ここから本文です。

更新日:2011年9月12日

平成23年度第7回定例市長記者会見記録

日時

2011年8月30日(火曜日)14時00分~

場所 記者会見室
記者数 18人

市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

配布資料

発表内容

 「大通公園100周年記念ウイーク」の開催について

 市民に親しまれてきた大通公園でありますが、公園として整備をされてことしが100周年を迎えるという記念すべき年だということもございまして、この100周年を市民の皆さんとともにお祝いするために、9月12日から19日までの8日間を「大通公園100周年記念ウイーク」というふうにさせていただきました。さまざまなイベントを開催するということで、お知らせをさせていただきたいというふうに思っております。

 この取り組みは、市民1人1人が大通公園の歴史を振り返り、公園に対する愛着だとか誇りといったものを高めていくということによりまして、その魅力を積極的に内外に発信していく、こういうことでありまして、シティプロモートを札幌市では今、一生懸命取り組んでおりますけれども、その一環としてこの事業をやっていきたいというふうに考えております。

 12日のシンポジウムを皮切りにいたしまして、13日には公園近隣の小学校、あるいは企業が中心になりまして、園内の清掃を実施するということがございます。それから、13日からの3日間は、大通公園の西2丁目で100歳のバースデーパーティーを開催しようということでございます。そして、15日でありますけれども、夜に、ろうそくに見立てましたテレビ塔のイルミネーションをみんなで一斉に吹き消すということもセレモニーとしてやって、みんなで大騒ぎしよう、こういうことでございます。

 これまで大通公園は、時代の移り変わりによりまして、さまざまな役割を果たしてきたというふうに思います。現在、イベントの開催などによりまして、公園の使い方というものが非常に多様化いたしておりまして、さらには、公園周辺の街路に面して大きなマンションが建つというようなこともございます。そういう意味でも、大通公園を取り巻く環境というのも次第に変わりつつあるということがございます。

 そういったことも踏まえまして、今後100年、市民にもっと愛され、そして、札幌市民にとっては本当にこの大通公園というのは誇りというふうに言っていいと思うのですね。「札幌って何」と言ったときに、「大通公園に行けばみんな分かるよ」というふうに皆さんもおっしゃっているというふうに思いますし、テレビを見ても、いつも全国に発信していただけるのは大通公園の光景ではないかなというふうに思います。

 そんな意味で、私たちにとって先人に残していただいた本当に大きな財産としての大通公園のありがたさというもの、そして、それをわれわれが今も誇りに思って有効に活用させていただいている、その大通公園を今後どういうふうに活用するのがいいのかというようなことを、これを機にいたしまして市民の皆さん方と一緒に考えて、次の時代にしっかりと引き継いでいきたい、こんなふうに思っているところであります。

 広報さっぽろ9月号では、大通公園100周年ということを特集として組みまして、大通公園についてのいろいろな思いを市民の皆さま方に持っていただきたいというふうに考えておりますし、そこにもご案内いたしますけれども、大通公園についての思い出だとか感想、あるいは提言、提案というようなことも含めて市民の皆さん方から募集をさせていただきたいというふうに考えております。これを参考にさせていただきながら、まだ正確には決まっておりませんけれども、札幌市の中に大通公園活用のための検討会議のようなものをつくりまして、参考にさせていただきたい、こんなふうに思っているところであります。

 報道機関の皆さん方には、これらの取り組みの周知をお願いいたしまして、1人でも多くの市民から声をお寄せいただけるようにお願い申し上げたい、こんなふうに思っております。

 「さっぽろオータムフェスト2011」の開催について

 9月16日から10月2日までの17日間、「さっぽろオータムフェスト2011」が大通公園で開催されます。

 「北海道・札幌の食」というものをテーマにいたしまして、このお祭りでありますけれども、ことしで4回目を迎えるものでございます。祭り本体の魅力アップはもちろんのこと、他のイベントや地域との広がりを持った連携といったことにも力を入れているところであります。

 ことしは、日独交流150周年という年になりまして、昨年に引き続きでございますけれども、西4丁目会場に本場ドイツのビールや料理を楽しめるブース、「さっぽろPROST!(プロースト)」というふうに言っておりますけれども、そういうコーナーを設置いたしまして、昨年同様、盛り上げていきたい、こんなふうに考えております。

 また、この会場のほかに、札幌駅前通地下歩行空間にたくさん大型のビジョンがございますので、そこでもミュンヘン市のビール祭りであります「オクトーバーフェスト」を紹介する、そんな試みをしたいというふうに考えておりまして、日本とドイツの150年のお付き合い、そして、来年は札幌とミュンヘンが姉妹都市になりまして40周年という年でもございますので、そういったことを含めて、このビジョン等をたくさんの方が見ていただけるような仕組みをつくっていきたい、こんなふうに思っているところであります。

