4 各区の取組 (1) 中央区 概況 中央区は、北区と東区とはJR函館本線で、白石区と豊平区とは豊平川で、南区と西区とは南西部山地の稜線で境界を接し、文字どおり市の中央部に位置しています。 明治の初め以来、札幌の中心として計画的なまちづくりが進められ、官庁や企業の近代的なビルが立ち並ぶ一方、円山や藻岩山、豊平川など豊かな自然にも恵まれています。 また、時計台や札幌市資料館などの歴史的な建造物が多く残り、札幌コンサートホールKitara(キタラ)、札幌オリンピックミュージアム、札幌市民交流プラザなどの文化施設や、札幌駅前通地下歩行空間(チ・カ・ホ)、創成川公園、札幌市北3条広場(アカプラ)も整備されるなど、魅力ある都市空間を形成しています。 歴史 中央区は、明治2年、開拓使が設置され、島義勇判官が札幌本府の建設に着手しました。その志を受け継いだ岩村通俊判官の手によって、4年から本格的なまちづくりが始められました。 札幌本府の建設とともに東北地方からの移住が始まり、3年に酒田(山形)から30戸が円山地区へ、4年に新潟から40戸が山鼻地区へ入植しました。9年には山鼻地区へ240戸の屯田兵が入植し、札幌の開拓を推進する原動力となりました。 大胆なまちづくりの構想は、その後大きく実を結び、今日の札幌は、北方圏を代表する拠点都市となっています。 アクションプラン2015におけるまちづくりの取組 アクションプラン2015において、中央区では3つの取組を進めてきました。 1つ目は、「避難所運営体制づくり取組支援事業」です。これは、災害時に円滑な避難所運営を可能とするため、地域住民の自主運営体制づくりを支援してきたものです。これにより、25か所ある基幹避難所ごとの「避難所運営マニュアル」が全て完成しました。今後もマニュアルの更新や定期的な運営訓練等、継続した支援を行っていく予定です。 2つ目は、「市電と沿線の活性化事業」です。貸切電車イベントの開催などにより、市電乗客数及び沿線への来訪者増加による地域活性化に取り組んできました。年間を通して様々な世代を対象とした貸切電車イベントを開催。“2歳以上の子どもとその保護者を対象とした、楽しく交流できる「貸切電車DE子育てサロン」”、“市電の車窓からの景色を楽しみながら、講師の先生にアドバイスをもらいながら俳句を詠んでいただく「俳句教室」”など異なるテーマを設定しました。また、札幌国際芸術祭2017期間中には、「小学生デザイナーによるラッピング電車SIAF号」を走らせるなど、幅広い市民に市電や沿線地域の魅力を伝えるとともに、賑わいの創出を図りました。 最後に、「都心のみどり景観魅力アップ事業」です。みどり豊かで魅力ある景観とするため、街路樹の根上がり対策、枝の作り直しなどを計画的に進め、安全な歩行環境や美しい道路景観の維持に努めました。 取組目標・主な取組 目標1:地域がつながり安心・安全に暮らせるまちづくり 子育て環境の充実や健康づくり支援を通じて人と人とがつながり、また、地域防災力の向上に向けた取組などにより、あらゆる世代が安全・安心に暮らせるまちづくりを進めます。 中央区避難所運営体制づくり取組支援事業 避難所運営を円滑にするため、地域住民と各基幹避難所等とが協議して作成した避難所運営マニュアルに基づき、地域住民による運営訓練等の自主的な取り組みを支援します。 都心のみどり景観魅力アップ事業 都心部のみどり景観の魅力向上と安全で美しい道路空間確保のため、街路樹の「根上がり対策(根の一部切断等)」及び「樹冠再生(将来樹形を見据えた枝の作り直し)」を行います。 世代間交流子育てフェスタ 子育て世帯や地域住民、学生ボランティア等が相互に交流を深めるため、サマーフェスタ・スノーフェスタを開催します。 子育て支援者研修会・講演会 子育て環境の充実を図るため、地域の子育て支援者に、子育て支援に関する理解を深める機会を創出します。 地域団体・学校・企業と連携した食育事業 区民の健康寿命延伸に向けた「食育ツール」の学校等との開発とワークショップの開催、食育ツール等を活用した食生活改善に関する知識の普及啓発等を推進します。 目標2:地域活動の活性化 中央区にある施設・自然・活動等の豊富な地域資源を生かし、企業・団体と協働することにより、にぎわいづくりや地域経済の活性化につながる取組を支援・促進していきます。また、地域の方々がそれぞれの地域の課題を解決し、自らが思い描く住みよいまちづくりを実現できるよう、その取組を支援するとともに、多様な交流の場づくりに取り組むことで、地域におけるまちづくり活動の輪を広げ、地域活動の活性化を図ります。 アタック・ザ・531M(藻岩山ファミリー登山) 市民に親しまれている藻岩山を会場に、家族や友人との絆を深め自然に親しむことにより、豊かな自然を守る意識を育てます。 ウインタースポーツフェスタin大倉山 大倉山ジャンプ競技場を活用し、ウインタースポーツへの関心を高めるとともに、冬季の外遊びの推進や区民の交流と健康増進を図ります。 地域資源魅力体感事業 中央区の地域資源(人、企業、施設、自然等)に興味や愛着を抱き、まちづくり活動に参加する機運の一層の醸成を図るため、区内の地域資源を巡り、地域の魅力を伝えるモニターツアーを実施します。 ふれあいフラワー事業 地域活動の活性化や地域の環境美化意識の向上のため、次世代を担う子どもたちや地域の企業等による花の植栽活動を実施します。 目標3:サービスアップの推進 区民の暮らしに必要なサービスを正確に、迅速に、親切丁寧に行う窓口づくり・職員の育成を進めます。 コンシェルジュ(庁舎内案内人)の設置 来庁者が迷わずスムーズに手続き等を行えるよう、区役所仮庁舎にコンシェルジュを通年配置し、市民サービスの向上に取り組みます。 (2)北区 概況 北区は市の北部に位置し、東は創成川と旧篠路村境界で東区に接し、西は新川を境に西区と手稲区に接しています。また、南はJR函館本線で中央区に接し、北は発寒川、茨戸川、石狩川を境に石狩市、当別町と隣接しています。 地形は平坦で山がなく、多くの河川や屯田防風林など、特徴的な自然景観を有しています。また、地質・地盤は南地域の一部を除き、粘土質の土並びに泥炭からなり、軟弱です。 昭和20年代までは、区の南部が市街化していたにすぎず、他の地区は純然たる農業・酪農地帯でした。30年代に入り、札幌市の人口規模の急膨張に並行して、新琴似、屯田、篠路地区などの市街化が進みました。現在は屯田、篠路、あいの里などの地域が新興住宅地として発展を見せているとともに、人口も約29万人と10区の中で最も多くなっています。 歴史 明治2年、開拓使が置かれ、札幌本府の建設が着手されましたが、篠路地区ではこれより10年ほど早い安政6年頃から、開拓が進められていました。旧札幌市街地で札幌市の中心に接する鉄西地区では、明治4年、札幌最初の公園「偕楽園」が造られました。