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感染症発生動向調査で収集した札幌市における2008年から2015年の潜在性結核感染症を含む結核の報告数を解析した結果、以下の内容が確認された。
・ 札幌市の全数報告対象感染症の中では最も報告数が多い。
・ 結核罹患率は2009年以降低下傾向だが、潜在性結核感染症罹患率は増加傾向が見られる。
・ 結核患者に占める60歳以上の高齢者の割合は増加傾向。一方、潜在性結核感染症患者の割合は20-49歳の年齢層で50%前後を占める状況が続いている。
・ 結核罹患率は60歳以上の年齢層から上昇がみられる。一方潜在性結核感染症罹患率は20-54歳の広い年齢層で10万人に5人程度。
以上のことから、過去の蔓延時期以降に生まれた年齢層についても新たに感染が起きている可能性を示唆していると考えられる。
高速液体クロマトグラフィ―タンデム質量分析法(LC-MS/MS法)による先天性副腎過形成症(CAH)スクリーニングのための安定同位体標識物質(内標)混合溶液の開発中製品が、当所で実施するCAHスクリーニングにおいて有用であるかを検討した。検査の目的物質溶液や実際のマススクリーニング血液濾紙を、現在当所で使用する自家調製内標を使用した場合と製品を使用した場合で相違なく測定できることを確認した。内標製品の使用により検査手法や精度管理の面で改善が見込まれることから、本製品を使用する利点があると考えられた。
平成26年12月22日付け厚生労働省告示第482号により食品、添加物等の規格基準(昭和34年厚生省告示第370号。以下「告示」という。)が改正され、清涼飲料水におけるミネラルウォーター(MW)類の成分規格が規定され1)、同日付けで通知試験法2)が発出された。
規定された成分規格のうち、シアン化物イオン(CN-)及び塩化シアン(ClCN)分析法について、当所では上水試験方法に収載されている4-ピリジンカルボン酸-ピラゾロン吸光光度法3)(4-PP法)を一部変更した吸光光度法(4-PP変法)とイオンクロマトグラフ直接法(IC法)を併用した分析法(併用法)を開発し、これに従って検査を実施している。
このたび、硬度が極めて高いミネラルウォーターのCN-及びClCNについて検査を可能とするため、併用法を改良した。改良した併用法について、平成26年12月22日付け食安発1222第7号「食品中の有害物質等に関する分析法の妥当性確認ガイドラインについて」4)(以下「ガイドライン」という。)に基づき妥当性確認を行ったところ、良好な結果が得られた。
1)厚生労働省:平成26年12月22日付け食安発1222第1号医薬食品局食品安全部長通知「乳及び製品の成分規格等に関する省令及び食品、添加物等の規格基準の一部改正について」
2)厚生労働省:平成26年12月22日付け食安発1222第4号医薬食品局食品安全部長通知「清涼飲料水等の規格基準の一部改正に係る試験法について」
3)日本水道協会:上水試験方法(2011年版) Ⅲ.金属類(無機物部会)15.シアン
4)厚生労働省:平成26年12月22日付け食安発1222第7号医薬食品局食品安全部長通知 食品中の有害物質等に関する分析法の妥当性確認ガイドラインについて
縮合環数が4から6の多環芳香族炭化水素(PAH)15種類について、蛍光検出器付HPLCで同時分析する分析メソッドを開発し、有害大気汚染物質モニタリングろ紙上の総浮遊粒子状物質(TSP)、PM2.5のろ紙を超音波抽出とアルカリ洗浄で調製した試料を分析した。
PM2.5では、多環芳香族の合計値は炭素分析計で測定した有機炭素(OC)、元素状炭素(EC)、質量濃度と弱い相関があり、合計値はEC の0.1%程度であった。縮合環の数ごとの合計値をTSPとPM2.5で比較すると、PM2.5のほうが4環の割合が少なく5,6環の割合が多い傾向があり、これは粒子の小さいPM2.5のほうが単位重量当たりの表面積が大きいため、沸点の低い4環が試料採取時に揮散した、試料調製時に分子サイズの大きい5,6環の抽出効率が良くなったなどの理由が推測された。
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