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更新日:2012年3月27日

平成23年度第17回定例市長記者会見記録

日時

2012年3月7日(水曜日)15時00分~

場所 記者会見室
記者数 19人

市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

配布資料

発表内容

 「札幌駅前通地下歩行空間」開通1周年に伴う各種取り組みについて

 「3.11」が近づいてまいりまして、東日本大震災から1年ということで、報道各社も、さまざまな観点から、われわれが何を考えなければならないのかということを問題提起していただいているところでございまして、そういう報道に接するたびに、みんなで考えるということの大切さということを、この1年、本当に多くのメディアの皆さん方が努力をされ、頑張ってこられたことに、本当に心から敬意を表したいというふうに思いますし、自分の問題として捉えていくということと、それから、「絆」とよく言われますけれども、自治の大切さといったことが、特にこの3.11を契機といたしまして、われわれ自身が自分たちのことを考えなければ駄目なんだ、誰に頼んでも駄目なんだという、そんな自立の思想として地域を自分たちで守っていくという精神が極めて大事だということを常に発信していただいていることには、本当に私はありがたく思っているところでございます。

 札幌市にとりまして、3.11というのは、違う意味でも非常に大きな意味がございます。それは、3.12というのが駅前通の地下歩行空間の開通するその記念の式典が行われるということが予定をされていたところでありまして、ちょうど午後2時46分の時には、次の日の開通式の準備の真っ最中でした。札幌市にとりましては、ある意味、これからの札幌市のありようといった点からも、市内の回遊性を高めていく大変大きな設備としての駅前通地下歩行空間でありますので、それを本当にみんなでお祝いして、これから行くぞという最終調整をしていたさなかにあの地震が起きたわけでありまして、その直後に、事の重大性ということを認識いたしまして、あすの3.12の開通式を一切中止というふうな痛苦な決断をさせていただいたところでございました。

 あれから1年でございます。きょうは、私たち札幌のまちづくりという意味合いで、極めて大事な札幌駅前通地下歩行空間の開通1周年に伴います官民が連携をした各種の取り組みについて、少しお話をさせていただきたいと思います。

 まず、3月17日から25日まででありますが、開通1周年記念イベントといたしまして「KIDS SMILE FESTA 2012」というものを開催させていただきます。地下歩行空間の北1条から北3条までの区間に、ペダルでトロッコを動かすというようなコドモメトロというものを走らせるとともに、子どもたちが、特撮映画の撮影、あるいは、新聞、ニュース番組を作っていく、森や畑づくりなどのワークショップに参加をして、空間を装飾、演出をしていくというような企画をさせていただきます。

 また、北2条広場のビジョンがございますけれども、あのビジョンで放映をいたします作品の制作者を表彰する「Sapporo*north2 Award 2012」というものを実施いたします。作品は現在募集中でありますけれども、16日には映像制作関係者によりますトークイベントと、24日には表彰イベントを開催するということにしております。

 さらに、大通地区では、17日から31日まで、「SAPP‿RO×OD‿RI(サッポロ・オオドオリ)スマイルウィーク」が開催されます。これは、商店街や百貨店などと、市の「魅力都市さっぽろシティプロモート戦略」の取り組み「SAPP‿RO(さっぽろスマイル)」との連携事業でございます。商業施設の従業員1万人が「SAPP‿ROバッジ」を着用するほか、飲食店での「スマイルメニュー」の提供や、「大通の笑顔」をテーマとした投稿写真の紹介など、「大通から札幌を笑顔にする」、こういう取り組みを展開する予定でございます。

 地下歩行空間の開通は、本当に大きな市の発展あるいは象徴的な場面ということで、意義深いものがあるというふうに考えておりますが、札幌駅前地区と大通地区の回遊性というものが高まりまして、その相乗効果による都心全体としての魅力の向上、にぎわいの創出につながっているという意味でも、非常に重要な意味があるということをこの1年間でわれわれは実証できたというふうに考えております。今後も、官民や地域間、あるいは地上部、地下部、さまざまな連携で、市民や観光客を引き付ける取り組みが展開できるように期待をしているところでございます。

 なお、開通1周年を機にいたしまして、この地下歩行空間全体と、空間内の北大通交差点広場、それと北3条交差点広場のそれぞれの愛称を募集したいというふうに考えております。親しみやすく、長く愛されるような愛称を奮ってご応募いただきたい、こんなふうに考えております。

