ここから本文です。

更新日:2016年6月14日

札幌市衛生研究所-他誌投稿(2001)

神経芽腫スクリーニングにおける精度管理と経済効果

日本がん検診・診断学会、7(2)、61-65、2000

花井潤師、市川由加利、福士 勝、佐藤勇次、藤田晃三、西 基*1、畑江芳郎*2、武田武夫*3、穴沢 昭*4、児玉京子*5、沼田公介*6

神経芽細胞腫スクリーニングで実施してきた外部精度管理の結果から、スクリーニング精度の現状と問題点について検討した。また、札幌市のスクリーニング結果を元に、費用分析を行った結果、スクリーニング受検群が非受検群に比べ費用がわずかに多くかかることが確認された。

*1 札幌医大公衆衛生
*2 国立札幌病院小児科
*3 南郷医院
*4 東京都予防医学協会
*5 名古屋市衛生研究所
*6 大阪血清微生物研究所


迅速DNA診断法を用いた点変異検索による21-水酸化酵素欠損症の発生頻度

日本マス・スクリーニング学会誌、10(3)、29-34、2000

三上 篤、福士勝*1、藤田晃三、藤枝憲二*2

21-水酸化酵素欠損症の責任遺伝子CYP21B上にある点変異のうち、P30L、nt656G、I172N、V281L、Q318X、R356Wの6変異について乾燥ろ紙血液1,040件を対象として検索を行った。検索による変異アレル頻度は1/139で、発生頻度は1月19日,228と算出された。

*1 札幌市保健福祉局
*2 旭川医科大学小児科


新生児TSH、FT4同時スクリーニングで発見される先天性中枢性甲状腺機能低下症

日本マス・スクリーニング学会誌、10(3)、35-42、2000

内山智明*1、横田行史*1、大山宜秀*1、柴山啓子*1、松浦信夫*1、小池明美*2、原田正平*3、福士 勝、藤田晃三

1978-1991年度までの13年間に札幌市で行われたTSH・T4(FT4)同時スクリーニングの成績と、スクリーニングで発見された中枢性甲状腺機能低下症の症例と神奈川県の症例の臨床経過を報告した。発見頻度は、周産期の障害によるものを加えると約4万人に1人で、治療後の長期予後は悪くないため、スクリーニング法、発見頻度、長期予後を考慮すると、有用なスクリーニングであると考えられた。

*1 北里大学医学部小児科
*2 幌南病院小児科
*3 池田町立病院小児科


尿道下裂患児とその両親のステロイド代謝に関する研究

厚生科学研究費助成金(生活安全総合研究事業)「内分泌かく乱物質の生殖機能と次世代への影響、特に生殖泌尿器系・先天異常の成因に関する疫学的研究」分担研究報告書、39-45、2000

小柳知彦*1、野々村克也*1、柿崎秀宏*1、村雲雅志*1、三上 篤

当科で経験した尿道下裂6症例とその両親(5家族)について、テストステロン生合成系における異常の有無を調べるため、血清中の3-ヒドロキシステロイド3種と3-ケトステロイド3種を測定し、各比を算出することにより代謝酵素の活性を求めた。尿道下裂症例には家族性にステロイド代謝異常が高頻度で認められることから、内分泌かく乱物質が尿道下裂の発生に関与する可能性が示唆された。

*1 北海道大学医学部腎泌尿器外科


新生児マス・スクリーニングで発見された先天性副腎過形成症のミスマッチプライマーを用いたPCR法による遺伝子診断

日本マス・スクリーニング学会誌、10(1)、47-51、2000

酒本和也*1、楠田 聡*2、三上篤、藤田敬之助*2、長谷豊*1、大浦敏明*1、藤枝憲二*3

大阪地区の新生児マス・スクリーニングで発見された21-水酸化酵素欠損症(21-OHD)患者29家系及び、その家族41例の遺伝子解析を行った。変異別だとP30Lが2例、nt656Gが11例、1172Nが10例、R356Wが6例検出され、患者別だと約83%にあたる24例で変異が見出され、CAHの補助診断法として有用であった。

*1(財)大阪市環境保健協会
*2 大阪市総合医療センター
*3 北海道大学医学部小児科


新生児マススクリーニングにおける検査の精度管理

厚生科学研究(子ども家庭総合研究事業)「マススクリーニングの見逃し等を予防するシステムの確立に関する研究」、平成12年度研究報告書、452-459、2000

福士 勝*1、三上 篤、本間かおり、藤田晃三、辻 章夫*2、成瀬 浩*2、渡辺倫子*2、稲岡一考*3、梅橋豊蔵*4、市原 侃*5

新生児マススクリーニングの精度管理は、関係諸機関が連携し総合的に行われなければならない。検査機関における精度管理には、検体受付・登録、検査、結果判定、陽性者の精査機関への受診手続きまでの全業務が対象となる。また、検査機関の検査における責任体制の明確化も必要である。そこで、陽性例の見逃し防止にポイントをおいて、本研究で開発中の「新生児スクリーニング検査データ解析・内部精度管理のコンピュータプログラム」を使用した検査機関における精度管理マニュアルを作成した。

