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更新日:2011年6月28日

平成23年度第3回定例市長記者会見記録

日時

2011年6月8日(水曜日)14時00分~

場所 記者会見室
記者数 16人

市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

配布資料

発表内容

 実は、きょう、私の3期目の正式なスタートということになります。選挙で頂戴いたしました53万票余りの票に込められました市民の皆さん方の期待や熱い思いといったものを実現するために、最大限、自分の持てる力を発揮していきたい、こんな決意を新たにしておりますので、記者クラブの皆さま方等は市民とのパイプ役でもあるというふうに思いますので、ぜひとも、ご批判を頂戴することもたくさんあるというふうに思いますけれども、今後の市政発展、市民参加、その前提になります情報共有ということが基本でございますので、お力添えを頂戴したいということをまず冒頭に申し上げておきたい、このように思います。よろしくお願い申し上げます。

中国からの帰国報告について

 過日、6月1日から4日にかけまして、中国出張をしてまいりましたので、その点についてのご報告をさせていただきたいと思います。

 これは、事前にもお話をしておりますけれども、観光客、特に中国からの観光客が激減していると。「3.11」以降、そういう状況にあるということを踏まえまして、観光産業あるいは文化、さまざまな場面で甚大な影響を受けているということについて、何とか札幌の安全性といったものをお伝えし、そして、札幌・北海道観光にぜひ中国の皆さん方がおいでいただけるように、我々のパイプを用いてお願いをしたり意見交換をしたりという目的で行ったところでございます。

 中国の杭州市、それから瀋陽市、これは友好都市になりまして31年目になりますが、それと大連市、この3市を訪問させていただきました。

 いずれのまちにおいても、私からは、東日本大震災後の温かいご支援あるいは励ましのお言葉を頂戴したことに対するお礼を申し上げますとともに、札幌の安全性といったことについてしっかりご説明をさせていただきました。風評被害による北海道・札幌への観光客の激減を何とか回復させるためにお力添えをいただきたい、こういうことを強くお願いしたところでございます。

 初日の杭州市におきましては、まず、大手の旅行業関係者ら40人ばかりの皆さん方がご参加をいただいた上で、観光セミナーというようなことになるわけでありますが、札幌市の放射能の状況、現況というものを、資料に基づきましてしっかりご説明をさせていただきました。その上で、市民生活には全く影響はなく、札幌市民は元気に活動をしているということをお伝えいたしまして、安心してどうぞ札幌においでいただきたいというふうなことをご説明させていただきました。

 さらに、観光PR用のDVDを放映しながら、札幌の四季の魅力、あるいは、さまざまな観光スポット、こういったものを放映しながらご紹介させていただいたということでございます。この様子は、たくさんのメディアの皆さん方もおいでになっておりまして、私は実際確認はしておりませんけれども、テレビ等で放映をされているということでございます。皆さん、熱心に耳を傾けていただきまして、十分にご理解いただけたものと、あるいは、杭州市民、これは800万人ほどの人口だというふうに聞いておりますけれども、これらの方々にご理解いただけたものというふうに期待をしているところであります。

 その後、邵 占維(しょう・せんい)杭州市長にお目にかかりまして、「旅行業者などを含め、多くの人たちに正しい情報を伝え、北海道・札幌への観光客数の向上に協力をしていく。安心してほしい」、こういう力強いお言葉を頂戴したところでございます。

 また、その際に、先に、観光庁の溝畑長官から、とてもいいチャンスなので、国からもメッセージを届けてほしいということで、親書を私に託されておりましたので、それもお渡しをしたところでございます。

 翌2日でございますが、友好都市でございます瀋陽市に参りました。ここでは、中国共産党瀋陽市委員会の曾 維(そ・い)書記にお目にかかり、また、副市長、それから、旅遊局長等々、観光関係の幹部等々と議論をさせていただいたところであります。最も実力者だと言われております書記の曾 維さん、この方は札幌にも昨年の10月においでになりまして親交を深めているところでありますが、「札幌市は家族のような関係だ。被害がなかったということを聞いて本当に安心をしている」という温かいお言葉を頂戴しましたと同時に、観光の回復、この協力にもご尽力いただけるということを快く引き受けていただいたところであります。

 私からは、瀋陽からの直行便が5月8日から10月まで休止するという発表がありまして、現に直行便が休止をしているところでありますが、これの再開へ向けてご協力いただきたいということをお願いいたしましたところ、それに力を尽くしていきたい、こんなお約束も頂戴したところであります。

