市立札幌病院公式ホームページ > 診療科・部門 > 部門 > 薬剤部について > 薬剤部とは
ここから本文です。
更新日:2024年2月19日
市立札幌病院では専門性の高い多職種の医療従事者が協働することにより、患者さま中心の「チーム医療」を実践しています。その中で薬剤部は「患者さんあるところに薬剤師あり」をスローガンに「安心・安全で有効な薬物治療の確保」を目指し、様々な業務を行っています。
医薬品の購入・管理・供給、調剤、製剤、医薬品情報管理などの基本業務に加え、以前より治療薬物モニタリング(TDM)業務や病棟業務(服薬指導、薬学的管理、注射薬の個人別セット)などに取り組み、さらに平成21年9月には電子カルテのレジメンオーダーが稼動し、抗がん薬の調製・レジメン監査など癌化学療法の充実に参画しています。また、がん専門薬剤師・がん薬物療法認定薬剤師や感染制御認定薬剤師をはじめ、様々な認定薬剤師の養成に力を入れており、薬剤部はより専門的で患者さんを中心とした業務に領域を広げています。
調剤とは、医師の発行した「処方箋」に基づき、個々の患者さんのお薬を調製することをいいます。
薬剤部では、内服薬や外用薬の調剤と、注射薬の調剤を分けて行っております。
調剤に際しては、薬剤師が投与量、併用禁忌、重複処方、ハイリスク薬の薬歴などをチェックし、必要に応じて医師へ確認し、安全かつ有効な薬物治療が出来るよう努めています。
近年では、「薬剤師が薬剤師にしかできないこと」に専念できるよう、電子化・機械化(システム導入)も積極的に行っております。
また、患者さんや保険薬局(調剤薬局)からの問い合わせに対し、窓口となってお答えする業務も担っております。
患者さんが、入院期間中さらには退院してからもお薬を安心して使用していただけるように、薬剤師がベッドサイドに伺って、お薬の効果、副作用、使用上の注意事項など、お薬の情報についての説明や質問に回答しています。
また使用しているお薬の履歴を管理して、今後の治療に必要な薬と飲み合わせに問題ないか、治療が始まった後にはアレルギーや副作用が出ていないかなど確認して、医師や看護師等の医療スタッフと情報共有し安全な薬物治療の提供に努めています。
さらに、退院時には、処方されたお薬の名前、使うときの注意などが書かれた「おくすりの説明書」や「おくすり手帳」を用いて説明し、保険薬局を含めた他の医療機関でも活用できるようにしています。
医薬品情報の収集整理・保管・加工と専門的評価を行い、日々、病院スタッフや患者さんへのお薬に関する問い合わせへの対応を行っております。
また、院内医薬情報誌(Drug Letter)の編集・発行、院内医薬品集の発行を通して、医薬品情報の伝達に努めています。
医薬品の採用または採用中止などの審議を行う薬事委員会では、事務局業務を担当し、新規採用・採用中止薬剤の資料の収集および整理を行い、審議の結果を院内に周知しております。また、医薬品の副作用の収集および伝達なども重要な業務となっています。
病院内で使用される医薬品(内服薬・外用薬・注射薬など)の管理供給を行っています。
医薬品の購入・出庫・在庫管理は薬剤師管理の下、薬品倉庫専任のSPD(物流管理:Supply Processing and Distribution)スタッフが実施しています。
注射薬調剤業務においては、注射薬自動払出装置(UNIPUL®-NDS4000)を導入し、患者さん一人一人の注射薬を一施用毎にセットすることにより、業務の効率化と医薬品の適正使用・安全対策に努めています。
薬は製薬会社が製造し、供給(市販)されますが、医師が診断・治療する上でそれらでは十分な効果が得られないことがあります。その場合、市販されていない剤形(錠剤、軟膏、注射などの薬の形)、あるいは市販されていない成分の特殊な薬が使用されることがあります。製剤係ではそのような特殊な薬を調製し、診断・治療のために供給しています。その他、免疫力の低下した患者さんの場合、注射薬は無菌的に混合・調製することが望まれます。また抗がん薬の注射は、無菌的に混合調製するだけでなく、患者さんの体格や疾患などにより使用する量が異なり注意が必要です。製剤係ではこれら注射薬の混合・調製を実施しています。
