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更新日:2011年2月21日

小金湯を見てきた桂不動

桂不動

桂不動

 小金湯温泉は、豊平川の辺りに3軒の旅館が寄り添うようにあり、むかしから湯治湯として市民に親しまれてきた。その道筋に「記念保護樹」に指定されている樹齢700年という桂の古木が直径3.2m高さ20mという巨体で、旅館の窓にとどかんばかりに枝を広げて茂っている。虚(うろ)や根元には数十体の地蔵さんが、誰がどんな願いや悲しみをこめてか知らないが祀られていて温泉を訪れる人々の多くがこの"桂不動"に立ち寄り、それぞれに思いを寄せ、近在の人びとも信仰の心を寄せている。
 むかし、定山渓温泉の開祖美泉定山も、平岸・札幌の往来にはここで憩いをとり、ときにはこの大樹の下に仮寝をしたという伝えが残されていることから、本願寺道路を旅する人びとの憩いの場として語り継がれてきたのではないかと思いがよぎる。
 さて、この温泉の歴史を訪ねると、そのむかし明治20年(1887)頃、平岸開拓者のひとり吉川太左ヱ門(よしかわ・たざえもん)がこの温泉を湯治湯として経営したことが平岸史話にものっている。
 思えば平岸開拓者との縁を待つ定山坊より温泉の話を伝え聞いての経営であったのかとも思われる。
 またこの地の開拓は、明治23年(1890)札幌農学校第四農場の"一の沢開拓"にはじまるが、熊本県から4戸の農家が入植、苦難に耐え成墾を果した"熊本開墾"で知られているが、この人達もはげしい労働に耐えた草創の日々、この温泉に浸りながら一日の労働をいやしながら遠くふるさとをしのんだであろう開拓の家族を桂不動は見守ってきただろうと思いを馳せながら古木を見上げた。
 この小金湯温泉に、定鉄の停留所ができたのは昭和11年(1936)で、約30年間、おおぜいの湯治客を扱ったが、なかでも夏の土用丑の日は電車を増結するくらい多かったという。また売店は親切な家族的な応待だったので湯治客にたいへん喜ばれた話も桂不動は見守っていたのかも知れない。


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