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更新日:2023年12月8日

PET-CT/RI検査

RI検査とは

 「RI検査」とは、核医学検査と呼ばれる検査で、微量な放射線を放出する放射性同位元素(ラジオアイソトープRadio Isotope)を使用するため、英語の頭文字をとってRI検査と言われています。  

 注射したRI薬品が検査目的の臓器に集まり、そこから放出する放射線を専用カメラ(シンチレーションカメラ)で撮影することで、形態や代謝などを調べる検査です。多くの検査は、検査台に約20~30分程度寝て頂くことで、比較的苦痛の少ない検査と言われています。ほとんどの検査で使用する放射性薬品は数時間で放射能(放射線を出す能力)が半減し、その多くが体外に排出されるため身体に害を及ぼすようなことはありません。

PET-CT検査とは

 「PET」とは「陽電子放出断層撮影」の略で、RI検査と同様に放射性薬品を注射して撮影しています。

 当院では、18F-FDGという薬剤を用いた検査とCTによる撮影を同時に行う「PET-CT検査」を行っております。FDGによる糖の代謝とCTの形態画像を一度に撮影することで、正確な腫瘍の大きさや位置、転移や再発、治療効果判定、大血管等の炎症などの診断に役立てております。    

検査を受ける際の注意事項

  1. 検査当日は時間に余裕を・・・
     RI検査は、目的とする臓器へ放射性薬品が集積することにより検査を行っています。そのため検査の種類によって注射してから撮影するまでの時間が大きく異なりますので、検査当日はなるべく時間に余裕のあるスケジュールを組んで下さい。
  2. 検査によっては事前の禁止事項などがあります・・・
     正確な検査を行うために、検査前絶食などの禁止事項がありますので、必ず、予約時にお渡しする検査予約票をお読み下さい。
  3. 当日のキャンセルは御遠慮ください・・・
     RI検査で使用する放射性薬品は、ご本人様専用に注文しているものです。そのため検査をキャンセルする場合は、検査前日までに御連絡するようお願いします。

主な検査の種類

2016年4月からPET-CTが稼働しました。
当院で行っている、SPECT装置も含めたRI検査をご紹介いたします。

FDG-PET検査 

 全身の悪性腫瘍を見つけ出す検査です。悪性腫瘍は正常の細胞より糖分をたくさん消費するため、糖の成分に非常に似ているFDGという放射性薬品を注射して検査します。腫瘍に集積した薬剤から放出される放射線を画像化して、腫瘍の位置や大きさの他、転移や再発診断にも有用で、治療方針の決定にも役立てられています。なおこの検査は、前処置として6時間以上の絶食が必要で、検査のための拘束時間が約2時間かかるなどの制約があります。

 


上:CT
下:PET


左から、Fusion画像のAxial、Coronal、MIP画像

骨・ガリウム検査 

 骨シンチグラフィは、主に前立腺がんや乳がん等の骨に転移しやすいがんに対して行われる検査です。骨に病変があった場合、正常な骨よりも多く薬剤が取り込まれ画像に描出されます。注射してから3時間後に検査を行いますが、およそ20~30分間の検査時間になります。

 ガリウムシンチグラフィは、体内の炎症部位を検索する目的で行われる検査で、主に不明熱の原因を探すために行われます。注射2日後に検査するため、改めて来院して頂く必要があります。


骨シンチ画像


ガリウム画像

脳血流・ドパミン検査 

 脳血流検査は、脳内の血流状態を画像化する検査です。脳梗塞など血液の流れに障害がある疾患に行う検査ですが、最近では認知症の検査として行われることが多くなっています。アルツハイマー病やレビー小体型認知症は、脳内の特定の部位の血流量が低下することが知られており、早期診断のためにこの検査が役立っております。

 ドパミン検査は、脳内のドパミンの分泌量を画像化する検査で、パーキンソン病やレビー小体型認知症などのドパミン分泌量の低下する疾患に行われています。


脳血流画像


脳血流低下画像(左脳)


ドパミン画像


ドパミン低下画像

心筋血流・交感神経検査 

 心筋血流検査は、主に狭心症などの虚血性心疾患に行われる検査で、心臓自体に血液を送る冠動脈の血行状態が、心筋にどれだけダメージを与えているかなどを調べるために行われます。運動で負荷をかけることが困難な方は、薬剤を投与することで運動している(血管が拡張している)状態にして検査を行っており、安静時と負荷時を調べるため2回の検査が必要になります。そのため検査は午前中一杯かかります。

 交感神経検査は、心臓の交感神経の分布を調べることにより、パーキンソン病やレビー小体型認知症などの交感神経系に影響を及ぼす疾患を診断するために行っています。


心筋血流画像


交感神経正常画像


交感神経低下画像

甲状腺・副甲状腺検査 

 甲状腺検査は、バセドウ氏病(甲状腺機能亢進症)や橋本病(慢性甲状腺炎)などを診断する目的で、甲状腺に集積するテクネチウムと呼ばれる放射性薬品を投与する検査です。甲状腺の形態や代謝量などを調べます。

 甲状腺検査は、昔からRI検査が得意としてきた検査で、テクネチウムという薬が甲状腺に生理的に集積する働きを利用して写真を撮ります。バセドウ氏病や甲状腺炎などの診断に有用で、検査自体も注射後に20分程度寝ているだけの、非常に苦痛の少ない検査です。

 副甲状腺検査は、体内のカルシウム代謝に関与する副甲状腺が腫大して血液中のカルシウム濃度が高くなる場合などに行う検査です。早期像と後期像を撮像するため3時間程度、時間を空けて撮影します。


甲状腺画像

 

 


副甲状腺画像

センチネルリンパ節検査 

 センチネルリンパ節とは、がん病巣から直接リンパ液が流れ込むリンパ節のことで、最初に転移が起こるリンパ節と考えられています。この検査は、乳がんなどを手術する際、どこにセンチネルリンパ節があるかを見つけ出す検査で、この画像を手掛かりにセンチネルリンパ節生検を行います。センチネルリンパ節の細胞を調べ転移がなければ、腋窩リンパ節郭清などを省略して機能温存や入院期間の短縮などにつなげています。


乳腺センチネルリンパ節画像

アイソトープ治療 

 アイソトープ治療は、投与する薬品から放出される放射線を利用して行う治療です。特に、ヨウ素のアイソトープをカプセルとして内服する甲状腺のバセドウ氏病の治療を多く行っています。カプセルを飲むだけなので、手術による術創も残らず苦痛の少ない治療方法です。

その他 

 RI検査室で行われる検査は、薬品の種類を変えて様々な部位に集積することで、肺、肝臓、腎臓、副腎、消化管、唾液腺など多岐に渡りますが、各器官の形態だけではなく機能や代謝を調べることが主な目的です。ほとんどの検査は、注射後20分程度で撮影を行いますが、検査の種類によっては数時間から数日の待ち時間が生じる場合がありますのでご了承ください。


腎皮質形態画像


肝アシアロシンチ画像


肺血流画像

 

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RI検査室の装置

PET-CT

GE社製 PET-CT装置

   当院で使用しているPET-CT装置は「TOF:Time of Flight」と呼ばれる方式で、鮮鋭度の高い高画質な画像が得られます。主にFDG-PET検査を行っており、悪性腫瘍の病期や転移診断、治療効果判定などに使用されています。

SPECT-CT

GE社製 SPECT-CT装置

   認知症の脳血流検査をはじめ様々なRI検査に対応しています。CTを搭載したSPECT装置のため、放射性薬品の体内分布を正確に画像表示することが可能です。