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日時 |
2015年10月6日(火曜日)15時30分~ |
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場所 | 記者会見室 |
記者数 | 19人 |
本日は、「札幌市まちづくり戦略ビジョン・アクションプラン2015」の計画案を取りまとめましたので、その概要をご説明したいと思います。
まず、2ページをご覧いただきたいというふうに思います。
札幌市では、平成25年10月に新たなまちづくりの指針であります「札幌市まちづくり戦略ビジョン」を策定しております。本日お示しをいたしますアクションプランは、戦略ビジョンの実現を推進する中期実施計画として策定するものでありまして、計画期間としましては、平成27年度から31年度までの5年間としております。
なお、私が市長選挙の中でお約束をさせていただきました公約項目につきましては、全てこの計画に盛り込みました。後ほど、別に配布をしております資料をご覧いただきたいと思います。
5ページをお開きください。
ここでは、この計画の重点課題について記載をしております。
この計画では、私が6月に表明いたしました施政方針に掲げる2つの未来の札幌の姿を描き、実現するために、施政方針に掲げた4つのまちづくりの挑戦を重点課題と位置付けております。この重点課題をけん引する取り組みとして、5つのリーディングプロジェクトを設定し、さらに、それらを推進する事業として、合計16の具体的事業を位置付けております。
6ページをご覧いただきたいと思います。
重点課題1のリーディングプロジェクトとしまして、「おもてなし・観光強化プロジェクト」ということを掲げました。人口減少時代を打開するためには、定住人口の減少を食い止めるだけではなくて、交流人口を増やして、外貨を獲得できる産業の育成が重要であります。ですから、さまざまな業種にその効果が波及する観光に力を注ぎ、市民力を結集して街全体で観光客を受け入れる「おもてなしのうねり」というものを創出するほか、外国人富裕層をターゲットとした宿泊施設グレードアップへの支援や、新たなMICE施設整備を行って観光産業の活性化を図ってまいります。
7ページをご覧ください。
重点課題2には、2つのリーディングプロジェクトを掲げております。
まず、「子育て世代応援プロジェクト」でありますけれども、出産・育児の際にも雇用が守られるようにと、民間企業が育児休業の代替職員を雇用する際に支援することに加えまして、子育てに関する経済的負担を少しでも軽減するために、子ども医療費助成の拡充や、最も保育料が高い3歳未満の第2子保育料の無料化、高額な通学費を負担している高校生対象の助成などによりまして、社会全体で子育て世代を応援する環境を整えてまいります。
8ページをご覧ください。
もう1つは、「未来を担う『さっぽろっ子』育成プロジェクト」であります。学問、スポーツなどあらゆる分野で、子どもたちが自らの可能性に気付く機会や、成長していくための場を増やすことが大切だという思いで、算数の授業において、子どもたちの学習への意欲や論理的思考力を高める少人数指導を充実するとともに、ウインタースポーツを幅広く体験できる機会を提供いたします。
また、子どもが生まれ育った環境で将来を左右されることなく、自ら未来を開いていけるように、児童養護施設等に入所している児童が大学へ進学する際の費用を支援してまいります。
9ページをご覧ください。
重点課題3のリーディングプロジェクトとして、「誰もが活躍推進プロジェクト」ということを掲げました。札幌に住む全ての人々が、誰かに必要とされ、安心して暮らし、社会に参加できる街にしたいと思っています。だからこそ、高齢者が福祉サービスなどを受ける側ということだけではなく、豊富な経験や知識を生かしながら働き続け、あるいは、福祉のまちづくりの担い手となり、サービスを提供する側となって、生涯現役として社会に貢献できるような環境を整えるとともに、障がいのある方への外出支援を拡充し、社会参加を後押ししてまいります。
10ページをご覧ください。