 また、市の観光担当ですね、旅遊局長あるいは副市長さんも同席をされてのお話でありますが、旅遊局というのは、中国の場合は観光事業者の総元締めみたいなところでありますので、そういう役所のトップの方と旅行業界のトップの方々との意見交換会もさせていただきました。友好都市として、札幌市とともに全力で対応していきたい、両市が連携を密にして、両市の観光のさらなる発展がある、ウィン・ウィンの関係があるということをしっかり述べていただいたところでございます。より一層の交流を期待しているというふうなことでございます。

 3日目でありますが、新千歳空港と定期便が就航しております大連市を訪問させていただきまして、李 万才(り・まんさい)市長とお会いをしたわけでありますが、李 万才さんとは初めてお会いするわけでありますが、非常に気さくにお話をさせていただきました。「大連と札幌は最も近く、友情も深い。古くからの仲間だと思っている」と言っていただいた上で、札幌の安全性について正しい知識を持ってもらうために、市が率先して観光訪問団を派遣するということも考えているというようなことをおっしゃっていただきました。

 また、日程の調整がつけば、李市長ご自身も、ことしの下半期には札幌を訪問したいというようなこともお約束をいただいたところでございます。

 さらに、中国共産党大連市委員会の最高実力者でございますが、夏 徳仁(か・とくじん)書記ともお目にかかりまして、可能な時期に札幌を訪問したいとの意向を示していただいた上で、「このような困難な状況であるからこそ、交流、そして協力を一層促進したい」という大変ありがたいお言葉を頂戴したところでございます。

なお、大連で李市長、夏書記とお会いした様子は、現地でテレビ放映されたとのことでございます。

 これらのまちにおきまして、非常に友好的、協力的に受け止めていただきまして、ひとまず安心をしているところでもございますが、今後さまざまな形で情報提供あるいはPR活動といったものを展開いたしまして、観光業の回復はもとより、あらゆる生活の場面で人の行き来が盛んになるということが非常に大事なことであり、あるいは、ビジネスチャンスといったものもそこから生まれてくるだろう、こんなふうに考えておりますので、観光という切り口はもとより、多くの方々が行き来ができるそういう環境を我々はつくっていかなければならない、あらためて決意をしながら戻ってきたところでございます。

「札幌市まちづくり戦略ビジョン」の策定について

 札幌市では、現行の基本構想と長期総合計画を抜本的に見直しをいたしまして、市民の皆さんと共有できる新たなまちづくりの基本的な指針といたしまして、「札幌市まちづくり戦略ビジョン」というものを策定することにいたしております。

 この戦略ビジョンの策定に当たっては、一人でも多くの市民の皆さん方にその策定プロセスに関わっていただくということを目標にしておりまして、市民の皆さん方が参加できる機会を積極的に設けていきたいというふうに考えているところであります。具体的には、1万人を対象にした市民アンケートの実施をすることや、札幌の将来を議論していただく市民会議などを開催することを予定しているところであります。

 特に、7月18日に開催予定をしております「さっぽろ1000人ワールドカフェ」にはご注目をいただきたいというふうに考えております。このイベントは、最近注目をされておりますワールドカフェという、新しい討論形式といいますか、意見を出し、そしてまとめていくという手法でございますが、このワールドカフェ形式で議論を進めさせていただきたいというふうに思っており、カフェで気楽に話すように、札幌の魅力や未来について大いに語り合っていただくものでございます。

 このイベントのポスターのイラストは、ACジャパンのCM「あいさつの魔法。」というもののイラストを担当されました札幌在住のyukky(ユッキー)さんに描いていただいたものでございます。「あいさつの魔法。」は、震災の時に、たくさん、いろいろな広告が中止になりまして、公共広告機構が一生懸命それに代わるものということで、穴埋めと言ったらおかしいのですけれども、私は選挙で忙しくて見ていられませんでしたが、たくさんの方に親しまれたようでございます。このyukkyさんの作品が、大変、この「あいさつの魔法。」というのが評判になったものでありますが、これが札幌の方でございまして、この方にご協力をいただいて描いてもらったポスターでございます。

 1,000人の皆さん方が集まれば、日本最大級のワールドカフェということになります。一人でも多くの皆さんにご参加いただきたい、このように考えているところでございます。

