、アルベールビル冬季オリンピックのときは、オリンピックが終わって必要なくなるものは全部売りますよ、ということで仮設で作ったんですよ。リゾート地をうまく利用したオリンピックと言えるかもしれません。

リレハンメルオリンピックは、エコなオリンピックを謳っていましたが、選手村の壁が薄いなどで、音がうるさくて選手がよく眠れませんでしたね。あと、あまり建造物を建てない大会ということにしていたので、民家をまるまる選手に貸したりしていました。これは、スキー選手はスキー以外の他のトレーニングもするのですが、そういう設備がなくて選手にとっては不都合なことがありましたね。

 

解説者としてその後の大会も見ていますが、トリノはオーストリアやスイスも近いから多くの人が来ようとし、チケットが高騰して一般の人が来ることができなくなってしまったそうです。「あれ?」って。カルガリーのときはすごくスキー場にお客さんがいたイメージだったんですが、スキー場から観客が減ったんですよね。

テロ対策などで警備が厳重になったことも影響したりして、お客さんが減った寂しい局面も見てきたので、私としては、札幌の人には是非、生で見てもらいたいですね。

 

また、実際に現場に行って見ると、テレビで皆さんが目にしているものよりも意外に雑な部分がある。

ソチではお風呂場に栓をしてもお湯が溜まらなかったり、茶色い水が出たり。日本はそういうところはきめ細かくありたいと思いますよね。

 

福津さん

そうですね。

次にまちづくりをしてこられた白鳥さんから、札幌オリンピック・パラリンピックに期待することや、課題など教えていただければ。

前回1972年の札幌オリンピックのときはおいくつでしたか?

 

白鳥さん

白鳥さん22歳、札幌市に就職が決まっていました。

そのときに思ったのは、「札幌の人であるということを誇りに感じる」ということでした。これがいちばん印象に残っていますね。

それまで、屋内スケート場なんて行った事がなく、円山の屋外スケート場でしか遊んだことがありませんでしたが、美香保、月寒、真駒内と、屋内スケート場ができたことは、当時としては画期的な話でしたね。それが今でも使われていますよね。レガシーという意味で、当時は非常にいいものを造ったんじゃないのかなと、今になっても思いますね。

 

あと、街が大きく変わっていった。特に都心が変りましたね。地下街ができましたよね。

みんなのお父さんお母さんに聞いてみてください。地下街が出来て、行った?って聞いたら、皆さん行ったっていうと思います。

 

福津さん

地下街の真ん中に噴水ありましたよね?

 

白鳥さん

そう。それでなぜか皆お金を投げ入れるんだよね。

それでいつの間にか歩行者が多くなって、危ないからということで、10年くらい経って噴水は撤去することになった。

 

地下街ができたのと、札幌駅前通の建物が、木造からビルになった。南1条通のデパートも今のような感じになった。

それと何よりも、路面電車が縮小されて地下鉄が出来ました。

地下鉄は始めは南北線だけで、真駒内から麻布までだったんだけど、その後延長されて今の形になった。

苗穂駅や円山公園まで市電が通っていたのを廃止して、その後、地下鉄と連携したバス路線になった。

そういうまちの「足」が変わったのと、都心に行ったときの楽しみ方が変った。

地下鉄など、今でも残っているということはいいものだからなのかなと思っているので、そういう、後世まで大切に出来るものを今度のオリンピック・パラリンピックのときにも残していくべきなんじゃないかと思います。

 

福津さん

私も8歳でしたから記憶がありますが、虹と雪のバラードの歌詞「街ができる新しい街が」のとおり、寝て起きたら毎日街が変わっているという印象でしたね。

小学生の時には夏休み前にずらっと20人くらい転校していく人が並び、夏休みが明けると、また20人くらい転校してきた子がずらっと並んでいるというね。クラスの子の半分くらいが入れ替わるほど出入りが激しく、街が変わっていった時期でした。

 

さて、オリンピック・パラリンピックといえば、街が変わっていくということで、建築関係の方はいろいろ話題にすることも多いのかと思いますが、五十嵐雄祐さんいかがでしょうか。

 