 市立札幌病院「精神医療センター」の開設について

 このたび、市立札幌病院「精神医療センター」を4月1日に開設をすることになりましたので、紹介をさせていただきたいと存じます。

 このセンターの開設目的は、現在、豊平区にございます市立の精神科病院であります静療院の成人部門を中央区の市立札幌病院に移転、統合いたしまして、札幌市の急性期精神医療を充実させようということにございます。

 診療の主な特徴は、市立札幌病院が持っております救命救急センターや身体疾患の各診療科との連携によりまして、単科の精神科病院では対応が困難な、精神と身体の疾患を併せ持つ身体合併症の患者さんや、精神科救急処置を要し、入院を必要としておられます患者さんへの包括的な医療といったものを実現することができるということでございます。また、症状が安定した患者さんにつきましては、地域の医療機関へ引き継ぐということなど、地域完結型の医療を推進してまいる、こういう考え方でございます。

 施設概要につきましては、病床数は38床ございまして、うち個室のものは22床、救急・急性期におけます精神医療の治療に適した診療室や個室病床を設けまして、充実した診療環境を整備するということでございます。

 市立札幌病院では、この精神医療センターの開設に伴いまして、札幌市の精神医療にさらなる貢献をしてまいりたいということとともに、今後とも良質で高度な医療を将来にわたり安定的に提供し、市民の命のとりでとしての役割を果たしていきたいと、このように考えているところでございます。

 明日8日、報道機関の皆さん方を対象にいたしまして内覧会を開催いたしますので、ぜひ、時間がありましたならば取材をしていただければ幸いでございます。

 ホームページ「札幌市アーティストバンク」の試行開設について

 札幌市では、市内で活躍をいたしますアーティストの情報を市民に広く紹介をいたしますホームページ「札幌市アーティストバンク」を開設することにいたしました。このホームページでは、アーティストの活動分野や連絡先、経歴、写真等のプロフィールが掲載をされておりまして、目的に合うアーティストに直接連絡をしていただきまして出演交渉をすることができるというようなものでございます。結婚式をはじめ、家族のお祝い、あるいは、企業のさまざまなイベント、記念日、人生の節目の行事、町内会の催し、福祉施設でのコンサートなど、いろいろな場面でご活用をいただきたい、そして、より身近な場面でアーティストたちの力を生かすことで、市民生活をより豊かなものにしていくとともに、アーティストの皆さんの活動の可能性といったものを広げていこう、こういうことを期待しているところでございます。

 このホームページは、明日8日から公開をいたしまして、まずは1年間を試行期間にさせていただきまして、市民に身近な音楽分野から情報提供を始めることとしたものでございます。

 現段階では、過去に札幌市が関係をしておりますイベント等で活躍をされた音楽家の方から、個人、団体を合わせて60組の皆さま方に登録をしていただくことができたところでございます。多くの市民の皆さん方にご利用いただきたいというふうに考えておりますので、報道機関の皆さま方にも、ぜひ周知についてよろしくお願い申し上げたいというふうに思います。

質疑応答

 「札幌駅前通地下歩行空間」開通1周年に伴う各種取り組みについて(1)

毎日新聞

 地下歩行空間1周年に関連してお尋ねしたいのですけれども、1年間で見えてきた、実感されている成果と、今後、解決しないといけないと感じられている課題、問題は何かを教えていただけますか。

市長

 成果といたしましては、当初予想していた以上に多くの方に活用していただいていると。通行をする空間として非常に利便性の高いものがあるということが立証されたということ、それから、駅前地区とまさに大通地区の連携といったものが非常にうまくいきつつあるという大きな成果を得たというふうに思っております。

 課題は、これを統一的に運営していくのだということでのイベントだとか、行くたびにわくわくする新しいものが常にあるとか、そういう点は、まだまだ工夫しなければならないところがたくさんあるというようなことがございまして、札幌駅前通まちづくり株式会社、札幌大通まちづくり株式会社の双方の協力が、これからも非常に大事な段階に達してくるだろうと、こんなふうに思います。

