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更新日:2021年3月15日

札幌市衛生研究所-調査研究(1995)

1994~1995年の札幌市におけるインフルエンザの流行について(PDF:479KB)

今季の札幌市におけるインフルエンザウイルスの初分離は1994年12月のインフルエンザAソ連型ウイルスであった。その後1995年1月にはB型ウイルス、A香港型ウイルスが分離された。
今シーズン札幌市では、Aソ連型ウイルス13株、A香港型ウイルス10株、B型ウイルス70株の合計93株のインフルエンザウイルスが分離され、インフルエンザB型ウイルスが流行の主流株となった。(35-40ページ

パンナコッタ中のサルモネラの増殖態度について(PDF:69KB)

札幌市内で鶏卵を用いた洋生菓子による食中毒事故が発生した。調理には冷蔵庫が活用されていたが,この条件下でサルモネラの増殖が可能かどうかを明らかにするために,再現試験を行った。その結果,増殖は認められず,調理中に高濃度の汚染があったことが推定された。(41-46ページ

神経芽細胞腫スクリーニングにおける精度管理のためのコンピュータシステム(PDF:282KB)

神経芽細胞腫スクリーニングのための内部精度管理を実行するコンピュータシステムを開発し、全国のスクリーニング施設を対象とする技術者研修会において、使用方法の説明及びソフトウェアの配布を行った。このシステムでは、Xbar-R管理図、STD日内変動、STD日差変動、検体指標グラフ、分布変化を確認することにより、検査結果の信頼性を推定できる。また、短時間の変動の確認に効果的なx-Rs-R管理図、x-Rs管理図も提唱されているため、これらに対応した新しいシステムも開発した。新システムは当所を含む一部の施設で運用されている。(47-52ページ

神経芽細胞腫スクリーニングにおけるデータ処理・成績発行のためのコンピュータシステム(PDF:87KB)

神経芽細胞腫スクリーニングにおいて、「受付・計測処理・精度管理・データ蓄積・成績書作成」の各処理を統合した新しいシステムを開発した。このシステムは、データ処理(計測処理、データ蓄積)・成績発行(受付、成績書作成)の2つのサブシステムと精度管理システムから構成され、スクリーニングの効率化及び高度化のための基幹システムとして運用されている。(53-57ページ

札幌市における神経芽細胞腫スクリーニング結果(1994年度)(PDF:161KB)

札幌市で行っている全乳幼児を対象にした生後6カ月および1歳2カ月の神経芽細胞腫スクリーニングを実施しているが、1994年度には、6カ月スクリーニングでは14,510人の検査を行い、新たに3例の患児を発見し、開始以来の発見例の合計は44例となった。
一方、1歳2カ月のスクリーニングでは11,424人の検査を行い、新たに4例の患児を発見し、開始以来の発見例の合計は5例となった。患児は、いずれも生後6カ月時のスクリーニングを受検しており、その時点では正常と判定されていた。しかしながら、尿中VMA,HVA値はカットオフ値をわずかに下回った程度であり、すでに腫瘍が存在していたことが示唆された。(58-61ページ

内部標準物質を用いた尿中VMA,HVA,dopamine測定と内部精度管理(PDF:85KB)

札幌市における神経芽細胞腫スクリーニングにおいて、現行のVMA,HVA,Dopamine(DA)のHPLC測定に内部標準物質としてHomovanillyl-alcoholを用い、外部標準法と内部標準(内標)法との測定値の比較及び内部精度管理における内標法の有用性を検討した。内標法はオートサンプラーの注入量の影響を受けず、再現性に優れ、定量法として有用な方法であった。しかし、実際の定量法として採用するには、標準液・コントロール・抽出液中の内標の濃度をすべて同一にする必要があり、溶液の濃度管理を注意深く行う必要があった。さらに、抽出液に内標を加えることにより、検体ごとの測定精度を監視することが可能となり、内部精度管理法としてきわめて有用であることが明らかとなった。(62-65ページ

札幌市におけるWilson病の新生児マス・スクリーニング(PDF:55KB)

札幌市では本年4月より、Wilson病の新生児マス・スクリーニングを、全国に先駆け行政レベルで実施している。1994年4月からのパイロットスタディの結果を含め、その現況を報告すると共に、濾紙血セルロプラズミン(CP)の新しい酵素免疫測定法(ELISA)およびLatex凝集法についても、評価する機会を得たので合わせて報告する。(66-71ページ

代謝異常症スクリーニングにおける微量ケイ光定量法の改良(PDF:46KB)

バイオアッセイに代わりうる先天性代謝異常症4疾患のスクリーニング法として開発した、微量ケイ光定量法(MFL)の反応系と機器構成を改良し、システムの最適化を計った。反応系の改良としては、ガラクトース(Gal)と分枝鎖アミノ酸(BCA)のNADHケイ光測定系をresorfineケイ光測定系に、また、総ホモシステイン(HSH)の化学的測定法から、Methionineγ-lyase(Met-lyase)を用いたMetとの総量を測定する酵素法を新たに開発し、それぞれ、より信頼性の高いスクリーニング法となった。さらに、自動分注装置の導入とケイ光マイクロプレートリーダをストリップウェルタイプからリジッドタイプのものへと変更したことにより、操作性に優れた半自動化システムを確立できた。(72-80ページ

Polymerasechainreaction(PCR)法によるHTLV-Iprovirusの検出について(PDF:113KB)