また、幌北地区は、農場開墾のため、19年に鍬が入れられたのに始まります。一方、旧琴似地区の新琴似、新川、屯田の各地区は、20年から22年にかけて九州の士族を中心とする屯田兵により開拓されました。“屯田”という名が地名として残っているのは北区の屯田地区だけです。琴似町と篠路村は昭和30年、札幌市と合併。47年4月、札幌市は政令指定都市に移行し、区制が施行され、北区が誕生しました。都市基盤も着々と整備され、快適な街として大きく成長しています。 アクションプラン2015におけるまちづくりの取組 北区ではこれまで、地域住民や学生と連携した各種まちづくり活動をはじめ、高齢者等が安心して暮らせるよう、地域連携による見守り支え合い活動の推進や、災害に備えた地域住民のための避難場所運営研修などを地域住民と協働で行ってまいりました。 特に、アクションプラン2015に基づき、地域防災力の強化に向け地域と福祉施設が一体となった避難活動の協力体制づくりを支援してきたほか、ポプラ通りの再整備等を通じた歴史資源を活用したまちづくり、JRの駅周辺での緑化によるみどりの顔づくり、さらには、北区北部地域の区民の利便性向上を図るため、篠路出張所の窓口サービスの充実に向けた検討を進めてきました。 取組目標・主な取組 目標1:地域との連携・まちづくり参加 世代や団体などを超えて交流できる取組を実施し、地域との連携やまちづくりへの参加をより一層促進します。 北区アダプト・プログラム支援 区内の道路などの清掃活動を行う各団体を対象に、北区と各団体が役割分担のうえ、協働による環境美化活動を推進します。 北区少年少女スポーツ大会 少年少女の相互交流を図るため、区内の小学生を対象にドッジボール、ミニバスケットボール大会を開催します。 区民交流促進事業 多様な団体が参加するふれあいの場を創出することで様々な人々の交流を喚起し、まちづくりへの意識が高められるイベントを開催します。 目標2:歴史伝承・文化継承 かつて盛んだった亜麻や藍の栽培、歌舞伎など北区独自の歴史や文化を活用したまちづくりを更に推進します。 北区歴史と文化の八十八選再整備事業 北区歴史と文化の八十八選について、認知度の向上や、観光等の資源としての活用を目的に、再選定も含めた再整備を実施します。 伝統文化育成プログラム促進事業 北区の伝統芸能である農村歌舞伎を後世に伝えるため、地域団体が主催する公演等の支援、担い手の確保や育成手法の調査・取組を進めます。 藍栽培の歴史伝承 篠路地区を中心とした一帯で盛んであった藍栽培の歴史を知ってもらうため、「藍の種」の配布や小学校などでの体験授業等を実施します。 亜麻の歴史伝承 麻生地区の名前の由来にもなった亜麻を身近に感じ、亜麻を活用したまちづくりを推進するため、フラワーロードの整備等を実施します。 目標3:防災 北海道胆振東部地震の教訓を生かし、地域における防災の取組を支援します。 地域の新たな防災の取組支援 地域における自助・共助の取組を一層推進するため、普及啓発や実践的な避難所運営に向けた研修等を実施します。 目標4:健康づくり・子育て支援 健康寿命の延伸に向けた取組や、子どもが健やかに育つためのイベントを実施し、元気で健康なまちづくりを推進します。 子育て家庭にやさしいまちづくり 夏休み期間に、親子で楽しく参加できるイベント「Go!Go!きたっこ夏まつり」を開催します。 高齢者教室(北親大学) 高齢者がともに学ぶ仲間をみつけ、生きがいのある生活を過ごせるよう高齢者教室を実施します。 ぽっぴぃはっぴぃプラン 区民・大学とつくる「きたまち」すこやか事業 区民の健康寿命延伸に向け、北海道大学大学院保健科学研究院との連携協定に基づく実践及び区まちづくりキャラクター「ぽっぴぃ」を活用したアプローチにより、健康づくり・介護予防への関心を高めます。 目標5:サービスアップ 篠路出張所の行政機能拡充、区役所に来庁する外国籍の方々のサポートなどを通して、利用者の方々の利便性の向上を図ります。 篠路出張所スマイルアップ事業 北区北部地域における区民の利便性の向上を図るため、篠路出張所の行政機能を強化します。 留学生等外国人来庁者に対するサポート 留学生等が転入等の各種手続きをスムーズにできるよう、札幌国際プラザの協力のもと外国語ボランティアをロビーに配置します。 (3)東区 概況 東区は札幌市の北東部に位置しています。東を豊平川と石狩川で白石区、江別市、当別町と、西と北を創成川と旧篠路村境界で北区と、南をJR函館本線で中央区と接しています。人口は北区に次いで第2位となっています。 東区は農業、工業、商業の三拍子がそろったバランスの取れたまちです。農業については、経営耕地面積は10区中でも上位に位置しており、東区の特産であるタマネギのほかコマツナを多く栽培しています。工業では、明治時代からの工業地帯である苗穂地区にJR苗穂工場や大規模な食品工場があり、丘珠地区には鉄工団地があります。商業では、JR函館本線の北側に卸売センターがあることなどから、卸売・小売業も盛んです。 東区には大規模施設が相次いで整備されました。平成7年に「サッポロさとらんど」がオープンし、9年には「札幌市スポーツ交流施設(つどーむ)」がオープンしました。平成17年には故イサム・ノグチ氏の設計による「モエレ沼公園」がグランドオープンとなり、いずれも札幌を代表する施設として多くの市民が利用しています。 歴史 開拓の基礎を築いたのは、二宮尊徳の門下にあたる大友亀太郎です。慶応2年、幕府の命を受けた大友は、農家約20戸を伴って、当時の伏籠川のほとり(北13条東16丁目付近)で御手作場(模範農場)の造成に着手しました。大友は最初に用水路と道路を開き、橋を造りました。用水路は後に「大友掘」と呼ばれ、現在もその一部(南3条から北6条付近)が創成川として残っています。 大友堀に沿って開けた(旧)札幌村(後の元村)には本州から移民が入植して開拓が進み、その後、苗穂村、丘珠村、雁来村が開村し、東区の母体となる札幌村が形成されました。札幌村は昭和30年に、琴似町、篠路村とともに札幌市と合併しました。 アクションプラン2015におけるまちづくりの取組 東区では、区役所と区民・企業・各種団体との連携を深めながら、東区の特色を生かした、「区民が主役のまちづくり」を進めています。 アクションプラン2015においては、町内会が設立されていない地域に対する町内会設立促進を図るため、リーフレットの作成・配布、説明会や座談会など、地域へのサポートを行いました。 また、大規模災害が発生した際、学校など通常の避難所で避難生活を送ることが困難な要配慮者(高齢者)の方々を、医療・介護・日常生活支援等に関する専門的なノウハウや設備を有する「要配慮者二次避難所」が円滑に受け入れることができるよう、運営マニュアルの作成や訓練を実施し、施設等関係機関との連携・協力体制を強化しました。 