ここから本文です。

更新日:2016年6月14日

札幌市衛生研究所-調査研究(1977)

ブドウ球菌のエンテロトキシンに関する研究(第1報)(PDF:409KB)

ブドウ球菌食中毒は、細菌性食中毒の中で腸炎ビブリオに次いで大きな割合を占めている。その原因物質は、ブドウ球菌の産生するエンテロトキシンであり、現在、その抗原特異性によってA、B、C、D、E、Fの6種類存在することが明らかになっていが、その中でエンテロトキシンAによっておこる食中毒が非常に多い。私たちは既報に基づいてゲル電気泳動によりエンテロトキシンAの精製を試みた。定性はスライドゲル内沈降反応により、定量は吸光度測定により行った。(50-54ページ)

食品衛生細菌の検査成績について(PDF:655KB)

1975年1月から76年12月にかけて当所に持ち込まれた集去と一般依頼の食品について、一般生菌数と大腸菌群及び病原細菌との関連について調査した。大腸菌は魚介類で、ブドウ球菌は食肉で陽性率が高く、ウェルシュ菌は生食用牡蠣で検出率が高かった。腸炎ビブリオは魚介類のみから検出された。また、一般生菌数と病原細菌、大腸菌群陽性数及び大腸菌群の菌型数との関連性をみると、生菌数の増加とともに各種細菌の検出率が増加していた。(55-62ページ)

札幌市円山動物園の動物の細菌学的検査成績について

前半(PDF:893KB)後半(PDF:234KB)

近年、輸入動物による赤痢発生例やペットカメによるサルモネラ感性例が起きるなど、人獣共通伝染病への監視名が深まりつつある。1976年6月に円山動物園から、ジャガーの死因調査のために臓器の細菌学的検査を依頼されたのをはじめに、各種猛獣とサルの糞便検査を行い、Salmonella(4菌型)、Edwardsiella Tarda、Plesimonas Shigelloidesを分離した。(63-75ページ)

繊維製品中の有機塩素系防虫剤(ディルドリン)の定量(第1報)(PDF:126KB)

繊維製品に防虫の目的で使用され、今後規制の対象となると考えられる有機塩素系化合物(ディルドリン)について分析法等の基礎研究と札幌市内で市販されている繊維製品中の調査を行った。ECD付ガスクロマトグラフによる定量は良好な結果を得た。市販品の定量では、最高で460ppm(防虫効果が必要な濃度は100ppm)の濃度が検出された。
(76-82ページ)

食品中のニトロソアミンの研究(第2報)-食品中のジメチルニトロソアミン-(PDF:119KB)

食品中のニトロソアミンのうち最も発がん性が高いと考えられていジニトロソアミンについて分析法の詳細な検討と市販の魚肉・食肉の実態調査を行った。本法における酸化剤(トリフルオン過酸)の量は0.2mlで充分に供することが出来た。また、魚肉・食肉20検体のうち5検体からジニトロソアミンを検出したがいずれも発ガンレベルよりはるかに低い値であり、また亜硝酸根との相関関係は見出せなかった。(83-87ページ)

食品容器中のスチレンモノマーについて(PDF:168KB)

近年、合成樹脂製の食品容器包装中に残留する有害物質について私たちも調査を継続しているが、今回はポリスチレン容器中のスチレンモノマーについて調査した。材質試験には溶剤としてジクロルメタンを使用し、カラム充填剤の劣化を最小限におさえるためエタノールを加えて樹脂を再び固化する方法が適していた。溶出試験の操作においては回収率80%良好な結果が得られた。また、インスタント食品34検体中22検体でスチレンモノマーの残留が認められたが、規制値を下回っていた。(88-94ページ)

清酒中の茶褐色混入物質の分析(PDF:257KB)

市内の保健所より清酒に微量茶褐色物質の混入したものが苦情品として持ち込まれた。におい着色等より醤油と推定されたが、ナトリウム、全窒素、及びホルモール態窒素の成分比較値からも、ほぼ2%から3%の醤油の混入が推定された。また、ヘッドスペースサンプリング法で調整後、FPD付ガスクロマトグラフィーにより分析したところ、メチルメルカプタンとジメチルサルファイドが微量検出された。(95-99ページ)

地下鉄における重金属実態調査(PDF:205KB)

札幌市の地下鉄は、ゴムタイヤを使用した札幌新方式で1972年に南北線が開通したが、地下鉄構内における空気環境については実態把握されていなかった。今回、特に汚染が予想される重金属について実態調査を行ったところ、磨耗汚染と思われるFe、Cuの高濃度を認めた。(100-113ページ)

河川水の紫外吸収と水質汚濁指標との関係(PDF:500KB)

札幌市内の河川水(29試料)について紫外部6波長による原液及び濾液の測定を行い、生物化学的酸素要量(BOD)、化学的酸素要求量(COD)、懸濁物質量(SS)評価のための回帰式を重回帰分析から求めた。その結果、COD:y=1468〔BOD〕-0.608;BOD:y=0.5669〔COD〕+0.04095〔SS〕+0.544であり、紫外吸収の波長を考慮すると、COD:y=3421〔X:240nm〕-372〔X:210nm〕+0.246;BOD:y=2180〔X:210nm〕-2466〔X:210nm〕+0.992などとなった。(114-129ページ)

河川水中のフタル酸エステル類の分析法の検討(PDF:158KB)

主にプラスチックの可塑剤として利用されるフタル酸エステル及びフタル酸ジエチルヘキシルについて、河川水を調査するための、方法について検討したところ、検水1リットルをn-ヘキサンで抽出し、FID付ガスクロマトグラフィーで測定できることがわかった。(131-137ページ)

前のページへ戻る

Adobe Acrobat Readerのダウンロードページへ

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Acrobat Readerが必要です。Adobe Acrobat Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。

このページについてのお問い合わせ

札幌市保健福祉局衛生研究所保健科学課

〒003-8505 札幌市白石区菊水9条1丁目5-22

電話番号:011-841-2341

ファクス番号:011-841-7073