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更新日:2018年2月16日

平成29年度第18回定例市長記者会見記録

日時

2018年2月15日(木曜日)14時00分~14時52分

場所 記者会見室
記者数 19人

市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

配布資料

動画(内容は下記「発表内容」「質疑応答」で、文字掲載しています。)

発表内容

 2018平昌冬季オリンピック大会の視察報告について

 連日、熱戦が繰り広げられております「2018平昌(ピョンチャン)冬季オリンピック大会」でありますけれども、日本選手、道産子選手の活躍で大いに盛り上がっているところでありますが、開会式の2月9日から12日まで現地での視察をしてまいりましたので、まずはその報告をさせていただきます。

 9日に「平昌オリンピックスタジアム」で開催されました開会式では、各選手団の入場や聖火リレーに加えて、伝統文化と最新技術を使った演出で一体となった会場を見ることができました。あらためて、多くの人に夢と感動を与えるオリンピックの持つ力というものを実際に身をもって感じたところであります。

 翌日の10日でありますが、平昌にあります「メインプレスセンター」を視察した後に、JOC(日本オリンピック委員会)のジャパンハウスのレセプションに出席をいたしました。ここでは、安倍晋三内閣総理大臣や竹田恆和(たけだ・つねかず)JOC会長、IOC(国際オリンピック委員会)の幹部など多くの関係者と面会をいたしまして、ウインタースポーツ都市札幌のPR、そして、海外都市の招致情勢などの情報収集を行ってまいりました。

 この日の夕方は、江陵(カンヌン)にあります「関東(カンドン)ホッケーセンター」を視察いたしまして、女子のアイスホッケー、日本対スウェーデン戦を観戦いたしました。残念ながら勝利とはなりませんでしたけれども、札幌出身の藤本那菜選手、足立友里恵選手の奮闘もあり、強豪国と互角の戦いをしておりました。

 その後、平昌のほうにまた移動しまして、「アルペンシアスキージャンプセンター」を視察いたしました。ここでは、男子のノーマルヒルを観戦いたしましたけれども、この日は強風で競技が何度も中断をするという難しいコンディションでありましたけれども、葛西紀明選手をはじめとして、日本選手の活躍を見届けることができました。

 翌日11日には、江陵のオリンピックパークの視察の後、フィギュアスケートの団体、スピードスケートの男子5000メートルを観戦いたしましたほかに、選手村でありますとか「東京2020ジャパンハウス」を視察してまいりました。

 最終日の12日でありますが、平昌のJOCジャパンハウスでIOCのトーマス・バッハ会長にお会いいたしまして、「北海道・札幌プロモーションブース」がこのジャパンハウスにございますけれども、ここで、札幌が競技場と市街地が近い、それから、活用できる既存施設が多いということ、それから、1972年以降、ウインタースポーツのさまざまな大会を開催してきた実績などをPRいたしました。

 滞在いたしました4日間、会場あるいは会場周辺は、ハイレベルな競技がもたらす熱気に満ちあふれておりまして、世界中から集まった人々で活気にあふれておりました。そして、オリンピックで街が一体となっているということを目の当たりにしまして、これがオリンピックの持つ力なのかなと肌で感じたところであります。

 限られた行程の中ではありますけれども、多くの施設を視察いたしました。どの施設も、バリアフリーに対応した素晴らしい施設でありました。ほとんどが新設の競技場ということでありまして、大変素晴らしい施設でありましたけれども、札幌と違いまして人口が決して多くない平昌、江陵。江陵で人口が22万人ぐらいだと言われておりますが、後利用というものが大丈夫かなということで、少し懸念を感じる面もありました。

 観客輸送につきましては、仁川(インチョン)空港と平昌、江陵を結ぶKTXという高速鉄道が定時運行を確保しておりまして、観客輸送の柱として機能しておりました。一方で、各拠点間、それから競技場間の移動につきましては、シャトルバスが中心になっておりましたので、渋滞等によって支障が出るというような課題もあったように感じられました。札幌の計画ということについても、こうした二次交通あるいは移動の確保ということの重要性というものをあらためて強く感じてまいりました。

 運営の面におきましては、ボランティアスタッフの対応が非常に良かったという印象を強く持っています。皆さんの笑顔ということで、心温まる思いでありました。あらためて、笑顔は世界共通の言語なのだということを実感いたしましたし、札幌においてもこうしたボランティア文化というものの醸成をしていきたいと感じたところであります。

 また、滞在中、札幌と同じく今回の対話ステージに参加しております海外都市の関係者、スイス、スウェーデン、カナダ、こういった方々ともお会いをいたしまして、それぞれ、2026年大会に対する強い意気込みということも感じたところであります。