 このほかに、7月7日には、私が北大の准教授の中島岳志さんと有識者とまちづくりを語る「さっぽろまちづくりトーク」というものも開催を予定しております。報道機関の皆さん方には、これらのイベントの周知に特段のご協力をお願いしたいというふうに思います。

 なお、今年度に策定が進められる大きな計画といたしまして、まちづくり戦略ビジョンのほかに、「第3次新まちづくり計画」や新たな行財政改革プランがございます。これら2つの計画は、あすの市議会でお示しをいたします施政方針の基本的な考え方に沿って策定するものでありまして、今後、適宜、情報提供させていただきながら、市民の皆さん方からのご意見を十分にいただきながら進めていきたい、こんなふうに考えているところでございます。

質疑応答

平成22年度交付分政務調査費について

毎日新聞

 今のことではないのですが、政務調査費の発表がありましたけれども、月40万円も払っている割には、それだけの結果が市民に還元されているのかなという疑問とか、また、どういうふうに使われているのか、どうもいまいちよく分からないとか、いろいろ理解を得られない点があると思うのですが、市長はどのようにお考えになっているかということと、議会の話なので、市長として何かできるのかよく分かりませんが、何かできるとしたらどのような働き掛けをされていくつもりか、お尋ねしたいと思います。

市長

 政務調査費につきましては、現在、領収書ですね、その使途の透明性といったことが一番問題だと。政務調査費そのものが必要ないのだという考え方も一部ありますけれども、しかし、法律上、それが認められているということもありますので、それは必要性があってそういうことになったのだというふうに思います。これは、そうだとすれば、その額の多寡、あるいは、その使途の透明性といったものが、やはり税金でありますので、しっかり明らかにされなければならないというふうに思います。

 特に透明性につきましては、議会改革の中で、この間、1円以上すべて(の領収書の写しを公開する)ということが合意をされてきたというふうに思います。額も5%カットというのがこの4月まで、今、新しい任期になりましたのでこれからどうされるかわかりませんが、この40万円ということを、今後、また議会改革の中で議論されることを期待したいというふうに思います。

 市長はそれをどういうふうに考えるかということでありますが、まずは、そういう制度的な枠組みをしっかりするということと、それから、市民が納得できる内容のものにしていかなければならないというふうに、これは、議員さんご自身も当然考えておられるというふうに思いますので、そのことを徹底していただきたい。

 議会改革の中で、政務調査費の使途についての基本的なガイドラインといったものを策定されているわけでありますので、それは、さまざまな経験を踏まえて、こういうことでいこうということでそれなりの合理性のあるものというふうに私は考えますけれども、それがしっかり守られるかどうかということについてのチェックは、それは、当然、事務局でもやりますが、市民の皆さん方の目というものが非常に大事だというふうに考えますので、そういう議論が正しく行われるような情報提供をしっかりさせていただきたい、こんなふうに思います。

「札幌市まちづくり戦略ビジョン」の策定について

北海道新聞

 「『札幌市まちづくり戦略ビジョン』の策定について」の資料の中で、1つは市民アンケートなのですけれども、6月に実施すると書かれているのですけれども、もう6月なのですけれども、スケジュール感を教えていただければということが1つ。

 それから、1,000人規模のワールドカフェなのですが、ちょっと不勉強で申し訳ないですけれども、ワールドカフェのイメージがちょっとつかなくて、1,000人が集まって3時間議論するというのは、相当に運営側がしっかりしていないと集約もされないのかなと思うのですが、これはどういうイメージなのか教えてください。

市長

 日程で、1万人アンケートでありますが、これは、毎年やっている1万人アンケートと並行してやっているというふうに思いますので、多分、スケジュール的には大丈夫だというふうに思います。

 もう1つは、ワールドカフェという、新しい手法、あまり熟知されている人は多くはないというふうに私も思います。私もよく知らなかったというのが現状でありますが、今までいろいろな議論の仕方があったというふうに思いますが、ワークショップとかいろいろな新しい手法が次々に開発されていくといいますか、そういう状況の中で、ワールドカフェというのは、これは何か、4人ぐらいが1つの卓を囲んで、本当に気楽に議論して、その発言を記録していく、そして、一定の時間、10分、20分ぐらいで、そこに参加したテーブルマネジャーというのですが、1人を除いてほかの方々がほかのテーブルに移動するということで、順繰り順繰りに回って意見を開陳していく、それを、記録を取って、そして、1枚の模造紙を、250卓になりますね、1,000人ですと250枚のペーパーが出てくるようになるかもわかりませんけれども、それの中からキーワードを抽出していくというような手法によって運営をされていくようであります。