五十嵐雄祐さん五十嵐雄祐さん

私は1972年には生まれていなかったので、オリンピックの記憶はなく、地下鉄や競技場などが出来た後、知らず知らずのうちにその恩恵を受けている世代なのですが、今度、札幌オリンピック・パラリンピックが2026年もし開催されるなら、IOCの決定は2019年ですね。それまでに自分たちが関わったり、考えたものを盛り込んでもらえるこういった機会は少なく、今回はいいチャンスだと思うんですよね。

僕らアンダーフォーティで考えたことは、オリンピック・パラリンピックを開催するべきか、ということよりも、オリンピック・パラリンピックの問題点と札幌の問題点を重ね合わせて、仮にオリンピック・パラリンピックを開催するのであれば、こういう方法をとれば札幌が活気付いていくのではないか、札幌に影響を与えられるのではないか、という視点で考えたんです。

要は、今回皆さんからいただくアイデアが、未来のオリンピックの新しいフォーマットを作るような提案になればいいのかなと。

北緯43度に札幌はありますが、ソチは同じくらい。平昌は37度、北京は39度くらいで、雪も人口雪とのこと。人口雪は、競技をする上では一概に否定できるものでもないそうですが、せっかくこれだけの都市レベルがあって、かつニセコのように豊富なパウダースノーがあるようなところで行われるオリンピック・パラリンピックだからこそ、例えば、オリンピック・パラリンピックは4年に一度、いろんな都市を点々とするということが当たり前ですけど、次の大会もその次の大会も札幌で行われるっていうことがもしできるのであれば、持続可能な大会に寄与できるっていう、そういう発想があってもいいのかなって思って、学生の皆さんに期待してます。

 

川端さん

オリンピックにはいろんな競技が増えましたよね。夏だけでも。冬もスノーボードのジャンプやアルペンがスキー種目に入ってきたりして、大会の規模が大きくなってきているということです。

本当に、もしかしたら夏の国体とかのように競技毎に分散化してくるという可能性も当然ありますよね。

私はやはり、持続可能性というというところでは、今度のオリンピックは、「やって終わり」ではなくて、やった後の組織委員会が、いろんな世界大会、種目ごとの大会をどんどん呼んで、常にアジアのウインタースポーツの中心であるということが、オリンピアンとしてもうれしし、もしかすると市民の方にとっても雪がいっぱいある土地の自分たちの生活を豊かにしていけるのかなと。

札幌だとスキージャンプ以外の大きな大会をやれていないので、継続的に開催していくことによって、もっとウインタースポーツが身近な存在になって、日本ハムファイターズの順位が気になるのと同じように、気になってくれたらいいなと思います。

 

五十嵐淳さん

文化にならないから、継承されないんですよね。プロ野球、日ハムが札幌にあって、野球をやっていた人口は多い。僕も小中で野球やっていたし、やっていたスポーツって身近に感じて見に行きたいと思うわけですよね。だから文化になるのですけど。

当然、私もスキーをやっていまして、だからスキーも見に行きたかったし、川端さんのこともテレビで見ていました。だけどなかなか会場に足を運ぶというところまでは行かなかった。これは非常に大きな違いがあって、生で見たものとテレビで見たものは大きな違いが生まれてしまうわけですよ。

音楽にたとえるとすごく分かりやすいかもしれませんが、CDやユーチューブで聴くことよりも、ライブで聴いたときに、目の前で演奏しているそのインパクトたるやものすごいものがありますよね。

また例えですが、フランスだと自転車のツールドフランスは文化として根付いていますが、ツールド北海道は文化としてはまだ根付いていない。だからそのときだけのお祭りで終わってしまうのかなと思う。

 

福津さん

気になる数字がありまして、札幌市の年に1回以上ウインタースポーツを実施した成人の方の割合が11.8%という結果だったそうです。

 

五十嵐淳さん

文化形成というのは確かに難しく、体験と経験と継続っていうのは比例していくものだから、オリンピック・パラリンピックは、やっぱり特に「市民に見に行きたいと思わせる」、というテーマはアイデアのベースとしてはひとつアリなんじゃないかなと思いますね。

 