薬には効果に個人差がでる場合があります。また、薬によっては治療効果や副作用と、血液中の薬の濃度にある関係(相関)が認められているものがあることが判ってきています。このような薬の血液中の濃度が、望ましい範囲内に収まるよう用法・用量などを調節し、患者さん個々に、有効で、かつ安全な治療をサポートする業務を行っています。なお、測定業務は平成20年1月から検査部が行っています。
外来化学療法センターでは、治療を受けられる患者さんへの治療スケジュールや副作用の説明、化学療法に関連した処方薬の説明を行っています。
加えて、地域全体でがん薬物療法の安全性を高める目的として、地域の保険薬局と連携(情報共有)しております。
保険薬局からの情報はトレーシングレポートとして病院へフィードバックされ、当院薬剤師は主治医にその情報を伝えることで次回の診療に反映できるよう心がけています。
また、外来化学療法センターでは、抗がん剤調製に職業曝露の観点から安全
キャビネットの中で最も安全性の高いクラスIIIに分類される密閉式の無菌調製用
陰圧式アイソレーターを導入し、曝露リスクをコントロールしています。
※その他、薬系大学の学生実習の受け入れを行い、将来の薬剤師の育成に努めています。
演題名 | 演者名 | 所属 | 学会名 | 発表月日 | 発表地 |
---|---|---|---|---|---|
不眠症治療薬の薬理学的特徴と比較 | 上野太佑 | 市立札幌病院薬剤部 | 不眠症治療薬を医療安全から考える会 | 2022年1月26日 | WEB |
Safety Evaluation of the Switch from Reference Bevacizumab to Biosimilar in Patients with Colorectal Cancer |
井上靖隆 辻本高志 寺谷俊昭 宍戸桃子 山本明日香 加納宏樹 村井太一 中村路夫 |
市立札幌病院薬剤部、市立札幌病院消化器内科 | 第19回 日本臨床腫瘍学会学術集会 | 2022年2月19日 | WEB |
多量腸切除による免疫抑制薬の吸収不全をきたした一例 |
辻本高志 後藤仁和 樋口はるか佐々木元 田邉 起 |
市立札幌病院薬剤部、市立札幌病院腎臓移植外科 | 第55回 日本臨床腎移植学会 | 2022年2月23日 | WEB |
糖尿病合併腎移植患者におけるMMFの血中濃度の検討 |
高本大路 辻本高志 佐々木元 原田 茂 高田祐輔 平野哲夫 田中 博 |
市立札幌病院腎臓移植外科、市立札幌病院薬剤部、市立札幌病院泌尿器科 | 第55回 日本臨床腎移植学会 | 2022年2月24日 | WEB |
外来化学療法においてICTを活用したカルテ閲覧とトレーシングレポート併用が有用であった薬薬連携の症例報告 |
井上靖隆 寺谷俊昭 山本明日香 高口弘美 上田 晃 川本由加里 中村路夫 後藤仁和 |
市立札幌病院薬剤部、市立札幌病院看護部、市立札幌病院消化器内科 | 日本臨床腫瘍薬学会学術大会2022 | 2022年3月13日 | 仙台 |
薬剤師&循環器医師症例カンファレンス |
二木祐輔 村井大輔 |
市立札幌病院薬剤部、市立札幌病院循環器内科 | Heart Full Umbrella 2022 Mar. Webミーティング | 2022年3月28日 | 札幌 |
『地域医療連携ICTネットワークを活用した薬薬連携の取り組み』 ~連携の質を高めるために~ | 井上靖隆 | 市立札幌病院薬剤部 | Pharmacist Oncology WEBセミナー | 2022年4月12日 | WEB |
注射用抗がん薬の大容量規格製品追加による調製時間短縮及び薬剤費削減効果 |
生出 亘 中村健一 二木祐輔 山下良子 大下直宏 山本明日香 上田晃 川本由加里 後藤仁和 |
市立札幌病院薬剤部 | 第69回 北海道薬学大会 |
2022年5月21日- 22日 |
WEB |
ダラツムマブ点滴静注製剤から皮下注製剤へ切替時の臨床的安全性評価 |
西村悠汰 東 亮佑 井上靖隆 長原しのぶ 上田 晃 川本由加里 後藤仁和 |
市立札幌病院薬剤部 | 第69回 北海道薬学大会 |
2022年5月21日- 22日 |
WEB |
免疫チェックポイント阻害薬のirAEマネジメント- ICTネットワークを活用した薬薬連携の取り組み- | 山本明日香 | 市立札幌病院薬剤部 | 第3回 赤レンガ薬薬連携セミナー | 2022年5月24日 | 札幌 |
