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更新日:2016年6月20日

札幌市衛生研究所-学会発表(2009)

 MS/MSフローインジェクション法による尿中オロト酸定量法の開発
第35回日本マス・スクリーニング学会
2008年08月 島根県松江市
野町祥介、成田 慶、小田千恵、花井潤師、福士 勝、矢野公一
尿中オロト酸は、オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症等の尿素サイクル異常症疾患群の化学的補助診断における重要な生化学的指標の一つである。従来、札幌市衛生研究所では、比色法およびHPLC法によりオロト酸の定量を実施してきた。しかし、両法とも低濃度域の定量性が低く、摂取タンパク制限等の治療を行っている対象のフォローの様に低濃度域の定量が求められる場合、精度に限界があった。そこで、Mohamed S. Rashedらが報告した測定法(Clin Chem,49,499-501,2003)に、独自に改良を加えることで、札幌衛生研究所の現有システムを活用した簡便な短時間測定法の開発を検討した。


 PerkinElmer 非誘導体化キットNeobaseを用いたタンデムマス新生児スクリーニングへの初期検討
第33回日本医用マススペクトル学会
2008年09月 東京都 野町祥介
PerkinElmer社の非誘導体化法に基づく新生児スクリーニングキットNeobaseにより当所のシステムで取得されるデータの検討を行ったところ、アルギニン、グルタリルカルニチンの2指標物質において回収率の良化が認められた。また、当キットを用いることで、プロリン及びサクシニルアセトンの測定が可能であり、それぞれ963検体での平均値±標準偏差は、プロリンが220±61nmol/ml、サクシニルアセトンが0.28±0.21nmol/mlであった。


 エンザプレートNeo-17OHP改良キットの評価

第35回日本マス・スクリーニング学会
2008年08月 松江市
久保田倫子*1、石山洋*1、中野光代*2、河地豊*2、飯田仁美*3、田崎隆二*4、藤倉かおり、吉永美和、望月孝一*5、小西薫*6、桜井恭子*6、九曜雅子*7、神田一夫*8
シーメンス社製「エンザプレートNeo-17OHP」の短時間法とオーバーナイト法で異なる濃度の発色液を一本化した改良キットにおいて、複数施設で、新生児測定値および分布、標準ろ紙吸光度や管理用ろ紙血液測定値などの比較試験を行った結果、現行キットと同等の結果が得られた。
*1 (財)静岡県予防医学協会、*2 (財)愛知県健康づくり振興事業団、*3 (財)岡山県健康づくり財団、*4 (財)化学及血清療法研究所、*5 埼玉県立小児医療センター、*6 (財)東京都予防医学協会、*7 (財)富山県衛生研究所、*8 (財)宮崎県健康づくり協会


 クレチン症の病型頻度と知能予後の検討
第111回日本小児科学会
2008年04月 東京都
城和歌子*1、椿淳子*1、石津桂*1、村下眞理*1、田島敏広*1、藤倉かおり、福士勝、矢野公一、藤枝憲二*2
1979~2002年までの札幌市および北海道の新生児マススクリーニングで要精検となり、北大病院にて病型診断を行い、クレチン症と診断して現在も治療を継続している60名を対象に知能予後の検討を行った。その結果、形成異常群、合成障害群ともに知能予後は良好であった。また、合成障害群は61%と全国の調査に比べ、高頻度であった。
*1 北海道大学大学院小児科学分野、*2 旭川医科大学小児科


タンデムマススクリーニングにおけるパーキンエルマー社NeoBase非誘導体化キットと自家製誘導体化法の比較検討
第35回日本マス・スクリーニング学会
2008年08月 島根県松江市
穂積リサ子*1、野町祥介、Min Weng*2、福士 勝
パーキンエルマー社のNeoBase非誘導体化MSMSキットでは、チロシン血症タイプ1の主要マーカーであるサクシニルアセトンの測定も可能になり、タンデムマスによるスクリーニング対象疾患が拡大された。今回私たちは、NeoBaseキットについて新生児検体の臨床的有用性を確立するため、札幌市衛生研究所で行ってる自家製誘導体化法と比較検討した。同時に、両方法による日本人の正常値分布についても検討した。
*1パーキンエルマージャパン、*2PerkinElmer LAS