 以上のとおり、このたびの視察では、多くのオリンピック施設、そして大会運営というものを実際に間近にこの目で見ることができました。札幌に置き換えた場合の課題ということなどについても具体的なイメージを持つことができましたし、国内外に北海道・札幌というものをあらためてPRすることができましたし、さまざまな情報交換もできて大変有意義であったと感じております。

 今後、今回の視察での知見を踏まえながら、対話ステージで、IOCとの協議も続きますので、こういった協議を重ねながら、札幌のまちづくりと調和をさせた持続可能な大会計画というものを策定していきたいというふうに思います。そして、その上で、2026年大会の招致の実現可能性ということについても見極めて、開催時期を判断してまいりたいと考えております。

 「札幌市下水道科学館」のリニューアルオープンについて

 下水道の役割や重要性を理解してもらうということを目的といたしまして、平成9年5月に開館をしております「札幌市下水道科学館」が、3月17日にリニューアルオープンすることとなりました。

 今回のリニューアルは、開館から20年が経過いたしまして、最新の技術情報への更新や、より分かりやすい展示方法への変更が課題になっておりましたので、展示物を全面的に更新したものであります。

 リニューアルの特徴といたしましては、従来の「見る」「読む」という展示から「体験型」の展示へと生まれ変わっているところであります。例えば、汚水をきれいにする水再生プラザの運転シミュレーションですとか、下水道管内の点検・調査を行うテレビカメラ車の操縦など、11種類の仕事体験コーナーで実際の体験をしながら下水道事業を学ぶことができるものであります。ぜひ、多くの市民の皆さん、特に子どもさんにご来館をいただいて、市民生活に欠かすことのできない下水道について知っていただきたいと考えております。

 なお、リニューアルオープンに当たりまして、当日午前10時からオープニングセレモニー等を開催いたします。報道機関の皆さま方には、周知方、よろしくお願い申し上げたいと思います。

質疑応答

 2018平昌冬季オリンピック大会の視察報告について(1)

時事通信

 視察の件なのですけれども、平昌と江陵を視察してこられて、先ほど、見えてきた課題、二次交通とか輸送力の重要性についてお話しされていましたが、またあらためて、ここ(資料)に書いてある具体的な「課題」が見えてきたという課題についてお聞かせください。

市長

 一つは、今回のオリンピックは、やはり、新しい施設を造って、従来の開発型のオリンピックという印象を強く持ちました。従いまして、今、IOCがいろいろ懸念をしている、オリンピックのためだけの施設ということではなくて、施設がこの後どういうふうに使われるのかというようなこと、維持の問題ですとか、そういった大きな点が一つはあろうかなというふうに思います。

 ですから、札幌で開催をするということになりますと、新たな場所を開発して、そこに競技場を新たに造るという大会にはなりませんので、既存の市街地の中でどういう大会計画が作れるかということを札幌として考えていかなければいけないだろうというのが大きなテーマかなというふうに思います。

 その上で、例えば、札幌の施設であると、1972年の時に使われた施設が多いわけですから、それぞれの施設にエレベーターをはじめとしたバリアフリー対応はなされておりません。ですから、こういう改修というようなことを、既存施設を使いながらバリアフリー対応ですとかをどうしていくのかということを考えていかなければいけない、施設の面という意味ではそういうことです。

 もう一つは、輸送の問題でいくと、今回、平昌と江陵(の距離)がだいたい40キロメートルの場所でありますので、そこは、先ほど言いましたが、高速鉄道なり高速道路があって、都市間の輸送はきちんとできていました。北海道で今考えているのは、帯広とかニセコがありますので、そういったエリアへの会場間の輸送という問題、この辺のところをどうしていくのかということがあろうかなというふうに思います。

 加えて、都市間の移動というのはそういう形でしたけれども、例えば平昌内あるいは江陵内の競技場の移動ということについては、地下鉄ですとか鉄道網というのはありませんので、自動車輸送に頼っておりました。そういう意味では、今回、シャトルバスなどの運行計画といいますか、なかなかバスが来ないとかというような話もありましたので、人の移動、輸送の問題というのも、私が見たのは限られた部分でありますけれども、スタッフがそれぞれいろいろな調査をしていますので、今後、この情報を集約しながら、札幌開催の計画策定というようなことにつなげていきたいなというふうに思っています。

 北海道新幹線札幌駅ホームについて(1)