重点課題4のリーディングプロジェクトとして、「世界都市・道都の魅力向上プロジェクト」を掲げました。時代の変化を的確に捉え、新しい試みに大胆かつ果敢に挑戦し、都市の魅力と活力を創造することが、人々の暮らしの充実につながります。そこで、子どもたちに夢と希望を与える冬季オリンピック・パラリンピックの招致に取り組み、また、北海道新幹線の札幌延伸を見据え、世界都市・道都の玄関口となる札幌駅交流拠点のまちづくりを推進することで、世界中から人、物、情報を引き付けます。さらには、環境首都・札幌として、次世代型エネルギーとして期待される水素に着目した先駆的取り組みを行ってまいります。
11ページをご覧ください。
これらの4つの重点課題、5つのリーディングプロジェクトに取り組むことで、相互に関係し合い、高め合う、私が目指す2つの未来の札幌の姿を実現してまいります。
14ページをご覧ください。
ここからは、まちづくりの取り組みについて記載をしております。
計画体系は、戦略ビジョンの計画体系を基に、4つの政策分野、9つの政策目標、37の施策を設定し、バランスに配慮しながら、各分野に計画事業を位置付けております。
15ページをご覧ください。
この計画の総事業数は697、総事業費は1兆3257億円となりました。
なお、建設事業費につきましては、計画期間を通して年1000億円規模を確保し、5年間の総額は5637億円となっております。
16ページ以降は、37ある施策ごとに主な事業を掲載しております。個別事業につきましては、後ほどご覧をいただきたいと思います。
なお、計画案の本書のほうには政策的事業全てを記載しておりますので、そちらのほうも後ほどご覧いただければと思います。
50ページをご覧ください。
ここからは、行財政運営の取り組みについて記載をしています。
まず、行財政運営に関する現状認識でありますけれども、人口減少・超高齢社会の到来により、行政需要はますます複雑多様化し、増加していく中で、それに対応するための人材や財源などの経営資源は、今後も厳しい状況が続く見込みと認識をしております。そのような現状を踏まえて、限りのある経営資源を有効活用して、持続可能な行財政運営を実行するための方針を策定いたしました。
次に、2の行財政運営の基本方針についてであります。
市民感覚を大切にし、市民・企業・行政の総力「市民力」の結集ということと、道内連携を深める行政運営、そして、次のページになりますけれども、バランスを重視した財政運営の2つを基本方針といたします。
次に、3つ目の行政運営の取り組みについてであります。
市民感覚を大切にする行政運営など3つの方針を実現していくために、次の4つの柱ごとに取り組みを進めてまいります。
まず、1つ目の柱「市民力の結集に向けた取組」としまして、市民や企業等との連携をより一層拡大し、深めていくための取り組みや、連携の前提となる市政情報の提供や発信を行い、市民との共有を進めるとともに、市民の声とその対応の見える化ということを拡充する取り組みを行います。
次に、2つ目の柱「しごとの改革」といたしまして、市民に真に求められるサービスを提供するため、市民ニーズを的確に把握していくとともに、各種申請手続きや、制度の基準、要件などについて、市民感覚を持って見直しや改善を行ってまいります。また、ICT(Information and Communications Technology)などの新たな技術を活用して、市民サービスの向上を図るとともに、内部管理業務の効率化やマイナンバー制度への適切な対応を進めてまいります。
3つ目の柱「より良い市民サービスを提供するための組織力、職員力の向上」といたしまして、より重要かつ優先的な課題に対して効率的・効果的に対応するための組織体制を構築するとともに、市役所の専門性、政策立案力、組織力等を向上させるために外部専門家の登用を進めてまいります。また、市民感覚を大切にする職員育成の観点から、職員を民間企業やNPO等に派遣するなど、一人一人の意欲や能力を高めるための制度や環境の整備を行ってまいります。
最後に、4つ目の柱「道内連携の推進」でありますけれども、北海道が持つ豊かな資源と札幌の都市機能を結び付けることや、道内の経済循環の促進、北海道の魅力の発信に取り組むとともに、札幌広域圏をはじめとする近隣市町村との既存施設の共同利用など、広域的な視点から行政事務の効率化を進めてまいります。
53ページをご覧ください。
ここでは、財政運営の取り組みについて記載をしております。
財政運営につきましては、バランスを重視した財政運営を目指し、記載の3つの方針を基に具体的な取り組みを行っていきます。
取り組みの1つ目の柱「予算運営手法の改革」といたしまして、計画期間の事業費と財源を中期財政フレームでお示しをし、子育て支援や観光振興などの施策を確実に実施してまいります。併せて、各種施策を効率的・効果的に実施できるよう、各局のマネジメント機能を強化させてまいります。