 今回のものは、札幌の魅力だとか未来ということに限って、自分たちはこんなまちがいいなというイメージを出し合っていただくということに焦点を1つ絞らせていただいておりますので、ばらばらの全然違うレベルの議論がごちゃ混ぜになっていくということには多分ならないで、多くの市民の方々が、今住んでおられる札幌の魅力だとか、そして、ここは嫌だなとか、これは伸ばしてほしいなというふうな、あるいは、札幌の特徴だとか特質だとか、そういったものを抽出していくというふうな作業にはそれなりに有効な手段であるだろうと。だから、これを、そこで抽出された市民の希望なり、考えといったものを、またビジョン策定委員会も参考にしていただくというような使い方をしていきたいな、こんな考え方でございます。

地方公務員制度改革案について北海道新聞

 総務省から、地方公務員制度改革の原案というものをまとめていて、報道でニュースに流れているわけですけれども、今まで人事院勧告で決めていた給料とかをですね、人事院自体を廃止して、公務員に協約締結権を与えるという流れになっているのですが、この原案について、市長に何かお考えがあれば伺いたいのですけれども。

市長

 これは、戦後の憲法上の労働団体としての公務員労働組合、公務員労働の労働時間をどう決めるかということとの流れの中で、憲法第28条との関係を踏まえながら人事院制度というものが生まれたわけであります。争議権を禁止するという代償措置としての人事院制度というものが設けられて、この間、自主交渉権はあるけれども、締結権はないというような形で、人事院勧告制度を誠実に履行するということを、政治上の、義務付けはされておりませんけれども、最大限尊重するという、そういう公務員の待遇、労働条件の決定方法になっているわけであります。

 これは、従前からいろいろ議論があったわけでありますが、この震災絡みで、この際というふうな勢いで議論がされていくというのは少し慎重にならなければいけないのではないか、私はそう思います。

 これまでの議論、人事院制度、札幌市も当然のことながら、地方公務員も、政令指定都市はですね、人事委員会がございまして、都道府県もそうでありますが、そういう大きな制度を動かすという覚悟と、それから、それを動かしたときの効果といいますか、展望といったものがどのように担保されるのかというようなことも含めて、やはり、しっかり議論しないと、この問題は大きな憲法上の問題にもなるのではないか、こんなふうに私は思っております。

平成22年度来札観光客数の減少の原因について

NHK

 先ほどの中国の訪問で、今、観光客の回復に力を入れているというお話を伺いましたけれども、今回、札幌市の(平成22年度の)観光客数が過去10年で最も減っているというデータも出ておりますが、これやはり、福島第1原発の風評被害が含まれているというふうにお考えかということと、また、含まれているとお考えであるとすれば、東京電力は、どういう責任というか、賠償を負うべきかというお考えかということをお聞かせいただけますでしょうか。

市長

 これは年度の計算でございまして、1300万人を切ったのは最終段階で、3月11日以降3月31日までの21日間のこの入り込みがどのくらい計算されるかというふうなこととの兼ね合いで、10年間で最低だとかというふうなランキングの問題は少し変わるかもわかりませんけれども、確かに、11日以降の21日間というのは、これが影響していることは間違いないというふうに思います、総量としてですね。

 ただ、それは、原発だけなのか、それとも、いわゆる日本全体が、大震災による影響、自粛ムードというものですね、これの方が大きかったように思いますね、3月までは。ではないかというふうに私は思います。

 原発の深刻さというのは、どんどんそれ以降膨れ上がってまいりまして、放射能で汚染をされているのではないかという、北海道も危ないから行くのをやめようというふうなことは、多分、まだこの統計の中で反映されているかどうかについては、少し慎重に見なければいけないだろうというふうに思います。

 さらに、外国人はデータによりますと79万人ですか、過去最高でありますね。ただ、3月11日以降、ぴたりと止まったということについては、これは、大震災ならびに放射能汚染が日本全土に及んでいるのではないかというふうな風評、これは確かにあったのではないかな、そんなふうに思っております。