タンデムマススクリーニング導入時の課題:自治体との関係、費用とその負担、効果的な実施に向けて

平成20年度厚生労働科学研究(子ども家庭総合研究事業)「タンデムマス等の新技術を導入した新しい新生児マス・スクリーニングのあり方に関する研究」研究班全体会議
2009年01月 東京都 福士 勝
新たなスクリーニング対象疾患の導入について政策決定できる自治体は少なく、厚生労働省からの適切な助言・指導、関係学会からの働きかけ、スクリーニング検査実施施設からタンデムマスによる拡大スクリーニングの導入を積極的に働きかけることが重要である。タンデムマススクリーニングの導入に伴うコストは、既存スクリーニング対象疾患と合わせて行う場合は、年間3万人から5万人のスクリーニング検査施設では1件当たり130円程度の増で可能であり、タンデムマススクリーニングの効果を考えると費用対効果が高いことを自治体に理解してもらうことで早期導入を目指していくべきである。その際、検査の有料化を行うことも考えられるが、現行スクリーニングの対象疾患の見直しと優先順位の検討により、発見頻度が極めて低く、費用便益でも効果が低いとされているガラクトース血症のスクリーニングを中止し、その費用を委譲することで、タンデムマススクリーニングを実施する方法もある。


タンデムマス質量分析計を用いたムコ多糖症スクリーニングへの試み

第50回 日本先天代謝異常学会
2008年11月 鳥取県米子市
木田和宏*1、竹田優子*1、窪田 満*2、野町祥介、福士 勝、小熊敏弘*3
先天性代謝異常症の一群であるムコ多糖症はライソゾームに内在する、生体内の様々な組織で細胞骨格や細胞外マトリックスを成す働きを持つ糖タンパクであるグルコサミノグリカン分解酵素の先天的な欠損を原因とする疾患群である。近年、骨髄移植や酵素補充療法等の治療法が実用化されたが、治療の顕在化の前の治療で予後の改善が期待されている。私たちはケラタン硫酸、ヘパラン硫酸、デルマタン硫酸の同時分析系によるスクリーニング法の確立を検討しているが、安定した検査値を得るためには、機器の機能による感度の違いが問題点となることが明らかとなった。
*1北海道大学大学院医学研究科小児科学分野、*2手稲渓仁会病院小児科、*3第一三共株式会社


マス・スクリーニングで結ぶ医師、行政、検査、患者家族の連携 検査施設のあり方と検査・行政・医療機関の連携

第35回 日本マス・スクリーニング学会
2008年08月 松江市
福士 勝
タンデムマスの導入により新生児マススクリーニングが拡大される今後の検査施設のあり方と関係機関との情報の収集と共有の重要性について報告した。


採血手技によるマススクリーニング検査データの検討(第一報)

第35回日本マス・スクリーニング学会
2008年08月 松江市
河地豊*1、福士 勝、藤倉かおり、望月孝一*2、原田正平*3
スクリーニング採血の部位・方法の実態を調査し、測定値の検討を行った結果、正常体重児の一部の項目に関しては、採血部位及び採血手技による測定値の差はみられなかった。
*1 愛知県健康づくり振興事業団、*2 埼玉県小児医療センター、*3 国立成育医療センター


札幌におけるハイリスク児検査システム構築への取り組み―新生児期に発見された脂肪酸代謝異常1症例をとおしてー

第35回日本マス・スクリーニング学会
2008年08月 島根県松江市
田上泰子、野町祥介、花井潤師 、福士 勝 、矢野公一、長尾雅悦*1、窪田満*2、杉山未奈子*3
札幌市では1990年から痙攣・意識障害などの代謝異常症が疑われる患児を対象としてアミノ酸、有機酸の定量、定性分析を中心とする化学的補助診断のための依頼検査を実施してきた。2005年にはタンデムマスを導入することでアシルカルニチンを新たに検査指標に加え、脂肪酸代謝異常も含めた対象疾患の拡大に努めその有用性を高めている。このたび新生児期に脂肪酸代謝異常が疑われる重症例の診断にタンデムマスを含めた依頼検査システムが有効に機能し、患児の早期治療に貢献した一例を経験したので報告する。
*1国立病院機構西札幌病院小児科、*2手稲渓仁会病院小児科、*3帯広厚生病院小児科


