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更新日:2011年2月14日

化学物質を適正に管理するための指針

札幌市告示第150-4号

札幌市生活環境の確保に関する条例(平成14年条例第5号)第83条第2項の規定により、化学物質を適正に管理するための指針を次のとおり定め、平成15年2月26日から施行する。

平成15年2月4日

札幌市長 桂 信雄

化学物質を適正に管理するための指針

1 趣旨

この指針は、札幌市生活環境の確保に関する条例(平成14年条例第5号。以下「条例」という。)第83条第1項に規定する化学物質(以下「化学物質」という。)を取り扱う事業者(以下「事業者」という。)が、化学物質の環境への排出の抑制及び化学物質による事故の防止を図るため、化学物質を適正に管理するために行うべき措置について定めるものとする。

2 化学物質の排出量等の把握に関する事項(化学物質を取り扱う全事業者に適用)

(1) 化学物質の排出量等の把握

事業者は、化学物質の毎年度の排出量等について、事業場ごとに(2)に規定する方法により算出した次に掲げる量を把握すること。

ア 化学物質の使用量

事業場において使用した化学物質の量

イ 化学物質の製造量

化学反応等により新たに製造した化学物質の量

ウ 化学物質の製品としての出荷量

製品として出荷した化学物質の量

エ 化学物質の環境への排出量

次に掲げる区分ごとの環境へ排出された化学物質の量

(ア) 大気

(イ) 公共用水域

(ウ) その他の環境中(土壌、埋立て処分等)

オ 化学物質の事業場外への移動量

次に掲げる区分ごとの事業場外へ移動した化学物質の量

(ア) 排水(下水道)

(イ) 廃棄物

(2) 化学物質の排出量等の算出方法

化学物質の排出量等の算出の方法は、次に掲げる方法とする。

ア 使用量、製造量及び製品としての出荷量

(ア) 使用量は、化学物質ごとに以下の算出式を用いて算出する。

使用量=年度当初在庫量+年間受入量-年度末在庫量

(イ) 製造量又は製品としての出荷量は、各々に当該化学物質の濃度を乗じて算出する。

イ 排出量及び移動量

次に掲げる方法のうち最も適切に把握できる方法により算出する。

(ア) 実測による方法

実際に測定した濃度から求める。

(イ) 物質収支による方法

取扱量から製品としての出荷量及び事業場外への移動を差し引いて求める。

(ウ) 排出係数による方法

取扱量に、排出係数(取扱量に対する排出量の割合を言う。)を乗じて求める。

(エ) 物性値を用いた計算方法による方法

化学物質の物理的化学的性状に関する数値から濃度を推測して求める。

(オ) その他の方法

(ア)から(エ)までに掲げるもののほか、的確に算出できると認められる方法

(3) 化学物質取扱工程の把握

事業者は、別表に掲げる化学物質の使用、製造及び貯蔵・保管に係る工程(以下「取扱工程」という。)を調査し、把握するとともに、各工程における作業内容及び作業内容ごとの化学物質の環境への排出の有無と排出量を確認すること。

3 化学物質の適正な管理に関する事項(化学物質を取り扱う全事業者に適用)

(1) 使用している化学物質の有害性等の調査、整理

事業者は、次に掲げる事項の調査、整理に努め、それぞれ簿冊を作成し、管理すること(これらと同等以上の内容と認められる方法により管理するものを含む)。

ア 事業場で取り扱っている化学物質の種類

事業場で取り扱っている化学物質の種類を調査し、把握する。また、条例第84条に規定する特定管理化学物質(以下「特定管理化学物質」という。)については、排出量等を把握するのに必要な化学物質の購入量や使用量等を管理するための簿冊を作成し、記載する。