建築って特に、東京の国立競技場の話はご存知だと思いますが、あからさまに人目につく形になってしまうので、いろんな矛先になっちゃうんですけれど、もっともっと重要なことがあり、「体験」「経験」ということから、さらには文化になっていくということが最重要。

だから建築学生は、建築を考えようなんて思わないほうがいいと僕は思う。単体物をいくら作ってもそれは何の意味も無いので、ウイルスみたいなものを作ってほしい。ウイルスというのは悪い意味ではなくて、いい意味です。

 

福津さん

善玉菌のような。

 

五十嵐淳さん

このいいアイデアが街中に蔓延していくっていうような、いいウイルスを作るっていうのが、すごく重要なアイデアですね。

「建築だから施設の設計をしました」みたいなアイデアが出てきたらそれはもう即却下ですね。(笑)

 

白鳥さん

僕も実は建築を学んでいたんです。でも建築を諦めたのはデザインの成績が悪かったから。これはデザイン能力が無いなと思って。じゃあ僕には何が出来るのかと思ってみんなに聞いたら「お前は人と話すことが好きなんだから」ということでまちづくりを選んだんです。

今回は、素晴らしい建築を作るよりも、例えば商店街をどのように活性化するのかとか、そういうことにオリンピック・パラリンピックを使うと、僕は非常にいいのかなと思う。

いや、商店街の活性化なんて簡単じゃないですよ。とても難しいことはあるんですけれどね。

建物を建てるよりも、という五十嵐淳さんの意見に賛同しておりまして、私のワールドに学生の皆さんを引き込もうとしているんですけど。(笑)

それで、前回の1972年のオリンピックは、僕から言うと、行政が「ここにこの施設をつくります、こんな公園をここに作ります。そこにアクセスする道路をこうつくります、地下鉄をこうつくります」というのを、主に札幌市、行政が主導で決めていった。

今回はみんなが決めるべきだと僕は思っている。

だから、アイデアにはどういう施設をみんなが欲しいのか、ということも含めていいと思う。でもそれが(話が)大きすぎるというのであれば、広場をどう作るのかとか、商店街と広場をどう連携させるのかとか。

例えば、「全部の区役所の前にオリンピック広場をつくろうよ」ということをベースに、その広場をどう作るのかをみんなで考えるとか。そういうこととオリンピック・パラリンピックを絡めることが出来れば、またレガシーとして後世につながっていくのかなと思います。

 

福津さん

私が思っていたより求めるアイデアが広かったので、学生の皆さんもそう感じているかもしれませんね。

 

川端さん

平昌の観戦チケットの販売が始まっているのですが、ネットで金額を見てみてください。大会を追うごとに高くなってきているんですよ。プラス渡航費がかかります。今の札幌も、観光客が増える時期にはホテルの金額もすごく跳ね上がるよね。

でも、それではオリンピック・パラリンピックを見に来てもらえない。

それで、私もマスコミの仕事をしていますので、テレビで見たほうがフルで見られるし、解説付きなんですけれど、生で目の前でアイスホッケー選手がぶつかる激しい音とか、スピードスケートの500mなんて瞬きしている間に選手が通り過ぎてしまう。冬季競技は寒くて見るのが大変なんですけれど、やっぱり生で見てもらいたいですね。

では、みんなが見に行けるように、コストを下げてチケット価格を下げることができるのか、というアイデアも面白いかもしれないですね。

もちろん、いまテロの問題もあるので、入れる観客数とか、規制はされるのですが、それはそれとして、例えば市民約200万人がどれかの種目に最低1回観戦に行くとしたらどうなの?

チケットを安く出す代わりに、何かをして帰りましょう、というような。だって、ごみ拾いだってボランティアがやるんだから。そういう活動で「みんなが一回は生で見ようよ運動」みたいなのはいいなと。

みんなもスキー学習を学校でやったでしょ?そう考えると、野球をやってる少年より、スキーを体験した人の数っていうのは多いはず。でも、中学までは大体スキー授業があっても、高校によってはなくて、スキーをやらなくなってしまう。

でも、そういう人も今はレンタルスキーが充実しているから、一回3,000円とかで借りてみたら?

