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厚生省心身障害研究「効果的なマススクリーニングの施策に関する研究」平成8年度報告、13-15、1997
藤枝 憲二* 福士 勝 佐藤 泰昌 菊地 由生子
札幌市において新生児スクリーニングの追跡調査システムを確立するため、行政、採血機関、検査機関、精査治療機関からなる連絡会議を設置し、追跡調査を含めてスクリーニング全般にわたる問題点の解決のための検討を行うこととした。
* 北海道大学医学部小児科
クレチン症、先天性甲状腺機能低下症の内部精度管理
-パソコンによる統計的内部精度管理の実施方法を中心として-
厚生省心身障害研究「効果的なマススクリーニングの施策に関する研究」平成8年度報告、 60-62、1997
菊地 由生子 福士 勝 荒井 修 山口 昭弘 三上 篤 本間 かおり 市原 侃*
昨年度作成した新生児スクリーニング検査実施機関における精度管理指針に基づき、ELISA法での統計的内部精度管理システムを作成した。
* 北海道立衛生研究所
スクリーニング検査前の精度管理
-採血から受付までの検体管理の現状-
厚生省心身障害研究「効果的なマススクリーニングの施策に関する研究」平成8年度報告、63-66、1997
梅橋 豊蔵* 田崎 隆二* 福士 勝 菊地 由生子
乾燥濾紙血液の採血から受付までの管理状況をアンケートにより調査した。未熟児の採血・検査システム、採血方法、乾燥方法、保存・輸送方法に一部問題があり改善の必要があった。
* (財)化学及び血清療法研究所
代謝異常スクリーニングの効果的な内部精度管理の方法
-内部精度管理検体の使用実態調査-
厚生省心身障害研究「効果的なマススクリーニングの施策に関する研究」平成8年度報告、67-69、1997
松浦 信夫*1 市原 侃*2 寺井 格*2 新井 純理*2 山野 公明*2 福士 勝 山口 昭弘
代謝異常スクリーニングで内部精度管理検体を使用しているのは、ガスリー法では51施設中43施設あり記録を残しているのは43施設中34施設であった。酵素法では12施設全部で使用されており、7施設ではX-R管理図による精度管理を行っていた。
*1 北里大学医学部小児科
*2 北海道立衛生研究所
マイクロプレート酵素法によるホモシスチン尿症のマス・スクリーニング
厚生省心身障害研究「効果的なマス・スクリーニングの施策に関する研究」平成8年度報告、70-72、1997
菊地 由生子 山口 昭弘 福士 勝 佐藤 泰昌 大竹 治美*1 藤本 昭栄*1 大浦 敏明*1 長谷 豊*2 渡辺 倫子*3 成瀬 浩*3
メチオニンγリアーゼを用いるホモシステインとメチオニンのマイクロプレート蛍光定量法(MFL)は、客観的な判定基準に基づく迅速かつ信頼性の高いマス・スクリーニング法であり、従来の3項目のMFLと同時に用いることにより効率化が図られる。
*1 大阪市環境保健協会
*2 大阪市鶴見保健所
*3 杏林大学東京総合医学研究所
厚生省心身障害研究「効果的なマス・スクリーニングの施策に関する研究」平成8年度報告、152-154、1997
荒島 真一郎* 山口 昭弘 福士 勝 菊地 由生子
新生児を対象としたウィルソン病スクリーニングでは、一次検査はELISA法、二次検査はラテックス凝集法により行った。30,911名の検査の結果18名(0.06%)が再採血となり、1名が精査となったが2ヶ月後にはセルロプラスミンが正常となり、遺伝子解析でも変異は認められなかった。
* 北海道教育大学小児保健
バセドウ病の母親から生まれる一過性低T4血症の病因、病態についての検討
ホルモンと臨床 44、915-921、1996
柴山 啓子*1 横田 行史*1 風張 幸司*1 大山 宣秀*1 松浦 信夫*1 原田 正平*2 市原 侃*2 福士 勝 菊地 由生子 石川 信義*3
バセドウ病の母親から生まれるTSHの上昇を伴わない一過性低T4血症は母体のコントロール不良例に多い、その病因は胎児期の母体からの高濃度の甲状腺ホルモン暴露により、胎児の下垂体-甲状腺系が抑制されるが、出生後の母体からの甲状腺ホルモンの遮断により児に低T4血症を来すと考えられた。TSH分泌が抑制されるのは下垂体-甲状腺系のセットポイントの変化やTSH分泌能の低下によると考えられた。