次に、2つ目の柱「歳入・歳出の改革」といたしましては、限られた財源の中で、本計画に位置付けられた事業に資源を配分するとともに、必要な市民サービスを持続的に提供していくため、歳入・歳出の全般にわたる見直しを進めてまいります。
3つ目の柱「財政基盤の強化」といたしましては、自立的な行財政運営を実現するため、市税等の自主財源中心の歳入構造とすることを目指すとともに、財産の戦略的な活用を進めてまいります。これらの財政効果といたしましては、162億円の効果額を見込んでおります。
最後に、4つ目の柱「財政規律の堅持」でありますが、中期財政フレームにおける平成31年度末の全会計市債残高の見込み、これは1兆7866億円になりますが、これは、札幌市行財政改革推進プランで目標としておりました平成22年度末残高、1兆8330億円を下回っておりまして、財政の健全性は一定程度保たれる見込みであります。
しかしながら、今後の社会経済情勢の変化などに備えて、可能な限り、市債の発行額の抑制などに努め、将来に過度な負担を残さないよう、財政規律を堅持していきます。
また、基金につきましては、まちづくりの取り組みを進めるために活用していきますけれども、可能な限り、活用額の抑制を図って将来に引き継ぐとともに、冬季オリンピック・パラリンピックの開催に向けた基金の設置ということも検討してまいります。
なお、参考資料といたしまして、財政効果額を算定する過程で想定した個別の見直し項目について、一定の条件や仮定の下で積算した一覧表を添付しておりますので、併せてご覧いただきたいというふうに思います。
最後になりますが、札幌は今、人口減少・超高齢社会の到来を目前に控え、北海道開拓使設置、冬季オリンピック札幌大会、1972年でありますが、この開催に次ぐ3度目と言うべき大きな転換点にございます。
この計画案は、まさにハード・ソフトの両面から街をつくり変えていくという着実な一歩でありまして、これからの10年、20年の基礎となる重要な計画であるというふうに考えてございます。
市民の皆さんと一緒により良い計画としていきたいと思いますので、ぜひ、この計画案をご覧いただきまして、10月中旬から約1カ月間、パブリックコメントを行いますので、多くの方からご意見を頂戴したいというふうに思います。
プラン全体なのですが、観光を軸に経済・雇用政策に力が入っているようにお見受けしましたけれども、公約の中での優先順位あるいはメリハリの付け方とその狙いについて、あらためてご説明をいただきたいのですが。
今回、公約で市民の皆さんにお約束してきた事柄について全て盛り込みましたのと、それと、まちづくり戦略ビジョンの実行計画ということになっておりますので、その両立てになっています。そういう意味で、事業費、事業数とも、これまでの計画よりは増えてきているというふうに思いますが、1つは、今お話しのように、観光を含めた経済政策にやはり力を入れてきたと。それと併せて、子育て、あるいは教育という将来への投資につながっていく、そういった事業に力を入れたというつもりでおります。
行財政運営の取り組みの部分で、効果額が162億円ということなのですけれども、その中で、市民の負担が増える部分というところもありまして、公共施設の利用料の増加とか、特定優良賃貸住宅の補助金がなくなったりという部分で、市民の負担が増えるという部分についての市長の受け止めと、これ以上、例えば、計画の中で、市民負担が増える要素というか、将来的に出てくる可能性があるのかどうかという部分をお願いします。
極力、やはり、いろいろな事業の見直し等によって市民からのご負担をいただかないようにしたい、これを大原則に考えています。その上で、一部、他の同様の施設と比べた際の料金設定として同程度にさせていただくだとか、そういったことは想定してきています。そういう意味では、最小限の市民負担をお願いしたいというふうに思っています。
今のように、財政状況がいろいろ変わってきたときにどうするかということでありますけれども、今回、5年間の計画全体をざくっと見ていますけれども、それぞれ、毎年の歳入の状況でありますとか、そういったところで、大きな財政状況の変化があったときには、事業の執行の見直しとか、そういったようなことで、基本的には、市民への負担ということを極力避けていきたいというふうに思っています。