さらに、子どもと大人の交流の場として、児童会館を活用し、東区の地域の歴史や特徴的資源、まちづくりなどを体験するワークショップを開催するなど、多世代交流事業を行いました。 取組目標・主な取組 目標1 安心して暮らせる強く優しいまち 地域・関係団体などと協働して安心安全や健康などに関する事業を進めます。 生活に密着したウォーキング普及事業 区民が年代を問わず、気軽にウォーキングに取り組むきっかけづくりと、持続的に運動に取り組むことができる環境づくりを整えます。 東区安心安全なまち推進事業 区民協議会との協働により、自助・共助意識の醸成を図るための自主防災組織等の活動支援や防災普及啓発活動を実施します。 災害時要配慮者支援ネットワーク運用事業 要配慮者(高齢者)に対する災害時の支援体制づくりを促進するため、要配慮者二次避難所運営マニュアルの作成や訓練を実施します。 東区町内会活動活性化支援事業 町内会自らが時代に即した情報発信を行うため、連合町内会連絡協議会ホームページの充実等を実施します。 ひがしく健康・スポーツまつり 各団体が様々な立場や視点から「健康・スポーツ」について考え、区民・企業・行政が一丸となって取り組むイベントを開催します。 地域とともにつづける健康づくり支援事業 「健康さっぽろ21(第二次)」の全体目標の実現を目指し、地域の健康づくり団体と連携し、区民の健康づくりを支援します。 目標2 女性がさらに輝き活躍するまち 子育て家庭の負担を軽減させ、安心して子育てができるような環境づくりを進めます。 子育て家庭を支える地域づくりの推進 地域で子育て家庭を支える子育て支援者の自主的な活動を推進するため、子育て環境整備に向けた関係機関との会議等を開催します。 目標3 全ての子どもたちが健やかに育つまち 子どもが健やかに育ち、学べる環境を整備し、一人ひとりを大切にした取り組みを進めます。 児童会館を活用した東区多世代交流事業 交流の場として児童会館を活用し、地域の歴史や特徴的資源、まちづくり等を体験するワークショップを開催します。 東区子どもまちづくり体験塾 まちづくりや地域活動へ興味を持つ機会を作り、まちづくりの担い手確保につなげるため、施設見学や企業活動などの体験を実施します。 地域に根ざした食育推進に係る支援事業 地域、地場企業、保育・教育機関、行政から構成する「東区食育推進ネットワーク」が連携して、地域に根ざした食育を推進します。 目標4 魅力と活力にあふれる成熟したまち 東区の企業等と連携して、東区の特産物や大規模施設を活用し、魅力と活力の向上に努めます。 「タッピー市場」実施事業 タッピー関連商品や札幌黄などの東区の特産品等をPRするため「タッピー市場」を開催し、東区ブランドの構築を図ります。 タッピーフレンズ 地域住民との「つながり」構築のため、東区と連携・協力している企業等をタッピーフレンズとしてホームページ等で紹介します。 大学・専門学校との5者合同事業 「地域連携協定」を締結している区内の大学や専門学校と、健康づくりや子育てなど地域の課題解決に向けた連携事業を実施します。 企業との連携によるまちづくり活動推進事業 地域課題の解決や地域活性化のため、企業と連携した環境美化活動「東区まち美化プログラム」や「札幌黄PR事業」等を実施します。 (4)白石区 概況 白石区は市の東部に位置し、北側は江別市と、南は東北通を境に豊平区及び清田区と接しています。また、東は厚別区、西は豊平川を境に中央区と東区に隣り合っています。 地下鉄沿線を中心に集合住宅が多く、1世帯あたりの居住人数は中央区、豊平区に次いで少なくなっています。 区内には、東西方向にJR線、地下鉄、主要幹線、白石こころーど(旧白石サイクリングロード)が、南北方向に道央自動車道や環状通が配されているなど、整備された各種交通網が生活の利便性を高めているとともに、区の東部に広がる流通センターは道内の物流拠点になっています。 また、「札幌コンベンションセンター」や「JICA北海道国際センター(札幌)」等の施設もあり、札幌市の集客交流や国際交流の拠点としての役割も担っています。 歴史 明治4年、旧仙台藩白石城主、片倉小十郎(白石城は現在の宮城県白石市に位置)の家臣が望月寒(現在の白石区中央付近)に移住しました。 彼らは、うっそうとした原始林が石狩河畔まで続くこの地で、厳しい寒さの中、現在の白石公園付近から白石神社の間をわずか半月足らずで切り開き、47戸の小屋を完成させました。開拓使の岩村判官は、この働きぶりに感心し、この地に彼らの郷里の名をとって「白石村」と命名しました。 その後、白石村が札幌市と合併(昭和25年7月1日)し、昭和47年4月1日に札幌市が政令指定都市に移行したことに伴い、旧白石村全域が白石区となりました。以後、著しい人口増加のため平成元年11月6日に厚別川を境に分区し、西側が現在の白石区となっています。 アクションプラン2015におけるまちづくりの取組 白石区では、区民の皆さんが「白石区に住んで良かった・住み続けたい」と思える魅力あるまちづくりを進めています。これを実現するため、目標@「安全・安心で快適に暮らせるまち」として、地域防災力の強化、子育て支援の充実、健康づくりの推進等に取り組むとともに、目標A「地域のチカラ、魅力の向上」として、町内会活動の活性化、若い世代のまちづくり参加、まちの魅力の創造等に取り組んでいます。 アクションプラン2015では、地下鉄白石駅周辺(地域交流拠点)の利便性向上等を目的に、地下鉄直結の白石区複合庁舎を整備したほか、複合庁舎のイベントスペースを活用したにぎわいづくりを進めてきました。また、地域に親しまれている白石こころーどにタイルアートを描くこと等を通じて、地域の活性化や魅力向上にも取り組んできました。 アクションプラン2019では、北海道胆振東部地震の経験を生かした地域コミュニティにおける防災力向上の取組のほか、健康寿命延伸に向けて、ウォーキングやスポーツ大会を通じた生活習慣改善の取組を進めていきます。また、町内会の活性化にも引き続き取り組んでいきます。 取組目標・主な取組 目標1:安全・安心で快適に暮らせるまち 地域防災力の強化、子育て支援の充実、健康づくりの推進等に取り組みます。 地域コミュニティにおける防災力向上事業 地域コミュニティに対して、災害時における「自助」「共助」を行うための組織作り、要支援者への支援体制の整備、防災意識啓発等を支援することで、災害対応力を向上します。 子育て支援の充実 子ども医療費助成の拡充や、病後児デイサービス、ファミリー・サポート・センター事業の登録説明会等を実施します。 