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更新日:2016年4月27日

平成28年度第2回定例市長記者会見記録

日時

2016年4月26日(火曜日)14時00分~

場所 記者会見室
記者数 20人

市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

配布資料

動画(内容は下記「発表内容」「質疑応答」で、文字掲載しています。)

発表内容

 「平成28年度民間建築物耐震化促進事業」の開始について

 1つ目は、平成28年度の民間建築物の耐震化促進事業の開始についてでございます。

 4月14日に発生をいたしました熊本地震でありますが、今なお、多くの方々が避難生活を余儀なくされているところでありますが、お亡くなりになられた方々のご冥福を心からお祈り申し上げますとともに、被災された皆さまに心からお見舞いを申し上げる次第であります。

 札幌市といたしましても、避難所運営支援のための職員派遣などを含めまして、引き続き、できる限りの支援を続けてまいります。今回の地震を通して、自然災害の恐ろしさ、そして、日ごろからの備えということの大切さということをあらためて認識をさせられたところであります。

 そこで札幌市といたしましては、今年度の民間建築物の耐震化促進事業といたしまして、5月11日から、耐震診断や耐震改修工事費用の一部補助についての受け付けを開始いたしますので、お知らせをいたします。

 この事業は、一般の木造住宅でありますとか、民間の事業者が所有する建築物の耐震化を促進することを目的といたしまして、平成18年度から補助の種類、あるいはその対象というものを拡充しながら展開をしてきたところであります。

 現在、市内建築物の耐震化率は平成27年度の時点で、住宅で88.3%、学校や病院など多数の方が利用する建築物については92.1%ということでありますけれども、平成32年度には、どちらも95%にしたい。そのことを目標として、今年度、この事業を含めて耐震化を促進する事業を大幅に拡充したいと考えております。

 まず、木造住宅につきましては、耐震診断、これを無料化いたします。さらに、耐震改修工事につきましても、従前の補助率23%、これを3分の1までに引き上げ、限度額を40万円から80万円と倍増させます。また、木造住宅以外の建築物につきましては、補助対象を、従来、学校や共同住宅に限っておりましたけれども、これに加えて、店舗あるいはホテル、旅館というところまで拡大をして、建て替えや、さらには複数年の工事についても補助の対象といたしました。

 市民の皆さまには、日ごろから防災への関心を高めていただいて、これを機会に建築物の耐震化の重要性にも注目していただけますよう、報道機関の皆さまにおかれましては、周知方、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 「2017冬季アジア札幌大会」のボランティアの募集について

 平成29年2月19日から26日まで、札幌と帯広で開催をされます「2017冬季アジア札幌大会」でありますが、そのボランティアを来月の9日から募集をさせていただきます。

 8回目を迎えますこの大会は、過去最大の規模となることが見込まれておりまして、募集するボランティアにつきましては、札幌と帯広、合わせて5,000人という規模になります。ボランティアの皆さまには、大会期間中やその前後の期間で、各競技会場のほか、選手、関係者の宿泊施設や市内各地において、大会運営の補助、あるいは、観客の方の案内、選手団のサポート、こういったことにお力をお貸しいただきたいと考えております。

 また、5,000人のうち1,900人の方々には、多言語対応ボランティアとして、いわゆる外国語でのお手伝いをお願いしたいというふうに考えております。

 これは、真冬の大変厳しい寒い中での活動となりますけれども、選手や観客の皆さまが感動を共有し、笑顔で気持ちよく札幌大会に参加することができるようにするためには、あらゆる場面で運営をサポートしていただく多くのボランティアの方のお力が必要になってまいります。

 この大会をきっかけとして、道外やアジアの国、地域から来訪される多くの方々に対して、札幌と帯広だけではなく、北海道全体の魅力を感じていただけるよう、ボランティアの皆さんと一緒に、最高のおもてなしでお迎えをしたいと思っておりますので、ご協力方、よろしくお願い申し上げたいと思います。

 就任1年を振り返って

 最後になりますけれども、来週、5月2日で、ちょうど私が市長就任をいたしましてから1年を迎えることになります。この1年を振り返りまして、簡単に所感を申し上げたいというふうに思います。