今おっしゃったことにも関連するのですが、建設事業費が、今回、半分近く占めている中で、建設事業費というのは変動のリスクというものを含んでいるものかと思うのですが、その中で、大きな変化があった場合のリスクへの対応をどうされるかということを伺いたいのですが、お願いします。
今、ちょっと申し上げましたように、毎年毎年の予算編成の中で事業の最終的な実行のスケジュール感とか、そういったものを見直していく場合があると思いますが、ある意味では、今回は、資材の値上がりだとか、そういった部分を明確に見込んでいる形ではないですけれども、毎年毎年の予算編成の中で事業費の増減というものが出てくると思いますので、そこは、しっかりと全体のバランスを見て予算編成をしていきたいというふうに思っています。そういった中で見ていきたいというふうに思います。
個別の事業のことでお伺いしたいのですが、まず、子ども医療費の助成の拡大の件で、公約では小学生に拡大ということだったと思うのですけれども、今回のプランの中では小学1年生のみということになっていたかと思います。
同じように、保育料の無料化についても、第2子以降ということで言われていたかと思うのですが、その中でもゼロから2歳児に限定ということになったと思うのですけれども、財源面のことだと思うのですけれども、限定した理由と、今後、さらに拡大していくような検討を進めるお考えはあるのか、併せてお願いします。
子育て世代の経済的な負担をできるだけ緩和したいということで、これは社会の中で見ていくということで、国の制度の上積みをして、市独自で今のような助成をしたいというふうにお約束をさせていただきました。
今回、やはり、財源の問題全体の中で見ていったときに、保育料の問題につきましては、保育料の高い年齢層であります0歳児から3歳児未満を、いったん、そこに限定をして実施したいというふうに思っています。
それと、医療費につきましても、学年が上がっていくことによって病院に掛かるケースが少なくなっていくという状況がありますので、医療費の高い時期である小学1年生というふうにさせていただきました。
ちなみに、保育料の問題でいきますと、今回の措置で年間約5億5000万円ということになります。これは、全ての第2子に適用するということになりますと14億円という状況になります。医療費の問題につきましても、小学校1年生まで拡大をして、年間で想定をしているのは大体4億円ぐらいでありますが、これを6年生まで拡大するということになりますと、年間で24億円という状況になりまして、全体の拡大をしていくことについては、財源の状況を見ながら、段階的にさせていただいたということです。
基本的には、冒頭に申し上げましたように、できるだけ経済負担を社会の中で見ていくという方向の中で、今回の計画の中ではいったんのスタートをさせていただきますが、財源の状況によって見直しをしていければというふうに思っています。
別の施策のことでもう1点お願いしたいのですが、地下鉄東豊線の清田方面への延伸の関係なのですが、選挙中、公約でも検討するということでお話しされていて、今回の計画の中では、総合交通計画を改定する中で収支状況などを再調査するということなのですが、現時点で、延伸自体へのお考えについて、あらためて伺えればと思います。
これは、選挙期間中にもお話をさせていただいておりますが、現状の土地利用が何らかの形で変わっていって、需要見込みが高まっていかなければ、実際の延伸ということが実現できないというふうに考えています。
そこで、今、オリンピック・パラリンピックの概要計画を策定していく中で、とりわけ札幌ドーム周辺の土地利用を今後どうしていくのかという計画の中で、土地利用を見込んだ総合交通計画の見直しの中に、こういう土地利用をすると人員がどうなるかというような将来見込みを少し持って再検討をするということであります。
ですから、今、数字をはじいていって、将来、実現できる状況になるのかどうかということをしっかり見極めてから判断をしたいというふうに思います。
その際に、選挙の時も少し議論になった北広島までの延伸についても検討をする可能性があるのか、清田までというお考えなのか、それはいかがでしょうか。
いくつかのバリエーションを考えたときに、当然、遠くまで伸ばすとそれだけ建設費が掛かりますので、例えば、建設費が掛かっても需要として見込めるかどうか。
今、総合交通計画体系の中では、清田方面、北広島方面の渋滞の問題とかもあります。ですから、延ばす延ばさないということではなくて、そういうこともいったん検討の材料としていかなければいけないだろうというふうに思います。
