○札幌市文化芸術基本条例
平成19年3月8日条例第12号
札幌市文化芸術基本条例
題名改正〔平成29年条例39号〕
文化芸術は、人々の心のよりどころとして安らぎと潤いを与え、創造力豊かな人間性をはぐくみ、人との交流や連帯感を深め、多様なものを認めあう心を養うことにより、活力と思いやりあふれる地域社会の実現と国際交流、世界平和に寄与するものである。
札幌は、先人による厳しい自然との共生や闘いの歴史を経て発展した豊かな自然と高度な都市機能が両立する日本有数の都市である。こうした自然環境や歴史の中において、情報に鋭敏な感性と進取の気風がはぐくまれ、多様な文化が重なり合い、既存の価値観にとらわれない独創性あふれる文化芸術が創造されてきている。
このような歴史的背景を尊重し、さらに将来にわたり活力ある地域社会の繁栄をもたらすためには、多様な文化芸術を享受できる環境をつくり、文化芸術を地域の産業としてはぐくみ、国内外に発信し、交流を促進することによって地域の魅力を高めていくことが必要である。
ここに、札幌市は、文化芸術に関する施策についての基本理念と方向性を明らかにし、文化芸術に関する施策を総合的に推進することにより、市民が心豊かに暮らせる文化の薫り高き札幌のまちづくりを目指していくことを決意し、この条例を制定する。
(目的)
第1条 この条例は、文化芸術に関する施策に関し、基本理念を定め、市の責務並びに市民及び事業者の役割を明らかにするとともに、文化芸術に関する施策の基本となる事項を定めることにより、文化芸術に関する施策を総合的かつ計画的に推進し、もって市民が心豊かに暮らせる文化の薫り高きまちづくりに寄与することを目的とする。
一部改正〔平成29年条例39号〕
(基本理念)
第2条 文化芸術に関する施策の推進に当たっては、文化芸術に関する活動(以下「文化芸術活動」という。)を行う市民の主体性及び創造性が十分に尊重されなければならない。
2 文化芸術に関する施策の推進に当たっては、文化芸術活動が個性豊かな活力ある地域社会の実現に欠くことのできないものであることに鑑み、文化芸術活動が活発に行われるような環境の整備が図られなければならない。
3 文化芸術に関する施策の推進に当たっては、文化芸術の持続的な発展を促すため、人材の育成、文化芸術の発信・交流等の推進が図られなければならない。
一部改正〔平成29年条例39号〕
(市の責務)
第3条 市は、前条の基本理念にのっとり、文化芸術に関する施策を総合的に策定し、及び計画的に実施するものとする。
一部改正〔平成29年条例39号〕
(市民及び事業者の役割)
第4条 市民及び事業者は、文化芸術の創造の担い手として、主体性及び創造性を発揮するとともに、文化芸術活動を支援することを通じて、文化芸術を振興する役割を担うものとする。
(財政上の措置)
第5条 市は、文化芸術に関する施策を実施するために必要な財政上の措置を講じるよう努めるものとする。
一部改正〔平成29年条例39号〕
(基本計画)
第6条 市長は、文化芸術に関する施策を総合的かつ計画的に実施するため、文化芸術に関する施策に関する基本的な計画(以下「基本計画」という。)を定めなければならない。
2 基本計画は、次に掲げる事項について定めるものとする。
(1) 文化芸術に関する施策の推進に関する目標
(2) 文化芸術に関する施策に係る基本的な方針
(3) 前2号に掲げるもののほか、文化芸術に関する施策を総合的かつ計画的に実施するために必要な事項
3 市長は、基本計画を定めるに当たっては、市民の意見を適切に反映することができるよう必要な措置を講じなければならない。
4 市長は、基本計画を定めたときは、速やかにこれを公表しなければならない。
5 前2項の規定は、基本計画の変更について準用する。
6 基本計画は、情勢の変化に応ずるため、おおむね5年ごとに見直しを行うものとする。
一部改正〔平成29年条例39号〕
(文化芸術に関する施策を推進する環境の整備等)
第7条 市は、文化芸術に関する施策の推進に当たっては、次に掲げる事項に係る環境の整備が重要であることに鑑み、これらの環境の整備を図るために必要な措置を講じるものとする。
(1) 札幌の特性を生かした独創的な文化芸術が発展していくこと。
(2) 市民が文化芸術を享受できること。
(3) 文化芸術の担い手が育成されること。
(4) 文化芸術が伝承されていくこと。
(5) 文化芸術を通じて子どもの豊かな感性がはぐくまれること。
(6) 文化芸術が地域の産業として育成されること。
(7) 札幌の文化芸術が発信されること。
(8) 国内外の文化芸術との交流が活発に行われること。
2 市は、市が行うあらゆる施策において、安らぎと潤いを与える文化芸術の視点に配慮して推進するよう努めるものとする。
一部改正〔平成29年条例39号〕
(文化芸術活動に対する支援等)
第8条 市は、文化芸術活動に対する財政的支援を円滑に行うため、基金の活用その他必要な措置を講じるよう努めるとともに、市民、事業者等による文化芸術活動に対する資金的支援が活発に行われ、文化芸術活動に係る寄附文化が市民、事業者及び市の協働により醸成されていくために必要な環境の整備に努めるものとする。
(連携)
第9条 市は、文化芸術に関する施策を行うに当たっては、市、国及び他の地方公共団体、市民、事業者、芸術家等(文化芸術基本法(平成13年法律第148号)第16条に規定する芸術家等をいう。以下同じ。)及び文化芸術活動を行う団体、学校その他の教育研究機関等の間の連携が図られるよう配慮しなければならない。
一部改正〔平成29年条例39号〕
(意見交換の仕組みの整備)
第10条 市は、市民、芸術家等、文化芸術活動を行う団体等の自由な発想が文化芸術に関する施策の推進に欠かせないものであることに鑑み、市とこれらの者とが、文化芸術に関する施策の推進に関し、互いに自由かつ率直に意見の交換を行うことができる仕組みの整備を図るものとする。
一部改正〔平成29年条例39号〕
(委任)
第11条 この条例の施行に関し必要な事項は、市長が定める。
附 則
この条例は、平成19年4月1日から施行する。
附 則(平成29年条例第39号)
この条例は、公布の日から施行する。