 昨年の5月に市長に就任をいたしましてから、市民の皆さんの生の声を市政運営に生かしていきたいと、そういう思いで、地域のさまざまな行事、活動などに積極的に顔を出して、これまで、ほぼ毎週、約40カ所について訪問をいたしました。振り返れば、あっという間の1年だったかなというふうに思うのが正直な感想であります。

 この1年で取り組んだことといたしましては、まず、就任早々に高橋はるみ知事との懇談の機会を設けさせていただきました。北海道全体の発展について、道と札幌市がお互い連携を深めていくということを確認いたしました。

 それから、6月早々に編成をいたしました補正予算におきまして、喫緊の課題としての待機児童対策をはじめとして、観光予算の倍増、地域経済の活性化といった、札幌として早期に着手すべき事柄について重点的に盛り込んだところであります。これによって、一般会計の予算といたしましては、札幌市政で初めて9000億円を超えるという予算の規模になったところであります。

 続いて、5年間に取り組むべき事柄ということで、「札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2015」、これを就任後半年という短い時間でありましたけれども、取りまとめをいたしました。総事業数で697事業、総事業費で1兆3257億円からなる中期実施計画というものを策定することができたというところであります。

 このアクションプランの中では、私が公約で市民の皆さんにお約束をさせていただきました事柄について全て盛り込みながら、そして、財源の裏付けということについてもしっかりお示しをできるよう、この計画の中に盛り込んだところでございます。

 そして、今年の2月には、初めての本格的な予算・定数・機構編成ということを行いました。予算編成では、基金の活用額や市債残高を、このアクションプランの中でお示しをした中期財政フレームにおける見込み額、その内数に収めていくということ。収めつつ、子育て支援や観光、経済の活性化など、未来への投資となる事業について、これを積極的に計上したところでございます。

 それと、重要施策を進めていくための機構編成ということも行いまして、私が目指す札幌の未来の姿、「誰もが安心して暮らし生涯現役として輝き続ける街」、そして、「世界都市としての魅力と活力を創造し続ける街」の実現に向けた確かな第一歩というものを踏み出すことができたというふうに思っているところであります。

 こういったように、この1年間で今後4年間の道筋をつけることができたことができたかなというふうに思っておりまして、それが一番の大きな成果の1つではないかなと思います。

 そして、今年、就任の2年目ということでありますが、今年の年頭にお示しをしたように、躍動の年ということとして、これらの事業を着実に実行に移す年にしていきたい、このように考えているわけであります。

 まず、待機児童対策であります。今後の潜在的な保育の需要ということも見据えながら、定員増を図ることはもちろんでありますが、最近、特に課題となっています人手不足、保育士の人材確保という問題もございます。そこで、仮称でありますが、「保育士・保育所支援センター」というものを開設して、保育士の人材確保にも積極的に取り組んでまいりたい、このように思っております。

 また、経済・観光につきましては、企業のBCP対策、いわゆる事業継続ということに着目をいたしました本社機能の移転、誘致ということの促進を図ってまいります。さらには、波及効果の大きい観光分野で、市民のおもてなし意識の醸成でありますとか、国際大会を見据えたスポーツ施設のWi-Fi整備など、札幌の街全体で観光客を受け入れる環境づくりを進めてまいります。

 そして、先ほどボランティアの募集のご案内をしたところでありますが、2017冬季アジア札幌大会を来年の2月に札幌と帯広で開催をいたします。過去最大規模の参加が見込まれるこの大会でありますが、北海道、札幌を、アジアはもとより、全世界にアピールする絶好の機会であるというふうに考えております。

 今、アジアの中でウインタースポーツというものの関心度というものが非常に高まっておりますので、アジア全体でのさらなるウインタースポーツの振興にもつながって、この大会を成功に導くことが、冬季オリンピック・パラリンピックの招致に向けての非常に重要な1年になるものと考えています。

 オリンピック・パラリンピックの開催につきましては、子どもたちに夢と希望を与え、世界平和に貢献するという本来の意義に加えて、これからの人口減少・超高齢社会を見据えて、各種施設の更新、バリアフリー化の促進という意味で、ハード面あるいはソフト面でもユニバーサルデザインの街に札幌を再構築していく、そういった動きを強力に後押ししていくものというふうに考えているわけであります。

