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更新日:2012年2月27日

平成23年度第15回定例市長記者会見記録

日時

2012年2月13日(月曜日)14時00分~

場所 記者会見室
記者数 18人

市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

配布資料

発表内容

 大通公園における雪遊びイベントの開催について

 第63回さっぽろ雪まつりは、おかげさまで、昨日、205万4千人の方々に会場に足を運んでいただきまして、閉幕をしたところでございます。皆さま方のご協力に心から感謝を申し上げたいというふうに思います。

 ことしは、雪像が崩れまして、観光客の方にけがを負わせてしまうという事故が発生してしまいました。本当に、大変申し訳ないというふうに思っているところでございます。また、この雪像を楽しみに会場を訪れておいでになりました多くの方々にも大変ご心配を掛けたということに、非常に残念に思い、心からおわび申し上げたい、このように思っております。

 これまでも会場の安全管理には大変留意をしてきたところでありますけれども、二度とこうした事故が起こらないように、より一層の安全対策を講ずべきだというふうに考えているところでございます。

 実行委員会でも、雪像制作の技術指導者や雪氷の研究者のご意見もお伺いしながら、デザインや構造のガイドラインといったものを設けるなど、雪像そのものの強化と、巡回警備あるいは雪像と見学者の距離、ここら辺の問題についてしっかりと検証した上で、維持管理体制の強化という両面から来年の開催に向けて検討していきたいと、このように考えているところであります。

 さて、きょうは、この雪まつりの雪像に使いました雪の活用について、大通公園で気軽に雪遊びを楽しんでいただけるという企画が決まりましたので、お知らせをさせていただきたいと思います。

 昨年は、西8丁目、9丁目にかけまして雪遊びの会場をつくったわけでありますが、ことしは、西7丁目に作られた滑り台を、子どもたちがより安全に遊べるよう手直しをいたしまして、2月下旬から3月上旬まで無料開放する予定とさせていただいているところであります。

 さらに、2月25日と3月3日、4日には、この会場で、さまざまな雪遊びやウインタースポーツを体験できるイベントも開催する運びとなりました。特に、3月のイベントでは、札幌オリンピック開催40周年を記念いたしまして、カーリングやバイアスロン、ボブスレーなどのオリンピック採用種目の体験メニューも用意をさせていただいているところでございます。

 都心にこのような雪遊びの空間を生み出せるというのは、大通公園を持っております札幌ならではの、非常に珍しく、素晴らしいことだというふうにわれわれは考えております。多くの方が雪に親しみ、雪を楽しむきっかけとなり、札幌の冬の魅力発信につながるというふうに期待をしているところでございます。ぜひ、たくさんの方々にご来場いただきたい、このようにお願い申し上げます。

 「まち『つながる』ワークショップ」の開催について

 札幌市では、「札幌市まちづくり戦略ビジョン」の策定に向けまして、ワールドカフェ形式の討論会や市民会議の開催、あるいはアンケート調査の実施などによりまして、市民の皆さんのご意見を伺ってきたところでございます。このたび、市民の皆さんと共にまちのあり方というものを考える機会といたしまして、新たにワークショップを開催することといたしましたので、お知らせをさせていただきます。

 タイトルは、「まち『つながる』ワークショップ」というものでありまして、人口減少、超高齢社会という札幌がこれまで経験したことのない時代を迎えるに当たりまして、誰もが安心して暮らし続けるためには、私たちが地域やまちの中でどのようなつながりを持つべきかということが大きな課題となるわけであります。また、先日起こりました白石区の姉妹の痛ましい死亡事故では、われわれ行政としてはもちろんのこと、多くの市民の皆さん方も、つながりの大切さといったことをあらためて痛感されたことだというふうに思います。これからの地域のあり方や時代に合ったつながりの形を皆さんと一緒に考えていきたい、このように考えている企画でございます。

 ワークショップは、3月3日土曜日の清田区民センターを皮切りにいたしまして、市内10カ所、各区民センターを会場にいたしまして開催をさせていただきます。お住まいの区にかかわらず、どちらの会場にでも参加いただけることにしております。コールセンターで参加申し込みを受け付けておりますので、ご都合のいい日時を選んで、ぜひ積極的にご参加をいただきたい、このように思います。

 報道機関の皆さま方には、開催の周知と当日の取材についてもご協力をお願いできれば大変ありがたいということで、ご案内を申し上げたいと思います。

質疑応答

 さっぽろ雪まつりにおける雪像倒壊事故について(1)