新生児スクリーニングの使用済み乾燥濾紙血液検体の長期保存と研究利用の自治体、検査機関における現状

平成20年度厚生労働科学研究(子ども家庭総合研究事業)「タンデムマス等の新技術を導入した新しい新生児マス・スクリーニングのあり方に関する研究」研究班全体会議
2009年01月 東京都
福士 勝
新生児マススクリーニングの検査済み濾紙血液検体の研究などへの目的外利用のため、倫理審査委員会での審査が確保されていること、採血時の十分な説明と検査機関における個人情報の保護が適切に実施されていることが重要な前提である。


新生児タンデムマススクリーニングにより発見されたカルニチントランスポーター異常症の診断と治療

第50回 日本先天代謝異常学会
2008年10月 鳥取県米子市
長尾雅悦*1、白石秀明*2、斉藤伸治*3、野町祥介、矢野公一
カルニチントランスポーター異常症(全身性カルニチン欠損症)ではカルニチン輸送蛋白の異常により、細胞内へのカルニチンの取り込みが先天的に障害されている。腎尿細管での再吸収が行われず尿中に多量に喪失するため、血中は元より全身組織でフリーカルニチンが低下する。脂肪酸β酸化が障害され、新生児から乳児期に低ケトン性低血糖症を伴う嘔吐、けいれん、意識障害を呈し、急性脳症や乳幼児突然死症候群と診断されていることもある。今回札幌市の新生児タンデムマススクリーニングにより発見された症例の診断・治療経過について報告する。初診時(生後35日)体重が3675gありカルニチン100mg/dayにて経過観察とした。生後49日には4260gとなったが、1日に数回嘔吐しておりアンモニアが224μg/dl、CK 1650と上昇した。入院治療によりカルニチンの増量(400mg/day)と蛋白摂取制限(1g/kg/day)を行った。第4病日にはアンモニア95、CK159と低下し嘔吐も減少した。蛋白摂取量を徐々に増加したが、嘔吐無く筋緊張も改善した。脳波では前頭葉優位の棘波を認め北大小児科にて精査したが、けいれんは消失しており発作時脳波は確認されなかった。カルニチン100mg/kg/dayの内服によりフリーカルニチンを30~40nmol/mlに維持し順調な発育発達をしている。RRFC (Renal reabsorption rate for free carnitine)は日齢37 に45.9%、日齢51に65.1%(正常99±4%)、また RAFCC (Acylcarnitine clearance / free carnitine clearance ratioは日齢37に0.476、日齢51に0.343、(正常10-98.7)と極めて低く、腎尿細管よりフリーカルニチンが大量に失われていることが示された。カルニチントランスポーター遺伝子(OCTN2)の変異解析では、日本人症例で既報のS467Cのヘテロ接合体であった。タンデムマススクリーニングにより早期診断につながり、大量のカルニチン服用にて著明な臨床症状の改善が見られた。
*1国立病院機構西札幌病院、*2札幌医科大学小児科、*3北海道大学小児科


当院におけるクレチン症の病型頻度と知能予後の検討

第35回日本マス・スクリーニング学会
2008年08月 松江市
城和歌子*1、中村明枝*1、石津桂*1、椿淳子*1、村下眞理*1、田島敏広*1、吉永美和、藤倉かおり、花井潤師、福士勝、矢野公一、藤枝憲二*2
札幌市および北海道の新生児マススクリーニングで発見され、北大小児科で病型診断を行ったクレチン症患者の病型および知能予後について検討を行った結果、知能予後は、病型により軽度の差は見られたものの全体に良好な予後であった。
*1 北海道大学大学院小児科学分野、*2 旭川医科大学小児科