各団体の連携支援 単身高齢者の増加や災害弱者の孤立等の地域課題解決のため、地域で活動する各種団体が共通認識を持つきっかけづくりとなる福まちパワーアップ事業等の取組や情報発信を実施します。 白石健康づくり推進事業 白石の歴史スポットをめぐる「白石歴しるべウォーキングマップ」を作成してウォーキングラリーを開催するほか、各種スポーツ大会の参加者の拡大を図る取組を実施します。 環境にやさしいまちづくり 市民・企業・行政の協働による清掃活動や、身近な自然や環境について考える機会に繋がる「月寒川にぎわい川まつり」等を実施します。 より快適な冬期環境の実現 小学生に雪対策への関心を持ってもらうための「雪体験授業」や、地域除雪ボランティアへの除雪用具の無償貸与等を実施します。 目標2:地域のチカラ、魅力の向上 町内会活動の活性化、若い世代のまちづくり参加、まちの魅力の創造等に取り組みます。 地域コミュニティ活動活性化支援事業 地域活動の中核を担う町内会活動を活性化することを目的に、町内会活動の紹介や、担い手確保に向けた取組等の支援を実施します。 若い世代のまちづくり参加 小中学生を対象とした就労体験「白石でっち奉公」の開催や、若者による「ふるさとまつり」への出店等、若い世代のまちづくり参加を支援します。 まちの魅力発見・発信 多くの区民が集まる「ふるさとまつり」において、郷土意識の向上につながる宮城県白石市や登別市との交流企画等を実施するほか、「歴しるべ」等の白石区の特色を「白石区ガイド」等を活用して発信します。 目標3:区民のための区役所 サービスアップの推進、積極的な情報発信等に取り組みます。 サービスアップ 区民の皆様の声(ご意見等)を的確に捉え、サービスアップにつながる窓口対応や庁舎案内の改善を実施します。 情報発信 「広報さっぽろ」やホームページ等を活用して区の情報を発信します。 特に2020年の白石開基150年に向けては、白石の人や歴史に着目した連載を開始します。 (5)厚別区 概況 厚別区は、市の東部に位置し、北東は江別市と、南東は北広島市と接しています。また、南は清田区と、西は厚別川、一部三里川を区境に白石区と隣り合い、面積は24.38平方キロメートルと10区の中で最小です。 地形はJR函館本線を境に、北の平野部、南の丘陵部に大きく分かれ、丘陵部は厚別川、野津幌川、三里川、小野津幌川が流れ、全体にゆるやかな起伏となっています。 街並みはJR新札幌駅、地下鉄新さっぽろ駅付近を中心とした商業地区と周辺の住宅地からなっていますが、野幌森林公園など豊かな自然環境にも恵まれています。 歴史 明治16年に長野県(信濃)の出身者が現在のJR厚別駅付近に移り住み、今でも信濃神社や信濃小学校に郷里の名をとどめています。 その後、森林と湿地帯が切り開かれ、畑や水田、牧場が広がり、農業地帯となりました。なお、厚別はアイヌ語で「ハシ・ペッ」−かん木の中を流れる川−又は「アッ・ペッ」−オヒョウダモのある川−に漢字をあてたものと言われています。 昭和25年、厚別地域を含む白石村は札幌市と合併し、さらに昭和47年4月1日、札幌市の政令指定都市移行に伴い白石区となりました。その後、地下鉄東西線開通、厚別副都心開発計画の進展で人口が著しく増加したため、よりきめの細かい行政サービスを目指し、平成元年11月6日に白石区から分区して厚別区が誕生しました。 アクションプラン2015におけるまちづくりの取組 厚別区では、地域交流拠点にふさわしい新さっぽろ駅周辺地区のにぎわい創出として、厚別中央市民交流広場に新たなイベントを誘致したほか、「新さっぽろ冬まつり」などの既存イベントや、北星学園大学・札幌副都心開発公社との連携事業のレベルアップを行いました。 平成26年度に策定した「新さっぽろ駅周辺地区まちづくり計画」に基づく市営住宅跡地開発と連携し、より多くの魅力・にぎわいを生み出すことができるよう、市民交流広場・科学館公園の再整備計画の策定及び設計を行い、また一部再整備にも着手しました。 地域の健康づくり活動を促進するため、地域健康・福祉イベント等を2015年度は2か所で実施。その後毎年1か所ずつ開催を増やし、2019年度には6か所で開催を予定しています。 また、超高齢社会に向けた地域活動の担い手を創出するため、大学を活用した種々の社会福祉に関する講座を高齢者に提供し、2015年度は6回、2016年度以降は毎年7回の講座を実施しています。 取組目標・主な取組 目標1:安全・安心 区民が安全、安心に生活できるよう、区民や関係団体と協働して防災・防犯への取り組みを強化します。また、道路や公園などを整備し、機能保全とバリアフリー化を推進します。 防災対策及び地域防災力向上事業 各種の訓練や研修などを通じて、地域防災力の向上を図るほか、2018年9月の北海道胆振東部地震の対応検証結果を踏まえ、防災体制の強化を図ります。 目標2:健康づくり 高齢の方が、住み慣れた地域で、健康で生き生きと活躍し続けることができるまちづくりを推進します。健康寿命の延伸に向け、地域の実情に合わせた、介護予防・健康づくりの普及・啓発を行います。 誰もが気軽に参加できるスポーツイベントを実施し、区民の健康増進と交流を図ります。 あつべつ健康寿命延伸事業 健康寿命延伸を阻害する疾病を予防するため、地域住民に対して健康づくりの実践や疾病予防についての普及・啓発を推進し、住民一人一人の健康寿命への関心を高めるとともに、認知症高齢者を支えられる地域づくりを行います。 食とノルディックウォーキングを合わせた健康寿命延伸事業 健康寿命延伸のため、食育とノルディックウォーキングを合わせて実施し、健康を目指す意識と実践の必要性を区民に広めます。 目標3:子育て支援 子育て家庭のニーズに応じた情報提供を行うとともに子育てを支援する人材を育成します。 子育てふれあいフェスタ 子育て世代を対象とした子育てネットワークの充実と、子育て家庭を支える人材の育成を図り、地域の子育て力の活性化を目指します。 目標4:にぎわいづくり 区民主体のにぎわいづくりを進めるため、新さっぽろ駅周辺地区を地域交流の拠点・区民のにぎわいの拠点としてより一層活用し、活気ある元気なまちづくりを行います。 厚別中央市民交流広場・科学館公園再整備に伴うにぎわい創出事業 より多くのにぎわいを創出するため、市営住宅下野幌団地跡地開発を核としたまちづくり推進事業と連携し、老朽化した厚別中央市民交流広場と科学館公園の一体的な再整備及び利用促進に向けた取り組みを進めます。 目標5:区民サービス・区民参加・区民主体 区民とともに考え、区民が主体のまちづくり活動へ支援を行うとともに、多くの区民がまちづくりに関心を持ち、積極的に参加できる機会を提供します。 区民ニーズや課題を常に意識して業務に取り組み、区民サービスの向上に努めます。 区民協議会支援事業 区民の主体的な創意工夫によるまちづくり活動を推進し、「あつべつ区民協議会」の事務局として支援を行います。 