毎日新聞

 雪まつりのことに関連してお尋ねしたいのですけれども、最初に、デザインや構造のガイドラインを設けて、というようなお話をされていましたけれども、どういうことをされるとか、ある程度決まっていたら、もう少し詳しく教えていただきたいのと、実行委員会が制作して管理している雪像がけがをさせてしまったわけですけれども、その結果、本来は壊さないでよかったかもしれない市民の頑張って作った雪像が壊されてしまって、実行委員会の対応にちょっと疑問の声とかも市民の方から上がっているのですけれども、そのことは実行委員会の一部でもある札幌市の市長さんとしてどのようにお考えか、教えていただきたいのですが。

市長

 雪像につきましては、壊れてしまったのが、実行委員会が委嘱をしたといいますか、そういうものであったということは、非常に残念であったというふうに思います。

 ガイドライン等を既に作ったのかというと、まだ作っておりませんで、これからということであります。これまでにつきましては、60年もやっているわけでありますので、技術指導者という集団がございまして、この方々が、経験に基づいて、暖気もこれまでもあったでしょうけれども、それに耐え得るという、これは経験値で指導をさせていただくというようなことで、5人ほどの大雪像を何度も制作したことがあるというふうなご経験をお持ちの方々に委嘱をさせていただいて、この方々に講習に出ていただくとかいうことで市民雪像を作っていただくということがされてきたところでありますけれども、これの明確な基準とかガイドラインといったものは文字的にはないのですね。そういうようなこともありまして、今後、参考にしていただく、あるいは基準にしていただく、比重がどうのこうのとかというようなことは、これはやはりしっかりしたものがなければいけないというふうに、今回の事故を契機に考えますので、技術指導者等にしっかりこれからご相談させていただいて、そういうものを作っていきたいというふうに思っております。

 後半のご質問でありますけれども、実行委員会で制作依頼した物が壊れたというのは、本当に大変申し訳ないというふうに思っておりますけれども、それに伴って、危険と思われる物について取り壊しをさせていただいたということでございまして、これも、大変、市民の皆さん方が一生懸命に作っていただいて、それを取り壊しせざるを得なかったというのは、非常に申し訳ない、大変残念なことだなというふうに思っております。

 一部、意思疎通が不十分だったというようなご指摘もございましたけれども、基本的には、暖気、何度もこれまでありましたけれども、暖気で耐えられないと、倒れないまでも、ちょっと見物するのには耐えられないというようなことも過去にはございました。そういうものについては取り壊すというようなことが行われてきたわけでありますが、基本的には、事前に制作者にご連絡をさせていただくということが前提でありますけれども、やむを得ず連絡が取れない場合には、職権でといいますか、取り壊すということも、事前に、これは制作をする段階でお知らせをさせていただいているところでございますので、今回はその手続に従って取り壊しや一部の取り外しを、10件ぐらいですか、させていただいたということでございまして、新聞紙上等でご不満を述べられている記事も見させていただきましたけれども、こういったことも、これからいろいろな設計をする際にご指導させていただくなり、あるいは、そういう取り決めだということをもっと徹底させていただくことによって、安全性と、楽しく過ごすことができる雪まつりをしっかりつくっていくというふうに生かしていきたいと、こんなふうに考えております。

毎日新聞

 ガイドラインは、冊子のような形とか、そういう目に見える何かになるのですか。

市長

 今までも、ガイドラインと言ったらおかしいですが、こういうふうに作るのですよというふうなことは、講習会で申し上げてまいりました。おおよそ、それを守っていれば大丈夫ということでは済んできたわけでありますが、これから、今回の事故がございましたので、明確な形にさせていただいて、それに基づいて指導させていただくというふうな形にできればというふうに考えております。

 特別職の報酬について

毎日新聞

 あと、もう一つ、報酬の関係でちょっとお尋ねしたいのですけれども、保育料の割引率みたいなものが減るというので、何か、陳情にいらっしゃっていた市民の方たちが、市長とか、報酬をもっと下げて対応するのが先ではないかとかとおっしゃっていまして、市長とか副市長は、この間までもずっとボーナスもカットされて、目に見えて働いていらっしゃるのが分かるのですけれども、議員の方たちは、札幌の中では相当な高給取りですけれども、何をしているか、ちょっとよく分かりにくいのもあって、人数も多いですし、そちらのほうが何とかできるのではないかなと個人的には思ったのですが、「市民に役立つ議会検討委員会」で当事者の議員さんたちが話し合われていますけれども、とても削減になりそうにない議論の方向性で、何か、本人たちが話し合っていてもしょうがないのではないかなというふうに思うのですが、何か、もうちょっと別の方法というのは不可能なのでしょうか。

