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更新日:2011年3月4日

平成22年度第12回定例市長記者会見記録

日時 2010年10月28日(木曜日)14時30分~
場所 記者会見室
記者数 16人

市長から下記の話題について発表しました。

引き続き、次の話題について質疑が行われました。

配布資料

発表内容

 清掃工場1カ所の廃止について

 ことしの年頭の会見で、篠路清掃工場の運転休止という報告をさせていただきましたけれども、来年度の予算編成時期を迎えまして、篠路清掃工場の建て替えは不要だという最終判断をいたしまして、廃止をするという決断をしたということについて、ご報告をさせていただきたいと存じます。休止から廃止へということでございます。

 札幌市では、「スリムシティさっぽろ計画」という中で、焼却のごみ量、これを平成16年度実績であります70万トン、ここから平成29年度までに24万トン減らすという、46万トンにしようという計画を立てていたところであります。その後、この計画に基づきまして、さまざまな取り組みを進めてきたところであります。

 特に昨年の7月に「新ごみルール」というものをスタートさせていただきました。有料化とともに、この「新ごみルール」、分別をしっかりしようということでありますが、市民の皆さん方のご協力によりまして、家庭から排出されます廃棄ごみの減量というものが非常に順調に進みまして、平成22年度および来年度を見越しましても、焼却ごみの減量というものが目標をしっかり超える見込みとなったということでございます。

 そこで、今後もこの目標値といったものを達成していくということがほぼ確実になったということから、市内にあります4つの清掃工場のうち1カ所を廃止して、3カ所の清掃工場になっても処理が可能であると、このような判断をさせていただいたものであります。

 本年度の実績、まだ半ばでありますが、平成29年度までに46万トンというふうに考えておりましたが、現に44万トンラインで収まるというふうに考えておりますし、来年度については42万トンレベルまでいくだろう、こういうことであります。市民の協力というものがこういう形で減量に結び付いているということから、最終決断をさせていただいたということであります。

 篠路清掃工場の建て替えが不要になるということによりまして、この建て替え建設費約370億円と、それから年間の運転をしてその維持をしていくということに約13億円、この工場1つで掛かっておりましたので、これが掛からないということになるわけであります。

 そういうことを考えますと、運転経費等々も平成29年度までいきますと100億円ぐらい掛かったものが、市民の力でしっかりこれが掛からなくて済むという形になるわけでございまして、目に見える形の「市民自治」というものが成果を挙げると。市民1人1人の取り組みによって達成をされたということになるわけであります。まさに「市民力の勝利」というふうに言ってもよろしいかというふうに考えております。

 ご理解、ご協力を頂きました市民の皆さまに、あらためてここに深く感謝申し上げたいというふうに思います。また、報道機関の皆さん方にも、市民の活動を応援するべく、さまざまな観点から励ましを頂きましたことを本当に心から感謝申し上げたいと、このように思います。

 なお、篠路清掃工場の用地等の利活用につきましては、今後、庁内を挙げましてさまざまな検討・調査の作業を進めていくということにしているところでございます。

 今後も市民の皆さんとともに、今まで以上に、ごみの減量・リサイクルということに取り組んでいきたいというふうに考えておりますので、引き続きご理解とご協力を賜りたいと、このようにお願い申し上げます。

 路面電車の活用に向けた取り組みの進ちょくと今後の動きについて

 札幌市では、ことしの3月に「札幌市路面電車活用方針」というものを策定いたしまして、この路線の延伸等につきまして判断をするための検討を進めるということで、この間、さまざまな活動をさせていただいたところでございます。

 方針を分かりやすく説明いたしますために、パンフレットを作成したり、区民センターだとかJR札幌駅などでパネル展を開催するというようなこと、あるいはフォーラムの実施、それから過日、たくさんの応募者の中から選定をさせていただきまして、30人規模の市民会議を開催させていただいたところであります。こういう機会をとらえまして、市民の皆さん方に情報を提供し、延伸に関する意向の把握といったものをしてきたところでありますので、その今日までの経過について報告をさせていただくものでございます。

 まず、パネル展で実施をいたしましたアンケート調査でありますが、2,014人の市民の皆さん方から回答を頂きまして、「延伸に賛成」「どちらかといえば賛成」というものを合わせますと69%、約7割の方が市電の延伸に賛成であるというふうな回答を得ることができました。これは、多くの方に、札幌市が今後抱えるであろう人口減少あるいは超高齢社会といった課題の解決に対しまして、路面電車が有効な交通機関であるということを理解いただいているものであるというふうに考えて、大変期待されている結果であると、このように受け止めているところであります。

