ホーム > 市政情報 > 広報・広聴・シティプロモート > 広聴 > 広聴事業の紹介 > 令和元年度第3回市長とじっくりトーク概要

ここから本文です。

更新日:2023年1月17日

令和元年度第3回市長とじっくりトーク概要

令和2年2月13日に、動物ボランティア、札幌市動物愛護推進員の方7人に札幌市役所本庁舎市長会議室にお集まりいただき、動物愛護について市長と語り合っていただきました。

対話者の皆さまからの声

 

ボランティア活動、動物愛護推進員の活動において苦労していること

  • 令和元年度第3回市長とじっくりトークの様子1札幌市の動物愛護ボランティア制度に登録されている方はたくさんいますが、現場ですぐに動ける人数が少ないので、人手不足だと感じています。動物管理センターには、ひどい状態の犬や猫が急に収容されてくることが多いので、お仕事をされているボランティアの方は活動の調整がつきづらいと思います。しかし、札幌市のケアボランティアは、第一種動物取扱業(保管業)の動物取扱責任者に必要な要件を満たす資格または学歴資格がないと認められないため、限られた人材しか確保することができない状況です。資格を持っていなくても、トリマーなどは独自に学んでいる方や実践経験がある方もたくさんいらっしゃいますし、資格はあっても実践経験がほとんどない方もいらっしゃいまして、即戦力になる実践経験のある方にケアボランティアになっていただきたいと思っています。採用基準を少し見直してほしいです。
  • 動物に関する知識を持たずに飼育することによるトラブルがあります。飼育されているペットのうちの8割が犬や猫で、鳥は1割未満と割合も低く、昔のままの知識で鳥を飼われている方が非常に多いです。まさか大型の鳥などが50年も生きる動物だと知らずに高齢者の方が飼育されていて、まだ鳥は5歳なのでこの先どうしよう、という相談もあります。インコやオウムには国際希少野生動植物に登録されている種類がかなりありますが、きちんと登録していなければ移動もできないという知識のない方もいらっしゃいます。登録のお手伝いをしたり、説明をしたりすることが大変です。犬で困れば犬の団体へ、猫で困れば猫の団体へつなぐことができるのですが、鳥や小動物となると横につなげていくのが難しく、困ることがよくあります。動物を飼うことにより生きがいを感じる方もいらっしゃいますので、それをサポートしていけるという点ではやりがいもあります。
  • 私たちの活動をもっと知ってもらいたいです。孤独死や事件があった部屋にひどい状態で動物が取り残されていることがあります。警察が行政に相談しても、受け入れの調整がつかず、そこから長い時間放置されることもあります。これだけ動物のボランティア活動をしている方がいるわけですから、行政から警察に、このようなボランティア団体がありますよと、一言でも伝えてくれていたら、そこまで長時間放置されることはなかったと思います。ですから、行政にはもう一歩踏み込んでほしいです。どうか私たちの活動を知っていただいて、名前と電話番号を伝えていただきたいです。そして、行政の担当者には一緒に現場に入っていただきたいです。そうすれば、皆さんの想像の100倍も苛酷な状況に猫や犬がいるということがわかると思いますし、物事がスムーズに運ぶと思います。

引き取りや保護を必要とする動物が発生してしまう原因とその対策

  • 令和元年度第3回市長とじっくりトークの様子2現在の札幌市の動物管理センターの収容状況を考えますと、近年、高齢者の飼育放棄や多頭飼育崩壊が多いように思います。1匹目を飼ったときに誰しもが考えなければならない飼い主としての責任感の欠如、飼育における知識の低さが招いている問題だと感じています。1匹目に不妊手術を施していたら多頭になることはないのです。高齢者の方は、動物を飼うときに、十数年先のことを考え、自分自身に何かがあったときに頼めるような後見人を前もって探しておけば放棄にはつながらないのではないかと思います。対策としては、現在飼われている方だけではなく、これから飼われる方にも飼育者としての責任を持ってもらうとともに、意識向上をしてもらうべく、窓口となっているペットショップやブリーダー、そして札幌市には不妊手術を含む適正飼育や法で定められている終生飼育のことについてなど、今まで以上に啓発に力を注いでほしいです。
  • 貧困や社会からの孤立も原因だと思います。動物の避妊、去勢ができない、ワクチンも打っていない、適正な飼育ができないということで、それが負の連鎖となり、10匹、20匹と増えていってしまうということがあります。猫がいっぱいいて、ご飯をちょうだいと慕ってくれることによって満たされるということがあります。当団体への相談者は、年金で暮らしている高齢者と生活保護を受けている方の割合が多いです。私たち保護団体のところに相談が来るときには、もう首が回らなくなってしまった状況で、「100匹になってしまいました、もうお金がないです」と深刻な状況になっています。もっと早く連絡をくれていれば、と思うのです。そこで、市民の生活に精通している民生委員などがご自宅に行った際に、この家のペット飼育環境はちょっとおかしいなと思ったら連絡できる市の部署があるといいと思います。そこから、これは動物管理センターがやります、これはボランティア団体にお願いしましょうと、役割分担することによって、お金もかからず、人の動きも最小限で問題を解消できるのではないかと思います。ペットの問題があるところは必ず人間や社会の問題があります。どこか一つの団体や部署が解決できる問題ではないです。横のつながりをしっかりと持って、みんなで解決していければと思います。
  • 犬や猫だと、文句も言わず、嫌なことも言わず、自分の言うことを聞いてくれ、ご飯に頼ってくれ、甘えてくれ、それが自分の存在価値だと思ってしまうところが多いと思うのです。その上、多頭飼育になると、現状が見えなくなっていて、今、猫たちがこういう状況だということが見えているようで見えていないのです。相談窓口があることは知っていたとしても、相談したら怒られそう、と一歩を踏み出せないところもあると思うのです。もう少し気軽に雑談程度に話ができる場所があったらいいなと思います。