オリンピック・パラリンピックに向けた基金の設置についてお伺いしたいのですけれども、この基金を設置する狙いと、いつごろ設置するのか、あと、積み立ての方向とか、全体でどれぐらい積み立てられるか、そういったことを教えていただければ。
具体的な基金の積み上げ、量的なものとか、具体的なことについてはこれから検討させていただきたいというふうに思っています。ですから、今の時点で、いつまでにいくらを積むという形のところまでは持ってきていません。
先ほど言いましたように、ほかのまちづくり推進基金だとか、そういったものを前計画の時にはかなり積極的に活用ということを盛り込みましたけれども、今回のプランの中では、前計画よりも活用する金額を抑えています。という意味で、将来的に、いろいろな施設の更新需要とかはこれからも出てきますので、できるだけ基金の活用を抑えた形で考えています。
一方で、毎年毎年のいろいろな財源で、不用額といいますか、財源のプラスが出たときに、そういったものは基金のほうに積み上げていく、そのために、例えば、オリンピック・パラリンピックに向けた基金みたいなものも別立てでつくっていこう、そう考えています。
総量については、これから検討したいと思います。
関連してなのですけれども、この基金は、市民や企業とかからの寄付金とか、そういったものを積み立てることも想定しているのですか。
そうですね。そういう場合もあり得ると思います。
再度、建設事業費に関してなのですけれども、今回、毎年1000億円を確保すると。先ほどの冒頭のお話の中でも、ハード・ソフト両面からというお話もありましたが、資材の値上がりということも理由の1つとして挙げていらっしゃったのですけれども、この辺り、5年間の建設投資に対する市長のお考えをあらためてお聞かせ願えますでしょうか。
これから、札幌市の場合は、急激に人口が増加をしてきましたので、学校だとか、そういう公共施設というものが大量に更新していかなければならない時期を迎えています。そういう意味で、ある程度平準化をしていく、建て替えをするときも、前倒しをするものとか後送りにするものとか、平準化をしていかないと、いろいろな更新需要に対応していけませんので、一定程度、そういうものをしっかり見ていかなければならない、計画的に見ていかなければならないというのが1つであります。
加えて、今、建設関係の業界の皆さんの非常に悩みは、設備投資や人材の確保ということが1つの大きな課題になっているのですが、そのときに、なかなか、先々の経営状況を見通せないというようなお話もありました。
そこで、市としても、ある程度、計画的に更新の需要を見ていかなければいけないということで、少なくとも5年間という計画の中の見通しを一定程度お示しすることで、個別の企業の皆さんの受発注まではどう確保できるかというところまでは申し上げられませんけれども、業界総体としてこういった事業費が出るということで、例えば人の確保だとか設備投資というようなことの見通しを立てていただきたいという思いでこの事業費を明示させていただきました。
アクションプランの期間を終えて、平成32年度以降になりますか、そういったところでも冬季五輪、パラリンピックの招致の関連ですとか、今おっしゃった公共施設の更新など、財政需要はさらに膨らむのではないのかなというふうにも思われるのですけれども、現時点で、プラン終了後の、さらにその先において財政規律が保たれるという見通しをお持ちなのか、また、財政規律を保つために何らかの指標、例えば、市債残高ですとか、プライマリーバランスですとか、そういった目標みたいなものを設けるお考えがあるかどうか、その辺りをお聞かせいただけますでしょうか。
今回の計画の中では、5年間の財源ですとか、財政フレームをつくって、この中におさめて進めますという考え方をしました。32年度以降については、現実的にはこれからということになりますけれども、財政の状況としては、今お話しのように、公共施設の更新需要だとか、社会保障費、子育ての部分も、相当、今、充実させていますから、そういった意味での社会保障費というのは、高齢化も進みます、増えるだろうということが想定されます。そういう意味で、財政状況というのはかなりタイトな状況にこの後もなっていくだろうというふうに思います。