 また、過日開きましたこの市民会議では、さまざまな立場で利用している皆さんから、それぞれの視点で路面電車の課題と可能性について、活発な議論をしていただいたところでございます。

 議論の結果につきましては、多数の参加者から、「路面電車の『延伸』が札幌のまちを元気にする可能性があるのだ」と、そういう意見を頂いたところであります。さらに、「これまでは市政に関心がなかったけれども、路面電車がまちの未来について考えるという、いいきっかけになった」と、こういうふうなことでありまして、まちづくりと自分たちのまちを考える非常にいい材料にこの路面電車の問題が寄与しているというふうな、非常にありがたいご意見もちょうだいしたところでございます。札幌市からの十分な情報提供によりまして深い市民議論といいますか、今回の市民会議の目的を達成されたのではないかと、こんなふうに思っているところであります。

 今後の展開といたしましては、11月28日、12月5日、19日の3日間にわたりまして、100人の参加者によります大規模な市民会議を開催させていただきまして、ここでもしっかりとした議論を行っていただきたいというふうに思っております。

 この市民会議は、路面電車に対する意見をお持ちの方や団体が、この100人の参加をされる会議の構成員の皆さん方に直接意見を発表することができる「オープンヒアリング」という制度でありますが、そういう場を設けまして、さまざまな立場の意見を踏まえながら議論を行っていただきたいと、こんなふうに考えているところでございます。

 そこで、その意見の発表を希望される市民や団体といったものを、広報さっぽろ11月号で公募することにいたしております。そしてまた、その特集記事を掲載させていただきまして、あらためて市民の皆さまのご意見といったものを幅広く募集させていただきたいと、このように考えております。

 これらの市民会議などによります議論をさらに深めまして、関係行政機関あるいは都心の商店街あるいは商業者、事業者などとの調整の結果等を踏まえながら、今後、延伸地域あるいは具体的な延伸ルートについても最終的な判断をさせていただきたいと、このように考えているところでございます。

 路面電車は、これからの札幌のまちづくりを考える上で、欠かすことのできない大切な資源であるというふうに、多くの市民の皆さんと共に考えていきたいというふうに思っておりますので、報道機関の皆さま方には、市民への周知について、この市民会議を含めまして関心を喚起していただけますように、ぜひご協力をお願いしたいと、こんなふうに思っているところであります。

 「図書館デビュー」の実施について

 きのう10月27日から始まりました読書週間、11月9日までが読書週間ということになっておりますが、この読書週間にちなんだ話題の1つとして提供させていただくものでございます。

 札幌市では、ことし9月に「第2次札幌市子どもの読書活動推進計画」といったものを策定させていただきました。図書館と家庭、地域、学校というのが一体となりまして、子どもに読書習慣というものを身に付けてもらうためのさまざまな取り組みを進めているところでございます。

 このたび、この計画の目玉事業の1つでございます「図書館デビュー」というものを、11月7日の日曜日からスタートさせることになりましたので、お知らせをさせていただきます。

 この取り組みは、図書館を利用したことがない、または利用経験が少ない、就学前の幼児と保護者の方を対象に実施するものであります。図書館の楽しさだとかを体験してもらいまして、読書に親しみ、そして進んで読書をする習慣を身に付けるきっかけにしていただきたいというのが狙いでございます。

 原則、毎月第1日曜日を「図書館デビュー」の日に設定をいたしまして、中央図書館において、図書館の利用方法などを分かりやすく説明する、あるいは月替わりでさまざまなイベントを開催させていただくと。そして、「図書館デビュー認定証」という図書館を利用してたくさん本を読んでくださいねというようなものを、子どもたちに配らせていただくというふうなことだとか、「読書ノート」、絵本だとか、どういうものを読んだとか、読み聞かせだとか、そういったことが記録に残るというようなことで励みにしていただくというようなプレゼントをさせていただきたいというふうに考えているものであります。読んだ本や心に残った本の感想などを書き留めておくということで、このノートを大いに活用して、図書館での読書はもちろんのこと、家庭でもたくさん本を読んでいただきたい、こんなふうに思っております。

 この「読書ノート」は図書館デビューに参加いただけなかった子どもたちにも、最寄りの図書館あるいは図書室で配布をすることになっており、幼児用と小学生用を用意させていただいております。ぜひ図書館利用あるいは読書といったものの習慣を付けて、いろいろな意味で自己発見に努めていただければいいのかなと、こんなふうに思っているところであります。