ヘパリン採血管がQFT検査に影響を及ぼした集団健診事例

第83回日本結核病学会総会
2008年4月 東京都
矢野公一、高橋恭子*1、築島恵理*1
症例は高校3年生。胸部X線で空洞病変認め入院。病型bII3、喀痰G10号、PCR-TB(+)。集団健診対象者160人の直後健診では、集団感染は無いと判断した。2ヶ月後健診で159名に施行したQFT (X社製へパリン採血管)で陽性16名、判定保留31名であった。なお、陽性者16名中14名のNil値が0.7IU/ml以上だった。陽性・判定保留が47名と増加したことから、感染拡大と判断して、233人の拡大健診を実施したところ、ツ反ヒストグラムの右方変異は無いが、X社製採血管を使用したQFTで78名中陽性20名、判定保留15名であり、78名中29名のNil値が0.7IU/ml以上だった。このことから、採血管の問題を考え、78名でY社製ヘパリン採血管を使用して再採血を行った。その結果、陽性5名、判定保留6名で、Nil値が0.7IU/ml以上は3名であった。拡大対象者にY社製採血管を用いたQFTの最終的な結果は、生徒162名中陽性6名、判定保留8名であり、集団感染は無いと判断した。X社製へパリン採血管にエンドトキシン様物質が混入し、Nil値、ESAT-6値、CFP-10値が上昇し、偽陽性・判定保留となったと推定された。
*1札幌市保健所


2007/2008シーズンの札幌市におけるインフルエンザ流行状況

第60回北海道公衆衛生学会
2008年11月 札幌市
村椿絵美、菊地正幸、吉田靖宏、宮下妙子、矢野公一
札幌市では、病原体情報を収集するため、市内医療機関(病原体検査定点)の協力のもとにウイルス分離を行っている。それらのウイルスの分離成績を基にした、2007/2008年シーズンの札幌市におけるインフルエンザの流行状況について、患者報告は例年より早いピークとなり、このシーズン初めの大きな患者数のピークはAソ連型(AH1亜型)、その後小さく再上昇したピークはA香港型(AH3亜型)ウイルスの流行によるものと考えられると報告した。また流行状況にあわせて、Aソ連株の一部についてオセルタミビル耐性株の有無について遺伝子解析を行い、耐性を示す変異は見られないことを報告した。


Helicobacter cinaedi検出事例報告

平成20年度地方衛生研究所全国協議会北海道・東北・新潟支部微生物研究部会総会・研修会
2008年10月 福島市
坂本裕美子
2008年4月~7月、札幌市内某病院単一病棟内において血液培養及び便培養からHelicobacter cinaedi(以下H.cinaedi)様細菌を16株分離した。そこでこの16株の16S rRNAについて、制限酵素Dde1及びBsrIを用いてPCR-RFLP解析を実施し、16株すべてH.cinaediであることを確認した。また、23S rRNAの一部(約1700塩基)についてシークエンシングを実施したところ、今回分離の16株は3グループに分けられる結果となった。


加工食品からの遺伝子組換えトウモロコシの検出

第45回全国衛生化学技術協議会年会
2008年11月 佐賀県
扇谷陽子、酒井昌昭、宮下妙子、矢野公一
安全性審査は終了しているが、厚生労働省通知の遺伝子組換えトウモロコシの含有率を調べるための検査方法の対象となっていない鞘翅目害虫抵抗性トウモロコシMON863系統(以下MON863と略)について、市販食品への混入状況の実態調査を実施した。表示から遺伝子組換え作物を使用していないと判断される、冷凍食品・粉類等39製品を試料とし、3種類のプライマーを用いた定性PCRで調査した。この結果、18%に相当する7製品が、3種類のプライマー全てで陽性であった。これらは、全て粉類であった。以上により、MON863が複数の流通食品、特に粉類から検出される状況であることが判明した。