 今の後半のご質問であります東電の責任あるいは賠償問題等については、これは、因果関係で相当もめるといいますか、今の統計上の問題としての賠償うんぬんということについては慎重に考えなければいけないだろう、そういうふうに思います。

市長3期目のスタートに当たって

北海道新聞

 先ほど3期目のスタートというお話がありましたけれども、周りの方は、集大成とかいろいろな言い方をされますけれども、市長自身は、3期目にどういう位置付けで臨まれるのかということと、看板政策の市民自治ですけれども、市長の理想とする市民自治の姿というのはどういうものなのだろうか、あらためてお伺いしたいと思います。

市長

 これは、あしたから開かれます第2回札幌市議会定例会において施政方針で若干述べさせていただきますけれども、さまざまな困難が、今、大震災の問題はそれプラスアルファという状況にございました。私が就任して8年の間、国の財政破綻だとか、リーマンショックあるいはグローバリズム、そういうことからいって、国民生活、市民生活というものが危機に瀕しているという状況は、非常に時代の認識として、極めて、さまざまな今までの制度に対する不安、経済不安、雇用不安、こういったものがある。それに加えて、少子高齢社会の急速な進展というふうなことがございまして、本当に心安らかに将来を展望し、このまちで本当に住んでいくということに希望を持てるかというところを考えたときに、非常に厳しい状況にあるだろうと。そういう時代認識の中で、地方政治の現場で、私たちの生活の場で何ができるか。私たちは、やはり、それは、自治の力、市民同士が連帯をして、自分たちに与えられた課題は自分たち自身で解決しなければ、誰かに頼んだり、誰かに頼ったりすることによって解決できる問題ではないのだというふうに私は考えます。

 そういう意味で、市民自治というのは、ちょっと言葉は硬いですけれども、お互いに思いやるだとか、支え合うだとか、そういうふうな地域における人々の連携、連帯、そして、情報を共有して参加をしていくということによる充実感、満足度といったものを高めていくということは、私は最も大切なことではないか。それに資する札幌市役所の仕事の仕方といったものをこれからの4年間も追求していきたい、こんなふうに基本的には考えております。

 中国からの帰国報告について(1)

 大通公園の「とうきびワゴン」について

北海道新聞

 観光関係で2点お伺いしたいのですけれども、外国人の観光客が、震災から3カ月たって、台湾の方は徐々に戻りつつあるというお話は聞いているのですけれども、中国についてはまだ厳しいというお話があります。市長は中国に行かれたようですけれども、旅行会社などから、逆に何かを要望されたことなどはないのかということがまず1点。

 それともう1つ、観光と、今のお話とちょっと違いますけれども、大通公園のとうきびワゴンの話なのですけれども、観光協会が運営されておりますけれども、かなり運営的に厳しいという状況があります。市として、例えば札幌の風物詩でもありますから、何か側面支援というか、何かの対策を取れることはないのか、その2点についてお伺いします。

市長

 中国は、おっしゃるように、非常にまだまだだというふうに思いますが、5月21日・22日、東京の日中韓3国の首脳会議、それから、ソウルで行いました、5月29日の観光大臣会合、これらでそれぞれのメッセージが、特に中国の温 家宝首相、それから、邵 琪偉(しょう・きい)という国家旅遊局長さんあたりがリーダーシップを持って、風評被害を排し、観光産業というか、観光をお互いに盛んにしていかなければいけないというふうなメッセージを国家レベルで出されているところでありますので、これはかなり期待をしていいというふうに思いますし、そういうメッセージが、一番、中国の1人1人の皆さん方には、お国柄もございまして、とても大事なところだというふうに私は思っております。そういうところに我々がアプローチをして、北海道・札幌の安全性なり、観光資源としての優良性といったものをお伝えし、そして、それを発展させていくということが大事だろうというふうに思います。

 実際に観光事業者とお話をさせていただいても、やはり、国の方でブレーキがかかっている、そのブレーキが外れないと、なかなかお客さんに対する説得ができないのだというふうなお話を頂戴したこともございますし、やはり、その場所によっていろいろ事情は違うというふうに思いますけれども、あれだけの大きな国でありますので、日本という国の災害の事情ということについて、やはり、市民レベルでは、相当、日本は全部駄目になったのではないかというふうな、本当に大げさに言えばそんな認識もあるというふうにお聞きしておりますので、それを払拭するための正しい情報を発信し続けるということが我々にとっては課題だというふうに思います。