北海道建設新聞

 別件なのですけれども、先週(2月9日)、新幹線のホーム位置に関連して、5者による、JR北海道さんとJRTT(鉄道・運輸機構)さん、国と市と道ですけれども、調整会議が開かれて、これまでの合意から見直された認可案と、さらに東に寄った、大東案と言われているものが示されたのですが、これに対する市長の受け止めを聞かせていただければというのが一点と、今後、技術的な精査を見てから判断されたいということを、当日、中田雅幸都市計画担当局長が示されていたのですが、受け入れていくのかどうかという部分のお考えも少し聞かせていただければと思うのですけれども。

市長

 まず、新幹線のホーム位置の問題については、2016年10月に、いったん、4者(JR北海道、鉄道・運輸機構、北海道、札幌市)の中で、認可計画とちょっと東の案(東案)ということ、この2案で検討をJRさんと機構さんのほうで技術的なものを詰めていきますということになって今に至っています。ですから、私ども、今回の2月9日の5者協議であらためて正式な報告というものをいただいたということです。

 その中では、既存の在来線への影響ですとかというようなことも含めて、ほぼ認可計画でも運行ができると。ただし、地下案と東案というのはコストがかかって難しいですよと。あらためて、認可計画と同じぐらいの費用で、少し東に行くともっといいものができますということをJRさんから提案されてきたということで、今回、大東案というのが初めて登場したということであります。

 従って、今回の5者協議の中では、認可計画でできるという前提の上に、同じような金額でもっとコンコースなりの広さが取れる大東案というものが提案になったので、これは、技術的なこと、あるいは、金額的なことを専門的な見地から鉄道・運輸機構さんが精査をするということで、いったん、2月9日は終わったというふうに聞いています。

 従って、今後は、まず、精査されたものがどういうふうになってくるのか、その上で認可計画と比較をするということになってくるのだろうなと思います。

 ですから、現時点では、どちらも一長一短がやはりあるようです。認可計画ですと、ホームが手狭ですとか、改札を出た後、在来線の乗客と輻輳(ふくそう)するというような問題もあるというふうに伺っていますので、その辺のいいところ悪いところといいますか、長所、短所をきちんとお伺いした上で、またあらためて4者、5者で判断をしていくということになるのかなというふうに思います。

 いずれにしても、残された時間というのは余裕がありませんので、まずは機構さんの技術的な精査、あるいは金額的な精査を早めに出していただいた上で協議をしていくということになるかなというふうに思います。

 2018平昌冬季オリンピック大会の視察報告について(2)

北海道新聞

 五輪の話に戻るのですけれども、先ほど、市長は、今回の件ですとかを踏まえて大会計画をまとめていくということをおっしゃいましたけれども、市民アンケートを行うということをかねてからおっしゃっていますけれども、その時期的なものというものは、あらためてですけれども、だいたいのめどというのは付いてきているのでしょうか。

市長

 付いてきているというよりは、今回、実際に見た時に、例えば、プレスセンターとか放送センターというようなものは、私どもがイメージしていたものよりもかなり大規模なものでした。というのも、今回の選手の参加人数というのが3,000人くらいです。1972年、冬季オリンピック札幌大会があった時には1,600人ほどですから、選手・役員の数は倍になっている。

 その上で、聞きますと、報道関係者の方々の数が6,000人ぐらいいらっしゃっているのだそうです。そうすると、選手・役員をはるかに超えるマスコミの関係者がいらっしゃいます。そういう意味で、報道センターといいますか、放送センター・プレスセンター、こういったものなども含めて、今までの競技場だけではなくて、こういった施設をどういうふうに用意していくのか、あるいは仮設にするのかどうかとかというようなことも含めて、実際に見てみると考えていかなければならない機能もありましたので、そういうようなものを踏まえながら、開催計画を見直していく必要があるかなというふうに思っています。

 その上で、できるだけ既存の施設の活用ということも、今回もIOC関係者はかなり強く言っておりました。そういう意味では、既存施設を使うにしても、先ほども言いましたように、例えば、競技場一つをとっても、観客席が仮に大きくなくても、バリアフリー対応などをどうするか、エレベーターの設置をどうするかという意味では、札幌の既存施設といえども、現状のまま使えないという部分もあると思いますので、そういう視点で、もう一度、競技場なり関係施設を見直していく必要もあるだろうというふうに思いますし、輸送関係ですとか、そんなことも、実際に見たイメージから作り直していく必要があるだろうというふうに思っています。

