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更新日:2016年6月14日

札幌市衛生研究所-調査研究(1989)

濾紙血液を用いる抗HTLV-1抗体の測定とその妊婦スクリーニングへの応用(PDF:142KB)

乾燥濾紙血液を用いてPA法とELISA法による抗HTLV-1抗体の測定法を検討し、札幌市内の妊婦8,496名を対象としてスクリ-ニングを行った。乾燥濾紙血液中の抗HTLV-1抗体の安定性、測定感度及び再現性は良好であり、血清を用いる標準法との相関も認められスクリーニング法として十分であった。確認検査として血清によりIF法及びWB法を実施すると札幌市内の医療機関を受診した妊婦の抗HTLV-I抗体保有率は0.65%から0.82%となり従来の報告とほぼ一致した。(47-50ページ)

TSH、FreeT4同時測定による先天性甲状腺機能低下症マス・スクリーニング(PDF:460KB)

昭和53年6月から11年間に新生児223,517例のマス・スクリーニングを行い、39例の原発性甲状腺機能低下症児と1例の続発性甲状腺機能低下症児を発見した。甲状腺刺激ホルモン(TSH)、遊離型甲状腺ホルモン(Free T4、以下FT4)を同時に測定した57,025例では、原発性甲状腺機能低下症12例の他に、一過性甲状腺機能低下症12例、一過性低T4血症18例などの多くの甲状腺疾患を発見した。先天性性甲状腺機能低下症の新生児マス・スクリーニングでTSHを指標とする方法が優れているが、TSHとFT4の両者の測定により、続発性甲状腺機能低下症の他、一過性甲状腺疾患を発見できるとともに迅速で精度の高いスクリーニングを行うことができる。(51-58ページ)

高速液体クロマトグラフィーによる乾燥濾紙血APRT、HPRT活性の測定(PDF:202KB)

乾燥ろ紙血(DBS)中のアデニンホスホリボルシトランスフェラーゼ(APRT)活性およびヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HPRT)活性を簡便、迅速に測定する方法を検討した。APRT活性はアデニン(Ade)をHPRT活性ヒポキサンチン(Hyp)を基質として、それぞれ酵素反応により生成するアデノシンーリン酸(AMP)、イノシン一リン酸(IMP)を高速液体クロマトグラフィ-(HPLC)により測定し、シアンメトヘモグロビン法により測定したヘモグロビン(Hb)値で補正し活性値を求めた。正常成人(n=7)のDBS中APRTおよびHPRT活性の平均値±SDはそれぞれ0.297±0.030および2.16±0.14と赤血球を用いた報告値とほぼ一致し、赤血球との相関(N=9)もAPRT・Y=0.939X-0.0357(r=0.968)、HPRT・Y=1.04X-0.015(r=0.988)と良好であった。また、APRT、HPRT完全欠損症患者DBS中の酵素活性は認められなかった。(59-64ページ)

神経症状を呈する小児の代謝異常症ハイリスク・スクリーニングについて(PDF:172KB)

てんかん、精神発達遅延などの神経症状を呈する3ヶ月から19歳の202例のハイリスク小児を対象に乾燥ろ紙血(DBS)を用いてアミノ酸代謝異常症、ガラクト-ス血症、有機酸代謝異常症、ビオチニダーゼ(BD)欠損症、アデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(APRT)欠損症、ヒポキサンチンホスホリボシルトランスフェラ-ゼ(HPRT)欠損症のスクリーニングを行った。その結果、アミノ酸異常3例〔Phe、分枝鎖アミノ酸、総ホモシスティン(HcySH)高値〕、有機酸異常3例(いずれも乳酸高値)、BD活性へテロ保因者レベルの低値例2例(残存活性38.44%)が見出された。(65-69ページ)

二次微分スペクトルの等吸収点による水中硝酸性窒素の迅速定量(PDF:518KB)

二次微分スペクトルの等吸収点に着目した地下水及び河川水中の硝酸性窒素の簡便で迅速な検査方法を確立した。試料はNO3-N濃度が0.15mg/l以上の場合はそのまま、0.15mg/l未満の場合はSEP-PAKQMAによる濃縮液を用いた。測定にはダブルモノクロ自記分光光度計を使用し、共存する亜硝酸性窒素の妨害を除くため、亜硝酸性窒素の二次微分スペクトルの等吸収点である223.7nmにおける二次微分吸光度から硝酸性窒素の濃度を算出した。試料の繰り返し変動係数は2.3%以下であり、添加回収率は92%から106%と良好な結果が得られた。また、定量限界は試料に対して0.02mg/lであった。(70-74ページ)

イオンクロマトグラフィーによる飲料水中の縮合リン酸塩の定量(PDF:157KB)

イオンクロマトグラフィーにより、水中のオルトリン酸、ピロリン酸、トリポリリン酸およびテトラポリン酸の4種の縮合リン酸を分別定量する方法を検討した。Dionex社製イオンクロマトグラフおよびAS4Aカラム、AS5カラムを用いることにより、4種の縮合リン酸を迅速に定量できた。また、実際に防錆剤を使用している19施設から採取した水について、本法を適用したところ、4種のリン酸塩のピ-クの分離は良好であり、簡便に分別定量できた。(75-79ページ)

フォトダイオ-ドアレイ-UV検出器付HPLCによる合成抗菌剤の多成分分析法(PDF:462KB)

畜産食品中における合成抗菌剤14種類についてUV検出器付HPLCによる簡易で迅速な多成分分析法を検討するとともにピ-クの確認同定法としてフォトダイオ-ドアレイ検出器の応用を試みた。この結果、14種類の薬剤をを単一の方法により前処理することが可能となるとともに、UV-HPLCによる分析時間もグラジェント法を用いることにより35分前後に短縮された。さらにUV-HPLC法による分析でR.T(保持時間)の一致したピ-クの確認同定手段としてフォトダイオ-ドアレイ検出器の有する種々の定性機能を用いたところ、ピ-クの同定精度が向上し、その有効性が明らかとなった。(80-87ページ)

高速液体クロマトグラフィーによる食品中のプロピオン酸及びソルビン酸の同時定量(PDF:362KB)

洋菓子、チーズなど脂肪分の多い食品に添加されているプロピオン酸の定量を4-プロモメチル-7-メトキシクマリン(以下「Br-Mmc」)にて蛍光誘導体化し、蛍光検出-高速液体クロマトグラフィによる定量を検討し、さらにチーズにおいてプロピオン酸と同時に使用される可能性のあるソルビン酸との同時定量を検討した。(88-92ページ)

市内河川水質における硝化の影響-夏期と冬期における成績の比較検討-(PDF:174KB)

市内河川水質における硝化の影響について、夏期に対する冬期の比較を中心に調査検討した。夏期は13地点から、冬期は10地点からN-BODが検出された。通年検出の10地点において、N-BODは冬期に減少傾向を示し、C-BODは冬期に減少傾向を示した。R地点は通年、Z地点は冬期に逆流によるC-BOD成分の流入が推定された。(93-98ページ)

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