 あと、財政を何とかしようといろいろ努力されているのはすごく分かるのですけれども、それを市民にも負担を頼むというのもよく分かるのですけれども、そのためにはやっぱりそういう姿勢を見せることが必要ときっと市長もお考えと思うのですが、その辺の報酬のことを、これまでのやり方のような方法で議論するのでいいのか、ちょっと疑問に感じているのですが、ご意見をお聞かせいただけますか。

市長

 議員さんもそうでしょうけれども、私どもも、特別職と言われている地方公務員の報酬が幾らがいいのかということについては、自ら決めるのは非常に困難であるというふうに考えております。そこで、「札幌市特別職報酬等審議会」というものを、これは各界各層の方にお集まりをいただいて、さまざまな意見をそこで開陳していただきまして、それをまとめていただいて答申をいただくということで、私はおおよその合意といったものが得られるのではないかと、そんなふうに考えております。

 それを、今、特別職の市長、副市長、そして議員さんの報酬ということについて諮問をさせていただいており、近々、答申をいただけるという段取りになっているようでありますので、その内容をしっかり受け止めさせていただきたいと、そんなふうに思っているところでございます。

毎日新聞

 報酬委員会のメンバーの方は、有識者とか、社会的に恵まれた方が多いと思うのですけれども、市民参加をいつもおっしゃっている市長ですから、もっと一般の市民から公募して、もうちょっと大きな会議でやるとか、どうでしょう。

市長

 いろいろやり方はあるというふうに思いますけれども、私は、労働界だとか、経済界だとか、そういう特にシビアに物を考えていただける方々のお考えをしっかりお聞きしたいというつもりで審議委員をお願いしているということでございます。

毎日新聞

 ありがとうございました。

 さっぽろ雪まつりの来場者数について(1)

読売新聞

 雪まつりに関連して1点お聞きしたいのですけれども、まず、先日、来場者数のデータが発表されたと思うのですが、それで、昨年度と比較すると15%減ということで、人数的には大幅な減少だと思うのですよね。

 それで、実行委員のほうでは、その理由として、天候だったり、インフルエンザだったり、外的な要因の説明をされているのですけれども、その一方で、やはり、実行委員のほうでコンテンツの中身を魅力アップして集客に結び付ける必要もあると思うのですが、市長としては今後どのような魅力アップを考えていらっしゃるのか、お聞かせください。

市長

 そうですね。外的理由としては、休日が一つ少なかったということはかなり大きい要素だろうというふうに、3連休がなかったという、曜日の並びがそういう状況だったということが、一つ大きな理由だろうというふうに思います。これは、多分、20万人、30万人、かなり差が出てくるというのが経験値でございますので、そういう意味では、曜日の問題、それから、寒かったというのもありますし、インフルエンザは3千人、4千人台の流行というのは、かなり厳しい、お子さんが外を出歩くのを控えられたというふうなことも要素としてはあるかなと、そんなふうに思います。

 コンテンツそのものの内容については、おいでになった方々の評判はかなり上々というふうにわれわれは思っております。それぞれ、素晴らしいものを作っておられますし、市民雪像も大変面白い。こういう事故がございましたけれども、私もつまびらかに見させていただきましたけれども、やっぱり、それなりにと言ったら大変恐縮ですが、面白いですし、そこで作っておられる方々の作っている姿を見ても、非常に仲良く、わいわい、がやがや、雪遊びの感覚がとてもございまして、私は、やはりこれはいい祭りとして本当に定着しているなというふうに思っているところであります。

 もう少し来場者の構成内容を分析して、もう飽きたよというふうなことでもあればいろいろ考えなければなりませんけれども、札幌の雪まつりというものはこういうものだということ、もちろん、日々、さまざまな時代的な要素を取り込みながら、常においでいただける方に感動を共有していただけるようなものをつくることには意を用いていきたいというふうに思いますが、基本的な理念だとか方法論だとかというものについては、さほど、この205万人ということで考え直さなければならないということはないのではないかというふうに考えております。

読売新聞

 それと、あと、外国人の方がかなり来場者数の中にも入っていると思うのですが、今後、外国にも観光誘致をさらに推し進めていかないといけないと思うのですが、その点に関しては、何か対策というか、どのようなことをお考えになっているか。

