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更新日:2023年3月10日

ロタウイルスによる感染症について

ロタウイルスとは?

ロタウイルスは、レオウイルス科に属するRNAウイルスで、電子顕微鏡で特徴的な車輪様の形態を示します。(ロタとはラテン語で車輪という意味です。)A~Hの群(グループ)に分類され、このうちA~C群に属するウイルスが人に感染します。日本では、特にA群に属するウイルスを原因とする感染症が多い状況です。ロタウイルスによる感染症は、感染症発生動向調査による病原体の検査の結果、冬から春にかけて流行する傾向にあることが判っています。

主な感染経路は?

ロタウイルスの感染は、そのほとんどが、糞便を介する経口感染と考えられています。ロタウイルスは、腸で増殖し、下痢便1g中には、100億個のウイルスが含まれることもあります。このウイルスは、体外の環境でも比較的安定です。感染力が強く、10~100個程度のウイルスでも感染する場合があります。そこで、患者の便中のウイルスが、手やドアノブ等触れた箇所などから、他の人の口に入ることが主たる感染経路と考えられています。

主な症状は

潜伏期間は約2日で、3~8日間持続する嘔吐と水溶性下痢を特徴とし、発熱や腹痛を伴うことがあります。このため、乳幼児では急速に脱水症状を起こすことがあります。下痢は、しばしば白色ないし黄白色となります。このウイルスによる顕性(症状が現れる)感染の大部分は乳幼児(主として6ケ月~24ケ月)です。新生児・学童・成人でも感染しますが、その多くは不顕性(症状が現れない)であり、発病しても軽症です。

予防のために

患者の便中や嘔吐物には大量のウイルスが含まれ、症状が治まっても、数日の間、ウイルスの排出が続きます。そこで、日常から、排便後や調理や食事の前に、せっけんを使って十分な手洗いをするよう心がけることが重要です。特に、患者の便や嘔吐物の処理をする際は、使い捨ての手袋とマスクを着用するなど注意しましょう。

平成22年5月10日作成

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