 図書館は本と出会う場所であるということとともに、人や文化と出会う場所でもあります。さらに、世界と出会う場所でもあります。そういうことで自分自身を再発見するというようなことにもなろうかというふうに思いますので、大切な場所としてみんなで活用していただければというふうに思っているところであります。

 図書館では、今後も子どもの読書活動の推進に向けまして、さまざまな機関と連携をした取り組みを進めていく所存でございます。報道機関の皆さまには、ぜひ市民への周知についてご協力を賜りたいと、このようにお願い申し上げます。

 「さっぽろアートステージ2010」の開催について

 毎年、秋のイベントとして、もうおなじみいただいておりますが、「さっぽろアートステージ」が、いよいよ10月31日からスタートいたします。

 ことしも「アート!ミート!マート!」だとか「500m美術館」など、ユニークな手法によって、街じゅうを舞台にして、さまざまなプログラムが用意をされているところであります。

 また、その開催期間も過去最長となります12月19日まで開催されますので、市民の皆さん方、さまざまな「アートの入り口」といったものをくぐり抜けていただいて、楽しんでいただきたいと、こんなふうに考えるところでございます。

 報道機関の皆さん方も、ぜひ実際にご覧になりまして、市民の皆さん方に、面白かったよというふうに感想を含めて報道いただければ大変ありがたいというふうに思っておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

質疑内容

 「清掃工場1カ所の廃止について(1)」

時事通信

 まず、発表があった篠路清掃工場の関係なんですけれども、今後、目標値達成がほぼ確実になったと判断したということなんですけれども、万が一にごみがまた増量という話になった場合の対応をお聞かせください。

市長

 万が一がないように、一生懸命、市民活動として取り組みを進めていくということでありまして、既にこのスリム計画をやり、かなりの成果を上げてきているということ、そして昨年7月から既に1年3カ月経過する中でリバウンドが全然起こっていない、どんどん減って、まだ減る傾向が続いているということ。また、雑がみについても非常に混入率が低減していっているという、市民の協力が本当に日に日に進化をしていっているという傾向にありますので、まずその計画に間違いないというふうに考えているところでございます。

時事通信

 ありがとうございます。

 「清掃工場1カ所の廃止について(2)」

北海道新聞

 篠路清掃工場の廃止、1つの目標だったかと思うんですけれども、市長が今考える時点で、ごみの減量化についての今後の課題というのはどういったところなんでしょうか。見解をお知らせください。

市長

 もちろん生ごみの問題、より水分を切り、そして減量していくということを徹底していくというようなことが課題でもありますし、あるいは主要古紙ですね、雑がみの中に段ボールが混入しないようにというようなことは、これも本当にどんどん成果が上がっていることは統計上明らかでございますけれども、それを徹底していくということ。それから、まだ分別についての迷いがある方については、当然のことながら納得の分別ができると、自分で考えてできるようにみんなと自分たちで勉強できる、そういう情報をしっかり提供させていただくということ。

 さらには、共同住宅がやはり課題でございますので、この間、共同住宅のごみステーションを設置していただくという取り組みをやってまいりましたけれども、分別の成果といったものが非常に上がってきているということがありますので、共同住宅の賃貸をされている事業者はもとより、そこでの入居者の皆さん方にも、しっかりと地域の一員として協力をしていただくための情報提供と、あるいは指導、助言といったものをさせていただきたい、このように考えているところであります。

 「清掃工場1カ所の廃止について(3)」

北海道新聞

 「スリムシティさっぽろ計画」では、平成29年度まで46万トンということですが、既に46万トンを大幅に下回る数字になっていまして、この目標数字を見直すとか、そういうことはお考えにならないでしょうか。

市長

 想定していたよりはるかに早く目標が達成されたということがございますので、そろそろ、次の段階のことも含めて検討させていただきたいというふうに思っているところであります。

 「衆議院北海道第5区選出議員補欠選挙と札幌市厚別区札幌市議会議員補欠選挙の結果について」

時事通信

 補選の関係なんですけれども、24日の北海道5区は町村氏になりまして、厚別区の補選は自民党の川田氏が当選されたわけですけれども、それぞれの受け止めについてとですね、川田氏が当選したことで、市議会の第1会派が自民党になったわけなんですけれども、それに関して、今後、市長としての議会へのかかわり方をお伺いしたいんですけれども。

市長

 厚別区を含む5区の補欠選挙につきまして、結果についてはさまざまな見解が政党で述べられておりますので、それはそのように理解をするしかないのかなというふうに思っているところであります。