 今後も、IOCの専門家からのアドバイスもいただくということになっていますので、そういうIOCとの協議なども踏まえていかなければいけませんので、時期的なめどということになってくると、少なくとも今年(2018年)の秋口には正式に立候補するかしないかの判断をする、そのためには、正式な立候補ということになれば、市民の意向も聞かなければいけないということになりますから、いろいろな逆算をしていく必要もあるだろうと思いますが。いろいろな情報を集約して整理をし直した時に、どの時点までで整理し切れるかというのは、現時点でちょっと申し上げることはできないかなと思います。

北海道新聞

 関連してなのですけれども、先ほど、スイス、スウェーデン、カナダなど、2026年に名乗りを上げている各国の関係者等々とお話をされたりだとか、バッハ会長とも懇談されたりとかいう部分で、判断の一つのものになると思われる他国の情勢ですよね。

 一方で、アメリカが、対話ステージに入りつつも、2026年じゃなくて2030年を目指すというようなことも発表されたりしているようですけれども、今回、平昌を訪れて各国の方たちと接触した感触として、2026年の実現可能性というのは、市長としてはどのように感じましたか。

市長

 何ともそのことだけでは申し上げられないかなというのが正直なところです。というのは、それぞれ、皆さん、今、対話ステージで手を挙げているスイス(シオン)、スウェーデン(ストックホルム)、カナダのカルガリーは、基本的には既存施設を使ってということですから、コンセプト的には札幌と同じで過去に開催等があります。そういったことがありますので、コンセプト的な部分についてはそんなに差がないかなというふうに思っています。そういう意味では、実現可能性というのは、フラットに見れば、あとは、もう少し詳細な詰めをしていったときにどれだけ優位な状況になっていくのかということになると思います。

 アメリカのNOC(国内オリンピック委員会)は、対話ステージには参加をしておりませんので、その前(2028年)にロサンゼルスでオリンピック・パラリンピックがあるのでということでしたので。だから、それぞれ、皆さん、IOCの目指す、既存施設を使ってできるだけコンパクトな大会、経費をかけないという意味では同じような方向に向かっていましたので、そのことだけから見ると、どこが有利で不利なのかというのがちょっとわからなかったですね。

 非常に意欲は強かったですよ。やはり、アジアが続いているので、それ以外の所で開催をしようという思いというのは相当強かったというのは正直感じましたね。

北海道新聞

 いずれも、ライバルとしてはかなり強敵だなという。

市長

 と思いますね。

 2018平昌冬季オリンピック大会の視察報告について(3)

北海道新聞

 平昌五輪の視察なのですけれども、現地で(米沢則寿)帯広市長とか(西江栄二)倶知安町長、(片山健也)ニセコ町長、(山谷吉宏)北海道副知事とかと会って意見交換したと聞いていまして、帯広市議会でも意見交換をしたみたいな話が出ているのですけれども、市長から皆さんにどんな話をされて、どんな感触が得られたかとか、その辺は何かありますか。

市長

 今回は、それぞれの立場から施設なり運営を見るということももちろんありますし、われわれのもう一つの大きなテーマとしては、北海道・札幌大会に向けて、まず、北海道なり札幌という街をアピールしようということでありました。そういう意味では、今回、ジャパンハウスの中に北海道・札幌のブースを作りました。

 札幌でいくと、それぞれ写真とか映像で一番印象強く思ってもらいやすい、分かりやすい展示ということを心掛けましたので、例えば、札幌で言えば、大倉山ジャンプ競技場からジャンプの選手が飛んでいる写真です。ですから、札幌の街が見えて、スキー場がすぐそばにあると。手稲の写真ですと、海が見えて、街からすぐ近い所にある、こういう非常に大きな街で、基本的なインフラがそろっている街でありますと、そこに、競技場がすぐそばにありますというようなアピールを端的に表すことができたということで、まず、非常に皆さんは関心を持たれておりました。一方、ニセコのエリアでは、ニセコの雄大さのようなものと、パウダースノーの写真がありましたので、そういう意味ではまた別な関心、スキー競技での関心というようなことも強かったかなというふうに思います。

 そういう意味では、首長と議会の議長が一緒にいたということは、それなりにその地域の中で議会と行政の両方でこのことを推しているといいますか、進めようとしているという意気込みも伝わったのではないかなというふうに思っています。

北海道新聞

 皆さんで話す中で、例えば、交通をどうしようとか、実際にどんな五輪にしたいとか、何年にしようというのは出ていないかもしれないですけれども、合意ではないですけれども、意見が一致したこととかというのは何かありましたか。

