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更新日:2013年3月6日

中央幼稚園の取組(平成24年度)

1.研究のねらい

本園では、昨年度から『札幌らしい特色ある学校教育』の重点の一つ【環境】を窓口とし、『環境を大切にする気持ち』の芽生えを育みながら、研究主題『学びの芽生えから自覚的な学びへ』に迫りたいと考え取り組んできました。

また、『環境を大切にする気持ち』を育むためには幼児期における経験が重要であると押さえ、自然や社会の事象等の身近な環境との関わりの中で、その芽生えを育みたいと考えています。そして、『環境を大切にする気持ち』を育むためには幼児期における次のような『土台となる経験』が大切であると考えました。

土台となる経験

・幼児が身近な環境に気付き、心を動かして『自ら環境に関わる経験』

・現代の幼児に不足していると言われる自然との関わりなど、遊びや生活の中でじっくりと身近な環境に繰り返し関わり、『環境に関わり感じ取っていく経験』

・その歳の幼児なりに「こうなるんじゃないか?」と、楽しさ、美しさ、不思議さなどを、『自分の遊びや生活に取り入れる経験』

 

今年度の研究では、土台となる経験の中で見られる『学びの芽生え』の姿を捉えて考察してきました。その取組の中では、特に、昨年度の年中児の事例と比較検討ができるように、今年度の年長児の姿を追跡したことで、『土台となる経験』が発達に伴ってどのように積み重ねられるのか、またその経験の中でどのような『学びの芽生え』の姿が見られていくのかなどについても捉え、この研究を推進してきました。

2.取組内容

事例研究「友達と一緒に、経験を生かして遊ぶ5歳児の姿から」3年保育5歳児6月

1.教師の願い

これまでの砂遊びの経験を生かしたり、友達と自分の経験をつなげたりしながら、じっくりと繰り返し砂遊びに取り組み、その遊びの面白さを友達と感じ取ってほしい。その中で、身近な『環境を大切にする気持ち』の芽生えを育てたい。

2.幼児の姿

昨年の年長児が楽しんでいた温泉づくりを思い出した幼児が、友達と一緒に同じように温泉を作り始めた。「体が埋まるくらい、水をためたい。」という思いを、共通の目的として明確にもてるように教師が支えたことで、周囲の友達も加わり、塩ビ管を持ってきて水を流すなど、新しいアイディアも加わりながら遊びが進んでいった。

水がたまり始めると、ある幼児がタイヤを運んできてその中に入れる。そのタイヤを足がかりにして、向こう側へ跳び渡る遊びが始まった。するとある幼児は、「他にも何か楽しくなるものはないか。」とタライを入れてみる。穴のあいたタライを偶然持ってきた幼児は、友達の様子と違い沈むことに驚く姿が見られた。こうした現象をじっくりと楽しむことができるように教師が支えたことで、気付きや発想がさらにふくらみ、その楽しそうな様子から遊びに加わる幼児が増え、「舟と舟をつなげたいね。」「紐をつけて引っ張ったら動かせるんじゃない?」などと、自分の経験から予想したことを友達と一緒に試したり、発見を伝え合ったりしながら、友達と思いをつなげて喜々として遊ぶ姿が見られた。

中央幼稚園1

3.考察

年長児の遊びでは、『土台となる経験』の三つがまざり合い、行きつ戻りつしながらつながっていることが分かった。今後も様々な遊びの中で、『今、何を経験しているのか』『どんな経験につながっていくのか』を見極めながら援助していくことで、『土台となる経験』を積み重ね、『環境を大切にする気持ち』の芽生えが育まれるのではないか。

これまでの経験を生かし、今の経験とつなげて遊ぶことで、一人一人の幼児の経験が深まったり、広がったりする。このように経験が充実したものになっていくことが、学びの豊かさにもつながっていくのではないか。

3.成果・課題

全学年の事例研究を通して、『環境を大切にする気持ち』を育むための『学びの芽生え』の姿を以下のように捉えました。

<年少・年中の事例を通して>

・友達のしていることにアンテナを張る

・試行錯誤の繰り返しの中で様々なことに気付く

・夢中になって遊ぶことで五感を通して感じる、知る

・自分なりの発想で試す

・現実と空想を混同するという幼児期独特の感性により、幼児が遊びの中で豊富な仮説をもつ

<年長の事例を通して>

・これまでの経験を生かして遊ぶことにより、遊びに広がりや深まりが出る

・予想を立て試す、追究する中で『工夫する・考える』が充実する

・友達と目的を共有することにより、新たな気付きや方法を発見する

・友達と力を合わせたからできたという達成感・喜びを共有する

これらの『学びの芽生え』の姿に共通するのは、身近な環境に自ら関わり、感じ取り、自分たちの遊びや生活に取り入れることで育まれる、『楽しいからまたやりたい、関わりたい』と思う気持ち(=意欲)です。そして、幼児はこうした身近な環境と関わる直接経験を通して、物の性質に気付き、物と物との関係や差異を発見する面白さを味わいます。さらには、こうした発見を友達と共有したり、友達と一緒に考えて工夫したりすることにより、友達との関わりを深めると共に、興味・関心や思考を広げたり深めたりするようになります。

これらのことによって、幼児は身近な環境の一つ一つへの理解が深まり、愛着が増し、『環境を大切にする気持ち』の芽生えが育まれていくものと考えます。

以上のことから、幼稚園での遊びや生活そのものが身近な環境に親しむことであり、幼児期のこの経験が、生涯にわたり『環境を大切にする』ための土台となっているのでるのではないかと考えます。

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