 また、期間中は、市内の大通公園ばかりではなくて、回遊だとか、札幌に滞在をしていただくためのといいますか、これを促進するための取り組みといたしまして、昨年は円山地区とすすきの地区にあります飲食店との連携を図ったところでありますけれども、ことしはそれに創成川東地区も加えて、サッポロファクトリーで道内各地の地ビールが味わえるイベントが開催されます。

 このイベントでは、「さっぽろまちづくりパートナー協定」を締結しておりますサッポロビール株式会社、それから、日本ハム北海道販売株式会社、そして札幌市、頭文字を取りまして「SNS」というふうに言っておりますけれども、この3者で開発いたしました限定ビール、そして、限定の白ソーセージ、白ソーセージは、ご承知の方も多いかと思いますけれども、ミュンヘンの名物でございまして、ミュンヘンでビールを飲まれる方は、この白ソーセージをあてにいたしまして、豪快にビールを飲むというのがドイツの文化、ミュンヘンの文化でございます。それを道内の原料を用いた白ソーセージを作って、そして、みんなで楽しもうということでございます。9月5日に、これもちょっと詳細が決まっていないのですけれども、試飲会を開催するというふうにしておりまして、この限定白ソーセージの名前だとか、限定ビールの名前だとか、そういったものも発表されますので、ぜひご注目をいただきたい、こんなふうに思います。

 また、創成川公園の狸二条広場でございますけれども、ここでは、音楽と秋の食を楽しむ「創成川公園秋まつり」を開催することにしております。

 オータムフェストは、おかげさまで、来場者が毎年100万人を超えるという大変大きなイベントになりました。多くの道民の皆さん方、市民の皆さん方に本当に愛されるお祭りに育ってきておりますので、これを契機にいたしまして、東日本大震災の影響で落ち込んでいる観光、あるいは経済の回復への起爆剤というふうになるように期待をしていきたい、こんなふうに思っております。

 また、今後、札幌市では、大通公園や創成川公園をはじめ、市内各所に作品を設置いたします安田侃さんの野外彫刻展、これが9月3日から始まります。既に大通公園にも設置されておりますので、皆さんもご覧になったかというふうに思いますが、創成川公園に新しく設置されたもの、札幌駅あるいはKitara、知事公館等々にある既存のものを含めまして、全部で29の安田侃さんの野外彫刻物、これが札幌の背景の中にしっかりと設置されまして、これを楽しむという、安田侃さんもローマではそういうことをやっていたことがあるというふうにお聞きしておりますけれども、まちが彫刻によって楽しめるというものでもございますので、ぜひお楽しみいただきたいというふうに思いますし、そのほかにも、引き続いて「SAPPOROショートフェスト2011(第6回札幌国際短編映画祭)」が始まります。あるいは「さっぽろアートステージ2011」が始まります。そういうようなことで、芸術文化のイベントが目白押しということになります。市民や観光客の皆さん方には、食と芸術の秋を大いに満喫し、北海道・札幌を元気にしていただきたい、こんなふうに考えておりますので、報道機関の皆さん方には、ぜひご覧いただき、市民とともに札幌を盛り上げていっていただければ大変ありがたい、こんなふうに考えているところでございます。

質疑応答

 民主党代表選に対する感想と新内閣総理大臣への期待について

読売新聞

 では、こちらからまず2点お伺いします。

 1点目は、民主党の新代表のことです。

 昨日の代表選で野田佳彦さんが選出されまして、本日、まだやっているのか分かりませんけれども、間もなく新総理が誕生します。

 この民主党代表選をめぐる一連のことと、新総理に望むことを市長からお願いします。

市長

 一連の、菅さんがお辞めになるというふうに発言されてから3カ月という時間、というよりは、この2年間の間に政権交代、どこが悪いというわけではないといいますか、日本の政治の未成熟さというところが非常によく象徴的に現れた時代の転換期として見なければいけないのかな、そんなふうに思っております。さまざまな不手際があったり、予定と違ったり、想定外のことがあったり、いろいろなことがあったというふうに思いますけれども、やはり、どうしても政治闘争になってしまうということが非常に悲しいというふうに思います。権力闘争は権力闘争でいいのですけれども、それは国民の生活をどうするのかということについて、それがまず第一にないと、内閣を倒そうというレベルでの足の引っ張り合いだったりするというふうなことは、国民にとっては大変迷惑なことではないかな、そんなふうな感想を持っております。