 また、沿道ビルの建て替え等によって、新しい開口部というものができてくることが想定されますので、これらを含めて、よりにぎわいをつくっていくための、上下一体といいますか、地上も地下部も合わせたいろいろなイベントができる、いろいろな楽しさがそこにあるというふうなものにつくっていくために、これからも、この1年の得た成果を踏まえて発展させていきたい、こんなふうに考えているところであります。

 公契約条例について

毎日新聞

 あとは、公契約条例のことなのですけれども、議会でいろいろ議論も進んでいると思うのですが、成立させるのに必要だと感じていらっしゃる課題というか、ハードルとなっていること、感じていらっしゃることがあったら教えていただきたいのですが。

市長

 29日の予算特別委員会で、公契約条例を審議する際に、皆さん方からいろいろなご質問をいただきました。賛成の観点からも、また、危惧するという観点からも、さまざまな問題が提起されました。基本は、やはり、公契約条例を作ることによって経営が成り立たなくなる可能性についての心配ということだったというふうに思います。

 私は、条例制定で企業が倒産するというようなことがあっては当然ならないわけでありますから、雇用の場を確保するとともに、その中で雇用されている側の労働者の皆さん方が、しっかり、われわれが想定する賃金を確保できるということをもって、いろいろな意味でのこれまでの公契約によって行われる仕事の質といったものを高めていきたい、こんな考えから提起をさせていただいているわけでありますので、さまざまなご心配の点もしっかりお答えして、変えるべき制度と、それから、公契約によって実現できる内容といったものを丁寧にご説明させていただくということを、これからもやっていかなければならないというふうに考えております。

 特に、ご心配な業務のほうについての業界の皆さん方にも、今、個別にご説明をさせていただいているわけでありますので、これからまだまだご理解いただくために最大限の努力をしていきたい、こんなふうに考えております。

 HAC(北海道エアシステム)への支援について(1)

北海道新聞

 HACの関連でお尋ねしたいのですけれども、一つは、まだ正式な要請は札幌丘珠空港ビル株式会社には来ていないようですが、報道によれば、空港の家賃の猶予などを今後求めてくるのではないかとされています。札幌市、あるいは、丘珠空港ビルの立場を市長に語らせるのはちょっと違うのかなと思うのですけれども、HACの支援について、今の時点でどうお考えになっているかというのをお聞かせください。

市長

 まだ、何も具体的な、丘珠空港ビルについてもそうでありますけれども、HAC本体についての申し入れも何もいただいていないという状況でありますので、私が得ている情報としては、現在、われわれのほうも非常勤の取締役の者を入れておりますので、そこから聞いている情報で判断をするしかありませんし、新聞等で報道されております道議会における議論の断片的なところしか分かりませんけれども、したがいまして、何も要請がないので、何も答えることはできませんけれども、本質的な議論がやはりされなければいけないだろうなというふうに思います。

 今、HACを丘珠空港に集約したということの意味、その意義と効用といったものをどうやって維持、発展させていくことができるのかという、そのことを実現するために、今、障害になっているものをどう解決するのかという議論なしに、いつ報告があったかとか、経営の対策はどうなのだというふうなことを言われても、なかなか厳しい状況にあるかなという気がいたしております。やはり、私どもの丘珠空港に対する考え方というのは、まさに札幌の都市機能を全道の皆さん方に活用していただくために極めて大事な高速輸送機関ということでありますので、それを実現するために何をどうしたらいいのかということをしっかり議論していただきたい、していくべきだというふうに思っております。

北海道新聞

 その議論という話なのですけれども、先月の13日の記者会見で、HACの経営というか、事業計画は抜本的な見直しが必要なのではないかとお尋ねした時に、道とかほかの株主としっかり議論しなければいけないのだというお話をされていて、それから1カ月弱ぐらいたっているのですけれども、札幌市側から何か呼び掛けるとか、そういうことはお考えではないのでしょうか。

市長

 出資額としては3番目に多い株主の札幌市でありますので、当然、発言はしなければいけないわけですが、まず、大株主が基本方針についてまだお話がないということでありますので、やはり、原案を少し出していただかないと、なかなか厳しい状況だろうというふうに私は思っておりますので、出ております取締役を通じましてそのことを強く申し入れさせていただいているということでございます。