 北海道・札幌の豊かな自然と都市機能を生かすとともに、次世代に過度な財政負担を残すことなく、環境にも配慮した「札幌らしい持続可能なオリンピック・パラリンピックモデル」というものをお示ししながら、札幌招致に向けた気運醸成に努めてまいりたいと考えております。

 札幌が今迎える時代の大きな転換期、これは、逆に札幌の魅力を高めていくチャンスとしていく、そのためには、行政だけではなく、多くの方々の協力、力を合わせていくことが必要で、市民・企業・行政によるまさに「市民力」というものを結集しながら、50年先を見据えた札幌のまちづくりというものを考え、そして、次世代にしっかりとつなげていきたいと考えております。

 報道機関の皆さまにも、今後とも、札幌市政にご注目いただいて、市民の皆さんへの適宜・適切な情報提供にご協力をいただければ幸いであります。

質疑応答

 「平成28年度民間建築物耐震化促進事業」の開始について(1)

朝日新聞

 耐震化の件です。

 先ほど、平成32年の目標、住宅、それから、多数の人が利用する建築物、ともに95%という数字をいただいたのですけれども、今年度末の目標数値というのは、何か段階的なものはお持ちなのでしょうか。

市長

 今年度の予算は4億ちょっとでございますけれども、最終的には、先ほども言いましたように、32年度を目標にして上げていきたいというふうに思っています。

 今回の熊本の地震でも、やはり、家屋の倒壊ということが非常に多うございました。昭和56年の旧耐震(基準)による建築物というのは、札幌市内でも、木造住宅で11万戸あるというふうに私どもは把握をしております。これらの木造住宅の耐震化を進めていく、そういった形のものを積極的に取り組んでいきたいというふうに思っています。

朝日新聞

 それから、細かいことで恐縮ですが、耐震診断を無料にするということなのですけれども、これは、もともと耐震診断は1軒当たりいくらぐらい掛かるものなのですか。

市長

 耐震診断そのものの費用は、そんなに大きな金額ではなくて、5万とか10万とか、そういうように聞いています。問題は、その診断した後の工事費で、場合によっては200万とか300万、400万というような工事の費用が掛かるということで、診断を早くしていただくことが大前提なのですけれども、その先の工事費、今回、工事費のところについても補助の拡大ということにいたしましたので、まずは、この状況から少し広げていって、状況によって、いろいろな拡大についても、今後、考えていかなければならないかもしれません。

朝日新聞

 先ほどおっしゃった、予算組みされているのが、今年度当初に上げているのが4億円。

市長

 そうです。

朝日新聞

 これは、耐震診断と耐震補強を合わせて4億円ということですね。だいたい、軒数としては何軒ぐらいを想定されて組まれている予算か、分かる方はいらっしゃいますか。

市長

 住宅等分として約1億、そして、ホテルなどの少し大型物件(要緊急安全確認大規模建築物)を想定して3億円程度を想定しています。

 市本庁舎の耐震について

朝日新聞

 分かりました。

 それから、市庁舎のほうの建物の耐震について、建て替えとか耐震補強とか、それがどのようになって、市長はどのようなお考えでいらっしゃるのかということをお伺いできますか。

市長

 札幌市の庁舎は、耐震性がないという状況ではありません。ですから、大規模な地震で倒壊をするという恐れは今のところないというふうに思っています。ただ、この建物も四十数年がたっておりますので、そういう意味では、ひび割れとか、そういったことも想定をされます。ですから、耐震化、あるいは建て替えも含めてですけど、耐震ということについて考えなければならない時期に来ています。最終的には、この建物をそのまま耐震化していくのか、建て替えをするのかということ、周辺のまちづくりの状況なんかも踏まえて検討させていただきたいというふうに思っています。

 ただ、先ほど、冒頭に申しましたように、この建物は、直ちに危険で使えないという状態ではありません。万が一の場合、この建物が使えなくなった場合には、現在の消防庁舎で(災害対策)本部機能を代替するという予定にしております。