当院におけるCOVID-19 肺炎患者の呼吸困難感に対する強オピオイド使用の実際 |
牧野綾 原田紘子 萩原綾希子 合田由紀子 近藤千尋 松山茂子 小松智子 神山秀一 岡見英里香 |
市立札幌病院緩和ケア内科、市立札幌病院精神科、市立札幌病院看護部看護課、 市立札幌病院薬剤部 |
第27回 日本緩和医療学会 | 2022年7月1日 | 神戸 |
少量ミダゾラムが著効した癌性髄膜炎による悪心・嘔吐の2 症例 |
萩原綾希子 原田紘子 牧野綾 合田由紀子 近藤千尋 松山茂子 小松智子 神山秀一 岡見英里香 |
市立札幌病院緩和ケア内科、市立札幌病院精神科、市立札幌病院看護部看護課、市立札幌病院薬剤部 | 第27回 日本緩和医療学会 |
2022年7月1日 |
神戸 |
市立札幌病院における持参薬データ及び各種Criteriaを用いた多剤併用・PIMsに関する調査 |
星山博俊 辻本高志 宍戸桃子 養田聡子 鵜野竜馬 小林正拓 東 亮佑 山本明日香 加納宏樹 川本由加里 後藤仁和 |
市立札幌病院薬剤部 | 医療薬学フォーラム2022/第30回クリニカルファーマシーシンポジウム |
2022年7月23日- 24日 |
WEB |
透析患者の適正な薬物治療を支援する | 辻本高志 | 市立札幌病院薬剤部 | 北海道ひまわりの会 | 2022年9月15日 | 札幌 |
ST合剤の投与量が腎移植患者の血清クレアチニン値に与える影響 |
辻本高志 鵜野竜馬 東 亮佑 高橋諒多 川本由加里 後藤仁和 高田祐輔 田邉 起 |
市立札幌病院薬剤部、市立札幌病院腎臓移植外科 | 第32回日本医療薬学会年会 | 2022年9月24日 | 群馬 |
大腿骨頚部骨折パス適応患者においてロキソプロフェン短期服用が腎機能に与える影響 |
浅利祐希 小林正拓 辻本高志 加納宏樹 川本由加里 後藤仁和 |
市立札幌病院薬剤部 | 札幌病院薬剤師会 第27回会員発表会 | 2022年10月15日 | 札幌 |
専門・認定薬剤師から後輩へのメッセージ~精神科薬物療法認定薬剤師~ | 上野太佑 | 市立札幌病院薬剤部 | 札幌病院薬剤師会 2022年 新任薬剤師研修会 | 2022年10月20日 | 札幌 |
薬剤師が治療初期より介入した2種の嫌気性菌による化膿性脊椎炎の一例 |
小林正拓 鵜野竜馬 大下直宏 高橋俊司 |
市立札幌病院薬剤部、市立札幌病院検査部 | 第69回日本化学療法学会東日本支部総会・第71回日本感染症学会東日本地方会学術集会 合同学会 | 2022年10月28日 | 札幌 |
薬薬連携深化にICTを使う-市立札幌病院と近隣8薬局のがん化学療法における薬薬連携の取り組み- |
宍戸桃子 井上靖隆 加納宏樹 川本由加里 後藤仁和 |
市立札幌病院薬剤部 | 第60回全国自治体病院学会 | 2022年11月10日 | 沖縄 |
「ICTを使った当院と近隣薬局の薬薬連携深化への取り組み~がん化学療法を中心に~」 | 井上靖隆 | 市立札幌病院薬剤部 | 札幌病院薬剤師会2022年度第4回がん専門薬剤師セミナー | 2022年11月11日 | Web |
抗がん剤皮膚症状予防に対する薬剤師の実践と薬薬連携の取り組み | 宍戸桃子 | 市立札幌病院薬剤部 | 令和4年度 第2回 市立札幌病院外来化学療法センター研修会 | 2022年11月29日 | 札幌 |
論文名 | 著者名 | 所属名 | 雑誌名 (書名) |
発 表 年 |
巻 | ページ ~ |
|
---|---|---|---|---|---|---|---|
調剤Hazardous Drugsリスト作成を通した曝露対策 |
田辺将 大谷薫 山田純一 長澤浩 上田晃 川本由加里後藤仁和 |
市立札幌病院薬剤部 | 北海道病院薬剤師会誌 | 2022 | 102 | 21 | 23 |
整形外科領域においてバンコマイシン塩酸塩により好中球減少を来した4症例 |
高橋諒多 辻本高志 小林正拓 大谷薫 大下直宏 上田晃 川本由加里後藤仁和 |
市立札幌病院薬剤部 | 日本病院薬剤師会雑誌 | 2022 | 58(8) | 931 | 936 |
Copyright © City of Sapporo All rights Reserved.