4 各区の取組 (6) 豊平区 概況 豊平区は、札幌市の南東部に位置し、北は東北通で白石区、西は豊平川を隔てて中央区、南西部は南区、東は清田区と接しています。 南部の緑豊かな丘陵地と山林、望月寒川、月寒川など、豊かな自然に恵まれています。また、「札幌ドーム」や「羊ヶ丘展望台」などの施設があり、大勢の観客や観光客が訪れています。 歴史 豊平区の歴史は、安政4年に札幌越新道の開削が始まり、そのころ豊平川の右岸に渡し守として志村鉄一が定住したことで幕を開けました。明治4年に現在の岩手県などからの移民が平岸や月寒に入植し、開拓が始まりました。41年に町制が施行され豊平町となりました。 農業や牧畜が盛んで、特にリンゴは明治時代から平岸を中心に栽培され、「平岸リンゴ」は昭和初期には海外に輸出されるほどでした。また、明治6年に開通した現在の国道36号に沿って商店や工場が立ち並び、交通の要衝と呼ぶにふさわしいにぎわいを見せました。 昭和36年に札幌市と合併し、47年の区制施行により豊平区が誕生しました。旧豊平町の地域は豊平区と南区になりました。その後、著しい人口増加などのため、平成9年に東部が清田区として分区しました。 かつてのリンゴ園は、都市化とともに消えていき、今では環状通のリンゴ並木にその面影を残すのみとなっています。 アクションプラン2015におけるまちづくりの取組 区内に各種スポーツ施設を有する豊平区では、国内外からたくさんの方々を迎える機会が多いことから、「おもてなし」をキーワードとして、地域と一体となって街の魅力と活力を高めるまちづくりを進めています。 花を植えて街をきれいに彩る「とよひらHANA-LAND事業」や、区にゆかりの深いリンゴの活用、カーリング場での区民向け体験会や大会の実施、札幌ドームでのスポーツイベントの開催など、地域や学校、プロスポーツチームなどと連携しながら、豊かな自然や恵まれた施設環境といった区の特長を生かした事業を実施しました。 また、地域のまちづくりに参加・協力してくれる企業や学校などの団体を「とよひらまちづくりパートナー」として登録し、さまざまな地域の活動につなげていくことを通じて多様な担い手によるまちづくりを進めています。 さらに、毎日を安全・安心で快適に暮らせるよう、幅広い世代に対して健康づくりや防災に関する知識の普及啓発を行っているほか、地域交流や、子ども・学生のまちづくり活動への参加促進などにも力を入れています。 取組目標・主な取組 目標1 地域活動を活性化するまちづくり 豊平区にある公共施設などの資源を活用し、地域活動を活性化する取組を進めます。 とよひらプロジェクト事業 多数の国際規模のスポーツ施設に恵まれた「スポーツのまち・豊平区」として、区民がスポーツに親しむための多彩な機会を提供し、地元への愛着を育みます。 トヨヒラ「おもてなし特区」推進事業 豊平区の活力を高めるまちづくりを進めるため、地域・企業・商店街などと連携し、さまざまな「おもてなし」の取組を展開します。 地域主体の健康づくり普及啓発事業 地域とのつながり強化に向けて、地区単位で実施している健康フェアやセミナーなど、地域住民が主体となる健康づくりの取組を支援します。 「魅力発見 ほ〜!へ〜!カルタ」の普及 区内の歴史やシンボルなど区の魅力を集約した区独自のカルタを活用し、区民の地域への理解・愛着を深めるとともに、区民同士の交流促進のきっかけを創出します。 目標2 安全・安心な暮らしを支えるまちづくり 災害等に強い安全・安心な暮らしを目指した取組を進めます。 地区防災研修会等支援事業 町内会連合会が実施する防災研修・訓練に対し、運営協力や専門家を講師として派遣する等の支援を実施します。 地域防災力の強化を目的とした普及啓発及び支援 豊平区防災マップを作成するほか、楽しみながら防災を学ぶことができる体験プログラム「イザ!カエルキャラバン!」の開催を支援します。 安全・安心なまちとよひら推進事業 小学生の交通事故防止のため、歩道に直接貼ることのできるストップマークを小学校へ配布するほか、自主防犯活動団体等への支援として腕章や車両用マグネットシートの配布などを行います。 目標3 地域で互いに支え合うまちづくり 地域の住民や団体が、互いに支え合うことのできる環境づくりを促す取組を進めます。 とよひらまちづくりパートナー事業 地域のまちづくり活動に参加・協力したい「思い」を持つ企業や学校などの団体と地域とが「顔の見える関係」をつくり、様々な地域活動を通じて多様な担い手によるまちづくりを進めます。 ワクワクとよひらんど“きたえーるでアソボ!!” 子育てしやすい環境づくりを図ることを目的に子育て支援に関わる地域団体、ボランティア等と連携し遊びや情報を提供するイベントを開催します。 目標4:豊かな自然と共存するまちづくり 区にゆかりの深いリンゴを活用した取組や、地域と協働した環境美化の取組を進めます。 とよひらハナランド事業 歩道の植樹ますを彩る花苗や種を地域や小中学校に提供し、植花活動などを通じて色彩豊かな美しい街並みをつくり、地域の連帯やふるさと意識を醸成します。 地域資源を活用した区の魅力PR事業 「環状通リンゴ並木」を活用し、地域の歴史やつながりについて学ぶ小学生の学習支援を行うとともに、プロスポーツチームなどへのリンゴ贈呈を通じて、自然豊かな区の魅力をPRします。 (7)清田区 概況 清田区は市の南東部に位置し、北は東北通で白石区と厚別区、西は吉田川、羊ヶ丘、山部川を境界に豊平区、南西部は南区、南は丘陵地で恵庭市、東は大曲川で北広島市と接しています。区域のおよそ3分の2は、緑豊かな丘陵地と山林に覆われ、南北に縦断するあしりべつ川(厚別川)、山部川などの河川や白旗山を有する市最大の市有林があり、身近に雄大な自然を感じることができます。 自然を生かした街並みが形成されており、比較的若い世代が多く居住しています。 区内には梅の名所として知られる「平岡公園」、国際スキー連盟公認の距離競技場とナイター設備を完備した2面の天然芝サッカーグラウンドを有し、2017冬季アジア札幌大会の会場の一つとなった「白旗山競技場」、市民の憩いの森として親しまれている「札幌ふれあいの森」など豊かな自然と調和した全市的な公園、施設が整備されています。 平成30年の北海道胆振東部地震において、大きな被害を受けた地区もあり、復旧に向けた取組が進められています。 歴史 明治6年に月寒開拓団の一員であった長岡重治が“あしりべつ”(清田区の中心部)へ居住したのが最初の入植といわれています。その後個別の開拓という状態が続き、明治20年代に本格的な開拓が始まりました。昭和30年頃までは水田開発が進み、厚別川の低地帯は「清田」の地名の由来のように美しく清らかな水田が広がり、小高い丘は一面がリンゴ畑の農村地帯でした。 