 いずれにいたしましても、北海道のために頑張っていただける方が、そういうことを約束して立候補されているわけでありますから、札幌市のためにもさまざま、オール日本という見地と北海道選出の議員であるということから、その活躍を期待したいというふうに思っております。

 市議会のほうの川田議員の誕生につきましては、きのうもごあいさつをさせていただきましたけれども、会派的な問題で第1党、第2党とかということで、私は特段の感想を持っているわけではございません。当然札幌市のために頑張ろうという意欲溢れる方であるというふうに思いますので、これまで札幌市が進めてきた方針等についてご理解、ご協力いただけるように、あるいは新たなご提案がちょうだいできるのであれば、それは大変結構なことだというふうに思いますし、真摯(しんし)な話し合いといったものに努めてまいりたい、このように思っているところであります。

 「HAC(北海道エアシステム)への支援に対する札幌市の考え方について(1)」

STV

 2点あります。

 まず、HACについてなんですけれども、きのう市と道のほうで会見がありまして、方向性を確認したということなんですけれども、正直、双方の会見を見ていまして、やはりちょっと温度差があるように感じました。今回のその確認事項について、上田市長としてどのように評価しているかということと、道に対してもし何か注文を付けることがあれば、お聞かせいただきたいと思います。

市長

 方向性ということで、かなりこれまでの議論の方法について、札幌市としては、こういう方法でいいのだろうかというお話をさせていただきました。7月26日付の知事あての文書を出させていただきましたけれども、それもそういうものを出さざるを得ないという思いからでありますが、さまざまなどういう解決があるのかという、非常に要素がたくさんあるものですから、北海道も大変困っていることは間違いないわけですね。

 そういう中で、やはり北海道の議論の進め方についても、やはり、これからみんなで空港を守り、かつ道民の足を守っていこうと、公共路線を守っていこうという、そういう思いの中から出発をされた話でありますので、なるべく多くの方と同時並行的に話をするというのがいいのではないかというふうに思っていたんですが、手法についてなかなか一致ができなかったということもありますし、あるいは肝心なその情報開示がなかなか進まないということもございまして、少し難渋いたしましたけれども、ただ基本的に私どもで要望を出しておりました方針としての丘珠集約ということにつきまして、その方針だということが、北海道のほうから述べられているというようなことがありますので、そういうふうになりますと、当然のことながら丘珠空港を活用するために、どうあるべきなのかということの議論が進まなければならないということがありまして、札幌市としても応分の負担をしなければやっていけないという状況であれば、それに協力するということにはやぶさかではないと、こういう考え方でいるわけであります。

 おおむね7月26日付で提案させていただいております内容については、一部移転費用等の負担の問題はございますけれども、ほかはほぼ札幌市が本来提起したことについては、北海道としてはそれを前提にいきましょうという話でありますので、そういう方向が確認されたというふうに理解をしているところであります。

STV

 特に、道に注文付けるような今後の交渉についてというのはございますか。

市長

 これは大変だと思うんですよね。というのは、JAL(日本航空)とのまず交渉もありますし、ANA(全日本空輸)との交渉もあります。それから関係自治体あるいは経済界、さまざまなところとお話をしていかなければならないというですね、困難なお仕事をされるわけでありますが、われわれは札幌市でできる最大限の考え方というのを、札幌市の問題として札幌市をどう北海道のために生かせるかという視点から見解を述べさせていただいているわけでありますので、その線に従って北海道もこれから努力されるということには、注文というよりも、頑張っていただきたいというふうに期待をしているということでございます。

 「市民評価(事業仕分け)について(1)」

STV

 すみません、あともう1点ありまして、事業仕分けについてなのですけれども、例えば駒岡の保養センターについては、仕分けの結果と議会の結論が、違う結論になりそうだという中で、どちらも市民の声という形にはなるんですが、議会は選挙を経ているということになるのに対して、仕分けはもうちょっと狭い範囲のものだという中で、こういった点についてということなのですけれども、事業仕分けの意義について、あらためて仕分けの結果と議会の議論の結果で変わるということについて、市長としての仕分けについての評価というか、その辺りを教えてください。