コチニール色素中の主要アレルゲンタンパク質の解析

第58回日本アレルギー学会秋季学術大会
2008年11月 東京都
扇谷陽子、酒井昌昭、宮下妙子、矢野公一
コチニール色素中のアレルゲンは、色素本体のカルミン酸ではなく、原料由来のタンパク質であることが示唆されているが、同定には至っていない。そこで、この色素に即時型アレルギー症状を呈した3人の患者血清中IgEと反応する約40kDaのタンパク質の同定を試みた。コチニール虫体から、およそ40kDaのタンパク質を抽出・精製後、N末端および内部配列を解析した。この情報を基に、cDNAをクローニングした。このcDNAにコードされた発現タンパク質は、患者血清との反応性を示した。この結果から、このタンパク質がコチニール色素中のアレルゲンであることが示唆された。また、このタンパク質のアミノ酸配列は、NCBIのBLAST-Pでの相同性検索の結果、ハチのアレルゲンであるホスホリパーゼA1と相同性が高いことが判明した。


そうざい類の農薬一斉分析について

第45回全国衛生化学技術協議会年会
2008年11月 佐賀県
伊勢香織、菅原雅哉、葛岡修二、酒井昌昭、宮下妙子、矢野公一
平成20年1月、冷凍ぎょうざ中への農薬成分混入による健康被害が発生したことに伴い、当所でも前処理にGPCを用いた方法で冷凍ぎょうざを含むそうざい類中の農薬一斉分析が可能であるか検討を行った。この結果、GPCによる最適な分取時間は13~17分であることがわかった。また、「食品中に残留する農薬等に関する試験法のガイドライン」を参考とし、枝分かれ実験によりバリデーションを行い、114農薬中73農薬で真度、室内精度、併行精度の目標値を満たしていることを確認した。この後、収去された8検体について検査したところ、農薬が検出されたものは無かった。


O式パッシブサンプラー法におけるSO2捕集剤の検討

第49回大気環境学会年会
2008年9月 金沢市
惠花孝昭、野口 泉*1、樋口慶郎*2
O式パッシブサンプラー法(PS法)はフィルターパック法(FP法)に比較して、低濃度側では濃度がより低くなる傾向を示す。捕集剤を従来のトリエタノールアミンから炭酸カリウムに変更し、低濃度での改善の可能性を検討した。FP法との相関では傾き=1.00、Y切片=0.03、r=0.9955を示し、低濃度でもよい結果が得られた。捕集剤に塩基性の強い炭酸カリウムを用いたことで、捕集量の増加が期待でき、低濃度、長期間暴露試験に向いていると考えられる。
*1 北海道環境科学研究センター、*2 株式会社 小川商会


オゾンの地域特性について

第62回北海道公衆衛生学会
2008年11月 札幌市
惠花孝昭、野口 泉*1、三上 篤、柏原 守、矢野公一
2003年度から3年間、O式パッシブサンプラー法を用いて、北海道・東北・新潟でのオゾンの地域特性を検討した。O3濃度は標高0~1,000m間ではr=0.8449と正の相関がみられ、NO濃度ではr=-0.8440と負の相関があった。NOが高濃度を示す地域では、O3濃度のピーク月が遅れる傾向がみられた。O3濃度の上昇期がNO濃度の最も高い時期と一致していたことから、NO濃度の上昇がO3濃度の減少を導き、ピーク月を遅らせたと考えられる。
*1北海道環境科学研究センター


ミズワタ(糸状性細菌Spaerotilus sp.)調査について【食品製造施設排水中のSpaerotilus sp.が原因の河川水汚染の事例報告】

第43回水環境学会年会
2009年3月 山口市
小林美穂子、中島純夫、牧口茂紀、柏原 守、矢野公一
平成17年10月、札幌市環境局は、ある食品製造事業所の放流水路と放流口周辺の川底でミズワタが発生しているのを確認した。札幌市衛生研究所に持ち込まれたミズワタは、顕微鏡観察の結果、糸状性細菌の一種であるSpaerotilussp.と同定された。発生地点が限られていたことから、事業所に自主的な対策を依頼したが、その後も事業所の操業時期にミズワタの発生が認められたため、事業所、環境局、衛生研究所は原因究明のための合同調査を開始し、平成19年6月から翌20年7月までの間に、8回の調査を行った。この調査の結果、水質の改善に至ったので報告する。


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