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更新日:2018年8月21日

Vol.03 下肢救済センター(2018年2月27日掲載)

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下肢救済センターとは?
 下肢救済センターとは、健康で歩ける足を保つため、診療科の枠を超え、コメディカルも一緒になったチーム医療で下肢救済を行う部門であり、平成29年4月に開設されました。
 糖尿病患者の増加と高齢化社会を背景に、糖尿病性神経障害による足潰瘍、下肢末梢動脈疾患による足潰瘍の患者さんは年々増加しており、足潰瘍から感染を起こし壊疽に至ると、下肢切断となる可能性が非常に高くなります。
 下肢救済センターでは、循環器内科、心臓血管外科、形成外科の専門家が連携して足潰瘍の治療を行っておりますが、今回は下肢救済センター長である堀内医師(形成外科)をインタビュー形式で紹介いたします。

堀内勝己医師

Q 医師を目指したきっかけを

A 医師を目指したきっかけの一つは中学生の時に母親が病気で入院したことです。元気で退院した時に、診てくれた先生に感謝するとともに、自分も医師として人のために役に立ちたいと思いました。もう一つは、これも中学生の時ですが、近所に住んでいる方が、医療費が払えず十分な治療を受けられないという話を聞いて、貧富に関係なく平等な医療ができればと思いました。

Q 形成外科を専門に選んだ理由は

A 私が学生の頃は、形成外科講座がある大学は少なく、福島県立医科大学にも講座はありませんでした。卒業後は消化器外科医か整形外科医になることを考えていましたが、大学5年生の時に、当時の北海道大学形成外科の教授、助教授の講義を聞く機会があり、形成外科の形態、機能を治す素晴らしさに感銘を受け、形成外科を専門に選びました。

Q 市立札幌病院を選んだ理由は

300227_3A 研修医3年目の時に市立札幌病院の救命救急センターで1年間研修できたこと、大学院入学前に1年間形成外科に勤務できたことから、症例数が多く働き甲斐のある病院だと思っていましたので、機会があればまた勤務したいと思っていました。大学院を卒業する時に、当時の形成外科部長にお誘いを受け勤務することになりました。2007年には退職し米国に1年間留学し、帰国後も市立札幌病院での勤務を希望し受け入れて頂きました。

 

 

Q 下肢救済センターではどのような患者さんの治療を行っているのでしょうか。また、治療実績はどのくらいでしょうか

300227_9A まず、私がなぜ足潰瘍の治療を始めたかについてです。私が研修医だったころ、形成外科の間では、足潰瘍は治癒しない、治癒してもすぐに再発するものと思われていました。ある時、勤務している看護師のご主人の足に潰瘍ができてしまい、すでに反対の足は切断している状態なので、何とか切断せずに治療して欲しいと頼まれました。しかし、残念ながら、その方の足は治らず、切断となってしまいました。その他にも、足部に潰瘍ができて治癒せず切断となる患者さんを沢山みてきました。
 人間にとって歩くための大切な足を切断せずに何とか残したいと思い、足潰瘍の治療を専門的に始めました。
 足潰瘍の原因には、動脈硬化などで血液の流れが悪くなってキズができてくる場合と、糖尿病の神経障害で感覚が鈍くなりキズができてしまう場合とがあります。放置すると、キズから菌が入り重篤化します。切断を回避するためには、早期発見と早期治療が不可欠です。足にキズがある場合、どの診療科に診察を依頼したらよいのか、判断に悩むという話300227_10をお聞きしましたので、迷わずに依頼できるよう下肢救済センターを立ち上げました。現在、形成外科、循環器内科、心臓血管外科が当番で窓口となり患者さんの受け入れを行っています。治療は、病態によって異なり、血液の流れが悪い場合は、カテーテルや手術で血液の流れを改善する必要があります。感染で壊疽になっている場合は、感染巣を取り除く必要があります。昨年(2017年)1年間の循環器内科でのカテーテルの治療は250件で、形成外科での手術件数は100件を超え、足部バイパス手術は30件となっています。

 

Q 診療科の枠を超えたチーム医療をしているとのことですが、どのようなことを心がけていますか。

A 足潰瘍を有する患者さんは透析を受けていられる方、糖尿病を有する方が多く、治療には腎臓内科、糖尿病・内分泌内科の先生方の協力は不可欠です。また、歩行を保つためには、下肢筋力維持のためにキズがある段階でのリハビリ治療も積極的に行う必要があります。キズを治すためには栄養管理も欠かせません。看護師の入院中の看護、病気に対しての教育、外来での再発予防にむけたフットケア等、多職種のスタッフがチームとなってかかわることが重要です。定期的にカンファランスを行い、多職種で情報を共有することを心がけています。

Q 患者さんや地域の医療機関に向け一言

A 足を切断せずに治療できるのがベストですが、足から感染をおこし全身状態が悪くなり、救命優先で下肢切断となってしまう方もいらっしゃいます。2011年の東日本大震災で、私は両親、兄を津波で失いました。その時に、どんな姿であろう、生きていて欲しいと願いました。患者さんはもちろんですが、患者さんを支えてくれる家族の思いも受け止めながら治療を行っていきたいと思っています。また、地域の医療機関の皆様には、足にキズがある場合は、遠慮せず下肢救済センターにご紹介いただければと思います。

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下肢救済センタースタッフ
センター長:堀内医師(後列左から3番目)
副センター長:宇塚医師(後列左から2番目)、檀浦医師(後列右から2番目) 

このページについてのお問い合わせ

市立札幌病院 

〒060-8604 札幌市中央区北11条西13丁目1-1

電話番号:011-726-2211

ファクス番号:011-726-7912