妊婦のHumanTcellleukemiavirustypeI(HTLV-I)感染スクリーニングの確認検査に応用することを目的として、Polymerasechainreaction(PCR)法によるHTLV-Iプロウイルス検出について検討した。サンプルは精製したDNAもしくは乾燥濾紙血液とし、ウイルスの複数部位を増幅する検査方法を検討した。その結果、本検査法は、複数部位のPCR結果を総合判断することにより、一次スクリーニングであるParticleAgglutination(PA)法で陽性を示した妊婦のHTLV-Iウイルス感染の確認試験として非常に優れていることが確認された。(81-84ページ

乾燥濾紙血液サンプルのLp(a)の測定(PDF:108KB)

LDL類似のリポタンパクであり独立した動脈硬化を促進する因子であるLp(a)を若年の心筋梗塞予防を目的とする高コレステロール血症スクリーニングに応用するため、乾燥濾紙血液をサンプルとして測定する方法について検討した。乾燥濾紙血液3.2mmディスク1枚をキット添付の希釈液で溶出し、これを血清用ELISA法キットで測定することにより、血清との相関が良好な測定ができることが判った。(85-88ページ

乾燥ろ紙血液を用いたPCR法による21-水酸化酵素欠損症の簡易DNA診断(PDF:682KB)

札幌市では、1982年に先天性副腎過形成症の新生児マス・スクリーニングを開始以来、14名の21-水酸化酵素欠損症患児を発見してきた。最近、これらの患児の予後の予測および病型分類の必要性から、21-水酸化酵素の原因遺伝子CYP21Bの解析が必要となってきた。そこで、患児の乾燥ろ紙血液を用いたPCR法により、CYP21B遺伝子中の点変異を検出する簡易DNA診断を試みた。(89-95ページ

札幌市内の特定建築物における有害物質の状況について(第2報)(PDF:602KB)

前報の調査結果を参考に代表的な6施設を選定し、有害物質濃度の夏期・冬期の季節変動を調査したところ、冬期に室内濃度が高くなることがわかった。さらに、有害物質が特に高濃度に検出された施設について、発生源、空調設備の運転状況の調査を行ったところ、発生源が特定でき、空調設備の適切な維持管理により有害物質濃度が低下することがわかった。(103-108ページ

有機リン系農薬の多成分分析法の検討(PDF:445KB)

前処理におけるクリーンアップの方法として、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)が有効である事をこれまで報告してきたが、今回は、42種の有機リン系農薬について、抽出溶媒と酢酸エチル転溶の方法に検討を加えた結果、より多くの試料を一度に処理することができるようになった。GC上の問題点として、注入後の農薬がGCカラムへの吸着などにより損失する割合が、試料溶液の方が標準溶液よりも少ないために、回収率が100%を越えることが指摘されているが、今回も、この傾向が顕著に現われた。(109-116ページ

酸化防止剤の分析におけるゲル浸透クロマトグラフィーの適用について(PDF:1,807KB)

食品中の残留農薬分析における前処理法として汎用されつつあるゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)が、酸化防止剤の分析の前処理においても適用可能かどうか検討した。GPC操作をピロガロール存在下で行うことにより、3種のフェノール性酸化防止剤は効率よく回収され、また本法は種々の食品に適用できた。(117-121ページ

非分散赤外分光光度法による都市大気中の二酸化炭素の定量(第2報)(PDF:285KB)

非分散赤外分光光度法による連続測定装置を用いて、平成5年4月から平成6年3月までの1年間、札幌市における大気中の二酸化炭素濃度を測定した。
この結果、大気中の二酸化炭素濃度は351-380ppmの範囲に全測定数の70%以上が該当していた。
また、各月における時間別の平均値は、1日の最大値と最小値の差が小さい春季と夏季、差が大きい秋季と冬季のおおむね2つのパターンに分けることができた。
さらに、月別の濃度の平均値は、夏季に低い値を冬季に高い値を示したが、これは夏季の光合成による二酸化炭素の吸収と冬季の暖房による二酸化炭素の発生量の増加に由来するものと考えられる。(122-128ページ

札幌市の降水におけるN/nss-S比の分布について(PDF:233KB)

平成4年度から平成5年度にかけて55地点で季節別におこなった延べ4回の酸性雨調査(雪も含む)で得られたデータの中で、全季節に試料が採取できた38地点のデータから、札幌市全域での硝酸イオン(以下、NO3-と略す)と非海塩由来の硫酸イオン(以下、nss-SO42-と略す)の当量濃度(以下、濃度と略す)、NO3-とnss-SO42-の当量比(以下、N/nss-S比と略す)の分布を調べた。
各地点でのNO3-の濃度の範囲は、5.3~20.9μeq/l、nss-SO42-は15.9~51.6μeq/lであった。
札幌市の中心部は、NO3-で15μeq/l、nss-SO42-で40μeq/lの等濃度線の内側にあり、N/nss-S比の範囲は、0.20~0.52であった。特に、南東部の地点でN/nss-S比が0.4以上を示したが、他の地点では0.2~0.3を示した。南東部地域の降水のpHを下げる要因のイオンの中では、他の地域に比較して、NO3-の寄与がより大きいことが分かった。(129-133ページ

大型底生動物を指標とした河川の水質調査(2)(PDF:372KB)

豊平川と琴似発寒川の上流、中流、下流について、大型底生動物による水質調査を行い各地点の水質を評価した結果、概ねosが得られた。
新評価手法であるBMWP法の有効性についてさらに検討を加えた結果、従来法及びBODと有意の相関が認められ、適用可能な手法であると考えられた。
また、ASPT値が概ね6以上の場合、良好な河川環境にあると判断された。(134-139ページ

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札幌市保健福祉局衛生研究所保健科学課

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