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更新日:2016年6月14日

札幌市衛生研究所-調査研究(1994)

1993~1994年の札幌市におけるインフルエンザの流行について(PDF:177KB)

今季の札幌市におけるインフルエンザウイルスの初分離は1994年2月のインフルエンザB型ウイルスであった。今季は過去に例を見ないほどインフルエンザウイルスの分離株数が少なくシ-ズンを通じてわずか4株のインフルエンザB型が分離されたにすぎない。全国的にはA香港型を主流としてB型が少数混在して分離されたが、分離株数は例年に比べて少なく患者数も極端に少ないシ-ズンであった。(35-38ページ

食中毒警報システムについて(PDF:147KB)

食中毒事例のデータベースをワークステ-ション上に作成し、事例データを容易に活用できるようにした。現在、昭和63年から平成5年までの7年間分約150事例が入力されていて、今後も新たな事例を入力して行く予定で、1事例で最大約400項目を入力する。図表の作成や統計処理のほとんどは端末のパソコンの市販ソフトで行うようにしたので変更が比較的容易にできる。(39-42ページ

保育園児検尿所見と尿中β2-ミクログロブリンとの関連について(PDF:173KB)

札幌市内13カ所の保育園・幼稚園児を対象に検尿および尿中β2-ミクログロブリン測定を実施し、検尿結果とβ2-ミクログロブリン値の関連性および腎尿路系疾患スクリーニングの指標としての有用性を検討した。その結果、検尿結果において、白血球及び潜血反応陽性であったものが約3%おり、潜在性・無自覚性の児の存在が確認された。また、β2-ミクログロブリンも同様に約3%の児で高値を示し、そのうちの3名について、腎エコ-等の精密検査を行ったが異常は認められなった。今後、精密検査体制を整備し、腎尿路系疾患スクリーニングにおける尿中β2-ミクログロブリンの有用性についてさらに検討していく必要がある。(43-45ページ

札幌市における神経芽細胞腫スクリーニング結果(1993年度)(PDF:156KB)

札幌市では全乳幼児を対象に、生後6ヶ月および1歳2ヶ月の神経芽細胞腫スクリーニングを実施している。1993年度には6ヶ月スクリーニングでは14,500人の検査を行い、新たに4例の患児を発見し、開始以来の発見例の合計は41例となった。
一方、1歳2ヶ月のスクリーニングでは11,241人の検査を行い、初めての症例を発見した。患児は精密検査時、meta-iodobenzylguanidine(131I-MIBG)シンチグラフィーにより異常所見が得られ、腫瘍摘出手術が行われた結果、後腹膜原発、病期2の神経芽細胞腫と確定診断された。(46-48ページ

有機酸代謝異常症の新生児マス・スクリーニング-ビオチニダーゼ欠損症、高乳酸血症およびメチルマロン酸血症のパイロットスタディ結果について-(PDF:254KB)

有機酸代謝異常症の中のビオチニダーゼ欠損症、高乳酸血症およびメチルマロン酸血症について、新生児マス・スクリーニングの新しい対象疾患として可能性を検討するためパイロットスタディを行った。96穴マイクロプレートスケ-ルで、乾燥ろ紙血液中のビオチニダ-ゼ活性、乳酸およびメチルマロン酸を簡便に測定する方法をそれぞれ開発し、実際の新生児検体の測定を行った。ビオチニダーゼ欠損症は15万例の中から1例、高乳酸血症は9万例の中から6例発見され、メチルマロン酸血症は6万例スクリーニングしたが、患児は発見されなかった。(49-53ページ

マイクロプレートを用いるフェニルケトン尿症マス・スクリーニング法の比較検討(PDF:250KB)

フェニルケトン尿症の新しい新生児マス・スクリーニング法として、96穴マイクロプレー-トスケールで反応・測定を行う方法がいくつか実用化されてきている。現在、化学的/酵素的反応さらにケイ光/比色法の原理的に異なる4種類の方法があり、本報ではこれらの方法につき、実際のマス・スクリーニング応用面での比較検討を行った。(54-59ページ

乾燥濾紙血液サンプルのコレステロ-ルの測定方法(PDF:234KB)

家族性高コレステロ-ル血症スクリーニングへ応用するため、乾燥濾紙血液の総コレステロール値の測定方法について検討した。メタノ-ルで血球の固定とコレステロ-ルの抽出を行い、これを酵素法の市販キットで測定することにより、3.2mmディスク1枚の少ないサンプル量で再現性や血清との相関が良好な測定ができることが判った。さらにこの方法は操作法が簡便で測定時間が短く、サンプルの保存による抽出率への影響が少ないことからスクリーニング法として有用と考えられる。(60-65ページ

TBG濃度の影響を受けない抗T4ヒツジ抗体を用いたFT4測定ELISA法(PDF:466KB)

新生児マス・スクリーニング対象疾患の一つであるクレチン症の中でも、TSH単独測定では発見できない遅発型クレチン症の中でも遅発性クレチン症と中枢性クレチンの指標となるFT4(遊離型サイロキシン)測定系の改良を試みた。本報は、抗T4抗体の免疫動物を家兎ではなくヒツジとした点で従来法と異なり、TGB濃度の影響を受けにくいことから、FT4測定によるスクリ-ニングで偽陽性となるTGB欠損症例を減少できると考えられる。(66-70ページ

固相抽出法を用いた地下水からのフタル酸エステル類の分析法について(第二法)(PDF:466KB)

前報のフタル酸エステル類(PAE類)の分析法のなかで、実験途上でのPAE類の汚染が分析精度に影響を与え、その防止策が課題として残された。そこで今回は使用ガラス器具の硫酸洗浄と固相抽出操作での負荷後の樹脂の吸引乾燥を遠心脱水に変更し、汚染をできるだけ軽減させた。分析法の省力化については高速用カラムの使用により、1回の分析時間を従来の1月4日に短縮し作業能率を向上させた。定量精度については標準液の添加回収率平均81.0%と変動係数平均9.2%のほぼ良好な測定結果を得た。実資料として地下水からはフタル酸ジブチル(DBP)フタル酸ジ-2-エチルヘキシル(DEHP)を0.18~1.20ppbの範囲で検出された。(71-74ページ

消毒液の各種浴用剤に与える影響(PDF:367KB)

近年、浴用剤を使用する公衆浴場が増加傾向にあるが、浴用剤使用の浴槽水は普通浴槽水と比較して大腸菌群の不適率が高い結果が見られた。この理由の一つとして、通常、消毒に使用されている次亜塩素酸は浴用剤を退色させるため、その防止策として十分な消毒剤の使用が確保されず、その結果、消毒が不十分になり、基準値を超えた大腸菌群が検出されることがあると考えられる。そこで、浴用剤が退色せず、且つ有効な消毒方法を検討したところ、亜塩素塩が極めて有効であることが判明した。(75-77ページ

セレン分析法の検討について(PDF:143KB)

環境基準項目に追加されたセレンについて、日本工業規格の工場排水試験法により添加回収試験を行ったところほとんど回収されなかったが、試料を加熱分解する過程でビ-カ-上に時計皿をのせることにより良好な結果が得られた。
また、札幌市内の工場用水、鉱山排水について検査したところ、鉱山排水の一部で2ug/lのセレンが検出された。
(78-80ページ)

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札幌市保健福祉局衛生研究所保健科学課

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