朝日新聞

 その判断の時期というのは、いつごろを考えていらっしゃいますか。

市長

 いつまでというふうには、今、決め切れておりません。

 就任1年を振り返って

朝日新聞

 分かりました。

 それから、就任1年ということで、1年間の取り組みについてお話しいただいたのですけれども、1年間で一番印象に残った出来事というのは何だったのでしょうか。

市長

 そうですね、いろいろなことがありましたけど、今後の課題というようなことで言えば、円山動物園で起きた、動物の死亡が相次いだということと、それと、子育て支援の関係、今もいろいろ保育所の問題がありますけれども、札幌市もこれまで、保育所整備の、定員の拡大というものを随分続けてきましたけれども、去年、たまたま保育料の見直しの問題がありましたね。そういったことで、子育て支援に対する市民の皆さんの関心あるいは要望というものはやはり高まっているということをあらためて認識した。そういう意味では、印象深いといいますか、昨年起きたことの中で、しっかりとこの後考えていかなければならない事案の1つではあったかなというふうに思っております。

 冬季オリンピック・パラリンピック招致について

朝日新聞

 それから、先ほど市長のほうからも言及がありましたけれども、オリンピックの招致なのですけれども、開催概要計画のほう、当初の予定だったら年度末ということだったと思うのですが、近々お示しいただくことになるようなのですけれども、遅れてしまった理由というのは一体どの辺に難しさがあったのでしょうか。

市長

 昨年末に、一応、こういった施設概要というようなことも複数案お示しをしました。それで、今は、概算ではありますけれども、必要経費を算定する作業に入っているわけでありますが、例えば、どこにどういう施設をつくるかを想定することによってその費用が変わってまいりますので、例えば、スキー競技、FIS(国際スキー連盟)の役員の方にニセコなどを見ていただきました。

 そういう意味で、例えば、滑降の競技の場所、こういう場所ということを調査するのに少し時間がかかって遅れたということもありますし、競技施設だとか、選手村を開設する場所を想定するときに、全てが、今、札幌市が持っている土地で解決をしない部分があります。そういう意味では、そういった地権者の方に、最終確定ではないけれども、こういう場所を1つの候補として挙げさせていただくことに了解をいただくというような作業も必要でありまして、そういった調整などに時間を要したところであります。

 そこで、おおむね、今、それに基づいての費用概算というものを算出して、いわゆる財政計画といいますか、そういったものを、今、算定しているところであります。ですから、これも、間もなく取りまとめをして、議会をはじめ、市民の皆さんにお示しをして、ご意見をお伺いしていきたいというふうに思っています。

朝日新聞

 スキーについては、富良野かニセコかということで、ニセコのほうが適地であるというような結果が出ていたと思いますけれども、スケートでしたか、札幌か帯広かというような話もありますけれども、今回お示しいただく開催概要計画の中では、場所はきちんと1カ所に絞った上でお示しになるのですか。

市長

 最終的に1カ所に絞り切れるかどうか、複数案でいったん併記しなければいけないのかというようなことも含めて、これから最終的に決めていきたいと思っています。

朝日新聞

 それから、開催費用の概算なのですけれども、恐らく、ある程度は、精査していくと、増えてくるのだろうなとは思うのですけれども、その辺の見通しを市長はどのように考えていますか。

市長

 非常に詳細な設計をしていくわけではないので、ある程度、ざくっとした費用の算出しか現時点ではできないだろうというふうに思っています。ですから、今、現状で想定できる費用の見込みというようなものをできる限り積み上げていきたいというふうに思います。

朝日新聞

 そうすると、前回お示しいただいている数字よりかは現実に近い数字だけれども、まだ完成形ではないということですね。

市長

 はい。

 衆議院北海道第5区選出議員補欠選挙の結果について

朝日新聞

 分かりました。

 それから、全く関係ない話になるのですけれども、先日、5区補選がございました。投開票がありまして、和田義明さんのほうが当選されたのですけれども、選挙結果についての市長の受け止めについてお願いします。

市長

 結果として、現政権の応援する、与党が支援をする候補が勝たれたということであります。そういう意味で、現政権に対する支持といいますか、信任という形に結果なったのだろうというふうに思っています。

 ただ、かなり接戦になりましたし、8市区町村の中では、市区町村ごとの結果では4対4というようなことになっておりましたので、そういう意味では、いったんの政権への信任というまではあれかもしれませんが、そういったものと、例えば、安保法案なりTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)を含めたような政権運営あるいは進め方、こういったことに対する不安や不満というような声も多くなったということからすると、これからの政権運営の中にいろいろな課題もあると思いますけれども、現在の政権の取り組みは、万々歳というようなことばかりではなかったのではないかというふうに思います。