北海道新聞

 すみません、これでHACは最後にしますけれども、今、道議会で道の経営責任が随分問われているわけですが、同じ大株主として道、JAL(日本航空)、あと札幌市といるわけですが、それぞれの、HACがこういう状況になってしまった責任というのはあるのか、ないのか、どのようにお考えになるのでしょうか。

市長

 責任というのは、どうしてこういうふうになったのかということとの関係で出てくるわけでありますので、一番大きいのは6月の重大インシデントがあったということで、安定した運航ができないという心配を乗客の皆さん方に与えてしまったということから立ち直っていないという状況だというふうに思うのですね。4月、5月の成績は結構良かったわけですよね。ですから、需要がなくなったわけではなくて、あの重大インシデントがあって、また、不幸にしてさまざまなトラブルが続いたというようなこともあって、なかなか計画が立ちにくいという状況の中で、利用しにくい飛行機という印象が非常に強くなってしまったということにあるのだというふうに私は思います。

だから、それに対してどうやって対応するかというのは、かなり難しい状況、今のぎりぎりの運航、客観的なインフラといいますか、によってどこまでできるのかということは、本当にもっとしっかり考えなければいけないのではないかなと、論点はそこではないかなというふうに思います。経営をうまくやるのにも、それは信頼が原則ですから、その信頼を失わないための、ただの精神論ではなくて、きちんと客観的にそれをサポートする信頼に足る運航体制をどうやってつくっていくかということではないかなと、私は今思っているところであります。

 東日本大震災の被災地からの避難者に対する支援について

uhb

 3.11の震災に関して、冒頭でもご発言がありましたけれども、ちょっと前回の記者会見でも、一定程度、震災に関してはお話があったと思うのですが、今回お聞きしたいのは、北海道、あるいは、とりわけ札幌に避難されて移り住んで来られている方々、たくさんいらっしゃるのですけれども、民間レベルでは、「ようこそあったかい道」ですか、いろいろ支援が進んでいるということで、これから、市として、民間レベルとは別に、どういうふうな形でのサービス、あるいは情報提供、きめ細かい支援ですか、何か具体的な構想があれば教えていただきたいのと、なくても、どういう方針というか、大方針みたいなものがあれば、まず教えていただけますか。

市長

 行政として、避難をされている方々に対してやっているというのは、もちろん住む場所を提供するという非常に大きなサービスといいますか、行政サービスを提供させていただいているわけであります。生活費については、今、基本的なものは国ないし東電からということで、これから、今、決まっていくという状況にありますので、あとは快適に生活するためにどうしたらいいのかという問題であります。これは、今、民間のグループがいろいろな形でサポートさせていただいております。その活動が潤沢にできるように、われわれが行政のいろいろなネットワークを上手に使っていただけるようにしていくということが大事なのかなと、そんなふうに思っているところでございます。

uhb

 それと、例えば、公営住宅に入られている方に関しては、市のほうである程度把握されているけれども、民間の自主的に来られた方というのは、なかなか行政の方で把握しづらい部分というのがあると思うのですが、そういった形で来られている方々の支援というか、サービス、これに関しては、何かお考えというか、今後、先の、1年たってからありますか。

市長

 これは、さまざまな行政サービスについて、よくこの間も問題になっていて、申請主義といいますか、どこに誰がおられるのかということは言っていただかないと分からないのが現状でありますので、ぜひ、お困りのことがあれば、区役所、市役所、あるいはまちづくりセンターをどんどん訪ねていただいて、やれることとやれないことはありますけれども、一番快適に過ごすためにどうしたらいいかということについてお困りのことがあれば、どこでもご相談いただければ、その方にわれわれが何ができるかお知らせできるようにしたいというふうに、今も窓口は開いているつもりでありますが、ぜひ、行動していただければというふうに思います。

 東日本大震災の被災地からのがれきの受け入れについて(1)

uhb

 それと、また震災に絡んでのお話なのですが、いわゆる震災で生じたがれきですね。先日、ちょっと環境省のほうで、処理費用ですか、負担するという旨のご発言がありまして、それを受けて、札幌市としてがれき受け入れに関してお考えはお変わりかどうか、あるいは、今、現状の方針というものをあらためて説明いただけますか。