市長

 残念ながら、ジャパンハウスのレセプションの時に同じようにPRをした以外は、皆さんそれぞれの会場に回りましたので、あまり一緒になって議論するという場面はありませんでした。ですから、それぞれ持ち寄って、例えば、ニセコならニセコの課題というのは、雪が降ったときの競技が、限られた8日間なら8日間の中でスキー競技をするという場合にどうするかと、そういうようなこととか、それぞれ持った課題というのはあるだろうと思いますし、帯広と札幌、ニセコという意味では、途中の移動のとき、新幹線のことですとか、高速道路の完成時期のようなもの、そういったようなことというのも話題にはなりましたけれども、ここで何かこうだと決める時間とか場面というのはあまりありませんでした。

 北海道新幹線札幌駅ホームについて(2)

北海道新聞

 新幹線なのですけれども、ホーム、先ほど建設新聞さんの質問に対して、大東と現駅案、どちらも一長一短あるようだとおっしゃいましたが、現駅については、先ほど、観客の輻輳とか、そういう話を指摘されていましたけれども、大東案ですね、資料としてはご覧にはなったと思うのですけれども、長所とかはどこかあるという評価はありますか。

市長

 9日に示された資料の説明の中からすると、例えば、ホームが2面になって、上り下りのお客様が輻輳しないとか、一般在来線のお客さんと輻輳しないとかという長所というのはあるかなというふうに思います。

 一方で、ホーム位置が離れていきますので、移動距離というものは少し認可計画よりは遠くなるということがありますので、そこに、今回のJRさんの案の中では連絡橋のようなものが示されておりましたので、そういう意味では、この連絡橋ですとかが技術的な可能性、あるいは費用面というのがJRさんのおっしゃっている費用で収まるのかということを精査するというふうに機構のほうで言っていますので、そういったものを見る、待つ必要があるのかなというふうに思います。

北海道新聞

 JR側は、大東にすれば、貴賓室も作れるので、時期はもちろん決まっていないですけれども、五輪なんかでもというようなことも言及していましたけれども、これについてはどう思いますか。

市長

 ある程度のスペースがあれば、当然、貴賓室だけの問題ではないですけれども、これからインバウンドのお客さんが非常に増えてくるということを想定していかなければいけませんし、今のオリンピック・パラリンピックのような話になれば、当然、多くの人たちがここに出入りするわけでしょうから、そうしたときに、現駅の中で収めて混雑ということと、若干不便だけれども、東側がいいのかという、そういう両方を比べるということになってくるのかなと思いますが。もう少し中身を聞いてみないとならないかなというふうには思っていますが。

北海道新聞

 大東案については、現駅案より数十億円費用が高いという試算が示されましたけれども、この差額についてはJRのほうで負担したいというふうに言っています。建設費の6分の1を市が持つことになっていると思うのですけれども、負担があまり増えないという意味で、JRが申し出ている差額の負担ということについてはどう受け止めていますか。

市長

 市民負担が増えないということは、プラスの面があるかなというふうに思いますが。

北海道新聞

 それと、JRは、現駅案になると、パセオとか駅中の商業施設を一部取り壊さなくてはいけなくて、その分減収にもなるので、経営立て直しについてはマイナスの支障になると。JRは、今、鉄路見直しの話を結構していて、JRの経営という意味では、札幌市とは直接関係ないかもしれませんけれども、なかなか重いJR側の指摘というか、申し出という感じもするのですけれども、その辺はどのように受け止めていますか。

市長

 そういった状況とかも踏まえて、今まではほとんどお話がなかったのです。ですから、私どもは、ホームの位置はここがいいとか悪いとかということだけで、従前からお話をしていますが、例えば、こういうホーム位置であれば改札なり動線がどうなるのかとか、そういうことを全て情報として提供していただきたいということを申し上げてきて、ようやくそういうことが出てきたということかなというふうに思います。ですから、9日でどこまでの話が出たのかというのは、私も限られた情報でありますけれども、これからいろいろなお話を伺う中で、いろいろな方々と、当然、札幌市議会も現駅でということで一度過去(平成27年第4回定例市議会)に決議をしているというような経過もありますので、市議会のご意見も伺いながら最終的な判断をしていくということになるかなというふうに思います。

北海道新聞

 工期なのですけれども、現駅案は2030年度末で、大東案だと2029年12月末までにできますと。また五輪も絡んでしまうと思うのですけれども、時期が決まっていないという中で2030年というのも仮に考えると、現駅案だと間に合わないのではないかということになっているのです。この辺の工期についてはどのようにお考えですか。