昭和36年の豊平町と札幌市の合併を契機に次々と大型団地が造成され、市街地も拡大していきました。 その後も、東部地域開発や大型民間開発が進められ、加速度的に人口が増加したことから、平成9年11月に豊平区から分区して「清田区」が誕生しました。 アクションプラン2015におけるまちづくりの取組 地元農産物や「きよたスイーツ」といった「食」と、地域活動が盛んな「音楽」の魅力を発信する「きよたマルシェ&きよフェス」では、地元企業・団体の参加が40以上に広がっているほか、コンテストや講習会、体験講座を通じた花とみどりのネットワークづくりにより、花サポーターの登録が200名以上に増加するなど、地域で活動する団体で構成する「きよたまちづくり区民会議」をはじめ、地域と一体となったまちづくりを進めてきました。 また、地域主体の活動を支援することで、「地区ウォーキング」への参加が年間約3,000人に増えているほか、認知症に対する理解を深める講座・交流会の開催が区内5地区で年間10回を超えるなど、区民の健康づくりや超高齢社会の対応に取り組んできました。 今後は、地域特性や課題を踏まえ、区民の満足度を向上させるとともに、交流人口を増やすよう積極的に取り組み、「多くの方が行き交い、安心で住み続けたいまち」を目指していきます。 取組目標・主な取組 目標1:区内外への情報発信 地域団体や企業と連携して、地域の魅力を磨き、認知度を高めます。 「きよたスイーツ」の推進 販路拡大とともに、「地域の顔」として広く浸透させるため、地域の菓子店と協力して、首都圏や区外など、様々な場面に進出します。 自然体験の推進 区のシンボルでもある「白旗山」や「あしりべつ川」、「平岡梅林」のほか、花やみどりなど地域の「自然」に触れ合う場づくりを進めます。 環境にやさしいまちづくり 区民や企業とともに、清掃・美化活動やホタル観賞会、アダプトプログラムなどに取り組みます。 目標2:賑わいづくりの拡大 区役所周辺地域をはじめ、区内ににぎわいを創出し、人の流れを取り込みます。 地域交流拠点におけるにぎわい創出事業 「きよたマルシェ」や「きよフェス」といった地域の魅力を発信する取組を定着・発展させ、地域交流拠点である区役所周辺から賑わいを生み、地域の魅力を広く発信する仕組みを構築します。 音楽を通じたまちづくり 清田区ゆかりのアーティストやPMFアカデミー生などによるコンサートを、区内の様々な場所で開催し、音楽に触れる機会を創出します。 目標3:多様な交流の促進 地域活動を支援し、まちづくり参加にもつなげます。 世代間交流の促進 地域、行政、学校が連携し、講座や実習といった高齢者の学びの場を通じて、児童との交流を深めます。 まちづくりを体験する機会の創出 企業や団体と連携して、子どもが地域を学ぶほか、実践者と交流しながら、実際に仕事を体験する機会をつくります。 スポーツを通じたまちづくり 区内のスポーツ団体と連携し、白旗山など地域資源を生かして、区民がスポーツと親しむ行事を企画・実践します。 目標4:安心して生活できる環境づくり 防災・防犯活動の充実に加え、子育て世帯や高齢者の状況に合わせた取組を進めます。 地域防災力の向上支援 震災の教訓を踏まえた、実態に即した防災訓練を実施するほか、地域が実施する研修会などに積極的に出向いて啓発します。 子育ての相談がしやすい環境づくり 拡張した「子育てインフォメーション」を有効活用し、必要な情報を伝え、安心して相談できる環境づくりを進めます。 清田区健康アップ推進事業 歩く習慣やバランスの良い食習慣の裾野拡大のため、健康づくりに関連する様々な取組をつなぐ地域独自の仕組みを展開します。 区役所を拠点とした生活習慣の改善による介護予防事業 区役所に測定スペース「きよた健活ラボ」を新設するとともに、高性能体組成計を用い、保健師と個別相談できる測定会を実施します。 ?南区 概況 南区は、市の南西部に位置し、小樽市、千歳市、恵庭市、伊達市、京極町、喜茂別町そして赤井川村の4市2町1村と接しています。面積は657.48km2で全市域の約60%を占め、南北に37.6km、東西に33.2kmの広がりをもっています。区内には無意根山や空沼岳など標高1,000mを越える山々がそびえ立ち、真駒内川をはじめとした大小100余りの河川が豊平川へと注いでいます。市街地は平坦な北東部とこれらの河川に沿って形成されています。 豊かな自然に恵まれた区内には、滝野すずらん丘陵公園や真駒内公園など大規模な公園・緑地や市民の水がめである豊平峡ダム、定山渓ダムがあるほか、札幌国際スキー場など多くの憩いの場が整備されています。 農業は果樹栽培が盛んで、観光果樹園は市民の人気を集めています。また、約150年の歴史のある定山渓温泉には、市内外から毎年多くの観光客が訪れています。 このほかPMF(パシフィック・ミュージック・フェスティバル)が開催される札幌芸術の森や軟石採掘場跡を造成した石山緑地などが、新しい芸術文化の発信地となっています。 歴史 現在の南区の礎が築かれたのは、明治2年に、札幌に開拓使が置かれて町の建設が始められる以前に、美泉定山が温泉を確認したことが始まりと言われています。その後、本願寺街道(現国道230号)の開削、簾舞通行屋(宿泊・休憩所)の設置、八垂別(現藻岩)での硬石・穴の沢(現石山)での軟石の発見などがあり、大正7年には、定山渓鉄道が開通し、鉱石や木材の運搬、定山渓への行楽客の運送に大きな役割を果たしました。 さらに戦後は、真駒内の種畜場が米軍に接収され、その返還とともに、真駒内団地の造成が開始されました。昭和47年には、真駒内地区が主会場となり、第11回冬季オリンピックが開催され、会場アクセスとして前年に地下鉄南北線が開通するなど、都市基盤の整備が急速に進み、現在の南区の街並みが形成されました。 アクションプラン2015におけるまちづくりの取組 南区では、自然災害の発生への備えや、地域・学校との協働による雪対策、また健康寿命の延伸など、地域住民が安心して暮らせるまちづくりに取り組みました。  また、まちづくりセンターを拠点に、地域住民が主体的に取り組むまちづくり活動を支援するとともに、まちづくりセンターの地域自主運営の取組を支援してまいりました。 さらに、南区の自然や観光・文化資源を活かし、「住んでよし、訪れてよし」の都市空間づくりに取り組むシーニックバイウェイ活動への支援や、区内にキャンパスを有する大学生などの若い力を活用した地域活性化の取組への支援など、魅力と活力にあふれたまちづくりに取り組みました。 取組目標・主な取組 目標1:安心して暮らせるまちづくり  住民が地域で安心して生活できるための環境整備や交流促進事業を実施します。 