朝日新聞

 当選された和田さんに対して期待したいこととか、それについて何かありましたらお願いします。

市長

 和田さんは、海外経験も豊かな経験をお持ちだということでありますので、そういう意味で、グローバルな視点でこれから北海道の観光あるいは交流人口を増やしていくというようなことについて、いろいろな形で、地域の課題とともに北海道の良さというものを発信していく、われわれはそういったことに行政的にも取り組んでいかなければいけないと思いますので、そういったことにいろいろな力を発揮してもらえればなというふうに思っています。

 「平成28年度民間建築物耐震化促進事業」の開始について(2)

北海道新聞

 民間建築物の耐震化の関係で、当初予算から計上ということですけれども、補助の要件ですとか個別の内容で、熊本の地震を踏まえて、市長の判断で新たに強化した部分があるか、今後検討される部分があるか、ご説明いただければと思います。

市長

 この制度設計については、熊本の地震の前に既に一定程度考えたものでありますので、熊本の地震を受けて何かここにプラスアルファしたということではありません。そういう意味では、耐震化は進めていかなければいけないということで、今回、当初予算の中にも盛り込んで、先ほどお話ししたような制度の拡充をしたというところであります。

 そういう意味では、基本的には木造の一般住宅の耐震化を進めていかなければいけないという意味では、今回の熊本地震でも、旧耐震だと思われるような建物の倒壊案件が非常に多かったということですから、これは、木造建築住宅に対して耐震化を進めていくということを、スピードを上げていかなければいけないなというふうに思っています。

 ですから、今後の状況であれば、もちろん、市民の方がまずこのことを認識していただいて、こういった制度を活用していただくということが重要になりますので、できれば、当初予定している予算を超えるような関心を持っていただいて、われわれはそれに対して補正(予算)を組んででも対応するということがあればいいなというふうに思っています。

北海道新聞

 その枠を超えるものがあれば、補正も含めて柔軟に対応したいと。

市長

 対応したいなというふうに思いますね。

 路面電車の運賃値上げについて

HTB

 市電の値上げについて伺いたいのですけれども、市長が値上げを提案した背景に財政難があるということでしたが、この財政難の状況についてどう受け止めていらっしゃるのか、お考えをお聞かせください。

市長

 路面電車を維持する、残すということを決めて、その後に、残すに当たって、これが持続可能な経営体質にどう改善をしていくかということで、平成24年に路面電車の活用計画(札幌市路面電車活用計画)というものを策定しております。その中では、電車のループ化を含めた利便性の向上ということと、それと、運賃の改定、そして経営体制の見直しを含む経営のさらなる効率化、この3つがいわゆる3点セットとしてこの計画の中に盛り込まれております。市民の利便性を上げていく、負担を見直していく、経営そのものを見直す、この3つになります。

 そういった意味で、この計画の中で今後の収支を見通した場合に、運賃については15%程度の見直し、いわゆる、今、170円均一でありますが、200円程度、30円の運賃改定をして単年度黒字に持っていくということがこの計画でうたわれました。

 この計画の中では、当初、平成27年に運賃改定をして、平成33年度には単年度黒字にしていこうと、そういう計画だったわけでありますけれども、ループ化の開業時期、これが、工事の遅れというようなこともあって昨年末ということになりました。そこで、運賃は平成27年度の値上げを想定していましたが、作業が遅れたということであります。

 そこで、平成27年度の路面電車の経営状況ということになりますけれども、この平成24年の計画に比べて、収入面では乗車料収入が減少しております。値上げの時期が遅れているということがありますので、減少しています。一方、支出の面では、施設設備が老朽化をしていますので、維持管理費、そして、ループ化をしたことによって、当初見込んでいなかったロードヒーティング、こういった経費が増加をしております。それと加えて、電気料金が上がっているということで、平成27年度の電車事業についても経常収支が赤字になる見込みであります。平成28年度予算につきましても、2億9000万円の赤字というものを経常予算の中にしておりまして、厳しい経営状況にあるということであります。