市長

 前にもお話をいたしましたけれども、私の考えは、今、変わっておりません。国の基準というふうによく言われますけれども、それについての信頼性を、私たちが本当に放射性物質というものの恐ろしさといいますか、そういったものについて、十分に理解した上でオーケーというふうに言っておられるのかどうなのかということを、極めて私は慎重に判断をしなければならないというふうに思います。

 放射性物質の特徴は、微弱であっても、ないよりは必ずあるほうが問題あるというふうに言われている性質のものでありますし、かつ、極めて長寿命の物質であるということを頭に入れなければならないということ、それから、風評被害であれだけ問題になった3県の食べ物について、本当に生産者の皆さん方がご苦労されていたわけですね。北海道はその影響はなかったと言うためにどれだけの苦労をしたのかということを、いま一度、思い起こしていただきまして、私は、やはり、そこの生産地、人の口の中に入るものを作っていく人たちの地域に、国の基準が、焼却灰1キログラム当たり8,000ベクレルですか、この値がどういう意味を持つものか、どういう印象を消費者の皆さん方が持たれるものなのかということについて、きちんとした納得というものがない以上、私は受け入れるべきではないと、そんなふうに思います。

uhb

 費用負担の面に関しては、どういうふうに評価されますか。

市長

 当然のことだと思いますけれども。私は、それをいただいてどうこうしようという気持ちはありませんので。でも、国がやることは当然だというふうに思います。

uhb

 ありがとうございました。

 「札幌駅前通地下歩行空間」開通1周年に伴う各種取り組みについて(2)

北海道新聞

 駅前通の地下歩行空間の関係ですけれども、先ほど、市長の中で、この1年たって大いににぎわいを呼び、非常に成果があったというようなお話があったかと思うのですけれども、その中でも一つ課題として挙がっているのが、地上と地下部分の落差といいますか、地上部分はやはり人がなかなか少ないところがあるかと思います。その解決策として、恐らくこういうイベントなどの開催というものを実施されるかと思うのですけれども、それ以外に、イベントですとやはりどうしても効果が瞬間的なものになりがちで、そうではなくて、恒常的に地上部分ににぎわいを出すために市長としてどのような方策をお考えになっているかということをちょっとお聞かせ願いたいと思います。

市長

 これは、駅前通の商店街の皆さま方も含めて、これから本当にご検討をいただきたいというふうに思っているのですが、夏に雨が降ったり、風が吹いて寒いとかという時以外の札幌の外気に当たるということの楽しさということは、格別なものがあるというふうに私は思います。今、まだ駅前通の植樹が終わったばかりでありまして、これから何年かかければ、大きな緑が出現をするという状況になっておりますので、その駅前通の爽やかさ、札幌に来てよかったなというふうに思える、そういう気持ち、散策をすることの喜び、こういったものは、必ず、私は、特に夏の間は、地上部というのは、地下との対比でいけば見劣りしないくらい人たちが訪れていただけるのではないか、そんなふうに思いますし、今、北3条通の広場も、地上部の道庁赤れんが前の所に、やはり、人がそこにたたずむことができる空間をつくっていこうという努力もさせていただいているところであります。そういうようなものも含めて、人がゆったりと歩いて生活ができる、まちを楽しむことができるというものをつくっていくことによって、駅前通の地上部と地下の歩行空間のバランスといったものが非常に豊かになってくるだろうと。

 それから、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、建物がどんどん建て替えをしておりますので、その建て替えをしている建物との接点、地下部分での開口部というものが出来上がってくることによって、おのずと地上と地下の連結、そして、にぎわいの相乗効果といったものが実現してくるだろうというふうに考えますので、これから新しくビルを建て替えられる方々の地上1階部分におけるにぎわいの創出のための工夫だとか、そういったこともお願いをしながらいろいろまちづくりを進めていければうれしいなと、こんなふうに思っております。

北海道新聞

 今のお話の関連なのですけれども、そうすると、建て替えしたいとおっしゃる業者さんに対して、地上部で工夫してくださいと、行政のほうからもお願いしていくということですか。

市長

 それはそのとおりです。

 「札幌駅前通地下歩行空間」開通1周年に伴う各種取り組みについて(3)