市長

 仕分けがすべての市民意見かというとそうではないわけでありますし、また議会の意見ももちろん、議員さんとしての見解、見識もありましょう。いろいろな観点からいろいろな論点が今回出されているわけでありますので、廃止という意見を述べられているその意見の背景になったものの考え方を、どれだけ斟酌(しんしゃく)するかという話になっていくだろうと。あったほうがいいねというふうなご希望はご希望として分かりますけれども、それにはこんな問題点があるんだというふうに仕分けというのは、問題提起されているわけでありますから、それとどこでどういうふうに擦り合わすことができるのか、擦り合わすというのはちょっと語弊がありますけれども、その論点をどういうふうに取り入れるというか、議論を活性化していくか、判断の資料にするかというのがこれからの課題だということでありますので、結論が違うことはあっても、それは当然これから問題として、判断の資料としてしっかり活用させていただくと、こういうことだというふうに思います。

 「HAC(北海道エアシステム)への支援に対する札幌市の考え方について(2)」

北海道新聞

 すみません。HAC問題の関係ですけれども、札幌市と道は大筋で合意したというような報道になっていますけれども、これまで市長は合意ができる前に、関係市の首長さんなんかと交えて会議を開きたいというようなことをおっしゃっていたと思うんですけれども、それの見通しというのはどうなんでしょうか。それと、結局そういうのがないままに基本的な方向性が合意されたということになってしまうと思うんですけれども、その点についての見解を。

市長

 これは、私は北海道の議論の進め方の問題だというふうに思います。私どもは、これはやはりみんなで支えていくんだというふうにおっしゃっているのであれば、みんなで議論するべきだと。個別のどのぐらいの情報量なのかということの問題はあるにせよ、やはりその段階その段階で、丘珠空港と路線といったものの維持ということが、どういうふうに道民にとって大切なのかということについては、しっかりした共通理解を得るべく、やはり努力はしていかなければいけないだろうと、そんな思いで提案をさせていただき、また知事もそれはそうあればいいですねというふうなことを、記者会見で述べられたように私は報道で聞いておりますけれども、そういうふうにしていただきたいという希望は今もございます。ただ、道の担当者、もちろん知事の意向だというふうに思いますけれども、札幌市がどういう姿勢を取るのかということについて、今までさまざまなネックになっていた部分について、最初に北海道、腹を固めなきゃならないという意味合いで、その腹の固め具合の一番大事な丘珠集約ということについて、今日、決断をされたんだというふうに思いますので、これからだろうというふうに思います。

北海道新聞

 すみません、それと道の考え方というのは、関連の予算を第4回定例会本会議に出したいと。もう11月下旬ぐらいから始まる議会に出したいということで、となると経済界とか、函館、釧路とかの協議というのは、もう本当に残された時間は短いと思うんですけれども、札幌市と道の協議というのはすごく長い期間やられたわけですけれども、その4定、つまり年内にこれが全部決着するかどうかということについて、市長の今の見通しというのを伺いたいんですけれども。

市長

 これは北海道が見通しを持って、そのような日程でやられているんだというふうに思いますが、期待しているというふうにしか申し上げられないと思います。

 「HAC(北海道エアシステム)への支援に対する札幌市の考え方について(3)」

北海道新聞

 すみません、関連なのですけれども、今回、道のほうから、細かな事業計画とか株価とかがまだ出てきていないと思うので、なかなかかっちりした数字は言えないと思うんですけれども、出資としては市は大体どれぐらいの額を想定しているのかを教えてください。

市長

 これまで会社を興したのが北海道とそれから日本航空でありますので、その責任を、そもそも誰が責任を取るのかということについては、はっきり今後もしなければならないということもありますので、第2株主になるというような提案は受けられないということははっきりしているわけでありますので、そういう意味でご理解いただきたいというふうに思います。そして、札幌の北海道における役割ということから、ぎりぎりのところで判断をしなければならないかなと、そういうことでございます。

北海道新聞

 それが多分14%程度で日航を上回らないということだと思うんですけれども、その幅として、札幌市が結局その出資として払う額としてはいくらぐらいを今のところ。

市長

 これは、資産評価とかいうことに係るわけです。株価というのは、資産評価と、これからの経営の見通しによって決まるわけでありますから、それでどれだけの資本が必要なのかということとのかかわりで決まってくるかというふうに思います。そういう意味で、額も分からないのに、何で割合を決めるのかということも不思議に思われるか分かりませんが、それは議論の進め方と、それから情報の不足と、それから期限、限界の中で、私どもがぎりぎりの、ある意味では不本意なところだってもちろんありますけれども、しかしそれを言っているもう時間的な余裕はないという状況にあったのかなというふうに、私は理解せざるを得ないというふうに思っています。