 冒頭に申し上げましたように、収支の改善を図って持続可能な事業運営を行っていくためには早期の運賃改定が必要だということで、今回、札幌市営企業調査審議会に諮問をさせていただいたところであります。

HTB

 最後になるのですが、ループ化してから乗客数が好調に伸びていますけれども、今後、値上げした場合、この乗客数はどう変わっていくとお考えでしょうか。

市長

 今回のループ化によって乗車人員ということでは伸びております。値上げによって若干の乗車数にも影響があるかもしれませんが、これから、審議会の中で、それから交通部会でさまざまな議論をしていただきます。その中で、今のループ化した状況、今後の収支見通し、人員の見通しなどについての資料をお示ししながらさまざまな議論をさせていただきたいというふうに思っています。

 北海道新幹線札幌駅ホームについて

日経新聞

 明日、北海道新幹線の札幌駅のホーム位置に関する4者協議が開かれると思いますが、これまでJRが認可案に関してできないと言っていた論拠を出してこなかったのを、あらためて論拠を出して説明するということで、市からもいろいろと議論ができる環境ができるのではないかと思います。

 市としては、どういうスタンスでJRの提案に対して臨んでいくのか、お伺いしたいのですが。

市長

 明日、正式にJRさんのほうから検討状況というものをご報告いただくことになっているわけでありますが、今、聞いておりますのは、現計画の現駅にホームをつくる場合の難しさみたいなお話があるというふうに伺っています。

 札幌市としては、今、新幹線の認可を受けた時に、現駅で受けるという認可になっています。ですから、基本ベースとしては、認可を受けたベースで議論を進めていくのが本質だというふうに思っていますが、当然、これが認可を変更していくということになれば、それなりの理由なり、じゃあどうするのだということが必要になってくるわけですので、まずは、JRさんのほうで、現認可案における現駅でのホームの状況、こういったものがどこに難しさ、課題があって、それらが解決し切れないものなのか、お金の問題なのかということは詳しく聞いてみないとちょっと分からないと思います。

 ですから、明日の段階では、そういったお話をいろいろとお伺いをした上で、恐らく、今回は、ではしからばどうするのというところまでの何かのご提案があるのかどうかという意味では、そこまではまだ至っていないだろうというふうに思っていますので、まず、現状の認可案に対する課題というものについて、しっかりお伺いをするということになろうかなというふうに思います。

 ですから、明日の会議で、何か、それがいいとか悪いかとか、そういう状況までは至らないのではないかなというふうに思います。

 同性パートナーシップ制度について

HBC

 同性パートナーシップ制度について伺います。

 市長もご存じのとおり、去年、東京の渋谷区と世田谷区で始まって、この4月には三重の伊賀市でも始まっています。

 今、札幌市でも、当事者の方や弁護士の方で署名を集めて、札幌でも制度ができないかというような活動をされていますけれども、札幌市としてそういった制度をつくるお考えが現時点でどの程度おありかというところをお伺いできますか。

市長

 その弁護士の方あるいは当事者の方々がいろいろな活動をされているのは承知しています。これも報道で見た限りではありますが、札幌市、行政にもそういった条例の制定などというようなことについて要望したいというふうな動きがあるということは聞いております。具体的に、いつどういうふうに行動されるのかというのは私どもはまだお話を伺っておりませんけれども、まずはそういうお話を伺ってからというふうに思っています。

 基本的には、いろいろな方々が共生をしていく社会、何らかの形で差別を受けるというようなことがある社会ではあってはいけないだろうというふうに思っています。ですから、そういったものをなくすということのためにはどういうことをしていくのがいいのか、条例ということがいいのか、あるいは、さまざまなことについて、これはそういった方々のご意見だとか、議会の皆さんとも議論をさせていただきながら進めていきたいなというふうに思います。

 待機児童対策について

HTB

 先ほど市長からお話があったので伺いたいのですけれども、保育士不足について、支援センターなどを設置して積極的に取り組んでまいりたいというお話があったので伺いたいのですけれども、処遇改善を含めた今後の市長のお考えがあれば伺いたいと思います。