買うよりずっと安いから、体験してみて。自分で体験してからアスリートの滑りを生で見ると「なにこの人たち!」って、アスリートのすごさがよく分かると思う。

パラリンピアンを見たらもっとすごいってなると思う。

 

もうひとつお伝えしたいのは、この街の中に、さっき6メートル雪が降るっていう説明ありましたね。

実は、200万人以上いる世界中の都市のニューヨーク、パリ、それからミュンヘンも含めて、緯度が札幌と同じ位か、札幌より高緯度にあるこれらの都市で、街のダウンタウンの中に4メートル以上雪が降る都市は存在しません。

雪が5センチメートル降ったら、街が機能しなくなります。札幌はそういうことがなく、これは私が世界中を転戦した中で思った、最大の札幌の自慢話です。

ニューヨークは5センチ雪が降るという予報が出ると、テレビで「時間がある人はバイトしませんか」という告知が出るんですよね。

札幌に住んでいると、雪かきや道も狭くなって、面倒な部分もありますけどね。家の前にみんなで雪像をつくるということも、どこかから雪を持ってこなくても出来てしまうんですよね。

 

五十嵐雄祐さん

僕もオリンピック・パラリンピックについて調べたときに、札幌の独自性、特殊性ということには着目したんですよね。

アスリートにとって、人工雪がいいか天然雪がいいかという問題は別にして、天然雪の中で競技ができてそれを直接見ることができるっていうこの環境はやっぱり札幌の魅力だと思うし、そこを活かせるようなアイデアが出てくるといいなと思いますね。

 

福津さん

そうですね。全世界の人にこれだけ天然の雪があってスポーツできるんだよ、というアピールにもなりますし、そこで楽しい生活もできるんだよ、というアピールの場所にもなるなあと思いますね。

 

五十嵐淳さん

オリンピックに出ている人たちっていうのは、超人なんですよ。努力で補える部分と、そうではない部分というのは残酷なんですけど人間にはあって、例えば今回の世界陸上で引退しましたけれど、ボルト選手はもう超人をさらに超えた人なんだと思うんですね。

努力して、例えば150キロの球を投げられるようになるのであれば、みんな必死に努力しますよね。だってプロ野球で成功すれば年俸何億円とかもらえるんですよ。

川端さんも3回もオリンピック出られるなんて、超人だと思いますよ。で、超人だということを理解した上で、ライブで見に行こうというね。超人を目の当たりにして初めて、自分が凡人なんだということを理解しつつ、超人を楽しもうと。これは失礼な言い方かもしれないけど。

でも、それが最大のオリンピックの楽しみ方なんだろうし、一度にたくさんの超人たちが見られるという最高の機会がオリンピック。

その中でさらに最高の超人が金メダルを取るわけですよ。だから、何でチケットがそんなに高くなるのか、残念ですね。仕組みの問題が大きいのかも知れませんが。

今言いたいことは、ネットが普及しているから、ちゃんとリサーチすれば過去の問題点とか良かった点はいくらでも把握できる状況なわけです。特に建築学生に言いたいのは、建築にはリサーチ能力がどれだけ大事か、ということ。そしてそれを自分でちゃんと理解して編集できる能力がすごく重要なんです。そして、理解して導いた結果を、今回は建築物に向けるのではなくって、もっと違うアイデアに向けてみてほしいと思いますね。建築に向けてはいけません。(笑)

 

川端さん

先ほど、オリンピアンは超人という話が出ましたけど、私は標高500メートルの藻岩山で練習してたんですよね。中学校からはナショナルチームでヨーロッパ行きましたけど、向こうでは今1,500メートルくらいの山までいかないと雪が降らないんですよ。

ヨーロッパでの500メートルは、牛が放牧されているような標高なんですよ。出だしは札幌の低い山であってもオリンピックは目指せるということは言いたいですね。

だからなのか、自分の実家がそうであったように、今の自分の家の窓からも藻岩山が見えるところに住んでいる。見えると落ち着くんですよね。自分は札幌の人間なんだな~と思いますね。

 