 そういう意味で、新しい総理が誕生される、落ち着いた政治を目指したいというふうに記者会見等で述べておられる姿を見まして、大いに、そういう意味では落ち着いた議論を…。お金のないことはみんな分かっています。ですから、落ち着いた政治を、今、何をしなければならないか、それをするためにはどういうことが選択としてあり得るのかということを、本当に国会が熟議の場として論点を明らかにしていただきたい。そして、国民が選択できる、判断する材料をしっかり与えていただきたい、それが、私のこの間の感想と、これからの新しい政治に期待するものということでございます。

読売新聞

 時事通信の速報によると、首班指名は終わって、めでたく新総理が誕生しております。

市長

 そうですか。

読売新聞

 野田さんとは、市長はご面識はあるのでしょうか。

市長

 一番最初の選挙の時に応援していただいた記憶がございます。

読売新聞

 では、なかなか人物評というのも難しいと思いますが、これまでの野田さんの活動とか、今回の記者会見等で述べられた政策を聞いて、どう評価されていますか。

市長

 まだよく分かりませんけれども、非常に実務家タイプというふうな印象がございます。ですから、できることとできないことをはっきり述べられる方ではないかなというふうに思います。

 今、増税論ということで大きな国民的関心があるわけでありますが、私は、国民に日本の現状をしっかり説明し、そして、今何が必要なのか、増税も含めて、それが本当に必要なことなのかどうなのかということも含めてしっかり説明ができる政治家でなければ、また信頼を寄せられなくなってしまうのではないかというふうに思いますので、ぜひ、正直に国民に語り掛けていただきたいというふうに思っているところでございます。

 北海道電力のプルサーマル計画について(1)

読売新聞

 では、次の2点目の質問に移らせていただきます。

 北海道電力のプルサーマル計画の関係です。

 報道等でご存じかと思いますが、道主催のシンポジウムをめぐって、推進意見を社員に述べるようにメールで指示していたという問題が明らかになりました。また、この問題を受けて、プルサーマルの実施を当面見送るということになっていますが、このメール問題、それから、計画の凍結というか、延期について、市長はいろいろお考えがあると思うのですけれども、所感をお願いいたします。

市長

 九州電力に引き続いて明らかになったということでありまして、当事者が議論を引っ張るのは公聴会の趣旨ではないというふうに思いますので、それはとんでもないということは当然のことだというふうに思います。どうしてそんなことをするのでしょうね。それは、いろいろな電力会社の体質だというふうな評論も聞きますけれども、そんなもんだというふうに諦めずに、おかしいことはおかしいというふうにしっかりみんなが認識を持つ必要があるのではないでしょうか。

 プルサーマルの時だけ突然出てきたのかどうなのか分かりませんけれども、第三者委員会でしっかり議論されるということのようでありますが、これは、情報の出し方についてもさまざまな議論をしていただきたいというふうに思っております。指摘をされて、ああ、そうかと、調査しますというのではなくて、九電でああいうことが起こったら、当然、自分のところでもなかったかということは調べなければならないことではないかなというふうに思いますが、暴露されるまで黙っておられるというのもいかがなものかなというふうに思います。やはり、情報はもっとしっかりご提出いただきたい、そんなふうに思います。

読売新聞

 あらためて、北電、道に求めること、それから、市長として何かアクションを起こす予定はございますか。

市長

 この間、申し上げてきていることは、原発問題につきまして、札幌市は、いわゆるEPZ(Emergency Planning Zone)との関係で情報を提供する対象ではないというふうにお考えのようであります。それは、福島第一原子力発電所の事故の範囲、影響、深刻さというふうなことから考えて、決してEPZの関連市町村に限らず、ほぼ全道民が本当に心配し、不安に思っているわけでありますので、何が問題で、何が指摘をされ、そして、それに対してどう答えておられるのかということは全面的に市民、道民に丁寧な説明をする、そういう責務が事業者にはあるのではないかというふうに思います。

 そういう意味で、われわれが省エネをやろうとしても、省エネの目標をどこに置いたらいいのかさえもよく分からないということもございます。そういう情報も含めて、きちんと、どこをどうすればこれだけ省エネができるはずだと。電力事業者としては、「電気を使ってほしいから省エネのことは言わないよ」ではなくて、今必要とされているのは、電力不足というようなことがありますので、事業者こそ、その情報をしっかり提供していただくということも必要でありますし、少なくともわれわれが問い合わせをするということについてはしっかりお答えいただくというような関係を私どもは求めたいというふうに思います。私たちが消費者であり、消費者をやっぱり大事にする事業者でなければいけないというふうに思いますので、「エネルギーのことは俺に任せておけ、専門的なことだから」というふうなことで情報は控え目にお出しになるという状況は何としても改善していかなければならないだろうというふうに私は思っております。