そんな中で、市債の残高をどこまでキープするかという目標値を明確に持てるかどうかという部分もありますけれども、やはり、将来負担というのはできるだけ少なくしていきながら、プライマリーバランスもきちんと保っていくということですから、さらに事業の見直しということもしていかなければいけない状況になるだろう、そう見込んでおります。
全部、ざっと目を通したのですが、この5年間で、具体的に、市長がこの697の事業をやり切ったときに、市民生活として、目に見えてこういうところが変わるのではないかなとビジョンを持っていらっしゃるところはありますか。
子育て環境というものは、これまでの取り組みに加えて、この5年間の取り組みの中で、かなり実感として充実をしていけるのではないかなというふうに思います。それと、将来への投資ということで言いますと、再開発事業だとかを含めて、今、都心部の中心としながら、民間の投資を誘発していく、そういった事業も今回の中に入れておりますので、具体的な計画として、例えば、駅前の再開発事業の全容というようなものがこの期間中でお示しできるとか、先々の札幌の街の変わり方みたいなものというのは、一定程度実感していただける状況になるのではないかなというふうに思っています。
また、続けてなのですが、事業を行うための財政の担保になる中期フレームというのは、毎年度、予算時期に更新して見直したものを示すというのですが、事業についても毎年見直すということなのですが、今回は、計画事業費もきっちり決めて、事業ごとの目標も全部決めてしまったことによって、職員の中で、5年間これをやっていればいいのではないかというような硬直した考え方が出てしまうのではないかということを危惧しておりまして、そのために、市長も、計画を毎年見直して、行政マーケットでしたか、そういったものも活用して市民ニーズをやっていくというのですけれども、財政フレームに比べて見直しのところがちょっと書き込み方が弱いかなというふうに感じたのですが、具体的にはそういう声に関してどのようにお感じでしょうか。
これまでの取り組みといいますか、前市長時代にかなり財政規律を重視してきた取り組みをしてきました。そういう意味で、職員数を減らすですとか、市債の状況というのも抑えてきたということで、この効果というのはかなり持続していくのですね。全体の職員費を抑えることによって全体が続いていきますので、そういった削減効果というのが既にあって、それに上積みをする今回の見直しということですから、全体からすると上積み分が少し少ないのではないかというふうにご覧になるかもしれませんけれども、これまでの取り組みが中期的に続いていくという状況からすると、かなりの職員の削減というようなことも取り組んできたというふうに思っています。
削減効果的な数字というよりも、少し質を高めていく状況を、今回、取り組みたいということを思っています。それは、先ほど言いましたように、外からのいろいろな評価というようなことをしっかり受け止めながら進めていこうというふうに思っています。
あと、職員が5年間で事業を、ここまでかっちりしているといったことについて。
これは、あくまでも、フレーム、計画の中をこういうふうにしていこうということですから、実質、毎年毎年の予算編成の中で、もちろん事業の見直しなりをきちんとやっていくわけで、評価をしながらやっていくわけでありますけれども、実際に事業を組み立てていくやり方というのは、全て来年度に動いていくということではなくて、計画期間中に動いていくことがありますので、より効果的な事業の進め方というものをきっちり意識をしながら計画を進めていかなければなりませんので、この計画ができると全ての事業がうまくいくという形ではなくて、実際のところが、このフレームの中からどううまく進めていくかというほうが重要だろうというふうに思っていますので、この計画ができたから職員が少し緩むということにはならないだろうというふうに思っています。
概要の52ページの真ん中にあります(3)の最後にありますより効率的・効果的な組織体制の構築で、部門の整理、統合があるのですけれども、これはいつからお考えなのかというのと、その次の、職員力の向上で民間企業への派遣などを考えていらっしゃるということなのですけれども、規模感とか、道外も含めてどのような中身を考えて、イメージだけでも。
組織体制については、来年度から取り組めるものは取り組みたいというふうに思っています。ここにも少しありますけれども、観光ですとか、そういう国際戦略的なところが重複をしているところがありますので、そういった部分はどういう形で統合していくのがいいのかということで、来年度の早い時期に取り組みたいというふうに思います。