イ 事業場で取り扱っている化学物質の使用目的

化学物質ごとの使用目的を調査し、原材料用、洗浄用その他の使用目的別に分類して調書を作成し、使用目的別の調書を綴った台帳として保管する。

ウ 事業場で取り扱っている化学物質の性状、有害性等

化学物質ごとに日本工業規格Z7250、特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律、労働安全衛生法及び毒物及び劇物取締法に準拠した化学物質等安全データシート(MSDS)を保管する。

MSDS等がない化学物質についてはその性状、取扱方法、適用法令、有害性及び事故時の処置方法の情報を収集し、記録し、及び保管する。

エ 化学物質取扱施設の場所及び規模等

化学物質を使用する施設・設備、製造する施設・設備、その他施設等(保管タンク、乾燥炉、洗浄施設等)について、それぞれの施設、設備等ごとの能力、容積、取り扱う化学物質の量を記載した台帳を作成し、これら施設の配置図を作成のうえ、これらを併せて施設管理簿として保管する。

(2) 化学物質の環境への排出を防止する措置等の内容及び保守管理

事業者は、化学物質の環境への排出の抑制を図るため、取扱工程を検証し、必要に応じて次に掲げる措置を行うこと。

この場合、法令等の規制基準等があるものは、これを遵守する性能を有するとともに、その性能を維持するため、作業前の作動の確認、運転状況の日常点検、機器類の定期点検その他の適切な保守管理に努め、その結果を点検簿を作成し、記録すること。

ア 化学物質を取り扱う施設の密閉化

イ 化学物質の蒸発を防止する設備の設置

ウ 化学物質を回収し、再利用する設備の設置

エ 化学物質の事業場外への流出を防止するための設備の設置

オ 化学物質の地下への浸透の防止対策

カ 排出ガス及び排水に含まれる化学物質を処理するための設備の設置

キ 化学物質を含む廃棄物を処理するための設備の設置

(3) 排出量等の削減に関する取組方法

事業者は、化学物質による環境への負荷の低減を目的とした、次に掲げる取組を進めるための計画書を作成し、実施すること。

ア 取扱工程の見直し

イ 化学物質の排出を防止する設備の改善及び変更などによる環境への排出量の削減

ウ 廃棄物の抑制、回収・再利用等による排出量の抑制

エ 新技術等の導入

オ 作業方法の改善及び変更により現在使用している化学物質から、より有害性の少ない代替品の使用

カ 新たな化学物質の導入時におけるより有害性の少ない化学物質の選定及び採用

キ 化学物質の適正な管理に関する事項について文書化による規程等の整備

(4) 事故の防止と緊急時の対応方法の策定

事業者は事故の防止を図るため、次に掲げる事項に留意するとともに、必要な措置を講じること。

ア 定期的な点検を行い、事故を未然に防止する。

イ 取扱工程における施設や設備の誤動作を防止するため、それらの作業手順や注意点などの表示をするとともに、作業前に危険ポイントの確認を行う。

ウ 事故防止や緊急時における迅速かつ適切な対処のため、全従業員を対象に安全教育を徹底するとともに、防災訓練などを行い、連絡体制、命令系統の整備・確認を行う。

エ 緊急時の防災活動(応急措置、汚染拡大防止策)、広報、避難、通信連絡等についての具体的行動を定めたマニュアル等を整備する。

(5) 管理組織

事業者は、管理責任者(アに規定する管理組織の長をいう。)及びそれぞれの部門における責任者(以下「管理責任者等」という。)を選任するとともに、管理責任者等から構成される管理組織を設置し、次の事項を実施すること。 

