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更新日:2016年6月14日

札幌市衛生研究所-調査研究(1975)

輸入カニクイサルからの赤痢菌、サルモネラ菌の検出例について(PDF:577KB)

昭和49年(1974年)4月、輸入カニクイサルによる細菌性赤痢患者が東京都、神奈川県、群馬県で発生したが、札幌にも同じ輸入業者扱いのサルが移入されていることがわかった。これら輸入サル10匹を対象に検査を実施したところ、1匹がSh.flexneri2a陽性となり、3匹からSal.typhimuriumを検出した。検出されたSh.flexneri2菌株はテトラサイクリンに耐性であったが他の常用抗生剤、サルファ剤には感受性であった。(43-47ページ)

1974年札幌市におけるインフルエンザの流行について(PDF:865KB)

札幌市では1973年1月から3月にかけてインフルエンザA-香港型が流行し、4月中旬から6月中旬までB型が大流行した。このため、1974年も引き続い調査を行ったところ、1月から2月にかけてB型の、3月から4月にかけてA-香港型の小流行があった。(48-52ページ)

 鉛曝露における人体影響指標材料としての毛髪について(PDF:99KB)

重金属曝露による人体影響調査材料として、血液、尿、毛髪などがあげられる。私たちは、鉛職場検診に際して血液中鉛、尿中鉛の測定を実施してきたが、今回毛髪中鉛についても同時に測定を行って血液中、尿中鉛濃度との関係を比較検討した。その結果、比較的高濃度下鉛暴露においては、毛髪と血液の間に危険率1%で正の相関を認め、人体影響指導指標材料として毛髪の有効性を示した。(53-56ページ)

カルジオライピン抗原による梅毒血清反応とTPHAテストの比較について(PDF:583KB)

梅毒の血清学的反応(STS)として、カルジオライピン(CL)抗原により、ガラス板法、凝集法、緒方法の3法を日常の検査として実施してきたが、STSは梅毒の病原体である梅毒トレポネーマ(TP)と無関係のリン脂質であるため、梅毒以外の血清でもしばしば生化学的偽陽性反応(BFP)がみられる。1966年、富沢らにより梅毒TP感作血球凝集反応(TPHA)が開発され、BFPの判定は極めて容易となった。私たちは、STS3法の検査において、いずれか1法以上に陽性反応を示した血清について、TPHAを併せて実施し、スクリーニング検査におけるTPHAの必要性について検討を加えた。(57-59ページ)

家庭用品中のホルムアルデヒドについて(PDF:939KB)

近年、衣料品の加工剤による“かぶれ”“湿疹”などの皮膚障害が問題になってきており、昭和49年(1974年)9月26日付で「有害物質を含有する家庭用品の規制に関する法律施行規則」が公布された。私たちは公定法の公布以前に、家庭用品中のホルムアルデヒドの分析法を検討するとともに、衣類など35点の市販品を測定した。測定の結果、スリップ、ブラジャー、子供用防止などからホルムアルデヒドが検出された。これらのホルムアルデヒド量は洗剤を使用した家庭洗濯で1月5日程度に減少した。(60-66ページ)

スパンズ法とALC法によるフッ素定量法に関する諸検討-メタリン酸塩存在下において-(PDF:391KB)

最近、ビルの貯水槽などでメタリン酸塩を主成分とする水処理剤が使われるようになり、今回フッ素定量法において水処理剤を含む水中のフッ素をスバンズ法に従って定量したところ基準を超える結果になったがALC法で確認したところ基準内であった。このことから、メタリン酸塩を主成分とする水処理剤の共存下におけるフッ素定量法について検討したところ、スバンズ法は蒸留操作を加えなければメタリン酸共存下においては著しい正の誤差を与えることがわかった。(67-69ページ)

添加物の測定法に関する研究(第2報)-ガスクロマトグラフィーによる食品中のサッカリンナトリウムの定量について-(PDF:525KB)