安全・安心な緑道整備事業 利用者の安全・安心や利便性の向上、快適な住環境の整備などを目指し、老朽化や歩行環境の悪化など、多くの課題を抱える緑道などの再整備を進めます。 地域母子保健ネットワーク促進事業「たんぽぽ広場〜すくすく子育てミーティング〜」 子育て世帯の孤立化や児童虐待を予防するため、育児の悩みを持つ母親を対象にミーティング形式の交流の場を設定し、地域とのつながりが持てるように支援します。 目標2:地域まちづくり活動の推進  住民が地域においてまちづくり活動に主体的に取り組めるよう支援します。 (南区情報発信事業)南区ガイド作成 地域住民に広く南区の概要等の情報を提供するため、南区ガイドを10,000部作成し、区内各所で配布します。 まちづくり活動スタートアップ支援事業 地域住民の自主的なまちづくり活動として、地域課題の解決に向けて活動している団体の新規事業に対するスタートアップ支援を行います。 まちづくりセンター協働事業 各まちづくりセンターを拠点として、地域住民自らが主体となって進めるまちづくり活動を支援します。 子育て支援推進ネットワーク事業 地域の豊かな子育て環境の充実に向け、子育て支援に関する外部講師による講演会及び地区ごとのグループ討議などを実施します。 みなみ・こそだてフェスタ! 様々な遊びを通して交流し楽しむことで、子育てに伴う孤立感や負担感の軽減につなげ、地域で子育てをサポートしていく環境づくりを促進します。 目標3:区民との協働による地域資源を活用したまちづくり  南区の豊かな地域資源を積極的にまちづくり活動に活用します。 若者の芸術・文化活動を通じた南区まちづくり事業 区内にキャンパスを有する大学等と連携し、観光施設等をアートで彩る取組や南区の魅力PR事業を行うほか、区民との芸術作品共同制作や「(仮称)南区学生アートフェスティバル」を開催します。 シーニックバイウェイとの連携事業 区内の約40団体で構成された当該団体が取り組むまちづくり活動への支援及び関係団体間の連絡調整や連携事業を実施します。 落ち葉やせん定枝等を活用した環境保全事業 みどり資源の活用とリサイクルの促進を目的に、公園の落ち葉やそれを利用した腐葉土、道路・公園・河川の維持管理により生じたせん定枝などを市民に配布します。 真駒内駅花いっぱい事業 地域住民や南区を訪れる方々が安らげるよう、南区の玄関口である真駒内駅前のモニュメント花壇に地域住民と花を植栽します。 冬も楽しむウォーキング推進事業 冬もウォーキングを楽しむ人を増やすため、冬道の安全なウォーキング方法の周知やウォーキングを実践している団体に対し冬期の参加者拡大に向けた支援を行います。 4 各区の取組 (9) 西区 概況 西区は、市の西部に位置し、東側は中央区に、南西側は山岳地帯に沿って南区に、西側は手稲区に、そして北東側は新川と琴似川をはさんで北区に接しています。10区の中で南区に次いで2番目の広さがあり、区の中央部を流れる琴似発寒川の扇状地として発展しました。 区の北側、発寒地区には鉄工団地などを有し、札幌市産業の重要拠点の一つとして地場産業が根付いています。区の中央、琴似地区は古くから札幌の西の拠点として、区役所などの公共施設や様々な商業施設が集まり、発展を遂げています。また、宮の沢地区に生涯学習総合センター(ちえりあ)が、八軒地区に西健康づくりセンターが整備され、多くの市民の活動の場として利用されています。 歴史 西区は、左股川と琴似発寒川を境に、東側一帯と西側の発寒地区は旧琴似町地域、西側の残りの一帯は旧手稲町地域です。旧琴似町地域の開拓は、屯田兵の手によって行われました。明治8年、北海道で最初の屯田兵198戸が琴似地区に入植。翌9年には発寒へも入植して、開拓と北方警備の任に当たりました。一方、旧手稲町地域の開拓は、民間人の手により行われました。明治5年、旧仙台藩片倉家臣47戸が宮の沢地区(現在の西町)へ入植してから、開拓も本格化。その後、西野、平和、福井地区などに広島県人や福井県人が入植し、現在一部の地名にその名残があります。 琴似町は昭和30年に、手稲町は42年にそれぞれ札幌市と合併。人口の急増に伴い、平成元年11月6日に、それまでの西区を分区して手稲区と現在の西区が誕生しました。 アクションプラン2015におけるまちづくりの取組 西区では「西区実施プラン」を策定し、「誰もが安全・安心に暮らせるまちづくり」「地域の豊かな自然環境や文化芸術を生かしたまちづくり」「市民感覚を大切にした地域とともに進めるまちづくり」を区政運営の方針として、区民の皆様とともに西区のまちづくりを進めています。 具体的には、「西区防災訓練」や「西区災害防止安全対策連絡会議」を通じた地域の防災力強化、認知症の方や家族への支援、介護予防体操「エコロコ!やまベェ誰でも体操」の普及のほか、こそだてインフォメーション「さんかくやまベェのへや」などにおいて子育てに関する情報提供や相談を行うなど、安心して子育てできる地域の環境づくりを行っています。 また、「西区環境まちづくり協議会」を中心とした環境活動の支援、琴似発寒川の一斉清掃、やまめの稚魚放流など、地域の自然環境を生かしたまちづくりのほか、「コトニジャズ・クラシック」などの文化芸術を生かしたまちづくりも展開しています。 さらに、二十四軒手稲通(愛称:ラベンダー通り)では、地域と協力してシンボルロードづくりを行っているほか、宮の沢まちづくり協議会の支援を通して、地域のさらなる活性化を図るなどの取り組みも行っています。 なお、区の環境キャラクター「さんかくやまベェ」は、環境に限らず、区のPRに広く活躍しています。 取組目標・主な取組 目標1 誰もが安全・安心に暮らせるまちづくり 誰もが安全・安心に暮らせるよう、地域の防災力向上、健康づくりの支援等を進めます。 発災初期における地域の防災力向上事業 発災直後の地域における初動対応をまとめたアクションカード(簡易マニュアル)の作成を支援するほか、基幹避難所となる小中学校等において避難所開設実技研修を実施します。 「エコロコ!やまベェ誰でも体操」普及事業 介護予防体操「エコロコ!やまべェ誰でも体操」を地域住民が広く普及できるよう支援することで、高齢者が健康でいきいきと活躍できるまちづくりを目指します。 だれでも・いつでも・なんどでもノルディックウォーキング事業 幅広い世代の区民が多様なライフスタイルに合わせ、年間を通してノルディックウォーキングを活用した健康づくりに取り組むことができるよう、拠点づくり、講習、イベントなどを行います。 認知症の方や家族への支援 「認知症にやさしいまちづくり」に向けて、認知症の理解のための周知や講座を関係機関とともに行うほか、認知症の方や介護者の孤立を防ぐため、介護者同士の交流会等を開催します。 安心して子育てできる地域の環境づくり 子育てに関する情報提供・相談を行うほか、子育てボランティアの活動支援や「転入者子育て交流会」の実施等を通じ、安心して子育てできる環境づくりを進めます。 