北海道新聞

 あと、愛称の募集なのですけれども、市長の中で、例えばこんな愛称にしてもらいたいなと、何かそういう市民への呼び掛けのものとかというのはありますか。

市長

 できるだけかわいらしいのがいいのかなと。札幌らしさとか、そういう言葉があるとすれば、ぜひ、世界中に伝えることができる、発信することができるのにふさわしい名前であったらいいなというふうに思います。

北海道新聞

 ありがとうございます。

 JR苗穂駅周辺地区のまちづくりについて

STV

 JRの苗穂駅が札幌駅寄りのほうに移転しますけれども、それに伴って、苗穂地区の再開発というのが進められると思いますが、市長としては、駅が移転することによってあのまちがどういった可能性を秘めるようになり、そして、将来的にはどういったまちになってほしいというふうにお考えですか。

市長

 非常に、JRのご協力もあり、大決断をしていただいたというふうに思います。この20年来、地域の皆さん方がさまざまな形で努力をされて、計画を立て、JRさんとも話し合いをしながら、今、実現しつつあるということでありまして、大変期待をしております。

 これは、やはり、私たちのまちづくりにとって、都心部に居住空間をつくっていく、そういう都市型の生活がしやすい場所として、苗穂地区というのは非常に有望な展望を持った地域ではないかなというふうに思います。それから、サッポロファクトリーだとか、地下鉄大通駅とバスセンター前駅を結ぶコンコースを利用した500m美術館だとか、いろいろなイベントが連続性の中であって、そして、その先に苗穂があるというように、そういう、いわば創成川イーストの連続性を実現するとてもいいアイデアとまちづくりになるのではないか。

 それから、南北の鉄道を挟んだ自由歩行空間といいますか、通路、これの設置ができるということも、あの周辺における、これまで線路があって連続的なまちづくりに苦労をされた皆さん方の利便性といったものが格段によくなるということになりますと、また違う北側のまちづくりとの連携といったものが促進をされて、非常にいいまちの形になっていくのではないかということを期待しているところであります。

 HAC(北海道エアシステム)への支援について(2)

TVh

HACの質問に戻るのですが、先ほど、市長のほうからは、要請のほうが、丘珠空港ビルに対して何もないので答えられないというお話でしたけれども、HACの西村社長自身も丘珠空港ビルさんのほうに要請はする方針だということも明らかにしておりますし、実際に来月頭にはもうお金がなくなるような、赤字に転落というか、資金がなくなるような状況ですけれども、道に対しての要請と同様に、お金の支払い猶予も含めた形で要請があるのかなと思うのですが、市長の先ほどのお話ですと、丘珠に関する札幌の都市機能を全道的に活用してもらうというのは非常に大事なものだということをお話しされていましたけれども、そういう意味で言いますと、やはり、HACの存続というのは非常に重要というお考えなのかなと思うのですが、実際にそういう要請があった場合に前向きに検討するということでよろしいのでしょうか。

市長

 いいえ、その要請の内容がどういうものなのか、しっかり検討させてからにさせていただきたいと思います。

 それから、要するに、借金をするということは返すということが前提ですから、どうやって返すのかということとの兼ね合いがはっきりしていないで、ウエルカム、ウエルカムではしょうがないでしょう。そういうわけにはいかない。大きな財産をわれわれは市民の皆さんからお預かりしてですね、それで責任を持った経営をしていただいているという立場でありますので、会社が困っているからしょうがないでしょうというわけにはいかないのですよ。そういう意味で、借りたものはどうやって返すのか、その計画をしっかりお聞きした上で慎重に判断させていただくということにとどめさせていただきたいと思います。

TVh

 ありがとうございました。

 東日本大震災の被災地からのがれきの受け入れについて(2)

北海道新聞

 すみません、市長、がれきの関係でもう1点だけ。

 市長のお考えはよく分かったつもりなのですけれども、けさ、弊紙で世論調査をやりまして、84%の道民が国の基準以下であれば受け入れはやむなしというように回答されているのですけれども、この結果を市長はどのようにご覧になったかというのをちょっと伺いたいのですけれども。