北海道新聞

 その大体の額も何となくまだ分からない状態でも、そのパーセントを決めて、道と基本的な方向性で合意というか確認をするしかなかったということでしょうか。

市長

 方向性としては、札幌市は一切このHACにはタッチしませんよという立場は取れないという、そういう選択であります。

北海道新聞

 あと、すみません、もう1つ、札幌市、来春から丘珠空港ビルの2階部分を借りることになる予定だと思うんですけれども、その使い道というか、どういったものに使うか、もし決まっていましたら教えてください。

市長

 A-net(エアーニッポンネットワーク)が撤退をするということになりますので、その分、空くわけでありますから、ほかに借りていただけるところがあれば、もちろんいいわけですが、なかなかそういう見通しも立たないということであれば、札幌市が有効に活用するということになろうかというふうに思います。市民の利益になるような使い方をするために、全庁挙げて、どういう使い方が可能かということについては検討させていただいているということでございます。

 「路面電車の活用に向けた取り組みの進ちょくと今後の動きについて」

北海道新聞

 すみません。あと今度、市電の話なんですけれども、先ほどですね、市民会議などをして、まちづくりに有効だと理解されているというふうなことをおっしゃっていたと思うんですけれども、この後、100人規模の市民会議をやった後、関連の経済というか商業の方たちとお話ししてルートを決めたいとおっしゃっていたんですが、基本的にこの段階では、市電の延伸については、ほぼ市民の合意形成とかができたというふうな理解でしょうか。

市長

 この間の30人の規模の市民会議においては、そういう方向だという、市民の意見とわれわれの考え方と、そう違わないところまで来ているというふうに理解をしているところであります。平成17年2月の段階で、市電は残しますというふうに私のほうで判断をさせていただきました。その際にループ化ということと、それから延伸ということがないと経営はできないだろうというふうな判断がありましたので、それに向けたこれからの検討をしていきましょうというふうなことでやってまいりましたので、ご理解を得るための努力を今日までし、またこれからもやっていくというふうなことになります。

北海道新聞

 すみません、もう1つ。延伸のルートなんですけれども、年度内には決めると思うんですが、大体いつぐらいまでにルートを決めたいのかということと、場合によっては、何となく1カ所というふうなイメージがあるんですけれども、1つに限らず2カ所というようなこともあり得るのかというのも教えてください。

市長

 これはもちろん市民の皆さん方のご理解の中で決まってくることだろうというふうに思います。ただ、お財布の中身もございますので、それが現実的にどこまでできるかというのは、優先順位というふうなことも課題としては残ると。そこもなるべく早く決めていかなければ、全部が決まらないと前へ進めないということでありますとなかなか難しい問題もありますので、なるべく早く結論を出していきたいと、ルートも含めてということであります。

 「市民評価(事業仕分け)について(2)」

北海道新聞

 先ほどの事業仕分けの保養センター駒岡の話なんですけれども、全会一致で厚生委員会が存続を求める陳情を採択したので、それについてはまずどういうふうに受け止められていますか、議会の意思を。

市長

 議会の意思は議会の意思でありますし、私も当該地域の皆さん方から直接ですね、「いや、あそこを使いたいんですよね」というふうなお話もお聞きしております。ですから、もし残すとすればどういう対応のものがあるのか、あるいは廃止するのであればどういうふうな手順を取らなきゃいけないのか、代わり得る方法はあるのかないのか、いろいろなことをこれから考えていかなければならないというふうに思いますので、その議論の出発点になっていくだろうというふうに思います。

北海道新聞

 今の段階では、議会は存続してほしいということでしたけれども、上田市長の中では、まず存続に傾いているわけでもないんですね。

市長

 検討対象だということです。仕分け項目に既に出したところからどうしようかというお話でありますので、結論が出ているわけではもちろんないわけであります。

北海道新聞

 陳情を出した方に取材をしましたら、いわゆるあそこのセンター、私も知りませんでしたけれども、一度も使ったことがない人間が数十分ぐらいの議論の中で廃止ということで、今回1万人も署名を集めて非常に大きな問題になりましたけれども、事業仕分けそのものにですね、そうすると利用者の方々にはそれに意味があったのだろうかというふうな声もあるんですけれども、市長はどういうふうにお考えでしょうか。

市長

 これは駒岡ばかりでなく、ていねプールもですね、さまざまな視点で札幌市の施策といったものを総合的に検証しようという1つの手法でありますので、そういう問題提起や廃止、あるいは今後存続させるにしても検討すべきだというふうな意見があったり、いろいろなものがあるわけですね。ですから、論点を明示し、そして市民的な議論をする出発点としては、この仕分けというのは、非常に有効な方法であろうというふうに思います。論点を鮮明化させるという、そういう意味合いがあるというふうに思います。