市長

 その辺のところも、最終的な判断の材料の一つになっていくのではないかと思います。

北海道新聞

 先ほど市議会のお話もありましたけれども、札幌市としても、今までは、情報が限られているという中ではあったのかもしれませんけれども、現駅案というのを支持してきたのかなと思っているのですけれども、今後、最終的な判断というのは機構から出されてきた情報等で決めるということだと思うのですが、市長としては、今の時点で、今後、現駅案に必ずしもこだわらないで、大東案ということも含めて考えていく必要があるという、そういう考え方でいいですか。

市長

 そもそも、現駅案にこだわってきたということはありません。先ほど来申し上げていますけれども、現駅案とそうでない案(東案)という2案が出てきて、あるいは地下が出てきたりいろいろなことをしていますけれども、ずっと私が申し上げているのは、利用者にとってどういうメリット・デメリットがあるのか、そのことをしっかりと踏まえた上で場所の問題を決定していきたい、ですから、その情報をしっかり提供していただきたいということを申し上げてきておりました。

 ですから、できるとかできないということだけ言われていてもお答えしようがないということを今まで言ってきている。ですから、こだわってきたわけでも何でもありません。

北海道新聞

 最終的には、2018年3月末に向けて、札幌市としての意見というか、これがいいという判断材料をもらった上で、5者協議なりで表明されるというつもりはあるのでしょうか。

市長

 条件というものがきちんと出されて、判断できる材料があれば、逆に言うと、そうしなければいけないのではないかと思います。

 北海道日本ハムファイターズの新球場構想について(1)

HBC

 ファイターズの新球場問題なのですけれども、先日(2月11日)のフォーラム(「新球場建設構想フォーラム in まこまない」)の中で、市役所の情報公開の在り方に問題があるのではないかという市民からの意見なんかもございましたけれども、あと、密室の協議なのではないかという、そんなような声がありましたが、それについて市長の受け止めをお願いします。

市長

 情報として提供できるものは限られていたのは事実だろうと思います。一つは、場所を決めていくに当たって、球団がどういうことをお考えになっているか、これまで、例えば、札幌市の中でいけば、私どもは交通の利便性のようなことを最大重視して場所を提案させていただきました。そこは、当然、限られた面積の場所ですから、そこに球団としてお考えになる、現状の土地利用なりがどうかというやりとりをしてきました。ですから、情報提供できる状況にはまずなかったということが一番大きいと思います。

ですから、提供できる情報は限られている。それと、一方で、球団さんがいろいろな計画を作っていく、投資に係る問題もありますので、必ずしも決まった、あるいは、ある程度の方向性が出た段階であれば情報提供できるものがあったとしても、途中経過のものでなかなか出せないという状況、私どもが聞いていても出せないというものもありましたので、そういう難しさはあったかなというふうに思います。

 ですから、市民の方々が限られた情報しか得られない、それは事実だったというふうに思います。これまでの状況の中では致し方なかったのだろうというふうに思っていますが、物事を最終的に決めていくに当たっては、きちんと情報を提供していかなければならない。ですから、今回、ある程度、球団なり札幌市がこれまでどういう考えを、あるいはどういうプロセスを取ってきたのかということを、ある意味では初めてトータルでお話できる機会だったのではないかというふうに思います。

 私としては、札幌市の今までのプロセスなり考え方は、こういった記者会見の場でその都度お話をさせていただいておりましたけれども、最初から最後までトータルで説明すると今回のような話になったのかなというふうに思います。

HBC

 真駒内(北海道立真駒内公園)案の正式表明というのはどのような形で考えていらっしゃいますか。

市長

 先日のフォーラムの中で、いろいろな考え方、これまでのプロセスをお話しさせていただきました。今回、このフォーラムを開催するに当たりましても、ご意見を市民の皆さんからいただいていますし、今回、350件ぐらいいただいたということですけれども、それだけでは不十分でありますので、10日間ほどアンケートも実施をしたいと。これは、インターネットで今回のフォーラムの様子を公開させていただいて、そこから情報を得ていただく、あるいは、当日お配りをした冊子、議論させていただいた冊子を作って、それに対するお答えをいただくと、これを明日(2月16日)から10日間ほど実施させていただこうというふうに思っています。

 そういった中で、現状では賛成、反対の両方で署名活動をされていらっしゃいますので、そういう意見をしっかり踏まえつつ、提案という次のフェーズ(局面)にいけるのかいけないのかという判断をしていかなければいけないだろうというふうに思っています。

 2018平昌冬季オリンピック大会の視察報告について(4)

読売新聞

 オリンピックの話に戻るのですが、トーマス・バッハ会長と懇談されたというところをもう少し詳しく教えていただきたいと思います。どんな環境で何分ぐらい話されて、なかなか招致の直接的なことはできなかったのだとは思いますけれども、言える範囲内で教えてください。