市長

 その結果を私も読ませていただきまして、それを踏まえた形で先ほどお答えしたつもりでございます。

北海道新聞

 だから、十分に理解されているのかという…。

市長

 問いの仕方として、別にアンケートにけちをつけるわけではないのですけれども、どういう情報の中でどういうお立場でお答えになったかということを、十分に、私どもは慎重に考えなければならない問題だというふうに思うのですよ。ですから、東京都も真っ先に手を挙げて、おお、みんなおれたちの責任だ、みんなで頑張ろうという、そういう感じでお答えになっているのかどうかと。そうではなくて、放射性物質についても十分知識を持たれ、かつ、この間の放射性物質ということによる、全くゼロというわけではない状況であっても大変な風評被害を受けたという状況を本当に深刻に考えた上で判断をさせていただきたい、まずはそういう考え方でございます。

 憲法第9条改正の議論について

北海道新聞

 憲法の話なのですけれども、大阪の橋下市長がご自身のツイッターで憲法9条改正について触れまして、2年間、国民で議論をしたら、国民投票にかけるべきであるという持論を述べられました。

 上田市長はどのようにお考えでしょうか。

市長

 橋下さんの意見についてですか。それとも、憲法9条を…。

北海道新聞

 橋下さんのご意見について、上田市長ご自身のお考えというのはどのようなお考えでしょうか。

市長

 私は、憲法を変える必要はないというふうに考えております。特に、9条は変える必要はないというふうに考えております。ただ、憲法を変えるシステムは、法律ができましたので、いろいろな議論があるのは結構なことだと思いますが。何で憲法9条だけ言われるのか分かりませんけれども。

北海道新聞

 自民党のほうでも憲法改正の草案というのをまとめておりまして、憲法改正の要件を国会議員の3分の2以上の賛成から過半数に緩和したらどうかというような議論をしている最中なのですけれども、そういったことにも慎重であるべきだというお考えですか。

市長

 はい。慎重にあるべきだというふうに私は思います。そういう改正要件というものは、これは憲法で決まっているわけでありますので、それを変えるのにもまた大変な手続きが必要だというふうに思いますけれども、憲法で、今、変えなければならないという立法事実といいますか、背景になるべき事実というのは、私はあまりないと思っているのですよね。ですから、どうしてもこれが邪魔だというふうなお考えの方が、多分、改正というふうに言っておられるというふうに思います。

 いろいろ、改正論にも、加憲論、条文を加える、例えば、環境権だとか、プライバシー権だとか、そういうものはまだ記載をされておりませんので、そういうものも入れたらいい、新しく条項を加えるというふうな考え方もありますが、幸福追求権で十分対応できる。ある意味では既に確定した権利であるわけでありますので、私は、実際に憲法を変える必要性というのはないのではないかな、そういうような認識でいるところであります。

北海道新聞

 ちょっと関連してなのですけれども、橋下市長は、維新の会の代表ということもあって、いろいろな発信をかなりされております。ああいう形で圧倒的な世論の後押しで当選した市長ですけれども、同じ市長という、首長のお立場でどのようにご覧になっていらっしゃいますでしょうか。

市長

 私も圧倒的市民の支持で市長になったつもりでありますので、私は私のやり方で、静かに、施政というのは、民主主義というのは、静かに人々のさまざまな実践の中で培われていくものだというふうに、私は、戦後民主主義の第1世代だと自負をしております。戦後の教育のですね。憲法が昭和22年にできましたけれども、私は23年生まれでありますので、全き現行憲法の中で、この憲法が作られる過程というのは前文に書かれておりますけれども、あらゆるこれまでの長い人間の、人類の歴史の中で、愚かしいことをたくさんやってきた、そのことを総括をして出来上がったのが今の現行憲法だというふうに考えますので、そう簡単に変えて、ここが足りないだとか、ここが不都合だとかということが言えるものではないというふうに私は思っております。

 ですから、これは慎重に、ある意味では理想形の世界人権宣言なり国際人権規約なり、そういったものもまさに日本国憲法と同じ理念で作られているわけでありますので、世界水準からかえって外れたものになる可能性のある改憲論とかといったものは、少し慎重にしたほうがいいのではないでしょうか、というふうな立場で発言をさせていただいているところであります。