サッカリンナトリウム(S.S.)はわが国のみならず世界各国で広く用いられている人工甘味料である。またズルチン、サイクラミン酸ナトリウムの使用が禁止された現在、S.S.の重要性が増大してきた。そのうえ昭和48年(1973年)12月にS.S.の使用基準値が定められたが、その検査法(公定法)はまだ決まっていない。そこで、私たちは微量定量が可能なメチル化の後ガスクロマトグラフによる方法を検討したところ、アントラセン、デイルドリンを内部標準物質として感度の良い定量が可能であった。(70-75ページ)

河川の汚染状況調査(第3報)-豊平川(札幌市)に棲息する魚類中の農薬・PCBについて-(PDF:169KB)

1969年に食品中に残留する農薬が検出され、またPCB中毒によるカネミ油症により化学物質の長期間摂取による生活破壊が問題となっている。1971年に農薬の規制がなされ、PCBも製造中止が決定したが、残留性は一過性なものではなく、長期にわたる監視が必要である。本市においても1972年以降豊平川の棲息魚の汚染状況を調査しているが、今回うぐい、どじょうについて農薬、PCB含有量についてまとめたところ、塩素系農薬、PCBとも蓄積量が減少していることがわかった。(76-80ページ)

札幌市河川中のフタル酸ジ2-エチルヘキシルの定量分析について(PDF:96KB)

フタル酸エステル類のうち、生産量の最も多いフタル酸ジ(2エチルヘキシル)について、その分析方法の検討を行い、札幌市内の河川水中にどの程度検出されるか調査した。定量はFID付ガスクロマトグラフにより、同定確認試験はシンクログラフ及薄層クロマトグラフによった。その結果、札幌市内の河川水中のフタル酸ジ2エチルヘキシルは数ppbオーダーと推定された。(81-83ページ)

札幌地方に生育する3種の浮草についての調査(PDF:427KB)

公共水の汚染防止のため現在行われている汚水処理は、主としてBODやSSの除去を目的としている。汚水処理場が普及しているが、窒素・燐の除去が不完全なために、公共水の富栄養化という新たな公害が問題となっている。私たちは浮草による窒素、燐の除去を検討するため、札幌地方に成育する3種の浮草について成育条件を中心に調査した。アオウキクサ、ウキクサは直射日光のもとでBOD希釈水、水田水を培養液にすると1週間で約3~5倍に成長した。
(84-93ページ)

ジフェニルカルバジドを用いる、にごり又は着色している水の6価クロムの定量(第2報)-凝集沈殿による前処理法の検討-(PDF:281KB)

前報において、にごり又は着色している水の6価クロムの定量の場合、硫酸亜鉛を用いる凝集沈殿を行えば、良い結果が得られることを報告したが、今回はこの凝沈殿法におけるPHの影響、凝集剤の添加量及びFe(3+)の妨害等について検討したところ、NaOH-Na2CO3混液でpH10~10.5とすることで良い結果が得られた。Fe(3+)は10μg/ml存在しても妨害しなかった。(40-44ページ)

原子吸光法の前処理について(第2報)(PDF:118KB)

原子吸光で重金属を測定する場、前処理法として、直接原子吸光、単純濃縮原子吸光、溶媒抽出原子吸光について重水素放電管を使用し検討した。その結果、Zn、Mnについてはバックグラウンドが少ないため直接原子吸光で充分であり、Cd、Cu、Pbについては溶媒抽出方が優れていた。また、Na、Kでは方法間で大きな測定値の差が認められた。
(40-44ページ)

樹葉(ニセアカシヤ)の表面積統計的方法による推定(予報)(PDF:834KB)

市内の四地点で採取したニセアカシヤの葉についてその葉面積の推定を試みた。樹葉の表面を複写紙に転写し、その面の重量を測定して葉面積(So)と重量(wo)の関係式(So=31321×wo)から葉面積を推定した。この推定の信頼区間の幅は危険率5%で±26%であった。また葉面積(yi)を推定する回帰式としては乾燥重量(xi)を使用したyi=98.60+35.492(xi-2.082)-3.301(xi-30.197)が試料保存性、秤量の容易さ、信頼限界などから葉面積推定に適していると考えられる。この回帰式の乾燥葉の秤量範囲は1.5~3.0gで、葉面積yiの推定範囲は70~140cm2となる。そのときのyiの信頼区間の幅は11~14cm2である。(40-44ページ)

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札幌市保健福祉局衛生研究所保健科学課

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