市長

 2月12日の午前中にバッハ会長が平昌にありますジャパンハウスを訪れました。そこで、先ほど申しました北海道・札幌ブースに立ち寄っていただいて、札幌というのはこういう街ですと、人口が200万人という大きな街であるというのは写真で見ていただくと分かりますけれども、一方で、5メートル以上の降雪があるという街で、すぐ近くにスキー場などもあって、1972年の冬季オリンピック札幌大会の開催施設を中心に、全く新しいものを造るということではなく、既存の施設の改修等でオリンピック・パラリンピックの競技が開催できる、そういう街だということのPR。札幌にない明治北海道十勝オーバル、スピードスケート競技については帯広、そして、高低差が必要なスキー競技についてはニセコ、倶知安エリアでというお話をさせていただいて、それぞれニセコ、帯広の話をしました。

 バッハ会長は、そのブースを離れましたけれども、その後もジャパンハウス内でJOCの竹田会長なども入ってお話をさせていただきました。80分ぐらい、バッハ会長あるいはIOCのほかのメンバーの方と一緒にお話をしまして、既存施設がどのぐらいあるのかとか、私どものPRというよりは、例えば、開閉会式はどこでやるのかということで、札幌ドームという所で、こういう複合の施設があってというパンフレットをお見せしたりしましたし、ニセコも、すでに何万室というホテルとかペンションを含めて部屋数があって、今も、オリンピック・パラリンピックがあるなしにかかわらず、ホテルの計画があるというような、いわゆる、オリンピック・パラリンピックのために新しいものを造るのではなくて、今も着々と既存施設プラスアルファがなされていてオリンピック・パラリンピックが開催できるエリアですというお話をさせていただいて、バッハ会長を含めてかなり関心を持っていただいたというふうに思います。

 今回のオブザーバープログラムというものもIOCが用意をしてくれましたので、今後とも必要な情報というのは何でも聞いてくれということで、IOCのほうは全面サポート、これは各都市にとってですね。今回、オブザーバープログラムに参加をしている都市に、最大限さまざまなサポートをするという、招致プロセス、招致活動にできるだけお金をかけない、そういうことに対してIOCがサポートしますということもお話をされておりました。

 細かい内容については、IOCのほうからも、内容については(非公表で)というふうに言われているので、これ以上お話はできませんけれども。

読売新聞

 どんな印象を持たれていたのか、一言何か。

市長

 札幌・北海道に対して非常にいい印象を持っていただいたのではないかというふうに、そういう感触は持っています。

読売新聞

 それと、2026年の招致に向けまして、札幌市内でも気運の醸成というのは課題になっていると思います。今もさまざまな企画をされていますけれども、韓国に行かれて、平昌での一般の方のオリンピックに対する盛り上がりですとか、それを受けて、今後、札幌でもこんなことが必要と感じられたことがありましたら、併せてお願いします。

市長

 今回の視察は、残念ながら、一般の市民の方にお話を伺う機会というのはなかなかなかったというか、ほとんどなかったですね。競技場であったり大会運営上のお話を伺うことでほとんど時間が費やされました。

 したがって、平昌というのはスキーリゾートの街ですから、実際に住んでいる方というのはそう多くなくて、江陵の市民の方がどういう反応であったのか、ソウルの方がどういう反応だったのかというのは、正直、今回、そこまではお伺いすることができませんでした。ですから、少なくとも会場周辺というのは盛り上がっているわけですけれども、一般の市民の方たちの受け止めがどうだったかというのは、残念ながら今回の視察では分かりませんでした。

 一方で、先ほど冒頭の報告にもお話をさせていただきましたが、ボランティアスタッフの方が大変多くの人数が従事しておりまして、かなり寒い、風の強い所でしたけれども、皆さん大変な中だったと思いますけれども、非常に若い人たちが多くボランティアで運営に携わっていただいてくれていたというのがすごく印象的でした。

 そういう意味では、札幌で開催するに当たっても、去年の「2017冬季アジア札幌大会(2017年2月19日~26日)などもそうですけれども、やはり、地元の人たちがおもてなし、ボランティア従事も含めてですけれども、どれだけ歓迎、盛り上げているのかというのは大きな要素なのではないかなというふうには思っていますので、これからそういったことも含めていろいろなことを考えていかなければいけないと思って帰ってまいりました。