 東日本大震災の被災地からのがれきの受け入れについて(3)

uhb

 すみません、またがれきの件で、ちょっと誤解のないように。

 条件だとか基準が理解できるものであれば、がれきに関しては受け入れはするということですか。

市長

 ですから、議会でも申し上げておりますけれども、全く放射線がないですよと言われたら、いいんじゃないですか。断る理由はないと思います。協力したほうがいいと思います、その場合はですね。だけど、今言っているのはそうではないわけですよ。政府の方針として出しているのは。ですから、それは間違いがないように、何か冷たいことを言っているなとかいうふうに言われるかもしれませんけれども、私は、先ほど申し上げたような筋でお話をさせていただいております。

uhb

 例えば、たらればで申しわけないですけれども、受け入れることになった場合のキャパシティーというか、置く場所、処理する場所、その辺の準備とかというのは可能なのでしょうか。

市長

 いや、ないのではないでしょうかね。焼却するという話の可能性とかというのは、それはあるかもわかりませんけれども、でも、それ以前の問題でしょう。物理的にできなければ、それはまたあれですけれども、先ほど申し上げたのが私が今ずっと言っていることでありますので、意味をご理解いただきたいなというふうに思います。

uhb

 ありがとうございました。

 大阪市における職員の喫煙実態調査について

HTB

 橋下市長のことなのですが、市の職員の方に喫煙の実態を調べるというふうなことをなさるということで、服務規定違反ということも含めて処分を検討しているというようなことがありましたけれども、まず、この橋下市長のやり方というか、それに関してどう受け止められているかということと、札幌市に関して、そういった課題とか、市民からの申し越しといいますか、そういったものがあって、そういう喫煙の実態調査といいますか、そういったことをやるようなことというのは起こり得そうかどうかというのをちょっと聞きたいのですけれども。

市長

 (大阪市の調査がどういうものなのかは存じておりませんが、)よく刺激的なことを言われて、それにいちいち反応しているほど、何の議論もしないでですね、すぐ処分だと言って、みんながびっくりして、議論の対象にすること自体がおかしいのではないかと私は思いますが。何でそんなことが議論されなければならないのですか。もっと先にやらなければならないことが私はあると思います。(札幌市に起こり得そうか、ということですが、)だって、喫煙の自由というのがあるのでしょう、喫煙の自由というのが。服務規律もあるのでしょう。仕事というのは、やり方にもいろいろありますけれども、何でも処分、処分といったら窮屈な社会になる。それは、8時間労働であれば、8時間中1分、30秒も、5秒も、1秒も、仕事以外のことをやってはいけない、仕事以外のことを考えてはいけないというのは極めて乱暴な議論だし、そんなことは橋下さんはよく分かった上で言っていますよ、議論になるように。それにいちいちマスコミの皆さん方が反応しないでいただきたいと思います。おかしいではないですか。よく考えて、そうやって言ったからどう思いますかと言われたって、そのぐらいのことしか言えないですよ。あくびもしますよ、みんな、仕事中。あくびをしたら処分すると言われますよ。だんだんだんだん面白い発言になってくると思うのですけれどもね。

 「札幌駅前通地下歩行空間」開通1周年に伴う各種取り組みについて(4)

読売新聞

 最初の地下歩行空間に話が戻るのですけれども、市長は、1年間の成果でにぎわい、回遊性という話を出されていましたが、今、具体的にそれを示すような客観的なデータ、通行量ですとか、そういったものはお持ちですか。

市長

 報告は来ておりますが、(12時間当たりの歩行者通行量は)5万人から7万人の間というふうに聞いておりますけれども、ちょうど季節的な要件もありますので、どの部分を平均と言っていいかどうかについては直ちには示せませんが、データとしてまちづくり会社や北海道開発局、札幌市が持っておりますが。

読売新聞

 多分、これは、まちづくり会社なり、あとは開発局さんのほうでもいろいろ調査なり分析はしていると思うのですけれども、これはちょっと提案になるのですけれども、ぜひ、札幌市が中心に、市長本人にやれとは言いませんけれども、この1年の成果なり課題なりを総括的に、横断的にまとめられたらどうでしょうかね。

市長

 ありがとうございます。いいご提案だというふうに思いますので、目に見えるように、こういう現状だということと、これは成果だと評価すべきだ、これは問題点だというふうに思うというようなことははっきりさせて、市民の皆さん方にお示しして、そして、よりよいものをみんなでつくっていく力を貸していただきたいというふうなことを申し上げる機会をつくっていきたいなというふうに思います。

 ありがとうございます。

(以上)

 

 この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。(作成:札幌市広報課報道係)

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