動物愛護教育や適正飼育の普及啓発活動の中で感じること

  • 夏休みや冬休みに親子での猫のケア体験をしているほか、地下歩行空間でのパネル展示、ショッピングセンターで適正飼育の普及活動を行う中で、お客様からよく聞くのは、猫の避妊、去勢をすることがかわいそうだ、家の中で飼っているのだからワクチンは必要ない、ベランダならばリードを付けて猫を外に出しても良いのではないか、という意見です。そのような意識を持っている方が一定数います。一つ一つ説明していくのですが、やはりご理解をいただけないこともあります。ワクチンを打たないことで病気になって、その結果余計にお金がかかりますよと伝えても、私はこういう主義だから、自分の考えとは合わないのでやりません、という方が多数います。そこをどう理解していただくかが課題です。
  • 若い方たちはインターネットなどで情報収集が簡単にできるのですが、ご高齢の方にどうやって適正飼育を浸透させるかが課題だと思っています。また、子どもたちへの普及啓発活動もものすごく大事だと思っています。
  • 犬をノーリードで散歩する人は昔よりは減りましたが、やはりまだいらっしゃいます。犬は必ず戻ってくるから自由に林の中を走らせて遊ぶという方がいますがこれは飼い主の自信過剰なのです。そのまま戻ってこないという相談もあります。動物を飼う時に飼い方の講習会を受けていただく機会があればいいなと思います。

災害時における避難所でのペットの取り扱いについて

  • 災害時には、人もペットもパニック状態になるので、万が一のための飼い主の日頃からの備えが一番重要だと思います。犬であればケージ入ることに慣れさせる、あるいは、アレルギーのある方や動物が苦手な方もいらっしゃるので、その方たちに配慮し、においやトイレのことも含め、しつけをしっかりとしておくことも大事だと思います。
  • 災害地にボランティアに行った際、地域の方々が被災した動物の面倒をみたり、保護をしてくれた例があるので、普段からボランティアを浸透させておくことがとても大切ではないかと思います。

今後行政に望むこと

  • 一番に望むことは、一日も早く札幌市に動物愛護センターができることです。平成28年度に札幌市の動物愛護及び管理に関する条例が施行されましたが、条例を適正に運用していくためには、ハード面でも見本となる施設が必要だと思っています。条例の目標に掲げた、人と動物が共生する社会の実現、人と動物が幸せに暮らせるまち・さっぽろを実現するためにも、動物の愛護と福祉に配慮した動物愛護センターを新設して欲しいと思います。
  • 犬を飼っている方に動物管理センターから狂犬病予防のお手紙が年に1度必ず届くので、その際に、適正飼育についてのパンフレットなどを同封していただければいいなと思います。
  • 飼い猫を外に出しているせいで、野良猫が赤ちゃんを産んで野良猫が増えるということがよくあります。自分の猫は雄だから気づかないのです。なぜ外飼いしてはいけないのか、なぜ危険なのかをもっと広めてもらいたいです。
  • 高齢者は動物を飼わないほうが良いという意見もあるとは思いますが、飼育の仕方を責めるのではなく、事情があって飼育を続けられなくなった際の受け皿を整備できるといいなと思います。動物に興味のある人しか知識がない状況を解消していくことが一つなのではないかなと思っています。私たちは動物に興味があるから携わっていますし、情報も得ていますし、見てもいるのですが、知らない人は全く知らないことなのです。そのような方たちにも、少しでもいいので、私たちの活動を知ってもらえる状況や機会を作っていきたいです。また、このようにお話をする場を市長につくっていただけたので、動物愛護の先進地域札幌をこれからつくっていけるのではないかと楽しみにしています。

秋元市長から

令和元年度第3回市長とじっくりトークの様子3札幌市では、「人と動物が幸せに暮らせるまち・さっぽろ」の実現に向けて、「札幌市動物愛護管理推進計画」に基づき、施策を推進する基幹施設である(仮称)動物愛護センターを整備する予定です。

動物の飼育に関して気になることがあったとき、色々な方々と繋がることがすごく重要だなと思いました。今は動物のことにまで目が届いていないことが多いのですね。例えば、動物ボランティアや動物愛護推進員と動物管理センターとのつながりはあるけれども、市の福祉や介護の部署とつながっているかというと、残念ながらそうなっていないという状況があります。高齢者や貧困の世帯が飼育放棄や多頭飼育崩壊につながることが多いというお話がありましたが、その状況をふまえると、今後は福祉や介護の部署と密接につなげていかなければならないのかなと改めて感じました。我々、職員間はもちろんですが、ボランティア活動をされている方とのつながり、近所の方とのつながりも含めて、うまくつなげていき、大きな問題にならないようにしていくことがものすごく重要なのだと思います。まだ人手が足りないという問題がありますので、それは子どもたちへの啓発も含めて、活動する人を増やしていきたいですね。今はまだ足りないのだということを改めて勉強させてもらいました。人と動物が幸せに暮らせるまち・さっぽろの実現に向けて一緒に取り組んでいければと思います。

 

このページについてのお問い合わせ

札幌市総務局広報部市民の声を聞く課

〒060-8611 札幌市中央区北1条西2丁目 札幌市役所本庁舎1階

電話番号:011-211-2042

ファクス番号:011-218-5165