 北海道日本ハムファイターズの新球場構想について(2)

uhb

 先ほど、真駒内案のファイターズの候補地についてお話がありましたけれども、アンケートを明日から実施されるというふうにおっしゃっていましたが、ファイターズが3月までに候補地を決めると言っていて時間がないと思うのですけれども、先日のフォーラムでは道とも協議をされるというようなお話もありましたが、今後どのように進めていくのか、スケジュール感というか、例えば、アンケートを集約してそれを協議に生かしていくとか、道ともその話をされるのかとか、今後のスケジュールについてが一点。

市長

 非常に時間がないのははっきりしていますので、限られた時間の中でやれることをしっかりやっていくということだと思います。一方で、やはり賛成の方が多いのか反対の方が多いのかというのは、全体のイメージがある程度ないと、道に話を持っていくにしても、市民の皆さんはどう感じているのですかというふうに必ず聞かれますので、そういう意味では、非常に広いアンケートというのは限られた時間ですのでできませんけれども、傾向としてどうなのだろうかということは知りたいというのがまず一点です。

 その上で、例えば、賛成の方が多いということであれば、札幌市民はこっちを望んでいるので、ぜひこれを俎上(そじょう)に上げたいと。それを道と話をするということになっていくのでしょうから、まずは、ざくっとした感じではありますけれども、市民の意向を確認した上で道と協議をして、ファイターズさんが決定するスケジュールに間に合わせたいというふうに思っています。

uhb

 正式提案については、先ほど、次のフェーズにいけるかどうかご判断していきたいというふうにもおっしゃっていましたけれども、そのアンケートの結果や道との協議も合わせて、その後に正式提案になるとしたらなるということなのですか。

市長

 そうですね。あくまでも道の所有地でありますので、正式な提案をする時には、北海道に了解をいただくということが必要になります。北海道に話を持っていくにしても、市民の皆さんはどうお考えなのかということの一定程度の傾向というものが必要だろうというふうに思っています。

 北海道日本ハムファイターズの新球場構想について(3)

北海道新聞

 今の話なのですけれども、傾向とおっしゃいますけれども、10日間というのはちょっと短過ぎですよね。

市長

 短過ぎるかもしれませんが、後ろから考えると、ある程度の傾向値でしか話を進めていけないのではないかというふうに思います。

北海道新聞

 逆算すると、10日間ぐらいしか時間が取れないという感じですか、市としては。

市長

 当然のことながら、これで全て解決できるわけではないと思います。例えば、真駒内の課題として、一つは交通処理上の問題というのはありますので、それはアンケート等では解決できる話ではなくて、われわれ行政として、あるいは、ファイターズと一緒に詰めていき、それが地域の方に理解を得られるかどうかということになりますので、当然、これで全てが終わって、賛成が多いからそうなのだということにもならないし、反対が多いからということにもならないだろうというふうに思います。

 あくまでも、傾向としてどうかというのは、プロセスとして話を持っていかなければ、道と協議をするにも、全く材料がないのでという意味です。ですから、これで全ての市民意向を把握した、十分だということは全く思っておりません。

北海道新聞

 住民意向の把握というのはきりがないというか、きりがないと言うと変ですけれども、もっと早くやったとしても全ては把握できないのではないかと思いますけれども、とはいえ、もうちょっと早くやれば良かったと思うのですけれども。

市長

 真駒内といっても、どういうことを考えているのかというのは、イメージを見ないと、いいとか悪いという判断は、少なくとも、この前(2月11日)、フォーラムで出たようなイメージがあれば、例えば公園を使っている方々の不安がどうかというのは分かったと思いますけれども、そこまで出てきておりませんので。真駒内がいいとか悪いとかと言っても、先ほどもご質問がありましたけれども、市民の方々も情報が足りないので判断しようがないというふうにまちづくりのフォーラム(1月14日の「真駒内駅前のまちづくりを考える会」主催の勉強会)などでもお話をされておりましたけれども、そういう意味では、情報提供できるものというのは今まで限られていた、そして少しイメージが出てきて、それに対してどうでしょうかというお話を伺うことができるようになったというのが真駒内の実態かなというふうに思います。

 それまでは、真駒内自体が協議の俎上に上がっておりませんでしたので、確かに時間的なものというのは、非常にタイトな中でこの議論をしているのは私も承知をしております。

北海道新聞

 先ほど、賛成が多いのか反対が多いのか、全体のイメージがないとという話でしたけれども、仮の話ですけれども、このアンケートをして反対の人が多いとかということになると、道庁に話も持っていけないということになるのですか。

市長

 今、仮定の話をできる状況にありませんけれども、いろいろな判断をしなければいけないだろうというふうに思います。

(以上)

 

 この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。(作成:札幌市広報課報道係)

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