読売新聞

 すみません。もう1点、問題となった3年前のシンポジウムは、札幌の会場でも中継されましたが、市長はあのシンポジウムをご覧になっていますか。

市長

 見ておりません。報道だけです。

読売新聞

 分かりました。

 北海道電力のプルサーマル計画と泊発電所の再稼働について

北海道新聞

 ちょっと質問がかぶるかもしれませんけれども、市長として、プルサーマル計画そのものと、あとは、1号機、2号機の再稼働、これについて札幌市として何かアクションを起こすとか、それと、市長みずからのお考えをお願いします。

市長

 プルサーマルについては、どういうふうに答えたらいいのですか。ご質問は。

北海道新聞

 現時点で、市長、プルサーマル計画を進めるべきかどうかを含めて。今は凍結ということになっていますけれども。

市長

 これは、6月30日に北電にも申し入れをさせていただいておりますけれども、プルサーマル計画については凍結をしていただきたいということは今でも意見は変わりません。それは、福島第一原発の3号機がMOX燃料で運転をされていたという経過がございます。その事故の影響がどんなものなのかということも分からなければ、あるいは、MOX燃料の廃棄物、使用済み燃料がどんな状況に今はあるのかということについても全く分からない。そういう状況の中で、分からないことばかりの中で、これをエネルギー源として用いるという勇気は、私は北海道民にはないのではないかというふうに思っておりますので、これも、やらせメールがあるから当面止めるという問題ではなくて、しっかり凍結をしていただきたい、そんなふうに思っております。

 それから、1号機、2号機の問題でありますが、これも(8月)26日に2号機が検査に入りましたし、1号機もそういう状況にあるわけであります。3号機の場合は、再稼働かどうなのかという概念論争で話がするっと行ってしまいましたけれども、本当にやらなければならない、今の時点でもやらなければならないと言われている津波対策等々ですね、こういったことについて、そのうち2年、3年かけて対策をやりますからということで本当にみんなが安心できるのかという問題もあります。ぜひ、今度はまさに再稼働の問題になるわけでありますので、さまざまな国の条件、そして、それを市民が納得できるかどうかというふうなことをしっかりと議論させていただきたいというふうに思います。

 特にEPZ等については、その概念は既に崩壊しているはずだと、合理性のない範囲設定というふうに考えますので、事あれば、札幌市民に大きな損害、被害を与える可能性のある施設について、それを稼働させるかどうかということについてはしっかりと意見を述べさせていただけるようにしていきたい、こんなふうに思っております。

 「札幌市地域防災計画」の見直しについて(1)

STV

 原発の関連で、プルサーマルに直接関連ではないのですが、今、市長がおっしゃいましたEPZは、今は10キロ圏内ということで限られていますけれども、原発の再稼働の論議と比べて防災計画の見直しというのが非常に国のほうでも動きが遅いというふうに感じられるのですが、その辺の受け止めがまず1点と、札幌市のほうでは、先月、独自に原子力の防災を検討するということを始めましたけれども、その参考になりますのが福島市ですね。大体60キロ離れていると。私も福島市に行きましたけれども、いわゆる線量の高いところは、結構、ホットスポットと呼ばれておりまして、公園が立ち入り禁止になって、除染の対象になっていたり、街じゅうの放射能を除染しなければいけないという大変な状況になっています。これが30万人クラスの都市ということですが、札幌市ですと200万人近くの都市で同じような状況になった場合、非常に大きな影響が考えられます。

 札幌市が検討を始めた防災計画というのは、これを独自に進めることの必要性はさらに高まってくると思うのですけれども、その辺の市長のお考えを伺えればと思います。

市長

 おっしゃっているとおりでありまして、もう距離では測れないという状況にあるわけであります。独自に防災計画を立てるということが最終的にどういう形になるかということについては、これは国あるいは北海道の地域防災計画との整合性というものがありますので、それはきちんとしなければいけない。いざというときに、どういう命令系統で、どういうことを早急にやらなければならないか、今後は、ばらばらになっていますと市民のためになりませんので、ここの指揮命令系統というふうなところは最終的な調整をしていかなければいけない、整合性を保つためにやらなければいけませんが、それ以外にも、個々の市民の被災の際に何をどのようにしたらいいのかということについては、独自にしっかりとした議論をしていく必要性があるということで、今、取り組みを始めたということであります。

STV

 その国の動き、EPZの見直しは、そう簡単に見直すということはできないと思うのですけれども、自治体のほうがそれを先にやらなければならないような事態に追い込まれていますけれども、その辺の国の動きを含めて、あらためて。