市長

 やはり、東南アジアの皆さん方は、雪がとても大事だという、非常に観光資源として魅力であるということはずっと言われてきているわけでありますが、今回、タージ・マハルの雪像を作ったことによりまして、国交樹立60周年ということもございましたけれども、インドが大変な関心を示していただいたということですね。そして、あの国の方々が札幌をとても理解していただくのに役に立ったということは、非常に大きな収穫だったというふうに思います。

 今まで、やはり遠いという観念がございますので、あまりインド観光という視点がなかったように思いますけれども、飛行機で8時間ぐらいかかるというふうにはおっしゃっておりましたけれども、比較的近いのだということを盛んにアピールされておられました。こちらからもインド観光というのを注目するべきだと思いますし、これを機に、インドの方々も札幌に来てみたいという気持ちを持っていただけるというお話をお伺いしまして、大変よかったのではないかな、そんなふうに思います。

 あと、中国本土からの方々等、これからもう少し分析してみなければなりませんが、だいぶ回復してきたと。まだまだおいでいただけるそういう資源として、雪というのは魅力を失っていない、こんなふうに思っているところでございます。

読売新聞

 分かりました。ありがとうございます。

 HAC(北海道エアシステム)の経営状況について

北海道新聞

 HACなのですけれども、経営状況が相当悪いらしくて、事業計画を相当大幅に下回る経常赤字の見通しになっているという報道がありました。

 それで、これは、今の機材で今の路線を飛ぶという結構ぎりぎりなスケジュールを組んでいて、ああいう一歩間違えば事故みたいなこともありましたけれども、このビジネスモデル自体が、もはや、早くも無理が来ているのではないかと。もし、きちんと経営するのであれば、ビジネスモデル自体を見直さなければいけないのではないかなんていうふうに私は思うのですけれども、この点に対する市長のお考えをちょっとお尋ねしたいのと、あと、札幌市として、あの会社にさらに何か支援をするということは現時点で考えられるのかどうか、この2点をお願いします。

市長

 ぎりぎりの飛行機の、3機体制でやっていて、欠航率が非常に高いということが、定時運航性の確保という観点から、非常に交通機関としての信頼を失っているという現状で、乗っていただける数が非常に少ないということでありまして、これは、やはり、定時運航が可能になるあらゆる努力をするということが非常に大事だというふうに考えております。

 ビジネスモデルという形で言われますと、路線の縮小、あるいはもっと余裕を持った運航というふうなことを言われるのかもわかりませんが、そこら辺も含めまして、これは、北海道、他の株主ともしっかり議論をしていかなければならないというふうに、至急、考えなければならないというふうに考えているところでございます。

 今のところ、札幌が追加して何かをしようというふうなことは考えておりません。

 公契約条例について(1)

北海道新聞

 あしたから定例市議会が始まります。いろいろ課題はあるのだと思いますけれども、特に公契約条例ですね。自民、公明を筆頭にして、相当、ちょっとこれでは通さないみたいな話も聞こえてきますが、市長はどうやって議会の理解を得ていくのか、ひとつお考えをあらためて伺わせてください。

市長

 基本的には、利害関係者であります建設業界、あるいは業務の請負をされております警備とかビルメンテナンスだとかそういう業者の皆さま方に、この条例が目指すところと、この条例が、どういう趣旨で、具体的にこれこれが制定されますとどういうふうになるのかということを、より引き付けてといいますか、具体的にご説明をさせていただくということでご理解をいただくしか方法はないだろうというふうに思います。

 条例の条文案がようやく出来上がりましたので、これをしっかり説明させていただくということに最大の力を注いでいきたい、そして、ご理解を得た上で可決、成立させていく下地に至ることを努力していきたいというふうに考えております。

北海道新聞

 議会での議論次第では、条文の中身をちょっと修正したりとか、そういうこともあるのでしょうか。

市長

 そういう要素はないのではないかというふうに思いますが。

 というのは、これは、公契約条例のどこかをいじってというふうな内容ではなく、今、少し考えてほしいとか言われていることの本質は、そういう問題ではなくて、前回の議会でも少し議論がありましたけれども、もう少し本質的なところでの議論だというふうに思いますので、ほかの先行する四つの市の条例の実施状況はどういうふうになっているのかということをもっと具体的にお知らせすることで、そんなにおかしなものではないということ、それから、私たちのまちで行うことができる経済対策として、これが非常に優れたものであるということをご理解いただくことに努めていきたいと、こんなふうに思っております。

 公契約条例について(2)