ア 管理組織の業務内容

管理組織は、次に掲げる事項について検討し、その内容を事業者に報告するものとする。

(ア) 化学物質の管理の基本的な方針に関すること。

(イ) 環境への排出削減に係る取組の推進に関すること。

(ウ) 新たな化学物質の導入又は有害性の少ない化学物質への代替の際の安全性の評価及び適否の判定に関すること。

(エ) 化学物質の適正な管理に係る事項の文書化に関すること。

(オ) 事故処理に関する手引書等の整備に関すること。

(カ) 化学物質の取扱いに関する従業員の教育及び訓練の計画に関すること。

(キ) 化学物質の排出を抑制する設備の選定、改善及び変更に関すること。

イ 管理組織図

事業者は、アに掲げる業務内容について、管理責任者等の役割分担を明らかにした組織図を作成すること。

(6) 従業員への教育及び訓練

事業者は、従業員に対し次に掲げる教育及び訓練を定期的に実施し、その実施日時、実施内容、改善点等をまとめた教育訓練実施結果評価書を作成すること。

ア 化学物質についての安全教育

化学物質を取り扱う従業員を対象に当該化学物質に関する安全教育及び事故を想定した訓練を実施する。

イ 事故時の対応訓練

全従業員を対象に、事業場で取り扱う全ての化学物質の適正管理、事故時の対応等について訓練を実施する。

(7) 化学物質の管理に関する自主的な見直し

事業者は、本指針に掲げる事項を踏まえ、自らの事業における化学物質の管理に関し、監査体制を整備するなどして次の事項について自主的な見直しを行うこと。

ア 化学物質の使用、取扱工程

イ 化学物質の環境への汚染対策

4 化学物質自主管理マニュアルの作成(化学物質自主管理マニュアル提出該当事業者に適用)

条例第85条の規定による特定管理化学物質取扱事業者は、化学物質自主管理マニュアル(以下「マニュアル」という。)を作成すること。このマニュアルは、「3 化学物質の適正な管理に関する事項」を参考にして次に掲げる事項について把握し、又は定め、これを記載した書面又は図面をとりまとめたものとすること。

なお、マニュアルは、理解しやすい内容とするとともに、必要に応じて随時見直しを行うこと。

さらに常に特定管理化学物質に関する情報収集に努めるとともに、得られた情報も参考にして特定管理化学物質の使用量の削減や、より有害性の低い化学物質の選定・代替、設備の改善、工程の見直しを行うなどにより、特定管理化学物質の環境への排出を抑制するよう努めること。

(1) 取り扱う特定管理化学物質の種類と使用目的、使用・製造の規模量等

(2) 特定管理化学物質の取扱工程

(3) 管理方法に関する事項

ア 特定管理化学物質の排出を防止する設備等の内容とその保守管理について

イ 特定管理化学物質の排出状況の監視の方法

ウ 特定管理化学物質の使用量、製造量、製品としての出荷量、環境への排出量及び事業場外への移動量の把握の方法

エ 特定管理化学物質の保管方法及びその容量

オ その他の管理方法

(4) 事故・災害の防止対策

(5) 管理組織について

ア 管理組織の名称及び管理責任者

イ 管理組織図

ウ 従業員教育及び訓練の内容及び実施方法

別表

  工程の種類 工程の内容
1 貯蔵工程 化学物質を含む原燃料、製品等の貯蔵、入出荷、移送、又は分配を行う工程
2 製造工程 化学物質又は化学物質を含む製品を取り扱う反応、混合、熱処理等の工程
3 機械加工工程 切削、研磨、粉砕、押し出し等の作業工程
4 脱脂工程及び洗浄工程 製品の脱脂又は洗浄の作業工程
5 塗装工程、印刷工程及び接着工程 塗装、印刷、接着等の作業工程
6 メッキ工程 金属表面のメッキ処理等の作業工程
7 染色工程及び漂白工程 製品の染色又は漂白等の作業
8 殺菌工程及び消毒工程 食器、器具等の殺菌、消毒等の作業工程
9 その他の溶剤使用工程 1から8までに掲げる工程以外の揮発性又は水溶性の高い化学物質を含む溶剤等を使用する作業工程
10 その他の燃焼工程 1から8までに掲げる工程以外の物の燃焼を伴う工程
11 その他の工程 1から10までに掲げる工程以外の化学物質を取り扱う工程

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