市長

 やはり、この子育ての社会の中で、子育て環境をつくって、支援をしていく環境をつくっていくというのは、これは日本全体として大きな課題だというふうに認識しています。その上で、例えば、処遇改善の問題だとか、財源措置などについても、国もいろいろな検討を始めているようでありますので、そういったことも踏まえて、われわれとしても、そのことだけを待つのではなくて、札幌市としてもできること、例えば、まだ、保育所をつくるときにも、定員の拡大ということで、法人の方で手を挙げていただける方がまだいらっしゃいますので、できるだけそういったことには予算化をしながら、保育所の定員確保、これは小規模保育も含めてですけれども、いろいろな手を含めて、まずは定員の確保をしていくということが第一義であります。

 そのほかに、今言ったような処遇改善については、国へ改善を求めていくだとか、われわれのできることとして、今、潜在的な資格を持った方に、もう一度、保育の現場に戻っていただけることができないかどうかという意味では、先ほどの相談センターのようなものを設置して、潜在的な資格を持っている方に現場に復帰していただけるような橋渡しをすると。そんな取り組みをいろいろとしていきたいというふうに思っています。

 札幌市における災害対策の見直しについて

北海道建設新聞

 地震の関係で1問お伺いします。

 札幌で現在想定されている地震のメカニズムが、熊本のようなタイプは想定されていないと思うのですが、今後、そのようなことも起こり得るという想定の下で各種対策を見直していく必要もあるのかと思いますが、その辺りの市長の所感をお聞きしたいと思います。

市長

 現在の防災計画の中では、札幌近郊にも活断層が存在して、そのことから直下型の地震が起きるというところの想定はしています。ただ、今回の熊本のように、大きな地震が複数回続けて起きるというところまでは想定し切れていないわけでありますので、今回は、建物の損壊の度合いが、これからいろいろな耐震の問題も考え直す場面というのが出てくるのかもしれません。というのは、耐震化をした建物が損壊したりしているようなこともありますので、強い揺れが複数回来たときの耐震の状況というのはどう対応するのかとか、あるいは、今回、物流といいますか、支援をしていただいたものが避難所に届くまでに時間がかかるとか、そういった受け入れ態勢といいますか、支援を受けた時の態勢と、そんなことについては、計画そのものをいろいろ考え直さなければいけない、補強していかなければいけないだろうというふうに思います。

 まだ、熊本の地震も、地震そのものも続いていたり、避難をされている方が多くいるという状況からすると、まずは熊本地震に対する支援というものをわれわれは第一義的に考えていかなければいけないと思いますが、少しこれが落ちついた状況では、今ある計画そのものの検証、見直しということもやっていかなければいけないだろうと思います。

 丘珠空港の活用について

朝日新聞

 丘珠空港のことなのですが、先日、道庁のほうで空港の一括民営化の関係する首長さんたちの意見聴取会があったと思うのですけれども、なかなか、丘珠空港の場合、防衛省との共用空港ということで、枠組みに入れる可能性というのはかなり難しいのではないかと思うのですが、市長としてのその辺の見通しと、これがもし実現できた場合にどのようなメリットがあると考えていらっしゃるのかについて、ちょっと簡単にお願いします。

市長

 1つは、丘珠空港についての民営化の議論の中に頭を入れてほしいというふうに申し上げているのは、今回の空港の民営化の議論の中に、北海道全体の観光なんかも含めて、空港を効率的に使うことによって北海道の観光的なもの、そういった資源をより有効に使うのだということがありました。そういう意味では、新千歳空港との役割分担だとかも含めて、丘珠も含めて全体の議論をしてほしいという意味で申し上げてきたわけであります。

 先日、知事との意見交換の中でも、まずは4つの国管理空港を一括して民営化することをまず前提として議論をしたいということでした。その後に、市管理あるいは道管理の空港も、それと同時にできるものは同時に議論するし、少し遅れて議論するものについては、後追いでもそういった議論の中に入れていくというお話でありました。

 丘珠空港については、共用空港ということで、ほかの空港とはちょっと違う、(道内)唯一の共用空港でありますので、防衛施設としての問題ということなので、今の国管理空港の4つの枠組みの中で同時に議論するというのは難しいということがありました。ただ、知事のほうからも、丘珠空港が都心から6キロメートルという非常に都心に近い利便性の高い空港であるので、この民営化の議論とは別に丘珠空港の活性化ということについては議論していけるものだというふうに思うというふうにおっしゃっていただきましたので、私は、まずは4空港の民営化の議論に丘珠空港が無理に入っていなくてもいいかなというつもりでいます。