市長

 これは、やっぱり地方が発言するしかないと思うのですね。国は、リアリティーがないというふうに思いますので、当然、要するに、想定していた事故が10キロ圏内で収まるような事故しか想定していないという意味合いで考えますと、その前提が崩れているわけでありますので、崩れて一番困るのは、地域、地方であります。そういう地域の市民、住民を守る、そういう責任のある自治体からしっかりとした発言をしていくということがわれわれのやらなければならない宿題だというふうに思っております。

 「札幌市地域防災計画」の見直しについて(2)

NHK

 今の問題に関連して、その防災計画の策定に当たっては、どういったことが具体的には課題になってくるのかというのが1点と、あと、国や道に対して、動きが遅いという話がありましたけれども、どのように改善を求めていくというか、働き掛けをしていくのかという点についてお願いできますでしょうか。

市長

 一番大きな課題は、電力事業者からいかに正確な情報を提供していただけるかという、そこのパイプが今、詰まっているのですよね。ですから、本当に必要な対策は何なのかということを、われわれが共通の認識を持つための情報の公開といいますか、提供といったことが積極的に行われるという、そういう関係構築が絶対に必要だというふうに思います。危険なものは、多くの方々の目にさらし、多くの方々の知恵を結集することによって危険発生の防止をしていくと。ですから、事業者の皆さん方は、自分たちで責任を持って、ものすごい責任感を持って頑張っていると思うんですよ。でも、彼らだけにお任せはしない、みんなでやるんだという、そういう気持ちになってもらうという、そういう精神文化を、あるいは危機管理の文化というものをわれわれはつくっていかなければだめだというふうに私は強く思いますので、これは防災計画を作る本当に前提の問題だというふうに思います。危険を発生させる可能性がある事業者と、それが起きたときに被害を被る当事者がしっかり同じ舞台で、同じ情報の中で、どうやったらいいのかということについて議論できる舞台をつくっていくということ。それが、防災計画を作るという場面でもそうだと思いますし、省エネの問題であったり、代替エネルギーの問題であったりという場面でも同じ問題だというふうに私は思いますので、ぜひ、そういう議論の場面に乗る状況をつくるということが今の最大の課題だというふうに思います。

NHK

 防災計画の策定に当たって、国や道との調整が必要であるということなのですが、もっと早期にそういった調整をしていただけないかというような国や道への働き掛けなり呼び掛けなりというのはどのように考えていらっしゃいますか。

市長

 これも、何でも計画というのはそうだと思うのですけれども、文章的に計画を作るのはそんなに難しいことではないと思うのですよ。しかし、本当に身に染みた議論ができるかどうかというところのほうが大事でありまして、急いで急いでやるというよりも、本当に大事なことに国を挙げて議論をするという、そのことのほうが私は今は大事だと思いますので、前提なしに、先ほど申し上げたような課題を解決する過程そのものが防災計画の非常に肝要な内容になっているのだろうと、そんなふうに思います。

 もちろん、早くやるようにというふうに申し上げなければなりませんけれども。

 市立中学校の男子生徒の死亡事故について

北海道新聞

 けさなのですけれども、前田北中の男子生徒が学校近くのマンションから飛び降りて亡くなったというような事故がありました。市長のもとに、いじめがあったのかどうかとか、原因等で何か入っていることがありましたら教えていただきたいのと、もう1点、確か昨年ですか、伏見中学の女子生徒が自殺してからまだ1年もたっていない中でまた子どもの命が失われたということについて、市長はどのように感じていらっしゃるのかという2点をお願いします。

市長

 けさ、11時半くらいでしたでしょうか、そういう痛ましい事件が起きたという報告を教育委員会から受けました。大変残念なことでありまして、心からご冥福をお祈りしたいというふうに思いますけれども、自殺という手段を取るに至るまでにはいろいろな理由があったというふうに思いますけれども、その内容等については、まだまだ分からないという状況であります。

 きょう、教育委員会等が午後5時ぐらいからいったんのご説明をさせていただく予定にさせていただいているようでありますので、ぜひそちらでお話を、1回の説明ではとても終わらないと思いますけれども、真剣に議論させていただくということでありますので、お聞き取りいただきたいと思います。

 昨年の伏見中学の事件についての調査、それから1年もたたないうちにこういう形で若い命が失われていくということには、本当に大人社会、あるいは子どもの社会、どういうふうに考えていったらいいのかということについて、いろいろな問題提起をする部分があろうかというふうに思います。正確な情報を収集し、そして、われわれに足らざるものがあるということであれば、当然、それに対する対策を取っていきたい、そんなふうに思います。

