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われわれは、昭和46年依頼食肉の販売系統による追跡調査を計画し、初年度、市内精肉小売店110店のうち67.3%の店からサルモネラ菌を検出し、肉汚染が鶏に由来することが多いことを知った。そこで、今年度は追跡調査として、鶏の処理場等における検査を実施した。また前回の調査でサルモネラ菌を検出した店の再調査も行った。鶏処理場の肉類と機材および従業員手指について、夏と冬の2回の検索を行い、夏季には高い保菌率を示し、冬季には低下する傾向が認められた。(35-39ページ)
セファデックスG-200ゲル濾過法によるIgレベルでの反応について検討を行ったところCF反応に関する限り12mlという少量名血清で充分分析が可能であった。しかし本法はCF反応に関与するIgがγG、γMに限られており、γAの分析は困難であった。これを踏まえて、感染初期の患者数例を対象とする抗体変動に関する調査を継続する必要がある。)
(40-44ページ)
当所では従来COD値は4時間酸素吸収量(COD4)として求めていたが「下水試験方法」の改訂に伴い現在アルカリ性30分法(COD30)によっている。COD値は実験室的にはBOD値の推定指標物なので、COD値とBOD値の関係を調査した。その結果、し尿浄化槽法流水においてはCOD4とCOD30との間に高い相関があり、大体前者は後者の1月2日の値を指名s田。一方COD30とBOD値との間には正の相関があったが、さほど強い相関ではなかった。BODの実測値は(26×COD30-216)の約1月2日倍から2倍の値の範囲内に収まった。(45-48ページ)
札幌市内で入荷した魚介類などの食品および包装紙について、アルカリ分解法に鹸化し、n-ヘキサンで抽出しECDガスクロマトグラフィーで定量することでPCBを測定した。その結果、魚介類可食部では、全品目からPCBを検出したが、北海道近海産の魚介類では、PCB含有量が低い傾向を示した。食肉類ではPCBは検出されなかったが、牛乳、離乳食の全品目と野菜、包装紙の一部からはPCBが検出された。また母乳からもPCBは検出された。(49-57ページ)
水中の塩素酸塩の定量にo-トリジン法を用いた例は、北海道と宮城県の両衛生研究所の報告書にみられる。私たちはこの2つの研究所の方法を試したが、検量線が原点を通らず又再現性が非常に悪いため、その要因を検討した。その結果、濃塩酸を添加する前に検水とo-トリジン溶液の混合液を8~10℃に冷却しておけば、再現性が向上することがわかった。今後は本改良法を河川水、土壌の塩素酸塩の定量に用いるための前処理法を検討する。(58-60ページ)
JISK0102工場排水試験方法における6価クロムの定量法の内、ジフェニルカルバジド法について、その操作の簡素化をはかり、にごりまたは着色している水の6価クロムを定量するための前処理法を検討した。操作法の改良については、硫酸は濃硫酸0.3mlを加え、硫酸添加後の冷却を行わず、ジフェニルカルバジド溶液添加後30分以内に吸光度を測定することとした。前処理法については、ろ過によって液が清澄とならない場合は、硫酸亜鉛による凝集沈殿法を用いることとした。(61-64ページ)
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