北海道新聞

 今の関連なのですけれども、決定的に対立している部分というのは、事業者側というか、経営者側が、自分たちは低い価格で契約しているものから賃金を払ってしまったら、もう経営が成り行かないみたいなことが一番大きいと思うのですけれども、経営者側にこの条例によってメリットになる部分とか、そういう部分というのはどういうことがあると市長はお考えですか。

市長

 経営者は、もちろんいい労働力を確保することができるということ、そして、技術を伝承するということですね。長期的に見まして、今のままで行きますとすり減っていくわけですね、労働者が。労働者が先細りになっていくということは、自分たちの経営が危うくなっていくということであり、それは、翻って考えてみると、まちづくりにこれまで貢献をしてこられた企業が、どんどんどんどん技術力が足りなくなってくる、そういうものが消耗していくということをどこかで止めなければならないのだというふうな気持ちを持ってもらうということが非常に大事だというふうに思いますし、末端でと言ったらおかしいですが、本当に、実際に働いておられる方々にそこそこの賃金が行き渡るということによって、その企業を取り巻くさまざまな経済環境というものが、地域経済を循環させるということに資することによって、企業の力も大きく前進することになるだろうと。

 そんなことで、個々の契約でどれだけ得をするかというふうなことよりは、今の社会全体が、減速、そして負のスパイラルに落ち込んでいくという状況をどこかで止めなければならないということに、私は、多くのご理解を共有することができるのではないか、そんなふうに思っているところであります。

 さっぽろ雪まつりにおける雪像倒壊事故について(2)

北海道新聞

 雪まつりの関係で2点お伺いしたいのですけれども、雪ミク雪像の倒壊ですけれども、毎回、暖気が入る雪まつり期間、毎年、暖気が数日入る中で、倒壊という事故はなく、今回、倒壊したというのは、暖気以外の何らかの要因もあるのかなというふうに考えるのですが、市長はそこら辺をどういうふうにお考えでしょうか。

市長

 今までは大丈夫だったとはいうものの、それは、たまたま大丈夫だったということで、途中で暖気が続きまして壊すということもなかったわけではありません。ただ、今回は、そばを歩いておられた方にぶつかってしまったということが、大変申し訳なかったことだというふうに思います。

 近年、特にアニメのキャラクターがたくさん作られるという状況がございまして、アニメというのは、大体、顔が大きくて胴体が小さいというのが、かわいらしくするのにはどうしてもそういうふうにしなければならないということがありまして、作る方々も大変ご苦労をされながら、一生懸命、バランスを考えてやっておられるのでしょうが、それに耐えられない暖気が来たときにどうするかということについては、もう一度、私たちと制作者との間でいい方法を、例えば、壁にちゃんとくっつけて独立性をなくするというようなことによって支えをしっかりしなければいけないとか、そこら辺のルール作りといいますか、そういったものをやっていくしかないのかなと。

 今回は、初音ミクという大変人気のある世界的なスターの雪像がこういう形で壊れてしまったというのは本当に残念でありますし、また、遠くから観光でおいでになった方にぶつかってしまったことによってけがを負わせたということは本当に申し訳ないことだと、こんなふうに思っているところでございます。

 さっぽろ雪まつりの来場者数について(2)

北海道新聞

 もう1点なのですけれども、今、来場者が減っていく中で、休日が1日少なかったというお話がありましたけれども、今後、安全性と矛盾するかもしれないのですが、日程を可変化するというか、必ず月曜日に始まって日曜日に終わるというものではなくて、土曜日からということは考えられないのでしょうか。

市長

 そうですね。これはとてもいいご意見だというふうに思いますので、さまざまな行事との兼ね合いでこれはやっているというふうに思うのですけれども、例えば、旧正月に合わせるというふうになると、旧正月というのはかなり動いてしまうものですから、これにはなかなか付き合えないのかもわかりませんけれども、土曜日から始まってというようなアイデアはとても貴重なご意見かなというふうに、今はそう思います。ありがとうございます。

 地方交付税減額の動きについて

時事通信

 政府が国家公務員給与の削減に合わせて地方公務員給与の削減を求めて地方交付税の減額という方針を固めたということなのですが、これについてどうお考えですか。

市長

 国家公務員の給与を、3年間というふうな時限的に復興財源に充てるのだというふうなお話でございました。地方公務員は、それは直接には関係ないというふうに、国のほうで当初は述べておられたというふうに記憶をしております。現在、それが交付税で絞りを掛けるのだというふうに言われるのであれば、これは、もう少し国と地方の協議がしっかりされなければいけないことだろう、こんなふうに思います。