北海道新聞

 来年以降も同じようなやり方で事業仕分けを確かやられる意向でしたけれども、いわゆる専門的ではない一般市民の方が入るというところでは、その利用者、私もちょっとそこには問題があると思いますけど、このやり方は変わらないんですかね。

市長

 これはですね、いろいろな意見を踏まえながら、なるべく市民意見を聞きたいというのは、これは基調としては変わらないというふうに思いますが、手段、方法、構成員とかをどういうふうに選ぶかとか、ご希望される方がどういう取り組みをされている方なのかとか、いろいろな検討の仕方はあるというふうに思いますので、これは今回やったのが最もいい方法だというわけでもなくて、いろいろな問題点を検証しながら取り組んでいきたいなと、こういう考え方であります。

 「HAC(北海道エアシステム)への支援に対する札幌市の考え方について(4)」

NHK

 HACの関連で2つなんですが、先ほど、さっきの質問の中でですね、市長が「不本意なところもあるが、時間的な余裕は…」というご発言があったんですけれども、札幌市としてというか、市長として、道の出資比率は現状維持、あるいは過半数というお話もされていたことがあったと思いますが、そういう具体的に不本意というか、札幌市の主張が受け入れられなかった部分というのは、具体的にどんなところにあるのかというのが1つとですね、もう1つ、丘珠を拠点にするということで大筋で合意という、方向性を確認ということだと思うんですけれども、アクセスの問題、あるいは以前何か報道もありましたけれども、滑走路の問題ですとか、空港の利便性の面で、丘珠というのはまだ課題が山積している状況かと思いますけれども、札幌市で具体的に今この条件整備というかですね、何か具体的な取り組みというのは決まっているんでしょうか、教えていただければと思います。

市長

 不本意というふうに申し上げたのは、丘珠空港を、もっと言えば札幌市の機能を北海道のためにどうやって生かすのかという、そういう大目標をですね、今日まで確認できなかったということが非常に不満なんですよ、私は。そんなことはもうA-netが出ていくときにですね、はっきりしていたことでしょう。ですから、私は、そこは早く決断していただかないといけないことだったということを、今言ってもしょうがないですけどもね、そのように思っております。すべてはそこから出発しないと。千歳に集約ということであれば、変わらないということであれば、札幌市の協力のしようがないじゃないですか。だから、それはもう論理がちょっとおかしいと私は思っております。だから、そこはもう非常に不満です。何でこんなに時間がかかるのか。

 北海道も大変だったと思うんですよ。だって、JALの情報が出てくるのがですね、圧倒的に少ないわけですから。だから、私は北海道だけに文句を言っているわけじゃなくて、こういう事態になること自体が、行政は大変なんだというね、これは、私は、バスの問題とかね、電車の問題は、もうさんざん乗り物で苦労しているんですから。新幹線もそうですよ。だから、北海道も苦しいのはよく分かるんだけど、苦しいんなら自分だけで背負わないで、みんなで議論しましょうよということを申し上げているわけでありますので、ぜひここで何かね、不満たらたら言ってね、関係が悪くなるとか、そんなことじゃなくて、やっぱりみんな悩みは同じなんだから、それを前向きにどうやって議論していくかということについて、早く、ある情報を全部出して、そしてみんなで議論しましょうというのが、これからの北海道政と基礎自治体との関係も、こういうことを契機にうまく前進できれば、負の問題ばかりじゃなくて、プラスに進むんじゃないかというふうに思いますので、これからでも全然遅くないと思いますので、ぜひ平場で議論ができるようにそういう関係を築いていきたいなというふうに私は希望しているということであります。

NHK

 空港の整備も…。

市長

 これは、いろいろと議論しなければならないというふうに思います。まだ具体的な丘珠集約すら決まっていなかったわけでありますので、これからでございます。

 何らかの手だてをしなければいけないというのは認識をしているというふうにお答えさせていただきます。

NHK

 それは滑走路についてもという感じですか。

市長

 そこはないでしょう。ちょっと飛躍し過ぎですね。

 「TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)について」

北海道新聞

 すみません。全然話題違うんですけど、TPP、関税撤廃交渉が、今、政府の中でも相当意見も割れてますけれども、市長、何かご意見あれば伺いたいんですけれど。

市長

 そうですね。各省によって影響についての試算が全然違うということ自体が、不安だけあおるようなことになることは、非常に情報提供の仕方がまずいんじゃないかなと私は思いますけれども、オール日本の立場から言えば、もちろん貿易の自由化、関税撤廃という方向性というのは世界的にあるだろうというふうに思いますけれども、一方できっちり押さえておかなければならないのは、農業ですね、やはり。これは北海道だからということじゃなくて、日本の農業をどう考えるかということについての手当てなしに、この議論はなかなか厳しいでしょうねというふうに思います。