研修の部分については、相手の企業の状況もありますので、規模感、あとは、職員体制が、そう大きな体制で、何百人というような形では出てこないというふうに思いますけれども、受け入れていただくNPOなり企業の相手の状況で、できるだけ多くといいますか、段階を追ってやっていきたいというふうに思っています。少しずつ段階を追っていきたいと。
基本的には道内でということですか。
そうですね。
保育料の負担増関連のお話なのですが、昨日、子ども未来局のほうに市民の方が異議申立書ということで、提出されたようですが、まず、1つ、受け止めということと、それから、ほかの道内の市では、負担増に関わる軽減対策というのを取っているところもあるようなのですが、札幌では、現状、予定されていないということで、その判断の理由ということについて伺えればと思います。
1つは、今回の制度設計で、所得税を基準にするか住民税として把握するかということで、特に大きかったのが年少扶養控除のみなし適用といいますか、もう廃止になっていますけれども、控除があるというふうにみなした形でやっています。ですから、控除額の違いというのが一番大きかったのではないかなというふうに受け止めています。
今回、何人かの方々のお話をお伺いすると、特に子どもさんの多い、多子世帯の方々が負担が増えたというふうにお伺いをしていますので、当初、想定をしていたものと実際のところが、例えば、所得が増えて上がったというようなことならご理解いただける部分もあるのかもしれませんが、所得そのものが変わらない中でみなし控除適用のところが変わったということで、特に3子以上の多子世帯の方が、負担が増えたというふうな声が多い状況と聞いていますので、まず、その実態の把握をきちんとするようにということを、今、指示しました。
というのは、先ほど言いましたように、制度が変わって、所得が実際に増えて、捕捉されている所得といいますか、増えられて上がっていった、階層が上がったとかという場合とそうでないケースがどのくらいあるのかという実態をまず把握して、個別のことになってくると思いますが、個々の状況によってお話をさせていただいて、ご理解いただけるもの、ご理解いただきづらいもの、その辺の状況をきちんと把握した上で、例えば、激変緩和のような措置が取れるかどうか、このことも含めて、実態の把握と今後の状況によって考えなければならないことがあるのかないのか、そのことをまず把握するようにという指示をさせていただきました。
後半の部分なのですが、ほかの市では既に緩和措置を取られているようなところもあるのですが。
当初、この4月から制度が変わっているのですけれども、今年の住民税の把握というのは6月だったということで、この4月から8月までは前年の所得税の状況に応じてきています。ですから、少し、説明も含めて、どの時期にどのぐらい上がるのかという数字のお示しをきちんとしないまま、今回、金額だけが行ってしまって、随分上がったということで、状況を把握できていないという部分もあると思います。ですから、当初は、制度が変わった中で、所得の捕捉の状況が違うので上がる方もいらっしゃるかもしれないけれども、それは制度が変更になったことだということで、ほかの政令市なんかでも多くの都市はほとんどそういう緩和措置を取っていないところが多いという状況も踏まえて、札幌市としては緩和措置を取らなかったということがあったというふうに思います。
とはいえ、個別の実態が想定したものと違う状況があるというお話もあるので、まずは実態を把握しましょうということです。
最後に、1つ、アクションプランの中にも、子育てについて、非常に重要項目の中にも入っていますし、現在でも第3子については無料にされるというような素晴らしい施策もある中で、はざま的に負担が増えているようなご家庭もあるというのは残念なことでもありますので、この先、札幌市として子育てについては力を入れていくという思いはもちろん変わらないわけですね。
変わりませんね。やはり、経済的な負担をできるだけ減らして。本来的には国全体としてそれを見ていくべきだろうというふうに思っていますし、自治体によって差があるという部分というのは本質的な問題ではないとは思いますが、やはり、今の札幌の出生率の状況からすると、子育てしやすい環境をつくっていくために最大限の努力をしていかなければならないというふうに思っていますし、財源の状況がありますけれども、最大、今回の計画の中でも、それは見させていただいたつもりでおります。