*1 札幌市保健福祉局生活衛生部
*2 財団法人東京顕微鏡院
*3 大阪府立母子保健総合医療センター
*4 化学及血清療法研究所
*5 北海道立衛生研究所


ウィルソン病確定診断法としての責任遺伝子ATP7Bの直接塩基配列解析法の検討

厚生科学研究(子ども家庭総合研究事業)「マススクリーニングの見逃し等を予防するシステムの確立に関する研究」、平成12年度研究報告書、530-531、2000

藤田晃三、野町祥介、田上泰子、水嶋好清、佐藤勇次、福士勝*1、山口昭弘*2

全国各地でウィルソン病のマススクリーニングがパイロットスタディとして実施されているが、発見例は臨床症状に乏しく病型診断が難しい。このことから、私たちは同病マススクリーニング発見例の確定診断法として、責任遺伝子ATP7Bを直接塩基配列解析する方法を検討してきた。これまで日本人ウィルソン病患者65家系を解析した結果、未報告の14の病因変異を含む35の病因変異が同定され、56家系において確定診断がなされた。本法は同病確定診断法として十分有用であると考えられる。

*1 札幌市保健福祉局生活衛生部
*2 札幌IDL


新生児マススクリーニング検査の精度管理に関する研究
-検査の精度管理ガイドライン(案)とデータ解析・内部精度管理プログラムの作成-

厚生科学研究(子ども家庭総合研究事業)「マススクリーニングの見逃し等を予防するシステムの確立に関する研究」、平成10年度-平成12年度総合研究 報告書、581、2000

福士勝*1、本間かおり、三上 篤、荒井 修、藤田晃三、渡辺倫子*2、辻章夫*2、成瀬 浩*2、稲岡一考*3、河地 豊*4、山上祐次*5、望月孝一*6、梅橋豊蔵*7、市原 侃*8

新生児マススクリーニングの検査過程における患児見逃し防止対策の一環として、全国統一版のデータ解析・内部精度管理プログラムを作成し、データ処理の統一化による施設間のデータ比較の迅速・簡便化と適切なカットオフ設定による陽性検体の確実なピックアップを可能にした。さらに、ソフトウェア使用時の注意事項と対策をフローチャート化した精度管理ガイドライン(案)を作成した。

*1 札幌市保健福祉局
*2 財団法人東京顕微鏡院
*3 大阪府立母子保健総合医療センター
*4 財団法人愛知県健康づくり振興事業団
*5 財団法人神奈川県予防医学協会
*6 埼玉県立小児医療センター
*7 財団法人化学及血清療法研究所
*8 北海道立衛生研究所


札幌市におけるウィルソン病のマススクリーニングとウィルソン病確定診断法としての責任遺伝子ATP7Bの直接塩基配列解析法の検討に関する研究

厚生科学研究(子ども家庭総合研究事業)「マススクリーニングの見逃し等を予防するシステムの確立に関する研究」、分担研究:効果的なマススクリーニング事業の実施に関する研究、平成10年度-平成12年度総合研究報告書、603、2000

藤田晃三、野町祥介、田上泰子、水嶋好清、佐藤勇次、福士 勝*1、山口昭弘*2、荒島真一郎*3、船田さゆみ*4、服部幸子*4、加藤誠也*4

札幌市では新生児乾燥ろ紙血液を用いて血中セルロプラスミン濃度を測定することにより1995年よりウィルソン病の新生児マス・スクリーニングを行っている。これまでに101,443名の新生児を検査し、1名を精査としたが患者の発見には至っていない。また、本スクリーニングの確定診断法として、責任遺伝子ATP7Bの直接塩基配列解析方法を検討した。

*1 札幌市保健福祉局生活衛生部
*2 札幌IDL
*3 北海道教育大学
*4 札幌市保健福祉局保健衛生部


急性肝不全を呈した高メチオニン血症の1例
新生児マススクリーニングを契機に発見された、特異なアミノ酸異常合併例

日本マス・スクリーニング学会誌、10(1)、53-58、2000

内山智明*1、横田行史*1、松浦信夫*1、福士 勝、 鈴木健*2、重松陽介*3

*1 北里大学医学部小児科
*2 東京都予防医学協会
*3 福井医科大学医学部小児科


前のページへ戻る

このページについてのお問い合わせ

札幌市保健福祉局衛生研究所保健科学課

〒003-8505 札幌市白石区菊水9条1丁目5-22

電話番号:011-841-2341

ファクス番号:011-841-7073