 サッポロさとらんど内における遺跡公園の整備について

毎日新聞

 アイヌ政策に関連して質問があるのですけれども、さとらんどの市民農園の下に縄文遺跡があるということで、市長のマニフェストの中でも整備するというふうに書かれていますけれども、北大とかの研究者の間でも、北海道の縄文遺跡は先住民のアイヌ民族につながると、アイヌ民族の方々にとっては、自分たちの祖先の魂のある場所というふうに大事に思っていらっしゃるから、マニフェストに書かれていて素晴らしいなと思っていたのですが、担当課に話を聞きに行きますと、アイヌ民族に対する対応というよりは、ただ単に市民にとっての縄文遺跡で、特にアイヌの人たちに対して配慮とか、そういうことは考えていないということだったのですけれども、ずっとここの保存を働き掛けていたアイヌの方たちは、雇用だとか、生活格差の問題もあるので、ただ単に遺跡を大切にするというのではなくて、アイヌ施策に結び付ける形で対応してほしいというふうに市長にも訴えているし、市長は理解してくれているというふうに認識されているのに、担当課と、アイヌの方たちから聞く市長の考え方との乖離(かいり)がすごくあるなというふうに感じていまして、実際にどのようにされるつもりなのか、どのようにお考えなのか、教えていただきたいのですが。

市長

 考古学といいますか、さまざまな学説がありまして、そこはまだ決着がつかないというところがあるというふうに思います。ただ、互いに排除するという関係では多分ないのではないかなというふうに思います。アイヌの皆さん方だけの文化なのかと言えば、それはどうなのか、というぐらいの少し寛容な気持ちでいかないと、さまざまな施策というのは、学説の衝突の場になってしまうというふうに思います。古い時代からここに人が住み、そして、いろいろな文化的な営みが行われてきたという歴史をわれわれが検証しながら、それに敬意を払い、そして、私たちの文化のルーツといったものを見つめるという、その姿勢を私たちは学びの場として、そして、敬意の象徴としてそういうものを保存していきたいという考え方であります。

 具体的に、縄文、擦文、アイヌ文化という系列で見るのか等々については、これは争いのあるところでありますので、それと今やろうとしていることが完全に解決できるというものを目指そうとしているわけではないというふうに私は思っているところです。

毎日新聞

 では、アイヌ民族にとっての歴史を展示してもらうような場所なるということは考えられないということですか。

市長

 いえ、そういう検証できるものがあればもちろんいいのですけれども、ですから、いろいろな意見がある中で、そのもの自体をどういうふうに評価するかという問題なわけでしょう。そこから出てきている物は、当然、展示するということになるでしょうから、それを誰の物だというふうな議論は、それは出てくるのではないでしょうか。

毎日新聞

 現状では、アイヌ民族にとって、祖先の遺跡というような形で、アイヌ施策の一環として展示するという考えはないということですか。

市長

 ですから、それにはいろいろな議論があるのではないでしょうか。

毎日新聞

 議論があるのは分かるのですけれども、現状ではアイヌ民族の方たちの訴えに応えるような形にはなりそうにないということですか。

市長

 直ちに、今主張されていること全てをオーケーということではないというふうに思います。だって、それは、いろいろな観点があったと思いますから、それだけの事業をするということにはいろいろな要素があるわけでありますので、1つの考え方でできることでは…、昔のことでありますから、どういうふうに解釈をするかという問題でありますので、それは、いろいろな考え方があっていいのではないかというふうに思います。

毎日新聞

 いろいろな考え方があるのは分かったのですけれども…

市長

 だから、アイヌの皆さん方の考えを排除するわけではないと。

毎日新聞

 排除した形で…

市長

 いや、排除するわけではない。

毎日新聞

 分かります。排除しないという意味は、配慮するという意味なのでしょうか。

市長

 ニュアンスは、そういう、配慮というのはですね、その、どういうイメージでお聞きになっているのですか。

毎日新聞

 働き掛けをずっとされてきた方たちの気持ちは市長は分かっていらっしゃいますよね。

市長

 ですから、その議論は、誰がやったからということよりは、一生懸命になっていらっしゃる方々のお気持ちはもちろんありますけれども、その議論が通有性があるかどうか、全て自分たちの文化だというふうにおっしゃるのかどうなのか、そういう話になるのであれば、それはなかなか、勘弁してほしいという話になる可能性もまだあるというふうに思います。

毎日新聞

 全て自分たちのものだと言っているわけではないと思うのですけれども…

市長

 ですから、排除するわけではないと言っているわけですよ。

毎日新聞

 つまり、まだ具体的には何も決まっていないということでしょうか。

市長

 それは、最終的にはまだ決まっていないという、それが正解だというふうに思いますけれども。まだまだ議論しなければならないことがたくさんあると思います。

 藻岩山中腹施設へのアイヌ伝統工芸の工房設置について

毎日新聞

 同じくアイヌ関係でもう1つあるのですけれども、藻岩山の整備に関連しまして、ロープウエーの駅の所に、アイヌの伝統工芸師の方たちの、小さな、工房兼工芸品を売るようなスペースをつくってほしいという申し入れもあると思うのですが、それはどのようにされるおつもりでしょうか。