札幌の特色としては、もうひとつ、他のアジアの都市に比べて、札幌は四季がはっきりとしているんだと思う。その四季に豊かさを表現しながらオリンピック・パラリンピックと結びつけるアイデアもいいのではないかと思いますね。

 

 会場の様子2

福津さん

本州から来た人に「札幌の人ならスキーできるんでしょ?何級を持ってるの?」と聞かれるんですけれど、「いやいや、札幌の人はそういうのでスキーできるかどうか決めないですから。テイネの女子大回転をすべることができるかどうか、それが目安ですから」と言うと驚かれるんですよね。でも、そういう地元人ならではの遊び方というか、ルールや楽しみ方を盛り込みつつ、そこに自分の得意分野を生かしたアイデアで、足を運んだり参画できるきっかけがあると素晴らしいですよね。

その結果、世界最高峰の大会を飛行機に乗らずして、自分の街で見られるという、そういう時間が過ごせるって素晴らしいことですよね。

 

川端さん

地元の遊びということでは、真駒内の屋外スケートリンクは滑走料が400円(平日16時以降)、貸し靴を入れてもそんなに高くないから、1972年の札幌オリンピックのスピードスケートコースもみんなが体験できますよね。

 

五十嵐淳さん

事前に、「見に行きたい」という衝動を街を挙げて起こさせる、例えば、どんな選手が今強いのか、日ごろからその競技を詳しく見ていないと分からないですけれど、「あ、この選手が今度来るんだ。じゃあ生で見てみたい」という衝動を起こさせるようなアイデアがあればいいですね。

それで「あの選手を生で見た」という記憶が子どものころにあれば、オリンピック・パラリンピックを目指す人も当然増えるだろうし、ウインタースポーツの裾野も広がっていくのではないでしょうか。

例えば、数年前から札幌のローカル放送でもいいので、なるべく世界中のウインタースポーツのテレビ中継を流し続けると。そして「どの選手がどんなタイプだ」と解説する人がいて、根付かせていくというようなことも戦略としてできればいいなとか。こういうことも、建築をやっている人が考えなきゃいけない。

 

福津さん

建築家は建築のことだけやっていればいい、ということではないのですね。(笑)

 

五十嵐淳さん

まったく逆だと思いますね。

 

川端さん

みんなが冬季競技を「見たい!見たい!」と思うようなきっかけがあればね。テレビ中継も入るようになるでしょうね。

 

川端さん

あと、食べるものについては、札幌はどこの国の料理も食べれるし、素材の良さを感じますよね。

でも、他所の大会を見ていると、そういう店でもオリンピック・パラリンピックの時にはなぜか値段が上がっていったりするんですね。それだと、せっかく来てくれた人がいやな思いをすることになる。

 

福津さん

そうですね。

北海道の魅力である食べ物の話も今日はしたかったんですけど、時間がなくなってきたので、最後、白鳥さんいかがですか?

 

白鳥さん

今日この場で話したかったことはね、次に「つながる」ことを今回も考えていかないといけないよね、ということ。建物(ハード)の話もあるが、ソフトの話としては、「雪」というものは札幌には欠くことができないし、雪がある札幌っていうのが世界にも受けると思うので、雪を体験できる場があちらこちらにあることが札幌のこれからの観光を後押しするのかなと思いますね。

うちの会社(札幌駅前通まちづくり㈱)は北海道庁前のアカプラというところの管理をしているんですけれど、あえて除雪をしない期間を設けているんですよ。すると、タイなど東南アジアから来た人たちは、そこに寝転がって写真を撮ってSNSで発信するんですよ。

雪を身近に感じられることが、「次も札幌にもう一度来よう」と「来たときにはスキー場が近いから行こう」ということにつながっていくと思うので、そういうソフト体験を今度のオリンピック・パラリンピックのときにできるようなアイデアがあると、すごくいいのかなと思います。

 

福津さん

ありがとうございます。

アイデア募集にあたり、イメージをつかみにくかった方もいらっしゃると思いますが、今日の話がなんとなく皆さんのヒントになればいいなと思いますね。

それではこれでトークショーは終了させていただきます。

ありがとうございました。

 

 

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