 YouTubeだとか、さまざまなメディア、新しいメディア、ツイッターとか、こういったものを用いながら、あるいは、中国でアクセスしやすいようなホームページもつくってやりつつあるところでございますので、そういうふうに頑張っていきたいなというふうに思います。

 とうきびワゴンでありますが、これは、赤字だと、何度か、何年か前に廃止しようかというふうなお話もあったりして、過年の課題でありますけれども、何といっても、明治40年、(石川)啄木がせっかく焼きトウキビの匂いが香る札幌のイメージを歌に詠んでいただいて、昭和56年ですか、啄木の像ができたのは。あのことと、あのトウキビと札幌のイメージというものが一定程度の力をまだ持っているだろうというふうに私は思いますので、このイメージを大事にしてほしいなというふうに思います。

 ものの本によりますと、啄木のあの像を作る時に、片手に本を、片手にトウキビを握った啄木の像にしようかという案もあったようでありますけれども、商業主義に走るのはいかがなものかという意見で今の像に収まったということでありますが、もう少し、私は、あそこで文学をちょっと語るとか、啄木の像の横をフォトスポットにするとか、そこに行って写真を撮ることが札幌に来た証明だみたいな、そんな感じのドラマ性を持たせることによってトウキビは復権できるのではないかというふうに思ったり、これからいろいろ議論しなければならないかなというふうに思います。

中国からの帰国報告について(2)

朝日新聞

 観光の関係で、自治体の首長が行って、自治体の首長の外交ということですが、成果というのは、今回、さっき飛行機の話もありましたけれども、もう一度、ちょっと教えてほしいのです。

市長

 やっぱりですね、中国は特に回数をお目にかかるということがとても大事なことのように私は思っております。これまで、やはり、古い友人と言っていただけるようになるまでの蓄積といいますか、そういったものがとても大事な国ではないかなというふうに思います。そしてまた、旅行、観光については、特に旅遊局というところが各人民政府の中に必ずございまして、その局が観光事業者の意向を非常に大きく左右するという関係があるというふうに思います。従いまして、こういう方向で努力せよという人民政府の方針、旅遊局の方針というものを、関心を札幌に向けていただく、北海道に向けてもらうという働き掛けは極めて大きな意味があるだろう、私はそのように思っています。個々の観光事業者にお目にかかって話をすることももちろん大事ですけれども、やはり、お国柄といいますか、特に今、締めておりましたので、トップのほうでですね。その誤解を解くといいますか、解放していただくためには大変重要ではないかなというふうに思います。

国民健康保険料の値上げについて

北海道新聞

国民健康保険料の話ですが、また6日に発表がありましたけれども、2年連続の値上げで、年収200万円から400万円世帯に10%の保険料を掛けるというのは、相当厳しいと思うのです。私も、取材を通じて、なかなかお医者さんに行けない、我慢をしなくてはいけないという方がいらっしゃいますが、確かに、札幌市は独自に100億円ぐらいを入れていますけれども、それでも、私の印象ではやはりまだ厳しいと思いますけれども、市長は、今、どういう認識でいらっしゃって、今後も、このままだと、毎年、毎年、恐らく値上げをしていかなくてはいけない中で、何かできないのでしょうか。

市長

 何かをやるとすれば、繰出金を多くするしかないでしょう。そこのバランスをどういうふうに敷くのかということの選択を毎年迫られるというのが現状だというふうに思います。

 そういう中で、負担が非常に重いという市民の皆さん方の感想、これは、十分、私も承知をしているつもりでありますけれども、担当部局も、本当に大丈夫かしらというふうに、そんなに楽観して、これで大丈夫ということは誰も言えないような状況にあることは間違いないというふうに思います。

 ただ、一般会計から繰出金を100億円を超えてどんどん積み増しをすれば、もちろんそれで少しは1人1人の負担は軽減されるとは思いますけれども、市の全体の予算の中で許される限界といったものを常にチェックしながらいかなければならないという状況にあると、悩み深い問題だというふうに思っております。

 だから、抜本的な制度改革というのがなされるということが一番大事なことだと。(制度的に)もう限界に来ているということは、私は多くの方が分かっていながらなかなか進まないというのが現状かなというふうに思います。

(以上)

 

 この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。(作成:札幌市広報課報道係)

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