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戦地への慰問

郷土便り(昭和17年(1942年))

札幌市銃後奉公会(札幌市役所内)が発行した、出征して戦地にいる兵士へ郷土の行事や季節の様子を知らせた冊子です。慰問袋に詰めて送りました。表紙は市内の女学生がバケツや火たたきを持って防空訓練をしている様子。グラビアは「寒風何ぞ!」と題して、弾丸切手の販売、女学生のなぎなた練習など、市民の銃後の姿を掲載しています。

札幌市公文書館蔵

慰問袋

慰問袋とは、戦地の兵士を励ますために内地の家族や知人が送る慰問品を詰めた袋で、日露戦争中に始まったといわれます。当初は特定の相手に送ったので母親が縫った下着やお守を詰めていましたが、太平洋戦争時には兵士が多くなったため、義務として隣組や学校へ割り当てられ不特定の兵士宛てとなりました。中身はキャラメルや手紙、『郷土便り』など雑誌が多くなり、兵士からの答礼がくることも多くありました。 やがて戦局の不利により運ぶ船が足りず、最前線の兵士に届かなくなり、活動も下火となりました。(『日本陸海軍事典』)

北海道博物館蔵

絵日記(慰問袋を作った様子)

出征した兄の担任教師あてに慰問袋を作ったことが子どもの絵日記に描かれています。「ニイチャント、フジタサント、ヲノセンセイニヰモンブクロヲツクルタメ イロイロカッタリ カイタリシマシタ」 

札幌市 林 恒子氏提供

軍事郵便(慰問袋へのお礼)

札幌北九条尋常小学校からの慰問袋に詰めた図画に対して、兵士からの答礼のはがきです。
「あなたの書いた図画が学校より送って来ました。非常に良くかけて居ますね。留守中の者がくらしに毎日陰膳を据えて夫のそして父の武運長久を祈っていて呉れるかと思うと、自分等はますます大君のため明日は日本の礎石たらんとする覚悟が強くなります。あなた方が勉強して偉い人になり、強い日本の女となってください。をはり」

札幌市 笠井 照子氏提供

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