TPPの交渉が大体大筋で合意いたしまして、道内連携を掲げている札幌市にとっても人ごとではないと思うのですが、TPP合意に対するお考えと、あとは、札幌市ができることというか、想定していることとかをお話しいただければと思います。
TPPによって、生産者の方々にとっては大変厳しい状況になってくるというのが想定されると思います。そういった中で、より付加価値が高い、要するに安全な食というようなブランド力も一方ではありますので、そういったブランド力を高めながら競争力を高めていく、そういったことを現実的にはしていかなければいけない部分があるのだろうというふうに思います。
そのときに、札幌として何ができるかということで、これからも取り組んでいきますけれども、札幌は、卸売業とか流通系の商社ですとか、そういった事業所が多いわけであります。食の6次産業化だとか、食品の加工のことだとか、消費者ニーズに合った商品を、あるいは、農業製品を作っていくというようなところに札幌の持っている卸機能とマッチングをしながら道内の他の市町村と連携をしていく、こういった取り組みもしております。そういった取り組みをさらに進めていく、あるいは、海外への食の輸出など、札幌の持っている機能というものを生かして、ほかの都市と連携していければなというふうに思っています。
そうすると、TPPは札幌市にとってチャンスでもあるというような考え方でしょうか。
そうですね。実際、いろいろな難しい問題もあるのかもしれませんけれども、やはり、そこはチャンスに変えていく部分ということをしっかり取り組んでいかなければいけないのだろうなというふうに思いますので、札幌が持っている機能を、道内の他市町村と連携をさせていただきたいというふうに思っています。
先ほどの保育料のお話に戻って、個別の実態で、想定したものと違うというお話があったと思うのですが、実態が想定と違う想定というのは、札幌市として想定したものよりも実態が違ったということなのか、それとも、保護者側が想定したものと違うということなのか、その辺の実態が想定と違うという意味を確認したいのが1点と、あと、実態把握をされるということで、把握された結果、どの程度の方が負担増、あるいは負担減になる方も含めて、全体像がどうかというのは公表されるお考えがあるかどうか、併せてお聞きしたいのですが。
1つは、所得の増減によって上がる方もいらっしゃるので、この控除がなくなったことによって影響があった方とそうでない方をどう切り分けるかという現実的な問題があるのですけれども、どうしても、制度設計のときにはモデルケースで計算をしますよね。子どもさんが2人いて、あるいは所得がいくらでと。そういったケースの中で考えていたものと、現実的には所得が上がっていないのに変わったというふうにお話をいただく方というのは、役所側の想定していたことと実際の、それも状況をお伺いしてみないと分からないのですけれども、申し入れをされた方々の中にはそういう方もいらっしゃるということですから、そういう声をまずは把握して、状況がどうなのかということを、これはかなり個別の状況になっていくと思いますので、そういうお話をどうやって把握していくのかという部分もあろうかと思いますが、想定したものと実態がどうかということを、まず、どのようにして把握できるかということを検討、まずしなさいというふうに指示をしました。
その結果を調べて公表されますか。
そうですね、その状況にもよると思います。
今朝、篠路の破砕工場で火災があったみたいなのですけれども、一昨年、発寒のほうの破砕工場でも火災がありまして、火災防止の対策で4億9000万円ぐらい改修に必要な費用が掛かった部分があるのですけれども、今回の篠路のほうには、今、発寒に導入した新しい機器とかそういう部分があまり入っていなかったのではないかと、まだ確認はしていないのですけれども、再発を防げなかったのかどうなのかという部分をちょっとお伺いしたいのですが。
今回の篠路の発生原因がどういうところにあったのかというのが分からないので、何とも今のことにお答えしようがないなという状況です。
(以上)
この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。(作成:札幌市広報課報道係)
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