市長

 今、個人的な申し入れということになりますと、なかなか厳しいだろうというふうに思います。アイヌ協会の皆さん方としっかり議論させていただいて、伝統工芸というのは大事だと私は基本的に思っておりますので、しかるべき実現しやすい状況をつくっていきたいというふうに考えております。

毎日新聞

 個人的申し入れということなのですけれども、数人のグループが申し入れをされていると思うのですが、その人たちからすると、アイヌ協会へのある種の不信感があって、自分たちで何とか、みんなのためにという、もちろん個人的な欲望のためではありませんが、そういう活動をしている中で、市に申し入れをすると、担当課は、すぐに「アイヌ協会と相談してください」というふうに、主体的には対応してくれないというふうにおっしゃっているのですけれども、それはアイヌ民族の方たち同士で何とか合意してくださいということなのでしょうか、市としての考えは。

市長

 それは、私は直接、その不信感だとかそういうものについては、今ここであなたからお話を聞いてもそれは分かりませんので、それは申し上げられません。基本的には、アイヌ施策というふうに私どもの考え方でやる場合に、個人個人の、アイヌの方、誰々さんという話ではないわけですよ。公の施策ということになりますとですね。そういうことを申し上げているわけです。

 市民評価(事業仕分け)を受けての「ていねプール」の存廃について

北海道新聞

 ていねプールなのですけれども、ことしは、暑かったこともあって、相当にぎわっていて、ただ、昨年の事業仕分けで、報道のせいもあると思うのですけれども、ことしもフルに、ことしで終わりなのかとか、やっているのかとか、相当、市民から問い合わせがあったというふうに聞いています。存続の陳情も出ているように聞いていますけれども、現時点で市長は存廃についてはどのようにお考えか。少なくとも、来年はどうされますか。市民の関心は相当高いみたいなので、お考えがあったらお願いします。

市長

 いわゆる事業仕分けということで、そこで、非常に分かりやすいというか、広報といいますか、あるいは、そういう意味合いにおいて多くの市民の皆さん方が議論に参加をいただいたというふうに思います。

 そこの結果が廃止となれば確実に廃止になるかというと、そうではないというふうに、私は市民参加の方法の1つとして議論しましょうという理論立てでやってきたつもりなのでありますが、その後、さまざまな皆さん方からのご意見があるわけであります。そういう、ていねプールについては、改修をしなければならないというか、今の状況のままでいいのかという議論がたくさんされたというふうに思いますので、それを、今廃止をするのか、将来なのか、あるいは、違うものに変形していこうとしているのか、それはこれからの問題だというふうに考えますし、今の段階で来年はどうなるのかということについても、今すぐ「来年廃止という結論ですよ」というふうには申し上げられないというふうに思っております。

 温暖化の問題もありまして、だいぶ暑い夏でご利用いただく皆さん方も多かったように思いますので、そういう皆さん方のご要望も、当然、配慮しなければならないことだろうと、そういうふうに思います。

 警察庁のすすきの地区への防犯カメラの設置について

HTB

 すすきの地区に警察庁が新たに40台の防犯カメラを設置することが決まったということで、日弁連のほうでプライバシーの侵害になるのではないかという声もありまして、もっとやっぱり札幌市民の声に耳を傾けるべきなのではないかという、そういった意見もある中で、市長はどういったご意見をお持ちでしょうか。

市長

 警察の監視カメラばかりではなく、札幌市内には1,000台を超える監視カメラが設置されております。札幌市では、そういう状況の中で、平成20年にガイドラインを決めさせていただきました。当然のことながら、カメラの稼働の仕方、運用の仕方、その情報が個人情報をあまねく公開してしまうということにならないようにするという、設置目的に限定した使い方をするという内容のものであります。それから、保存期間というようなことも含めてガイドラインを定めさせていただきました。

 これは、警察目的ということに限定して使われるということであるというふうに思いますし、札幌市のガイドラインをしっかり守っていただきたいというふうに要望を申し上げなければならないな、こんなふうに思っております。

HTB

 日弁連のほうで、果たして40台設置したことで犯罪抑止につながるのかという、効果が疑われている部分があるじゃないですか。本当に40台の設置が必要なのかどうかという部分で、市長は40台設置する必要があるとお考えなのでしょうか。