*1 北里大学医学部小児科
*2 北海道立衛生研究所
*3 北見赤十字病院小児科
生後14ヵ月の神経芽細胞腫スクリーニングで発見された患児の尿中VMA、HVA値
小児がん 33、193-196、1996
花井 潤師 福士 勝 佐藤 泰昌 菊地 由生子 武田 武夫*1 西 基*2 平間 敏憲*3
札幌市で実施している生後14ヵ月児を対象にした神経芽細胞腫スクリーニングで発見された患児9例の尿中VMA、HVA値について、臨床例との比較からその生物学的性状を検討した。発見例の中にはHVAやdopamineが高値となる予後不良な排泄パターンを示すものはなかった。また、経過観察中にVMA、HVA値が低下し、手術直前に正常化した児も存在した。
*1 国立札幌病院小児科
*2 札幌医科大学公衆衛生学
*3 北海道立小児総合保健センター
日本マス・スクリーニング学会誌、 6、11-15、1996
花井 潤師 菊地 由生子 穴沢 昭*1 児玉 京子*2 沼田 公介*3 木崎 善郎*4 澤田 淳*4
全国の検査施設の正確度およびカットオフ値の適否を検討する目的で、コントーロール尿によるサーベイを行った。コントロール尿の変動係数は全国平均で6%と良好であった。また、ろ紙尿では原尿に比較して低値であるが、カットオフ値も低く設定されており、スクリーニング実施上問題ないものと思われた。
*1 東京都予防医学協会
*2 名古屋市衛生研究所
*3 大阪血清奈良臨床検査センター
*4 京都府立医科大学小児科
神経芽細胞腫スクリーニングにおける検体採取方法および使用ろ紙の統一
日本マススクリーニング学会誌、6、17-20、1996
沼田 公介*1 花井 潤師 菊地 由生子 穴沢 昭*2 児玉 京子*3 木崎 善郎*4 澤田 淳*4
神経芽細胞腫スクリーニングでは検体として尿そのものと、ろ紙に染み込ませたものの両者が使用されている。ろ紙尿では東洋濾紙No.327に統一し、脱脂綿等に吸収された尿を絞り落とす滴下法にによること、また原尿ではろ紙尿と同様に採取した尿を防腐剤を含む容器に入れることを推奨する。
採尿時の注意点としては、バナナ摂取後2日以内および薬剤服用中は採尿しないようにすべきである。
*1 東京都予防医学協会
*2 名古屋市衛生研究所
*3 大阪血清奈良臨床検査センター
*4 京都府立医科大学小児科
札幌医学雑誌、65、533-541、1996
山口 昭弘 松浦 晃洋*1 荒島 真一郎*2
日本人Wilson病(WND)6家系STR多型ハプロタイプ解析とATP7B直接塩基配列解析を行った。日本人WND染色体には2種類の共通ハプロタイプが存在し、このハプロタイプではWND遺伝子の頻度が高い可能性が示唆された。既知のATP7B遺伝子変異41種類のうちR779LとN1271Sの2種類が日本人WND染色体においても同定された。
*1 札幌医科大学第一病理
*2 北海道教育大学小児保健
臨床小児医学、44、91-94、1996
石川 丹*1 福島 直樹*1 富樫 武弘*1 佑川 和子*2 三浦 文*3 山口 昭弘 奥芝 詩子*4
リソゾーム酵素が細胞内では低く、血清中では高いという特異的分布所見と臨床症状から診断したムコリピドーシス3型の3歳児例を報告した。
*1 市立札幌病院小児科
*2 岐阜大学医学部小児科
*3 札幌市児童相談所
*4 市立札幌病院眼科
Lowe症候群
-MRIT2強調像における大脳白質高信号域の経年変化-
臨床小児医学、44、91-94、1996
石川 丹*1 梅津 暁子*1 内藤 広行*1 福島 直樹*1 富樫 武弘*1 今泉 寛子*2 山口 昭弘 佑川 和子*3 阿部 悟*4
頭部MRIT2強調像における白質内不整形高信号域が経時的に軽減化したLowe症候群の1例を報告した。MRI所見の改善は、遅れた髄鞘化が加齢とともにcatch upしたことを表わすものと考えられた。
*1 市立札幌病院小児科
*2 市立札幌病院眼科
*3 岐阜大学医学部小児科
*4 北海道大学歯学部放射線科
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