 感想はそういうことですけれども、過日、経済同友会のインタビューの際にも、そんなお話がございましたけれども、乗り越えなきゃならないさまざまな課題が山積している中で、非常に厳しい立場に今あるということだけは認識はしております。

北海道新聞

 ごめんなさい。立場にあるというのは、誰が。

市長

 日本という国が貿易立国でありますので、フリーハンドをどういうふうに獲得するのかというようなことと、自国の大事な食料をどう守るのかということですね。

 北海道的に言えば、私は、北海道の食料生産能力といいますか、その質、クオリティは極めて高いものがあるというふうに思いますので、単に価格だけで負けてしまうということにはならないというふうに思いますけれども、それだけではなかなか厳しいところもあるだろうということも思いますので、もう少しいろいろな情報をちょうだいしながら勉強していきたいなというふうに思います。

 「『札幌ドーム』へのネーミングライツの導入について」

北海道新聞

 札幌ドームのネーミングライツの売却についてお伺いしたいのですが、今、命名権の売却について全国的にはかなり下火になっている中で、札幌ドームは売却すると。そのことの1つ意義についてと、もう1つは、これ道内企業に限らず公募していくのかということ。あと、市民の中からは、札幌ドームという名称が極めてなじみのあるものだから、なるべく残してほしいという意見もあるかと思うんですが、その点についての市長の見解をお伺いしたいんですが。

市長

 意義はもう当然のことながら補修費用。試算によりますと、今後20年の間に200億円は最低掛かるだろうというふうに言われておりますので、これもその一部でもやはり札幌ドームの名前を売却することによって稼ぐことができれば、ドームのためになるだろうということでございます。道内企業だけではなくて、全国でこれは公募しなければならないということだというふうに思います。

 さらに、札幌ドームという名前についての愛着でありますが、私も札幌ドームという名前は大変愛着がありますし、まさに札幌ドームという名前があればこそ、ネーミングライツを獲得をする企業の売りになるだろうというふうに思いますので、公募をする際には札幌ドームという名前を生かすこととかというような条件を付けさせていただけるようなことができればというふうに私は考えているんですが、これは今のところそういうふうに考えているということでございます。

北海道新聞

 それは公募条件の中に、札幌ドームという名前を残すように入れてもらうという、そういう考え方ということですか。

市長

 そういう考え方です。

 そのほうが多分、企業としても何々札幌ドームのほうがいいと思うんですよ。何々ドームでは、どこか分からないという。もう本当にファイターズもコンサドーレも頑張っていただきましたし、ノルディックスキーの開会式なども札幌ドームの名前は世界に、こんなすごいところがあるのかと賞賛の言葉がたくさん寄せられているドームでありますので、札幌ドームの名前を生かしていただくような企業に応募をしていただきたいというふうに、私は思っているところでございます。

 「北海道公安委員会委員の推薦について」

北方ジャーナル

 ちょっと古い話になってしまうんですけれども、3カ月ぐらい前ですね、北海道公安委員会というのがあって、その委員のメンバーを札幌市から推薦する枠があると思うんですけれども、7月に前の委員の方のお1人の任期が切れて、市長が同じ方を再びご推薦なさって、議会の同意を得て、今、お務めになっていると。ちょっと素朴な関心なのですけれども、どういう決め手というか理由でその方に再びご推薦なさったのか、市長の中でどういう検討があったのかということを伺いたいんですけれども。

市長

 適任だと考えたからです。

北方ジャーナル

 ほかに何か検討した方とかはいらっしゃらなかった。

市長

 もちろん最初に1期目の推薦をさせていただく中には、いろいろな検討を加えさせていただきましたけれども、その検討結果に間違いがなかったということで、もう1期。これ本当に大変な仕事なのですね、拘束時間が非常に長い仕事でありますので。仕事の内容もまた重いものがありますし、それをやり遂げていただける方ということでお願いしたということであります。

北方ジャーナル

 まさにその方が最適であると。

市長

はい。

北方ジャーナル

 分かりました。

(以上)

 

この内容については、重複した言葉遣いや、明らかな言い直しがあったものなどを整理した上で作成しています。

(作成:札幌市広報課報道係)

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