誰もが楽しめる公園づくり 地域の方々の声を取り入れながら、公園の全面改修を順次進めるほか、ユニバーサルデザイン導入や老朽化した遊具等の部分改修を行います。 目標2:地域の豊かな自然環境や文化芸術を生かしたまちづくり 地域の環境活動や文化芸術活動の支援を通じて地域のにぎわいづくり等を進めます。 西区環境まちづくり協議会を中心とした環境活動を支援 西区環境まちづくり協議会が実施する環境活動を支援するとともに、西区の環境活動を担う人材を養成するための講習会を実施します。 琴似発寒川の環境保全推進事業 地域住民が主体となって実施する琴似発寒川一斉清掃や、やまめの稚魚放流などの環境保全活動を支援します。 地域の文化芸術活動の推進 「コトニジャズ」等を通じて、区民が上質な文化芸術に触れる機会を創出し、地域のにぎわいづくりや住民間の交流を促進します。 目標3 市民感覚を大切にした地域とともに進めるまちづくり 西区の魅力を高めるため、町内会や企業とともにさまざまな事業を進めます。 企業連携による西区魅力創出プロジェクト事業 区内にある各業種の魅力を多くの方が知り、集客交流が促進されるよう、企業と連携して魅力を体験してもらう機会を創出し、地域周遊及び地域内消費の促進を図ります。 地域の課題解決をまちセンがサポート 区内に8か所あるまちづくりセンターが、地域の魅力や課題を踏まえた、さまざまな事業を行います。 緑あふれるまちづくり 花苗や種を町内会などに配布し、歩道空間の美化事業を地域住民と協力して実施するほか、二十四軒手稲通において、地域と協力し、シンボルロードづくりを行います。 10 手稲区 概況 手稲区は、市の北西部に位置し、小樽市、石狩市に接しています。区の南西部に連なる手稲山系の山々の中でも、特に手稲山は手稲区のシンボルであり、スキー・スノーボード・ハイキングなど、絶好のスポーツ・レクリエーションの場として、市民から四季を通じて親しまれています。一方、北部から東部にかけては、かぼちゃ(大浜みやこ)やスイカ(サッポロスイカ)などを栽培している手稲山口地区や手稲町時代からの市街地および星置地区、前田地区などの新興住宅街が広がっています。 歴史 手稲は、明治の初期に北海道開拓の交通の要衝として開けました。開拓当時、小樽港から開拓使本府が置かれた札幌への中継地点で物資の集散地となった軽川(現在の手稲本町)やサンタロペツ(現在の富丘)に集落が形成されるようになりました。明治の中ごろになると手稲山口地区や星置地区への入植者が農耕地としての開墾を始めた一方、低湿地だった前田地区、新発寒地区は酪農地へとその姿を変えていきました。 手稲山の金鉱山は、昭和10年代に最盛期を迎え国内第2位の産金量を誇ったものの、戦後次第に衰退していき昭和46年に閉山しました。 昭和42年に手稲町は札幌市と合併、以後、新興住宅地が次々とでき、発展のスピードは加速していきました。昭和47年に開催された札幌冬季オリンピック大会では、手稲山はアルペンスキーやボブスレー、リュージュ競技の会場となり、その名が世界に知られるようになりました。 平成元年に西区から分区し、現在の手稲区が誕生しました。 アクションプラン2015におけるまちづくりの取組 手稲区では、誰もが安全に安心して暮らせる「人に優しいまちづくり」を推進し、魅力ある区の地域資源を活用しながら、区民が“住んでいて良かった”と実感できるような「ふるさと手稲づくり」を目指して取組を進めています。 夏の風物詩「ていね夏あかり」、生涯スポーツ社会の実現を目指した「スポーツ・レクリエーション祭」など、区民との協働により開催しているイベントは、手稲区を代表する行事として多くの区民に親しまれています。 また、JR手稲駅橋上化と併せて整備された「あいくる」は、文化・芸術活動の発表の場としてたくさんの区民に活用されており、手稲のシンボル的なスペースとなっています。 マスコットキャラクターの「ていぬ」は、区主催の行事をはじめ、地域や商店街等のイベントにも登場するなど幅広い方々から愛されており、区のイメージアップと地域の活性化に向けて活躍しています。 令和元年には区制30周年を迎えたことから、区の親善大使である三浦雄一郎氏を招いた講演会や区民参加型ワークショップを開催し、手稲の魅力を改めて認識する契機としました。 取組目標・主な取組 手稲区 まちづくりの2つの目標 「人にやさしいまちづくり」「ふるさと手稲づくり」 取組1: 安心して暮らせるまちへ 防災・防犯の取組において区民や関係団体との連携を深め、安心して暮らせるまちを目指します。 安全・安心なまちづくり総合戦略事業(P.48) 地域の自主防災力の向上を目的として、避難所開設運営実地研修などを実施するとともに、避難所物資の拡充などに取り組みます。 また、地域・事業者・行政などの関係機関が合同して訓練や会議を開催し、連携を深めることで、地域全体の防災力向上を目指します。 取組2: 魅力の再発見と発信 手稲区の魅力を積極的に発信し、住んでいてよかったと実感できるまちづくりに取り組みます。 手稲ふるさと創生事業(P.67) 手稲山の自然に触れて親しんでもらえるよう、手稲山ウオーキングや親子スキー教室などのイベントを開催し、魅力再発見につなげます。 また、親善大使の三浦雄一郎氏、ふるさと大使の伊藤多喜雄氏やマスコットキャラクター「ていぬ」の活用を通して、手稲の魅力を発信します。 取組3: 大学や近隣市と連携したまちづくり 北海道科学大学や近隣自治体と連携し、地域の魅力向上を目指したまちづくりに取り組みます。 大学と連携したまちづくり 地域包括連携協定を結ぶ北海道科学大学と連携してまちづくりを推進します。 近隣市との連携によるまちづくり 行政・住民間の交流を深めるため、小樽市・石狩市と連携してJR手稲駅「あいくる」での観光PRイベントなどを行い、協力してまちづくりに取り組みます。 住んでてますます「ていねっていいね」健康長寿事業 地域主体の健康づくりの環境を整え、健康長寿のまちづくりを推進するため、北海道科学大学とウオーキングアプリを構築し、活用術を発信するとともに、企業等と連携してウオーキング大会を開催します。 取組4: 人と人が支え合うまちへ “人に優しいまち”を目指し、災害時の支え合いや地域で子育てを支える環境づくりを推進します。 安全・安心なまちづくり総合戦略事業 災害時の避難に援助が必要な高齢者などに配慮した、地域での自主的な避難体制づくりを推進するため、災害時要配慮者地域支え合い活動に関する研修を実施します。 地域で子育てを支える環境づくり 手稲ぱわふる☆きっずらんど等の乳幼児と中高生・大学生が楽しく交流するイベントの開催などを通して、地域一体で子育てを支える環境づくりを目指します。