市長

 あまりないと思いますけれど。と言ったらおかしいですけれども、では、100台にしましょうか、200台にしましょうかということになりますね。ですから、抑止になるかどうかというよりも、犯罪者を検挙していく手段としてはかなり有効なものになるのではないか、そんなふうに思います。

 抑止ということが大きな設置目標なのでしょうかね。あまり、ここにあるからやめておこうというふうに、映ってはまずいから犯罪をやめておきましょうというふうなことになるのか、そこはちょっと分かりません、私は。

HTB

 今後、あらためて警察庁のほうに説明を求めたりですとか、市民にアンケートを取るなどして市民の声を聞くですとか、そういった機会の場を市長のほうで予定していたりですとか、お考えというのはありますか。

市長

 今のところ、具体的な計画はございません。ガイドライン、こういうものを設置して、札幌市はこういうふうにしてやっておりますということは、一般論としては申し上げるチャンスもまたあろうかというふうに思いますので。

 北海道電力のプルサーマル計画について(2)

北方ジャーナル

 先ほどの加盟社の方とのやりとりの確認なのですけれども、プルサーマルについては、やらせのあるなしと関係なく、これまでどおり凍結を求めるということで。

市長

 はい、そうです。

 生活保護制度の改革について

北方ジャーナル

 ありがとうございます。

 あとは、指定都市市長会というのがあって、ちょっと古いのですけれども、昨年10月に生活保護の改革についての提案というのがありまして、通常であれば、今月、国と自治体との話し合いというか、取りまとめが終わる予定だったのですが、ちょっと延びています。今の段階で、提案の中で、いろいろあるのですけれども、例えば生活保護加入者が医療費を一部負担するようにしたほうがよいとか、あるいは、還付金が発生した場合は保護費から天引きしたほうがいいとかという提案がありますが、市町村同士の中でいろいろ濃淡はあると思うのですけれども、上田市長としては、その辺はどのくらい、そうすべきと思っているのかというのを聞きたいと思います。

市長

 これは、いわゆる生活保護受給率というものがございまして、大阪がナンバーワン、札幌がナンバーツー、京都がナンバースリーという順番、ずっとそういう順番でございます。人口1,000人に対して53、4人というのが大阪かなというふうに思いますが、札幌は35人ぐらいでしょうか。だいぶ増えてまいりました。そういう3市の市長がよく顔を合わせて、生活保護をどうしたらいいだろうかということをお話しいたします。もちろん、生活保護には、受けなければならないという、そういう方々の生活、例えば働く能力が既に喪失されているという高齢者だとか障がいのある方とかという、こういう方々に狭い気持ちになってもらうことはわれわれの本旨ではありません。ただ、働ける能力があるのに働かないという方々に対してどうしたらいいかということが非常に大きな問題なわけです。そこを工夫するためにさまざまな提案をさせていただいております。

 中には、医療費の使い過ぎということについて、全部が受給者だけの問題なのか、それとも、チェックの甘さが問題なのかと、いろいろな論点がありますけれども、生活保護費の半分が医療費でありますので、そこは、全て無料とすることによって少しロスが出てきている可能性があるとすれば、少し考えなければいけないかなという、方法はいろいろあるというふうに思いますけれども、有料化ということだけではなくて、どこかにメスを入れなければならないことは確かだろうと、こんなふうに思っております。

北方ジャーナル

 ということは、昨年10月の提案は必ずしもベストではないと。

市長

 ベストではないと思います。

 札幌市政記者クラブ非加盟社の市長記者会見参加について

北方ジャーナル

 きょう、この会見に、(札幌市政記者)クラブに加盟していないIWJというメディアが参加しています。これは、いわゆるジャーナリスト専業の方々ではなく、一般市民が仕事や学業の傍ら、取材活動をして、専ら、インターネットを通じて映像などを配信しています。そして、公的会見に参加して撮影するのはきょうが初めてなのですけれども、判断したのは札幌市政記者クラブなのですが、取材を受ける側の主張として、それをどう受け止めるかということを伺います。

市長

 私は、記者クラブ主催のこの会見というのは、市民の皆さん方にお話をしているというふうに考えておりますので、今のIWJ、特に抵抗はございません。

北方ジャーナル

 ありがとうございます。

 以上です。

(以上)

 

 この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。(作成:札幌市広報課報道係)

 

平成23年(2011年)度定例市長記者会見記録へ戻る

Adobe Acrobat Readerのダウンロードページへ

PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe Acrobat Readerが必要です。Adobe Acrobat Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先から無料ダウンロードしてください。

このページについてのお問い合わせ

札幌市総務局広報部広報課

〒060-8611 札幌市中央区北1条西2丁目 札幌市役所本庁舎11階

電話番号:011-211-2036

ファクス番号:011-218-5161