時事通信

 交付税を減額するという形で地方にものすごく負担を押し付けるとか、まさに協議が必要だということなのですけれども、こういう押し付けというふうな認識はお持ちですか。

市長

 とんでもない話だと思いますよ、もちろん。

時事通信

 交付税を削るというところがとんでもない話だと。

市長

 はい。これは、地方固有の財源でありますので、それを簡単にころころと方針を変えられたら困るというふうに思います。

 さっぽろ雪まつりの来場者数について(3)

STV

 雪まつりの関係ですけれども、お客さんがちょっと減ったというお話がさっきから出ていますけれども、観光客もそうなのですけれども、やっぱり、市民の方にも来ていただく祭りというのも重要だと思うのですけれども、つどーむ会場とか大通会場でもいろいろ試みをやられているのですけれども、より市民に来てもらえる雪まつりというのはどのようにしていったらいいかという市長のお考えをちょっとお願いします。

市長

 ありがとうございました。

 これは、課題としてずっと考えているところでありますが、やはり、雪まつりというのは、大通、つどーむ、すすきの、ここでやっているのが雪まつりだという発想を変えていくことがとても大事なことだというふうに思います。札幌は雪によって栄えるまちなのだという考え方を、今、市民みんなで持つことが大切だというふうに考えます。

 したがいまして、例えば、大倉山との関係でもそうですし、藻岩山との関係でもそうです。雪があることによって美しくなれる、そして、われわれがその雪の恩恵の下にこの札幌で素晴らしい自然を味わうことができるのだということを、本当にもっともっとみんなで確認し合うといいますか、そういうことが雪まつりの意味をより多く、より意義深くすることができるだろうと。そのことによって、来場者という形では、あれだけ混んでおりますので、あれ以上にもっとおいでと言われて、電車の中をいつも歩いているみたいな、満員電車がずっと続いているような状況は、なかなか、これ以上は難しいかというふうに思いますけれども、ああいう形のカウントではなくて、札幌じゅう、いろいろなことをみんなでやり始めるというふうな躍動感のある、まち自体に躍動感を与えるような祭りになれば、私は、来場者が200万人だろうが、250万人であろうが、ここでカウントできる人が幾らであるかにかかわらず、もっと素晴らしい雪まつりになるのではないか、そんなふうに夢を見ているところであります。

 泊発電所の原発事故を想定した防災訓練について

HBC

 きょう、泊原発のほうで道と周辺の自治体で原子力防災訓練を行っているのですが、これについて、訓練の連携等について市長のお考えがもしあれば教えていただけますでしょうか。

市長

 全国で一番最初に、住民が入った原子力発電所の事故を想定した避難訓練が行われたのが泊原子力発電所であります。そういう意味で、大変意義深い、これまでは頭の中だけの避難訓練といいますか、図上訓練であったわけでありますが、そうではなく、実際に雪がある季節にどういう避難の経路をたどったらいいのかというふうなことで、非常に意義深い訓練だというふうに思います。

 ただ、それがどの程度のものを想定しているかということについては、つまびらかではありません。私どもは、本当に大事なのは、SPEEDI(スピーディ:緊急時迅速放射能影響予測ネットワークシステム)を使うとか、いろいろなシミュレーションをする、風の吹き方、季節によって拡散の仕方が違うといったことが、これが本当に地域住民の方々の頭にしっかり入っている、そういう状況をつくっていかなければ、私は本当の訓練にはならないだろうというふうに思います。誘導する方の訓練ではあるけれども、本当に自分の命を守らなければならない、自分の子どもたちが放射性物質で内部被ばくをしないようにするためにはどうしたらいいのかというようなことを想定して行動するという状況になった時に、何の情報もないといいますか、そういうことになるのを、非常に私としては危惧するものであります。

 そういう意味で、今、北海道が原子力防災についての新しい防災計画を作るというふうにおっしゃっておりますが、これは、30キロとかUPZ(緊急防護措置区域)とかというふうなことでは全く収まらないものであるということを今回の福島第一原発の事故によっても明らかになりましたし、もっと古く言えば、チェルノブイリの時に既に明らかになっていることでありますので、当然、もっと広く、具体的に何をするのか、そして、大都市として私ども札幌が避難をされた皆さん方をどうバックアップをするのかというようなことも含めて、真剣な議論をする契機にしていきたい、こんなふうに思います。

(以上)

 

 

 この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。(作成:札幌市広報課報道係)

 

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