 「さっぽろスイーツ」について

STV

 先日、弊社の特集の中で、「さっぽろスイーツ」の取り組みに関しての検証をということで取材させていただいたのですけれども、市としましては、負担金ということで税金を投入している事業で、11回目で10年も過ぎました。こちらは独自の調査でもあるのですけれども、市民への認知度ということに関しては、やはり、いまひとつ、1割程度という、弊社調べではあるのですけれども、街の方にあまり知られていないという現状もありました。

 やはり、札幌市のスイーツ事業をブランド化ということでうたい10年が過ぎたばかりですけれども、あくまで、まずは市民のためにまちが取り組むという意義だと思うのですが、そのことに関して、今後、続けていく見通しなのか、それとも、どう検証し、見直していくのか、あるいは撤退かという選択肢があると思うのですが、その辺はどうお考えでしょうか。

市長

 先日の報道を私も見させていただきました。その中で、市民の皆さんの関心は、さっぽろスイーツそのものを、まず、コンペティションされている仕組み自体をご存じかどうかというようなことと、ここで選ばれたスイーツを知っているかどうかという話でありました。そういう意味では、まだまだ浸透していないということであるかなというふうに思います。

 この事業そのものを、札幌がやはりスイーツの似合う街ということで、北海道は乳製品ですとか小麦ですとか、いろいろ、道産品を使って、それに付加価値をどう付けていくのかということ、その課題の1つとしてお菓子、スイーツというものがあるということで、札幌がスイーツの似合う街というブランドを付けていこうということで始めた事業です。そういう意味では、1個1個のお菓子を知られているかどうかということは確かに出ていないのかもしれませんけれども、非常に、今、オータムフェストだとかいろいろな場面でも、一つ、札幌といえばスイーツ、ケーキというようなイメージは定着しつつあるのかなというふうに思います。ですから、さっぽろスイーツで何が選ばれたということはご存じない市民もいらっしゃるかもしれないけれども、札幌がスイーツのたくさんいろいろな活動をしているということについて、そのことを直接お伺いになっていないので、どうかなという感じはいたしますけれども、私どもは、そういう意味で、札幌のスイーツというものの、お土産も含めてお菓子全体の、札幌がスイーツが似合う街、お土産としても似合う街だという意味では少し定着していけるのだろうというふうに思います。ただ、コンペティションとしてやられている事業が、今、確かに10年たって、いろいろな食材、新しい食材を、今年も札幌タマネギを使ったということですから、いろいろな食材を開発していく、トライをしていくという意味では、1つの成果というのはあるのだろうと思いますけれども、10年を迎えて、今後の展開を考えていったときに、このコンペティションというやり方、あるいは、1つの優勝したレシピを共有していくというやり方がこれからもいいのかどうかということは検証していかなければいけないだろうなというふうに思います。

STV

 具体的に、検証というのは、いつごろ、どのくらいの期間で今後どう取り組んでいかれますか。

市長

 少なくとも、今年でもう10年ということですから、来年度の事業としてどういうふうな取り組みをするのか、少なくとも来年度予算の事業に向けては今のようなお話です。今年は、スイーツコンペだけではなくて、お菓子の全国のイベントみたいなものがこの6月にもありますので、そういった事業だとかも含めて、どういう展開に、われわれは応援していくのがいいのかということは、実行委員会の皆さんともよく議論していきたいなというふうに思います。

STV

 オーロラタウンのさっぽろスイーツカフェも撤退してしまうということを取材の中で伺っているのですけれども、それは、やはり費用対効果という点ではどのようにお考えですか。

市長

 撤退と言ったのは誰がですか。

STV

 長沼昭夫さっぽろスイーツカフェ運営協議会会長です。

市長

 そうですか。

 私はまだ聞いておりません。

STV

 そうですか。

 なので、何と言うのでしょう、費用対効果という面ではあまり成果が出ていないのかなという。

市長

 そうですか。

 それも含めて、いろいろなお話を伺いたいと思います。

(以上)

 

 この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。(作成:札幌市広報課報道係)

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